HOME > 製品・サービスTOP > 製品 > 環境試験器 > 特殊品 > スポット冷却加熱装置

文字サイズ
SML

印刷

  • 機器概要
  • 特長
  • 試験事例

機器概要

試料を直接冷却・加熱し材料試験を効率化
様々な材料試験で恒温環境を再現でき
先端材料の評価に最適です

近年、自動車の燃費規制による車体軽量化(樹脂化、マルチマテリアル化)などを背景とし、炭素繊維複合材料(CFRP)や異種材料接合の用途拡大と技術開発が加速しています。またエレクトロニクス製品の小型化、高機能化にともない、フレキシブルプリント基板(FPC)や有機ELディスプレイの採用が増え、それを支える機能性フィルムのニーズが拡大しています。これらは温度の影響により機械的性質が変化するため、常温条件だけでなく実環境に近い条件(低温、高温)など様々な環境を模擬した温度環境下での評価が必要です。

スポット冷却加熱装置は、-40~+180℃に温度調節した空気を噴射し、試料を冷却、加熱するチャンバーレスシステムです。専用アタッチメントを交換することで、さまざまな材料試験や評価にご活用いただけます。

  • ホースを通じて恒温空気を噴射。恒温空気を供給したいエリアに合わせたアタッチメントをご提案。
    様々な試験機に組み合わせることが可能。
  • ドアレス、チャンバーレスの試験の実現が可能。センサーやカメラの評価に最適。
    3D変位ひずみ測定システムや赤外線サーモグラフィーカメラとの組み合わせも可能。
  • ワンウェイで恒温空気を供給するため、10℃/分と素早い温度変化を実現。温度移行時間短縮で温度特性評価に最適。
  • 省スペース化を実現。万能試験機用恒温槽と比較し、奥行方向約3分の1(D:652㎜)までコンパクト化。
型式 MTA-170
吹出温度制御範囲(吹出温度設定範囲) ‐40℃~+180℃(‐60℃~+200℃)
安定時温度変動 ±0.5℃
温度変化速度
(上昇:‐29℃⇒+169℃)
(下降:+169℃⇒-29℃)
10℃/分
電源 200V20A 3Φ3W 50/60Hz
圧縮空気源 (0.55~1.0MPa)
※露点温度‐60℃以下、空気温度30℃以下
140~200NL/min
外寸法 W502×H1263×D652(㎜)
重量 200kg

※性能は当社指定のスポット吹出治具・ホース2m、かつ外囲温度23℃にて測定したデータです。

ページトップ

特長

フレキシブル

アタッチメントの交換で、多様な材料試験機※と容易にセットアップできます。
卓上型の材料試験機など、これまで恒温環境の再現が難しかった材料試験も可能になります。

※万能(引張・圧縮・曲げ)、疲労、衝撃、摩擦摩耗・硬度などあらゆる材料試験機

(材料試験機とのセットアップ例)

摩擦摩耗試験機・硬度計との
セットアップ例

衝撃試験機とのセットアップ例

万能試験機とセットアップ例

(ドアレス・チャンバーレスでの評価例)

ドアレスで恒温空気の供給ができるため、車載センサーの評価や、3D変位ひずみ測定システム・赤外線サーモグラフィーカメラでの計測にも最適です。また、基板上の評価したい部品に恒温空気を噴射できます。チャンバーレスのため、計測機器とも容易にアクセスが可能です。

センサー・カメラ評価/カメラ計測例

電子モジュールのスポット評価例

試験効率の向上

従来型恒温槽は治具を含めた空間を温度調節するため、試験温度まで冷却・加熱するのに時間を要していました。本装置は、試料へ恒温空気を直接吹き付けられるほか、対象部分を小さく囲って恒温空気の供給ができるため、素早く試験温度に達することができます。(従来型恒温槽比で最大約70%の試験時間短縮)

素早い温度変化

ワンウェイで恒温空気を供給する方式を採用。温度変化速度が10℃/分と、素早い温度変化を実現しました。
温度の移行時間が短縮できるため、温度特性評価に最適です。
ステンレス製突合せ試験片の場合、突合せ部表面は-40℃吹き付け後、約20秒で目標温度に達します。

