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過去の助成対象者テーマ一覧表

2022年度(令和4年度 第25回)

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氏名・所属[採点時点] 採択された
研究テーマ
研究内容の報告概要 研究報告書
赤石 旺之 氏

東京都立大学大学院
都市環境科学研究科 
観光科学域 博士前期課程
アライグマ餌トラップ調査の有効性評価 掲載準備中
岩谷 伸太郎 氏

東邦大学大学院
理学研究科
環境科学専攻
博士前期課程
PETボトル由来多孔性錯体結晶の創製と水質浄化剤としての展開 PET由来UiO-66のワンステップ合成手法開発のため、反応溶媒に着目し検討を行った。従来用いられるDMFやイオン交換水では、PETの解重合とUiO-66の結晶生成が同時進行しないが、酸触媒として塩酸を添加したアセトンを溶媒とすることでPET由来UiO-66のワンステップ合成が可能であった。この反応溶媒により得られたPET由来UiO-66は試薬由来UiO-66と同等の特性を示し、結晶性の高いUiO-66が得られたことを確認できた。さらにオキシベンゾン-4を対象にした吸着実験では試薬由来UiO-66を上回る吸着特性を発揮し、PET由来UiO-66が吸着材として機能することが確認された。 (2.8MB)
氏家 由利香 氏

高知大学
海洋コア総合研究センター
教授
海洋環境浄化を目指した微生物の殻による人工微粒子の固定システムの開発 新規の海洋汚染物質・酸化チタンナノ粒子(TiO2 NPs)がもたらす細胞毒性の検証と、回収方法の模索に挑戦した。TiO2 NPsについて解毒作用を持つ海洋性微生物・有孔虫を用い、異なるTiO2 NPs濃度の培地で暴露実験を行った。有孔虫細胞のTEM観察から、小胞内にTiO2 NPsを濃集させていること、また、解毒に伴う同微粒子の排出が認められた。しかし、5ppmを超えると有孔虫の成長率が著しく低下し、解毒作用が効果的でないことが示唆された。一方、有孔虫の石灰質の殻には、TiO2 NPsの付着が認められ、殻内部に取り込まれているか検証するため、殻内部の観察に関する極微小分析方法を構築した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
内田 紀之 氏

東京農工大学 工学部
有機材料化学科
村岡研究室 特任助教
植物の高効率育種の実現に向けた植物根圏の光トモグラフィー解析 先行研究において申請者が発見した、酸化チタンナノシートが埋め込まれた光ファイバーヒドロゲルをリード材料として、その機能の向上を試みた。地中に光ファイバーを光トモグラフィーへの応用を実現するため、光ファイバーヒドロゲルの構成要素である、酸化チタンナノシートの表面修飾による機能調整を行った。修飾剤としてタンパク質を酸化チタンナノシートを利用して表面修飾を行ったところ、光ファイバーとして利用する上で必要となる屈折率が向上した。また、塩耐性や生体分子の表面吸着が抑制され、生体親和性が向上することが確認された。 (1.0MB)
大枝 亮 氏

筑波大学
理工情報生命学術院
生命地球科学研究群
生物学学位プログラム
博士前期課程
漂着鯨類消化器内の海洋プラスチックのトレーサビリティ解析 本テーマでは、鯨類の消化管内から見つかったプラスチック類を用いて肉眼観察と材質分析を行い、その由来について解析した。肉眼による由来分類の結果、生活ごみ由来のプラスチックが確認された個体数(49個体)が、漁具等で用いられる網・ロープが確認された個体数(42個体)を上回り、環境省の漂着ごみ品目調査との共通性が見られた。アカボウクジラ科鯨類におけるプラスチック材質内訳(重量比)は、ポリエチレン58.0%、ポリプロピレン27.5%、その他プラスチック14.5%となり、海水中などで発見が報告されているポリスチレンは検出されなかった。鯨類の生態的特徴がプラスチック摂食の傾向に影響していると考えられる。 (702KB)
小川 萌日香 氏

北海道大学
環境科学院 博士課程
海棲哺乳類を頂点捕食者とした食物網における汚染物質のひろがりに関する研究 2022年7月から2023年9月にかけてワモンアザラシ32個体、アゴヒゲアザラシ23個体、タテゴトアザラシ10個体、イッカク16個体からPOPs測定に必要な脂肪サンプルを採取した。胃内容物分析の結果、ワモンアザラシ、タテゴトアザラシ、イッカクの主な餌生物はホッキョクダラ(Boreogadus saida)でありPOPsの主な暴露源が特定された。またアゴヒゲアザラシの主な餌生物はカジカ科(Cottidae SP)であった。年齢査定分析の結果、アザラシは0歳から43歳個体まで採取され、年齢が高い個体の方がPOPs濃度が高い傾向が確認されたため、今後も分析を進める。POPs濃度と、年齢、性別、種差との関係について、引き続き解析を行う。 (1.5MB)
小畑 千晴 氏

岡山県立大学
保健福祉学部 准教授
雑草型幼児教育人材育成~キャンパスをフィールドにした自然資本の活用~ 掲載準備中
小宅 由似 氏

香川大学
創造工学部 助教
自然公園特別地域「宮島」における豪雨災害復旧緑化後の成立植生 全島が文化財指定ならびに自然公園区域内である宮島内に位置する法面3地点において、地域性種苗による緑化後の成立植生の解明と評価を目的とした。1)自然環境下で推定される植生遷移よりも早い遷移の進行、2)草本群落段階ではシカ防除後1ヶ月で他の法面緑化事例と同等の植被率・群落高まで回復、3)ヨモギ、ススキ等の大型草本による木本植物の被圧、4)大型草本の成長抑制による木本群落への遷移促進が示唆、以上4点についての考察が得られた。本研究の成果は、宮島と同様に特に生物多様性保全に配慮する必要のある緑化地における、種苗収集を含めた緑化工法、成立植生とその管理の方針決定に対し知見を提供するものである。 研究者のご都合により掲載しておりません。
小出 輝明 氏

東京都立産業技術
高等専門学校
ものづくり工学科
荒川キャンパス
航空宇宙工学コース
准教授
ブレードピッチ制御機構を持つ高効率の直線翼垂直軸風車の開発 垂直軸風車は小中規模の風力発電に向いているが、ブレードに当たる風の相対速度ベクトルが大きく変動するため、流れのはく離失速が起きやすい。そのためブレードピッチを風車回転に合わせて変化させるのが、本研究の取り組みであり、その独自のピッチ制御機構は簡易かつ機能的である。これをブレードの振動解析を行うことで、2自由度からくる有害な連成振動を回避し、風車性能のトップレベルの達成に貢献し、制御機構がよく機能していることを示した。また、流れの可視化が困難な風速5m/s~6m/sで実施し、過去に例を見ない風速下での、風車まわりの流れを実現した。さらにこの流れの数値計算も、実現可能な見通しも得ている。 (1.5MB)
小松﨑 将一 氏

