PVモジュールの出力低下を起こすPID現象
高温高湿環境下でPID現象によるリーク電流を自動計測
太陽光発電システムに起きるPID(Potential Induced Degradation)現象とは、PVモジュールのフレームとモジュール回路に生じた大きな電位差によるリーク電流が引き起こす劣化現象です。PID現象は、太陽光発電システムの出力を低下させる要因の一つと考えられ、湿度によりその現象は促進すると言われています。
エスペックのPID評価システムは、このPID現象の評価を正確に実施するために、高精度・再現性に優れた高温高湿環境下で高圧電流を印加し、リーク電流を測定します。PVモジュールの劣化評価に欠かせないシステムです。
- 特長
-
- 恒温恒湿槽と電圧印加絶縁抵抗計測システム
試験時の安全性やPVモジュールのセッティングを容易にした恒温恒湿槽と、フレーム・セル間のリーク電流測定やシステム全体を制御する高電圧印加絶縁抵抗計測システム部から構成されています。
恒温恒湿槽はモジュールサイズに合わせてお選びいただけます。 - 10枚のPVモジュールを同時に測定
PVモジュール(最大:1,800×1,500×50mm)10枚それぞれに±1.5kVまでの高電圧を印加して、リーク電流を測定・記録します。恒温恒湿槽(内槽部)と電気的に絶縁した状態で設置できる樹脂製絶縁材を用いたラックを付属しています。 - 高電圧帯電を防止する、独立アース処理
恒温恒湿槽の扉内側板・内装・トランス二次側の電機部品を、個々のアースターミナルへ配線し、感電事故を防ぎます。 - 高電圧試験に対応した様々な安全仕様
高電圧試験中に誤って扉を開けないように扉は施錠扉とし、さらにインターロックにより扉開時に電圧印加強制停止します。
- 恒温恒湿槽と電圧印加絶縁抵抗計測システム
- 機能
-
- 故障判定機能
故障判定するリーク電流値を予め設定しておき、その値を超えたPVモジュールへの高電圧印加を停止します。 - 高速リーク検出機能
20msecの測定スピードでリーク電流を検出します。
リーク電流の急激な変動も検知します。 - スロー電圧印可制御機能
高電圧上昇時にPVモジュールの負荷を抑えるため、段階的に電圧を上げることにより負荷を低減させています。
- 故障判定機能
- 仕様(例)
-
恒温恒湿槽
FMS-4050 温湿度制御範 ±1.5℃/±5%rh 温湿度分布 -40℃ ~ +100℃/40% ~ 95%rh 内法 W1200 × H1650 × D2000mm 外法 W1720 × H2370 × D3300mm ※モジュールサイズやモジュール枚数により、ご要望に合わせた恒温恒湿槽をご用意いたします。
-
計測システム部
AMIK-2000 印加電圧範囲 ±10V ~ ±1500V
(極性は中継ボックス部にて差替変更)リーク電流測定範囲 ±0.1pA ~ ±1mA
(表示は正極性の絶対値表示)高速リーク検出機能 範囲 ±4μA ~ 100μA
検出速度 約20msecチャンネル数 20ch 外法 W530 × H1750 × D1040mm
(中継ボックス部除く)
- 受託試験
-
PID現象評価試験
エスペックの試験所で「PID現象評価試験」を受託いたします。
詳しくはお問い合わせください。
この製品をご覧になっているお客さまへのおすすめ製品はこちら