省スペース・移動容易性

万能試験機用恒温槽と比較し、奥行方向を約3分の1(D:652㎜)までコンパクト化。
事業所内で試験機が点在していても、キャスター付きで移動が容易なため、本装置一台で様々な試験機に併用が可能です。

アタッチメントは、試料の大きさや形状、温度調節したいエリアに合わせてご提案いたします。詳しくはお問い合わせください。

ページトップ

試験事例

試験概要

使用機器:島津製作所製オートグラフ AGS-5KNX・エスペック製MTCH-350
適用規格:JIS K6850 接着剤-剛性被着剤の引張せん断接着強さ試験方法
(ISO 4587 Adhesives – Determination of tensile lap-shear strength of rigid bonded assemblies)

評価方法

試験片の作製および評価方法は、JIS K6850「接着剤-剛性被着剤の引張せん断接着強さ試験方法」に準じて行った。

試験片の被着材は、ステンレス板(SUS304)とし、接着剤は、用途の異なる市販の両面接着テープ3種類およびエポキシ系接着剤を用いた。試験片の表面は、油脂や汚れをイソプロピルアルコール(IPA)で洗浄し、その端面に両面テープを貼付またはエポキシ系接着剤を塗布し、もう一方のステンレス板を重ね合わせ、接着面を常温常湿で1時間以上市販のクリップを用いて固定した。

試験装置は、万能試験機(島津製作所製、オートグラフ AGS-5KNX)、および新たに開発した万能試験機用恒温恒湿槽(エスペック製、MTCH-350)用いた。

試験方法は、引張せん断試験速度は予備試験結果から両面テープは10mm/min、エポキシ系接着剤は5mm/minとした。試験回数は、 1条件に付き5回(5試験片)行い、最大荷重(引張せん断強度)と伸びを記録した。

試験片の前処理として吸湿処理無し(常温放置)と、吸湿処理有り(55℃90%rh、24時間以上放置)の2条件、試験環境は、吸湿処理無の+25℃、+55℃、吸湿処理有の+55℃、計3条件の試験を行った。

表1 試験片と試験条件

試験片 被着材 ステンレス板(SUS304)
25mm×100mm×1.6mm
接着剤

①アクリル系両面テープ10mm幅、3種(車両用、工業用、一般用)

②エポキシ系接着剤 1種

重ね長さ 10mm×25mm
試験条件 試験速度

①アクリル系両面テープ、10mm/min

②エポキシ系接着剤、5mm/min

試験回数 1条件、5回(5試験片)
前処理
(吸湿)

2条件

  • 吸湿処理無し(常温放置)
  • 吸湿処理有り(55℃90%rh環境で24時間以上放置)
試験
環境

3条件

  • 吸湿処理無し:+25℃、+55℃
  • 吸湿処理有り:+55℃

評価事例

  • 両面テープの引張せん断強度評価事例

    図aに、両面テープの各種試験温湿度における最大荷重(引張せん断強度)の比較を示す。

    吸湿処理無しの比較では、+25℃環境に比較し、試験温度が高くなるほど、せん断強度が低下する傾向を示した。これらは、両面テープの粘着剤(アクリル系)の凝集力が低下した結果と考えられる。

    さらに、吸湿処理有の場合は、吸湿処理無しに比較しせん断強度が低下する傾向があった。

  • エポキシ系接着剤の引張せん断強度評価事例

    図bに、エポキシ系接着剤の各種試験温湿度における最大荷重(引張せん断強度)の比較を示す。

    両面テープの接着強度変化と同様、吸湿処理無しの比較では、試験温度が高くなるほど、せん断強度が低下する傾向を示し、吸湿処理有の場合は、吸湿処理無しに比較しせん断強度が低下する傾向があった。

図a:両面テープ

図a 両面テープ(n=5)

図b:エポキシ系接着剤

図b エポキシ系接着剤(n=5)

まとめ

各種接着剤に対して各種環境下で引張せん断試験時の強度比較を行った結果、温度条件および事前吸湿の有無によって接着強度に影響を与えることがわかった。

お問い合わせはこちら