茨城大学
農学部 教授
アジアにおける保全農業が土壌炭素貯留に及ぼす影響のメタ解析とそのモデル化 不耕起栽培(NT)は環境負荷を軽減する手法として注目されている。しかし、アジアにおいても、異なる気象変動や土壌条件下でのNTの影響は十分に評価されていない。このメタ分析では64の専門論文を基に、NTが土壌有機炭素(SOC)、土壌炭素貯留、平均土壌団粒径(MWD)、容積密度、耐水性団粒、含水量、その他の土壌化学特性、収量に与える影響を評価した。その結果、NTはSOC含有量を従来の耕耘(CT)に比べて有意に増加させ、土壌炭素の蓄積も促進した。また、MWD、可給態リン(P)、2㎜以上の団粒も増加させた。これらの結果から、NTはアジアにおいて土壌品質を向上させ、収量を増加させる有望な農法となる。 (8.4MB)
佐川 正人 氏

釧路工業高等専門学校
電気工学分野 教授
道東の樹木衰退とその要因としての酸性霧の現況調査 NaやClの濃度は摩周湖よりも釧路高専のほうが高く、NaとClを合計すると60%以上になった。これは釧路高専が海に近いためと考えられる。一方摩周湖のそれらの合計は30%程度であった。摩周湖は釧路高専と比較して海から遠く、かつ標高が高いため、海面からの塩粒が小さいためと思われる。Nss-SO4とNH4に着目すると釧路高専よりも摩周湖の方が割合が多くなった。これは周辺の農地から発生するNH4の影響が大きいと推測できる。この2つの成分は酸性霧の原因となる成分であり、山間部ではこれが原因として樹木衰退が発生していることを示唆している。 (406KB)
高橋 輝昌 氏

千葉大学大学院
園芸学研究院
園芸環境科学講座 准教授
荒廃農地削減に資するクロモジの粗放栽培ソーラーシェアリング技術の開発 クロモジ苗木はソーラーパネル下の環境下で生育可能であり、ソーラーパネルで日射を遮られることで生育を促進させた。クロモジの生育特性はソーラーパネルだけでなく、周辺の植生による被圧(受光量の減少)の影響も受けた。被圧は受光量が多すぎる場合にはクロモジを保護する役目を果たした。受光量が少ない場合には、幹の肥大成長よりも上長成長が優先される可能性が示された。クロモジの接ぎ木方法について検討し、新芽が成長を始める直前期に腹接ぎで接ぎ木を行い、接ぎ穂と接ぎ木した台部分の先端を野菜の鮮度保持用の穴あきポリ袋で密閉し、50%の遮光ネット袋で覆い、約1ヶ月後に順化させながら袋を取り除く方法で増殖可能であった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
田中 勝也 氏

滋賀大学 経済学部
環境総合研究センター
教授
事業用地を活用した民間グリーンインフラの普及に向けた経済的評価 本研究は滋賀県内の製造業企業の事業用地におけるグリーンインフラ(GI)導入の経済的価値について分析したものである。県内の中・大規模事業所全てを対象とし、全体の約3割に当たる285社より回答を得た。選択型実験を用いた調査票により異なるGI導入シナリオの下での企業の回答行動をデータ化し、GIの経済的価値を推定した。混合ロジットモデルの結果、多数の企業はGI導入に消極的であるが、高い浸水リスクの地域に立地する企業は、導入に前向きであることが示された。GIの機能として、洪水防止よりも温室効果の抑制に対する支持が多く、公的な支援の観点では、公的認証制度の導入が強く求められている。GIを導入した企業の社会的認知を促進する制度が、企業のCSR活動の一部としてのGI導入を促進する可能性が示唆された。 研究者のご都合により掲載しておりません。
長井 健容 氏

東京海洋大学
海洋資源環境学部 准教授
地球温暖化による海洋表層混合層浅化が海洋光合成に及ぼす影響 温暖化に伴う混合層の浅化は表層の成層を強化させ、渦に伴う湧昇やサブダクションを抑制するため、深層に多い栄養塩の表層への供給を妨げることが予測される。温暖化に伴う栄養塩供給変動を高解像度数値実験を用いて再現し、低次生態系応答を、現代と85年後の未来で比較したところ、未来の黒潮続流は現代と比べ北偏し、続流南側で混合層が10m程度浅化した。植物プランクトンや春季ブルームが10日程度早期化した。また、黒潮-親潮混合域では、混合層の浅化に伴い、渦活動や鉛直流、硝酸塩フラックスが冬季に黒潮の南側で特に減少し、植物プランクトン光合成と有機炭素沈降フラックスは共に2080年代で30%弱化していることが分かった。 (3.7MB)
中山 敬太 氏

早稲田大学
社会科学総合学術院 助手
マイクロプラスチックの科学的不確実性を伴うリスクに対する法的制御の可能性
ーナノ領域の廃棄物に関する法的予防措置を事例にー
本研究は、科学的不確実性の伴う身体的リスクとして懸念されているマイクロプラスチック汚染に対する予防的な法的制御の可能性について、ナノプラスチックにも焦点を当て、先行研究や現状及びその課題を整理した上で、EUの施策も踏まえ日本におけるプラスチック汚染の本質的な課題解決に向けた具体的な提案を行った。その結果、「製品ライフサイクル」、「発生プロセス」、「アクター」、「用途分野」、そして「生産量・使用量・利用頻度」の5つの観点で規制区分を設け、「Nudge」も適用していくことが、法的許容性及び法的妥当性を含む実行性を担保した予防的な法的制御を可能にする規制管理のあり方になりえる可能性があることを示した。 (919KB)
濱田 栄作 氏

琉球大学
教育学部 教授
小規模離島における持続可能な海浜ごみ対策に向けたごみの流入・流出実態調査 本研究では、宮古島と石垣島の中間に位置する多良間島おいて、海浜ごみの流入・流出調査を実施した。対象とした海岸では、平常時の流入・流出の変動は小さかったが、台風の接近により大きく変動することが明らかになった。また、南西諸島特有の琉球石灰岩が存在する海岸では、侵食に形成された隙間に海洋ごみが滞留している地点が52ケ所確認できた。これらの地点は偏在しており、風向きが影響していると考えられた。過疎化が進む小規模離島の海洋ごみ問題は状況が日々悪化している。海浜ごみの流入・流出や、滞留状況について継続的に調査することで、効率的な海浜ごみ対策が可能になると考えられる。 (3.8MB)
堀口 至 氏

呉工業高等専門学校
環境都市工学分野 教授
地球温暖化対策のための牡蠣殻ポーラスコンクリートの緑化性能向上に関する研究 地球温暖化対策の1つとして、都市構造物の屋上や壁面緑化の推進といった二酸化炭素の吸収源対策も重要である。本研究は、広島県で年間約10万トン発生する廃棄物の牡蠣殻を用いた、牡蠣殻ポーラスコンクリートの植生基板材料への適用性を検討するものである。牡蠣殻ポーラスコンクリートの緑化性能を明らかにするために、骨材粒径の異なる牡蠣殻ポーラスコンクリートを作製して、5カ月間の植栽試験を実施した。植栽試験の結果より、水やりの有無に関わらず、単粒度で骨材粒径の大きい2.5~5㎜、1.2~2.5㎜の牡蠣殻骨材を用いたポーラスコンクリートにおいて、供試体内の空隙に根が深く伸長され、高い緑化性能を示した。 (4.9MB)
横川 慎二 氏

電気通信大学
i-パワードエネルギー・
システム研究センター
教授
保育施設における感染症予防ための空気質管理方法と換気ガイドライン策定に関する研究 COVID-19をはじめとする感染症の拡大を抑制することは、事業者にとって重要かつ緊急の責務である。COVID-19 の拡大抑制の方策として、リモートワークが様々な事業分野で導入された。しかし、それらの方策は全ての業務に適しておらず、製造業や建設業の現場、高齢者介護施設、医療施設、運輸業、一部サービス業などにおいては採用が難しい。これらの職業におけるリスクを適切に評価し、安全・安心を確保することが事業継続の要素として重要である。本研究では、集団感染(クラスター)の発生した保育園・幼稚園への立ち入り調査を行い、施設管理または安全組織運営に関する問題を抽出し、有効な対処について検討した。 (2.4MB)

2021年度(令和3年度 第24回)

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氏名・所属[採点時点] 採択された
研究テーマ
研究内容の報告概要 研究報告書
藍場 将司 氏

名古屋大学大学院
生命農学研究科
森林社会共生学研究室
博士後期課程
「協働」の観点からとらえたウィズコロナ・アフターコロナ時代の国立公園管理
―奄美群島国立公園と中部山岳国立公園を事例として―
日本の国立公園における協働活動に新型コロナが及ぼす影響について、奄美群島国立公園と中部山岳国立公園を事例に検証を行った。新聞記事の傾向から、生態系の保護に注目される奄美と、環境の利用と規制に注目される中部山岳という傾向が示された。奄美ではエコツーリズム推進事業において、中部山岳では登山道整備において協働活動が確認できた。中部山岳の事例では、新型コロナの影響から登山道整備に支障が出ていることが遠因となり、登山道の整備を民間企業と山小屋が呼びかけて活動が開始した。反面事業参加者は事業が継続的に行えるか懸念を示していた。事業の継続性を考えるうえで、多様なアクターが活動を支援する取り組みが必要であろう。 (2.4MB)
荒木 光典 氏

東京理科大学
研究推進機構
総合研究院
研究員(PI)
大気汚染源となるアルコール類有機化合物に対するコンパクトな定常監視デバイスの研究開発 大気汚染源となるアルコール系揮発性有機化合物の定常監視ができるコンパクトなデバイスの実現を目的として研究を行った。手法としては、キャビティ―増幅吸収分光法を活用し、幅150㎝の実験台に収まるテーブルトップの技術実証モデルの開発に成功した。この装置を用い、OH基を持つ酢酸メチルと酢酸エチルのCH伸縮振動の第4~5倍音(v=5-0~6-0)の吸収スペクトルの検出に成功した。本研究での高感度化の結果、基音(v=1-0)吸収の約5000分の1の強度を持つv=6-0への吸収が400秒積算においてS/N~16で観測された。よって今後、これら分子の様々な波長帯でのモニタリングが可能になった。 (4.3MB)
稲垣 栄洋 氏

静岡大学
農学部 教授
在来植生を活用したリビングマルチ技術の開発 欧米ではナノプラスチック等の要因となるプラスチックマルチの代替資材としてカバープランツが注目されている。しかし日本では、カバープランツのほとんどが外来種であり、生態系の破壊への影響が懸念されている。本研究では、被覆性の高い在来雑草の評価を行った。冬作野菜栽培におけるハコベとホトケノザのリビングマルチとしての利用は、土着天敵や雑草種子の採食生物の個体数を増加させ、「機能的生物多様性」を高める効果が明らかとなった。しかしながら、カバークロップが繁茂した場合、作物と競合し、作物を減収させることも懸念された。今後は、カバークロップの機能を維持しながら、適切に管理する手法の開発が必要となる。 (251KB)
宇野 宏司 氏

神戸市立工業高等専門学校
都市工学科 教授
都市閉鎖性海域におけるマイクロプラスチックごみの実態把握 海洋プラスチックごみ問題は、SDGsの目標14【海の豊かさを守ろう】を実現する上で解決すべき具体的課題となっているが、これは廃棄物問題としてだけでなく、地球環境問題や生態系保全の面からも重要である。海洋プラスチックごみになりうる各種プラスチック素材は固有の比重を有しており、特にプラスチック生産量の過半を占めるPEやPPなどは比重1以下なので容易に分離できる。これに分離溶液として比重の異なるヨウ化ナトリウム水溶液を加えることで、さらに多くの種類のプラスチック素材を区分することが可能となる。本研究ではこうした簡易分離方法を用いて、都市閉鎖性水域における海洋プラスチックごみの汚染実態の把握を試みた。 (1.6MB)
大嶺 聖 氏

長崎大学大学院
工学研究科
システム科学部門 教授
炭素固定が可能な廃プラスチックの炭化技術と砂漠地の土地劣化対策技術への適用 本研究の目的は、炭素固定が可能な廃プラスチックの炭化技術と砂漠地の土地劣化対策技術への適用を図ることである。廃プラスチックと家畜糞の混合物を活用できる簡易炭化装置を作製した。炭化時に発生する可燃性の乾留ガスを燃料として活用することで、効率的に温度を上昇させることが可能となった。牛ふん堆肥に適切な量のプラスチックを混合すると安定的に燃焼し、燃焼温度が700℃以上となり、600℃前後の炭化物が得られた。さらに、この簡易炭化装置をモンゴルの乾燥地で現地で発生する廃プラスチックと家畜糞を用いて炭化物を作製し、甘草の苗を植えた試験区に保水性を有する土壌改良材として活用することができた。 (661KB)
奥田 昇 氏

神戸大学
内海域環境
教育研究センター 教授
冬季湛水田の生物多様性と生態系機能・サービスの多面的評価 琵琶湖流域の中山間地農村集落において冬季湛水田が生物多様性・生態系機能・生態系サービスに及ぼす影響を評価した。冬季湛水は、在来水生動物群集の多様性や個体数の増加に寄与したが、半水生動物群集に対して有意な効果を示さなかった。2017年の先行調査と比較すると、在来底生動物群集の多様性が有意に低下する一方、外来種のアメリカザリガニは増加した。半水生底動物群集に負の影響を及ぼす本種は、天水灌漑を通じてため池から侵入し、湛水環境が維持された水田内水路で増殖する可能性が示唆された。他方、冬季湛水田には、栄養取込・循環・運搬機能を促進する効果があり、農村集落や流域社会に質の高い生態系サービスを提供しうる。 (2.8MB)
崔 麗華

京都大学 農学研究科
森林科学専攻
環境デザイン学研究室
学生
都市公園のデザインが人の熱的快適性に与える影響分析、快適な都市公園づくりに向けて 京都市の年平均猛暑日数は約15日であり、日本で最も長い都市である。今後も猛暑日数は増加すると予測されている中で、都市の環境改善や熱中症防止のため、都市公園の環境緩和機能が期待されている。しかし、都市公園はどの程度に人の熱的ストレスを解消できるだろうか。本研究は、都市公園の温熱環境の現状を把握し、どのような公園の空間構造がより快適な温熱環境を創出できるかに関する知見を得ることを目的としている。都市住民に最も身近な街区公園を対象とし、公園の快適性を評価した上、公園の3次元点群データを収集することを通じて公園の空間構造を把握した。今後は引き続き公園の温熱環境と空間構造の関係を解析していく予定である。 (1.2MB)
笹浪 知宏 氏

静岡大学 農学部
応用生命科学科
ふじのくに海洋生物
化学研究所 教授
駿河湾に棲息する海洋生物の資源量モニタリング―サクラエビ不漁との関連を追う― サクラエビの記録的な不漁問題の解決策を探るために、環境DNAを用いた資源量調査、次世代シーケンサーを用いた食性調査およびサクラエビの養殖を目指した飼育方法の検討を行った。環境DNAを用いた資源量調査では、表層水中にはほとんどサクラエビのDNAは検出されず、環境DNAの使用は困難であると判断された。食性調査では、サクラエビの胃の内容物に含まれるDNAを解析し、珪藻類、カイアシ類およびオキアミ等のDNAを検出した。サクラエビはこのような生物を捕食していると考えられた。サクラエビ幼生の飼育では、プランクトン培養器を用いて、孵化後24日ほどの連続培養に成功し、ゾエア期まで成長させることに成功した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐藤 里佳子 氏

新潟薬科大学
応用生命科学研究科
博士後期課程
持続可能な油脂供給への貢献を目指した油脂高生産微生物の創製 産業的価値を有する油脂酵母を用いたクリーンで持続可能な油脂生産技術の確立のためには、油脂酵母の油脂生産メカニズムを解明し、上記知見を活用して油脂高生産株の創製が効率的であると考えた。そこで本研究では、油脂蓄積変異株のゲノム比較解析から油脂生産に寄与した原因遺伝子を同定し、油脂高生産株創製へ繋がる知見獲得を目的とした。野生株と油脂蓄積変異株のゲノム比較解析より、複数の変異遺伝子が抽出された。遺伝子同定に向けて野生型株の正常型遺伝子領域上に変異型遺伝子を置換したところ、油脂蓄積変異株と同様な油脂生産性を示したことから、油脂生産に寄与する原因遺伝子を同定した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
真田 純子 氏

東京工業大学
環境・社会理工学院
土木・環境工学系
准教授
生物多様性に寄与する空石積み護岸の内部構造の把握
―「経験知」の掘り起こしと活用に向けて―
ヒアリングからは、河川護岸の空石積みでは控え長を大きくすることが重要であることが分かった。実際の護岸の計測からは下記が明らかとなった。
・カーブの外側など流水の作用を大きく受ける積み石については控え長が比較的大きい。
・冠水頻度が高いと思われるところでより長い積み石が使用されている傾向がある。
・しかしヒアリングにより基準とされていた70㎝以上の控え長の積み石や、面の大きさの3倍の控え長を持つ積み石は少数である。
以上より、空石積み護岸では通常よりも控え長の大きな積み石を用いることが望ましいが、ヒアリングで得られた情報ほど控え長をとらなくても中小河川の護岸として経験的に十分機能すると言える。
研究者のご都合により掲載しておりません。
鈴木 研志 氏

東京大学大学院
農学生命科学研究科
応用生命工学専攻
特任助教
嫌気的ベンゼン分解菌の単離に向けた大規模スクリーニング技術の開発 ベンゼンは化石燃料や化学薬品などの製造過程において流出し深刻な環境汚染を引き起こす。そのため、その浄化が求められるが、主な汚染環境が地下圏であることから、嫌気性微生物による分解が注目されている。本研究では、メタン生成を伴うベンゼン分解菌の単離を最終目標とし、そのスクリーニングプラットフォームの構築を実施した。その結果、VOCガスセンサーを用いることで、経時的なベンゼン濃度の測定が可能であることが示された。既存の微生物集積培養や単離手法では目的微生物の単離が困難であるため、マイクロドロップレット技術を用いることで強制的にサブ群集を構築しメタン生成を伴うベンゼン分解機微生物群の集積方を確立した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
高垣 敦 氏

九州大学大学院
工学研究院
応用化学部門
准教授
多孔質固体酸塩基触媒の合成とバイオマス変換反応への応用 固体の酸塩基触媒は反応後の中和が不要であり、再利用できるため積極的な使用が望まれる。本研究ではバイオマス原料の変換反応に対して活性を示した窒化ホウ素固体塩基触媒のさらなる高活性化のために、その多孔質化を行った。熱分解法により合成することで高表面積の窒化ホウ素を得た。ホウ酸と尿素のみから熱分解法により合成した窒化ホウ素よりも、窒素源としてさらにヘキサメチレンテトラミンを混合して合成した窒化ホウ素の方が、表面積が1.8倍増加し、さらなる多孔質化に成功した。またこれに伴い、表面アミノ基の量も増加した。結果、クネーフェナーゲル縮合反応の活性が大幅に向上し、8倍の生成物収率を得た。 (735KB)
谷原 彩音 氏

東邦大学大学院
理学研究科
環境科学専攻
博士前期課程
MOFs結晶を用いた休廃止鉱山由来重金属汚染水に対する新規浄化技術の開発 室温水溶液中でZIF-8結晶を合成し、XRD,FE-SEM,FT-IR,比表面積測定装置などを用いた解析によって、高結晶性のZIF-8結晶が得られたことが判断できた。ゼオライトや活性炭、イオン交換樹脂では十分に除去できなかった各種重金属イオンについて、ZIF-8結晶は高い吸着効果を示した。さらに浄化メカニズム解明のため、除去後の材料評価を行ったところPb2+,Cd2+イオンでは主に吸着現象、Cu2+,Fe2+イオンでは主にイオン交換現象の進行が示唆されたことから、重金属イオンの種類によって浄化メカニズムが異なることが明らかになった。 (1.4MB)
辻 冴月 氏

京都大学大学院
理学研究科
日本学術振興会
特別研究員PD
環境DNA分析に基づく複数種の同時かつ網羅的な系統地理解析 本研究では、生物が水などの環境中に放出したDNAを分析することによって間接的に種の存在を明らかにできる環境DNA分析を系統地理学に応用し、省労力・省コストで複数種の系統地理を同時かつ網羅的に解析可能な新しい系統地理調査手法を開発することを目的とした。西日本の計94地点から採水を行い、水の中に含まれる純淡水魚5種のDNAを特異的に増幅した。DNA配列を網羅的に決定し、種ごとに系統解析および地域系統の分布パターンを推定した。先行研究で明らかにされている各種の既知の系統情報と本研究で得られた結果を比較し、その整合性を検討したところ、5種全てにおいて結果がほぼ完全に一致することが確認された。 研究者のご都合により掲載しておりません。
堤 主計 氏

新居浜工業高等専門学校
生物応用化学科 教授
環境汚染プラスチック問題への対策として最適な分子構造の検討 ポリ乳酸ランダム共重合体は、ポリ乳酸の構成分子であるL-ラクチド(L-LA)含量を70%以上でフィルムに作製することができるが、L-LA含量70~80%では極端に分解速度が速いといった問題があった。そこで、分解されにくく、機械的特性の優れたポリ乳酸共重合体を創製するために、ブロック共重合体ならびにそれらを利用したステレオコンプレックス体(St体)の作製を試みた。酵素分解試験の結果、L-LA含量80%のジあるいはトリブロック共重合体はランダム共重合体よりも分解は遅く、さらに、この2つのブロック共重合体のSt体の分解性において、ジブロック共重合体から作製したSt体は極端に分解されにくくなった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
時任 翔平 氏

山形大学
人文社会科学部 講師
国際産業連関分析を用いた輸出財の生産・CO2排出構造の解明と時系列分析を通した持続可能な輸出政策の提言 グローバル化した現代において経済発展と環境保全を両立させる「持続可能な開発」を達成するためには、各国に跨るサプライチェーン全体を俯瞰し把握したうえで気候変動緩和政策を決定することが重要であり、本研究は国際産業連関表を用いて「各産業のサプライチェーン上の位置の特定」と「時系列での位置変化」という視点から新しいフレームワークを構築し、より具体的な政策提言に貢献するものである。本研究成果は付加価値分析を通した経済視点でのフレームワーク構築とCO2排出量計算による環境視点の分析フレームワーク構築の2本でそれぞれ環太平洋産業連関分析学会、日本LCA学会にて発表し、英語論文にまとめた。 (680KB)
林 希一郎 氏

名古屋大学
未来材料・システム研究所
教授
セマンティックを活用した自律解析webGIS型の再生可能エネルギー導入
ポテンシャル統合評価モデルの開発
*掲載準備中*
南畑 孝介 氏

九州大学大学院
工学研究院
応用化学部門 助教
シルクを用いたレアメタルの高効率分離回収技術の開発 本研究では、カイコが創り出すサステナブルなバイオ資源であるシルクを用いて、都市鉱山からの金の回収について検討した。まず、カイコ繭に煮沸処理を施し、可溶性成分のセリシンを除き、フィブロインを得た。このフィブロインを各種金属溶液に浸すと、金、白金、バラジウムのレアメタルのみが選択的に吸着することが明らかとなった。廃棄携帯電話の酸浸出液から、このフィブロインを用いて金の回収を検討した結果、浸出液中に大量に含まれる、銅、アルミ、鉄などの金属は一切吸着されず、金のみを選択的に高効率に吸着することに成功した。上記の成果はBiochemical Engineering Journal誌に投稿し、受理された。 (1.5MB)

2020年度(令和2年度 第23回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
大平 充 氏

東京農工大学大学院
農学府 国際環境農学専攻
流域水文・
生態系管理学研究室
産学官連携研究員
森林の更新履歴と河川生物群集の関連性:長期的な森林管理に向けて 本研究では、過去の森林の更新の履歴に対する渓流の生物の応答を検討することで、長期的な森林攪乱の影響を明らかにすることを目的とした。とくに森林攪乱に脆弱であると考えられるミネトワダカワゲラの現在の分布状況に対して、集水域の過去100年の森林の更新履歴との関連性を検討した。その結果、過去に皆伐が行われた渓流では、流路の樹冠被覆率が低く、水温が高い傾向があり、このことが本種の生息に負の影響を与えていることが示唆された。冷水環境を好む種は渓流の生物群集の重要な特徴であることから、渓畔の森林施業を抑制することや、長期のサイクルにより更新することが渓流生態系の持続性を保つうえで重要であると考えられた。 (1.9MB)
國玉 早希 氏

工学院大学 工学研究科
建築学専攻 修士課程1年
つる性植物を活かした建築に関する基礎的研究とその成果の小中学校の普及啓発 都市におけるヒートアイランド現象は、今後さらに進行する。その緩和・解決策として壁面緑化は注目され、各地で実践が広まっている。なかでも柔軟性の高い緑化素材であるつる性植物を導入した壁面緑化は比較的安価で実施でき、維持管理も容易であることから、環境保全のための取り組みとして実施しやすい。しかし、壁面緑化の効果やつる性植物の可能性は十分に理解されていない。例えば、つる性植物の透過性は今後の都市や建築で活かしていくべきテーマだと考えられる。本研究では小学生の児童を対象として、つる性植物や壁面緑化をはじめとしたつる性植物を生かした建築について知ってもらう機会づくりのための図鑑やパンフレットを作成した。 (3.5MB)
佐藤 浩平 氏

東京工業大学
生命理工学院 助教
水不足問題の解決に向けた水精製分子デバイスの開発 我々の体内では、アクアポリンと呼ばれるタンパク質が、大量の不純物が含まれる体液から水のみを高速かつ選択的に通す”フィルター”として働いている。このような生体分子の機能を人工分子によって実現することができれば、精製水を高効率で得ることが可能となり、我々人類が持続可能な社会を構築していく上で、極めて有用な技術となる。そこで本研究では、有機化学的手法を駆使することで、天然アクアポリンの構造的特徴を模倣した新規交互両親媒性分子を合成し、アクアポリンに匹敵する高性能水精製分子デバイスの開発を目指した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
清水 薫 氏

岐阜大学
応用生物科学部 研究員
地球温暖化による非吸血節足動物の生息域拡大と動物ウイルスの環境汚染に関する研究 ポックスウィルスをモデルとして、牛、羊、非吸血節足動物、牛舎、羊舎内外の環境、などからウイルス遺伝子を検出し、非吸血節足動物が機械的にウイルスを伝播し環境を汚染しているか検証した。パラポックスウイルス感染症を発症していない家畜固体や畜舎環境からウイルス遺伝子が検出され、ウイルスの感染力の有無は不明であるが、ウイルスが農場内に保持されていることが考えられた。本研究期間中には非吸血節足動物からのウイルス検出はできなかったが、一年中多数の節足動物が農場に入り込むことが明らかになった。農場内へのウイルスの持ち込みをなくすためにも、農場内に入り込む節足動物の対策や飼育環境の消毒は重要である。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鋤柄 千穂 氏

東京海洋大学
船舶・海洋オペレーションセンター
特任助教
コロナウィルスによる生活様式の変化は東京湾の水中環境にどのような影響を与えたか? 東京湾から流出する粒子の輸送量と輸送過程を調べるため、2018年から東京湾口でセジメントトラップ実験を行っている。2019年と2020年の結果を比較し、コロナ対策による人間活動の変化が東京湾内の水質や生態系に及ぼす影響について解析した。トラップに捕集された粒子の多くは、東京湾を起源としていることが明らかとなったが、その窒素同位体比は両年でほとんど変化せず、東京湾の生物を介した窒素循環や窒素輸送がコロナ禍でほとんど影響を受けなかったことが示唆された。一方、粒子の炭素同位体比は2019年に比べ2020年に低い値を示した。このことは、陸起源やプラスチックを多く含む物質が混入したことを示していた。 研究者のご都合により掲載しておりません。
田之上 健一郎 氏

山口大学大学院
創成科学研究科
機械工学専攻
教授
竹、廃プラスチック低温共熱分解および高融点酸化物添加による非クリンカー燃料創製 本研究では、竹および廃プラスチックを低温熱分解させ、固体燃料を生成することを目的として、研究課題1.竹と廃プラスチックとの低温共熱分解による固形物の高位発熱量及び生成物収率の混合率依存性、研究課題2.竹の高融点酸化物微粒子の添加によるクリンカー発生量の低減化 について調査を行った。研究課題1については、TS=573Kにおいて、溶融プラスチックがタール生成を妨げ、チャー収率が増加することを明らかにした。研究課題2については、竹粉への酸化物の添加は初期の昇温には影響を与えないが、充填層を保温しチャー燃焼後期の降温を緩やかにすることを明らかにした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
露崎 史朗 氏

北海道大学大学院
地球環境科学研究院
統合環境保全分野
自然環境保全部門 教授
CO2吸収源としての湿原再生を目指したリター分解と泥炭形成に関する研究 温暖化によりリター分解・泥炭形成速度が変化し、炭素蓄積源であった湿原は炭素放出源に変化すると予測される。そこで、泥炭湿原においてリター分解速度を、泥炭表面温度を操作し測定した。同時にリター分解過程を知るためにNCの含量、窒素・炭素同位体比を測定した。その結果、現在のリター分解速度は夏季まででは15%程度であった。分解速度は、リターの質により異なり、特に窒素分が重要であった。また、温度が分解速度に与える影響はリターの質により異なった。これらのことから、温度操作によるリター分解・泥炭形成速度の変化には、温度に加えて、植生により決まるリターの質と泥炭中の窒素分布が重要であり、それらの監視が必要となる。 (1.1MB)
羽生田 岳昭 氏

神戸大学
内海域環境
教育研究センター 助教
環境DNAメタバーコーティング法を用いた藻場のモニタリング手法の確立 *掲載準備中*
藤田 健一 氏

京都大学大学院
人間・環境学研究科 教授
イリジウム錯体を活用する水素と有用有機化合物とを同時生産する触媒系の開発 脱炭素社会構築の観点から、水素は理想的なエネルギー源として注目されており、効率的、安全かつ持続可能な水素製造法の開発が求められている。本研究では、「水素」と「有用有機化合物」とを同時生産するという、これまでの触媒的有機合成の研究領域では意識されてこなかった新しい方法論を提供することに挑戦した。その結果、研究代表者らが従来開発してきた脱水素化用錯体触媒を有効活用し、アルコールの脱水素的2量化によって、有用有機化合物であるエステルを得るとともに、水素を同時生産する触媒系を開発することに成功した。今後は、水素製造の観点から見た場合の効率制を高めることが課題である。 研究者のご都合により掲載しておりません。
松田 純佳 氏

北海道大学大学院
水産科学研究院 研究員
北海道沿岸に漂着する鯨類胃内容物におけるプラスチックゴミの出現 海洋ゴミ問題は世界各国で深刻化している。鯨類は海洋生態系の頂点に立ち、魚類・イカ類・アミ類等を捕食するが、胃内容物からゴミも出現することが世界各国で報告されている。本研究では、北海道に漂着する鯨類の冑内容物を分析し、どのような鯨類からどのようなゴミが出現するかを調査した。
調査した結果、北海道に漂着した鯨類12個体の胃からゴミが出現した。最も多かった種はオウギハクジラ(5個体)であった。現段階では、鯨種や海域による、ゴミの取り込み状況の違いは明らかにすることはできなかったが、今後もモニタリングのため、鯨類の胃におけるゴミの出現傾向について調査する必要がある。
研究者のご都合により掲載しておりません。
山口 広子 氏

筑波大学大学院
生命環境科学研究科
山岳科学学位プログラム
博士前期課程2年
水道事業者による森林管理の展開に関する実証的研究 *掲載準備中*
山出 美弥 氏

名古屋大学
環境学研究科 助教
原発事故後のブラウンフィールイド再生におけるルーラルーツーリズムの適応可能性 本研究では、課題1:国内外におけるルーラルツーリズムの現状とその課題把握として、2020年より流行している感染症の影響により、全国において国内外からの宿泊者数が大幅に減少していることを示した。一方で、福島県では宿泊者数の減少は感染症流行以前から顕著であった。次に、課題2:ルーラルツーリズム適応におけるステークホルダーの役割に関する課題では、農業体験、震災教育の提供を目的に農家民宿を営んでいる6件のステークホルダーにヒアリング調査を実施した。その結果から、農家民宿運営における促進要因と阻害要因を明らかにするとともに、土壌汚染を内包したコミュニティ再生において農家民宿が果たす役割を考察した。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2019年度(令和元年度 第22回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
荒木 希和子 氏

立命館大学
生命科学部 生物工学科
講師
土壌肥沃度指標(SOFIX)に基づく森林データベースの構築ならびに物質循環機能の修復 里山を含む二次林は、人が資源を利用し管理することで維持されてきた森林である。近年、エネルギー資源の変化や人手不足により、管理放棄される二次林の機能と健全性の低下が問題となっている。本研究では、森林の物質循環機能を修復させる管理を検証することを目的とし、管理体制の異なる森林においてSOFIX(Soil Fertile Index)及びOQI(Organic Quality Index)により分析を行い、森林土壌と樹木葉の特性を把握するとともに、二次林の管理体制による土壌環境への影響を調査・検証した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
沖田 佳音 氏

名古屋大学大学院
生命農学研究科
森林環境資源科学専攻
修士課程1年
インドネシア ジョグジャカルタ特別州の農村における,住民主体チョコレート産業による地域振興効果 *掲載準備中*
海邉 健二 氏

東北大学
材料科学高等研究所
特任准教授
資源量を考慮した木質バイオマス利活用最適モデルの構築 本研究では、木質バイオマス生産コストが平均的な東北地方を事例としてその生産から利用(用材/エネルギー)に至るまでの各プロセスについて、経済評価と技術評価を行った。各都道府県が発行する森林計画書を基に市町村別の木質バイオマスの賦存量/供給可能量を把握した上で、研究代表者がこれまでに構築してきたプロセスモデルを用いて、最適な用材利用量とエネルギー利用量を試算できる木質バイオマス利活用最適モデルを構築するとともに、木質バイオマスの供給量の増減や供給コストが最終的な数値(発電コストや用材の損益等)に与える影響を試算し、地域の実情に応じた技術開発・改善の方向性についての技術シナリオを検討した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
勝見 尚也 氏

石川県立大学
生物資源環境学部
環境科学科
講師
東・東南アジアの農耕地におけるマイクロプラスチックの汚染実態の解明 マイクロプラスチック(MP)による海洋汚染の拡大を防ぐためには、陸域発生源に対して対策を講じることが重要である。我々のこれまでの予備調査から、農耕地が海洋MPの発生源の一つとなっていることが明らかになった。そこで、まずは日本国内における農耕地と海岸線におけるMPの調査を行った。海岸線では農業に由来するMPの密度は明瞭の季節変動があり、5月~9月(灌漑期)に高く、10月~4月(非灌漑期)に低かった。また、灌漑期にはMP全体の8~9割が農業由来のMPだった。19地点の水田における土壌中MPの質量濃度を測定したところ、既往研究より極めて高かった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
楠田 哲士 氏

岐阜大学
応用生物科学部
動物繁殖学研究室
准教授
カメ類の繁殖生理生態の解明とそれに基づく外来種防除法の検討および在来希少種の保護増殖 侵略的外来種の制御・根絶と希少種保全は、生物多様性保全に関わる緊急の国際的課題として取り挙げられ、積極的かつ実践的な取り組みが行われている。本活動では、日本全国で問題となっている外来種のミシシッピアカミミガメ(とクサガメ)の拡大について、繁殖生理に関する知見や手技を基盤として新たな解決法の確立を目指した。まず、ミシシッピアカミミガメとクサガメにおいて、解剖による卵巣形態の観察と血中の性ステロイドホルモン濃度から繁殖生理の解明を試みた。また、在来希少種のニホンイシガメの繁殖生態を明らかにするため、年間の行動生態を明らかにするとともに、半自然条件下において、保護増殖を継続して実施し、その中で基本的な繁殖生態を明らかにした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
工藤 岳 氏

北海道大学
地球環境科学研究院
准教授
地球温暖化に伴う高山生態系攪乱:高山植物の霜害リスク評価 地球温暖化により高山植物の生育開始時期が早まると、霜害のリスクが増加し、種子生産を低下させる可能性を検証した。北海道大雪山系で過去25年間に渡って記録した気象データとキバナシャクナゲの開花結実データを解析した。積雪の少ない風衝地の開花期は5月の気温との相関が強く、開花が早く起こるほど果実生産が減少する傾向があった。一方で、雪解けの遅い雪田環境では開花は真夏に起こり、安定して高い果実生産を維持していた。近年、風衝地個体群で果実生産が減少する傾向があり、それは霜害によるダメージと関連していることが示された。日本の高山生態系においても、気象変動により霜害リスクが高まっていることが初めて示された。 (1.8MB)
嶌田 智 氏

お茶の水女子大学
理学部 生物学科
教授
海中林の保全・再生手法の開発-忌避物質と高温耐性に注目して- *掲載準備中*
末永 俊和 氏

東京農工大学大学院
グローバルイノベーション研究院
特任助教
温室効果・オゾン層破壊物質である亜酸化窒素除去に関与する微生物群の発現メカニズム解明 亜酸化窒素(通称N2O)は21世紀最大のオゾン層破壊物質であり、また二酸化炭素の265倍の温室効果能を持つ第3の温室効果ガスとして知られている。人類の産業活動により主に生成される二酸化炭素と異なり、N2Oの殆どは耕作地や排水処理施設から微生物反応を介して生成・放出されるため、その対策は困難を極めている。本研究の目的は、N2Oを窒素に無害化する新規N2O還元細菌の検出であった。DNAレベルでのメタゲノム解析に加え、RNAレベルでの転写活性の検出を試みた。これらの細菌種が排水処理中に生成するN2Oの放出抑制に寄与する可能性が示唆された。 研究者のご都合により掲載しておりません。
園田 潤 氏

仙台高等専門学校
総合工学科
教授
複合リモートセンシングと深層学習による海岸漂着プラスチックの自動検出 近年、海洋プラスチックが海洋生態系や人体に影響を及ぼすとして大きな環境問題になっている。日本沿岸でも海岸漂着プラスチックが問題になっており、問題把握や処理計画立案のための定量化が必要とされているが、自動定量観測は十分研究されていない。本研究では、AIを用いた地中レーダとドローンにより表層・地中の海洋プラスチックを検出する手法を開発した。大量のレーダとUAVによる教師画像を生成し、畳み込みニュートラルネットワークやYOLOで学習した結果、プラスチック類を90%程度の精度で検出できることを確認した。今後は、他の地域での検証や漂着プラスチックの分布解析による回収計画立案などを実施予定である。 研究者のご都合により掲載しておりません。
竹内 渉 氏

東京大学
生産技術研究所
教授
極東ロシアの泥炭湿地に適した寒帯乾燥指数の開発と泥炭火災の脆弱性評価 極東ロシアの湿地帯にある森林は、二酸化炭素の大きな吸収源として気候変動の緩和の面で重要性を持つ。しかし、近年この地域の開発が活発になり、森林伐採や他の土地利用への転換によって、多数の火災発生していることが報告されている。本研究は、衛星画像を用いて気象要素と衛星画像を用いて乾燥指数を算出する手法を開発するとともに、火災発生の時空間特性や、燃料となるバイオマス量を求め、火災発生に対する脆弱性を評価した。その結果、泥炭地の森林は乾燥指数が増加するにつれ火災が増える傾向があったが、農耕地に限っては両者間の関係性が薄く、人間活動により発生した火災は気候要素だけでは説明できないことが示唆された。 (583KB)
中橋 文夫 氏 

鳥取環境大学
環境学部 環境学科
教授
災害現場から導く緑の柔構造都市計画技術の提言 本研究は、近年のわが国における、地震、津波、火災、豪雨氾濫などの災害現場と、海外ではドイツ、シュトウットガルドの風の道などを調査し、緑の防災、大気清浄効果、都市計画の有用性を確認した。長崎原爆に耐えた鎮守の森、阪神・淡路大震災で公園樹木の遮炎、そして熊本地震で城壁は崩壊したものの凛として残った樹木、それはクスであった。佐賀豪雨、千曲川氾濫はタイムリーに被災直後を調査した。豪雨に河川の堤防が持たずに破堤したが、河畔林のような整備はなかった。ここは滋賀県の琵琶湖に注ぐ河畔林や武田信玄が発案した万力林が有効である。このように防災効果は確認されたが、残念なことにそれを推奨する法整備がない。今後の課題でもある。 (17.2MB)
中平 勝也 氏

沖縄工業高等専門学校
情報通信システム工学科
准教授
AIを用いた海中生物マッピングシステムの研究開発 畳み込みニューラルネットワークをベースとして、海中の画像から魚とサンゴの種類と数を検出し、海中のドローンを自動的に制御する海中生物マッピングシステムの要素技術を開発した。魚AIは、79種類の魚を65%で検出できる魚AIを完成させた。サンゴAIは、仮想空間をUnity上でサンゴAIの開発を行い、基本的な手順を短時間で確立した後、実際の海でも使える実用性のあるサンゴAIを完成させた。ドローンAIは、ドローンの操縦性の問題を解決できる新たな方式を実証できた。 (2.9MB)
西村 文武 氏

京都大学大学院
工学研究科
都市環境工学専攻
准教授
省エネルギー型窒素除去プロセスANAMMOXにおける温室効果ガス亜酸化窒素(N2O)発生抑制と処理効率化に関する研究 嫌気性アンモニア酸化(アナモックス)は、省資源・省エネルギー型の処理システムの構築が可能な生物反応である。一方で、温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)が発生することが知られている。アナモックスでは代謝過程においてはN2Oの生成が無いと言われるが、廃水処理は混合微生物系でありN2Oの発生が懸念される。アナモックス反応器からのN2Oの発生特性を実験により観察したところ、負荷変化や温度条件の変化があると、N2Oが通常よりも多く発生することが分かった。一方で生物反応を安定して継続させるとN2Oが還元し発生が抑制されることも明らかになった。安定な条件が、N2Oの発生抑制には必要であることが分かった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
松井 淳 氏

奈良教育大学
理科教育講座
教授
ニホンジカ採食圧下にある森林および湿原における植生の変化と 保全に関する研究 奈良県天川村栃尾辻なめりのブナ天然林と京都市北区深泥池の湿原において、森林動態と湿原植生のモニタリング調査をそれぞれ行った。また赤外線センサー内蔵の自動撮影カメラによるカメラトラップを設置し、撮影頻度指数、RAIからニホンジカの生息密度についての指標を得た。栃尾辻なめりのブナ天然林では2007年からの12年間に高さ1.3m以上の大本のうち、約10%に当たる27本が枯死したが新規加入は高さ0.5m以上でも1本しかなく、更新は停滞していた。泥沼池湿原では、2006年から2019年にかけて、湿原植生を構成する主要草本種に、顕著な減少や増加がみられ優占種が交代した。被食率の高い種の減少が確認されたことから、ニホンジカによる採食圧が、植生変化の原因であることが推測された。2013年より国は管理目標を設定しニホンジカの個体数調整に注力しているにもかかわらず、2つの調査地でニホンジカのRAIは低下しているとは言えなかった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
丸山 敦 氏

龍谷大学
理工学部
准教授
日本の「食環境」の変遷にPIXE分析で迫る
~江戸時代に出版された和装本に漉き込まれた毛髪を活用して~
和食の基盤は江戸時代には成立したとされるが、食の嗜好や農業・水産業の欧米化、食料の輸入依存化などを踏まえれば、近世の食環境が現代とは大きく異なっていたことは明らかである。本研究では、古書籍から得た近世の三都で暮らした庶民の毛髪をPIXE分析に供し、食物とともに摂取していた15種の金属元素を定量し、現代人との比較から近世以降の食環境の変遷の復元を試みた。ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどは近世人の毛髪において多く含まれ、亜鉛などは現代人より少ない傾向が得られた。近世の食生活や農業・漁業を推察する貴重な情報であるのみならず、現代日本人の栄養バランスの特殊性を際立たせる結果となった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
宮崎 淳一 氏

山梨大学 教育学部
教授
淡水貝類を用いた水質浄化とDNAデータベースの構築 本研究では淡水貝類を対象として次の3つのテーマに取り組んだ。1)日本全国の池や湖沼の水質浄化を目指して、生物学的手法の一つとして、淡水貝類を用いた水質浄化法を開発し普及させる。 2)淡水貝類のDNAデータベースを構築して公開する。 3)淡水貝類とコイ科淡水魚タナゴ類の共進化を探る。1)では、これまでに調べた淡水二枚貝類だけでなく、淡水巻貝類のヒメタニシが同等の高い水質浄化能力を持つことを示した。2)では、日本産全種の淡水二枚貝類のDNAデータベースを構築し、現在の別の遺伝子の遺伝学的解析を行っている。3)ではサンプル採集がいまだ不十分ではあるが、遺伝的な解析に着手した。今後成果を社会に発信する予定である。 (2.4MB)
村田 裕樹 氏

東北大学大学院
農学研究科
フィールド社会技術学分野 博士課程
持続可能な沿岸海域実現を目指したリモートセンシングによる海洋状況把握手法の開発と推進 近年、一般にも普及しつつあるドローンを用いることで、沿岸海域に設置されている養殖筏の空間配置・海草藻場の生息域といった情報収集が可能であるか、宮城県石巻市長面浦を対象として調査した。ドローンから撮影した写真を合成してオルソモザイク画像を作成したところ、全体の約6割の合成に成功した。この画像からは養殖筏の空間配置と水面下に生息している海草藻場を確認することができた。次に、養殖筏に垂下されているカキの養殖ロープ本数と空間配置を調べたところ、約半分が垂下可能な空間を残したまま養殖していることがわかった。これはカキ生産性を向上させるための漁業者の経験に基づく工夫であることが明らかとなった。 (6.4MB)
山下 寛人 氏

岐阜大学大学院
連合農学研究科
生物資源科学専攻
静岡大学配置
博士課程2年
茶の品質維持・向上を両立させる最適な窒素施肥体系の確立 茶(Camellia sinensis L. )は一般的に年に数回の新芽の摘採や整せん枝(枝を切り落とすことで茶樹を更新する)が行われるために樹体内の栄養分の消耗が激しい。そのため、生育・収量・品質を維持するためにも、積極的な栄養素の補給が必要とされる。茶園では、主に窒素(N)肥料が多量に施用されており、硝酸溶脱による地下水汚染並びに温室効果ガスの一つである亜酸化窒素の多量発生等が問題視されている。本研究では、茶園での少肥栽培に向けて、茶の品質等へのN栄養応答を水耕栽培試験により詳細に理解するとともに、抹茶や玉露の原料生産に利用される被覆栽培下に伴うN栄養応答への影響も調査した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
山本 雄平 氏

千葉大学
環境リモートセンシング
研究センター
特任助教
次世代気象衛星ひまわり8号と機械学習技術を用いたアジア・オセアニア地域における地表面温度観測システムの開発 本研究では、我が国の次世代静止軌道衛星「ひまわり8号」データを用いた新たな地表面温度推定手法を試みた。まず、従来の地表面温度推定式である半経験的手法と、今回の提案手法である機械学習(ランダムフォレスト回帰)を用いた推定手法の推定精度を比較した。その結果、半経験的手法の方が安定した推定精度を持つことが分かった。東アジアにおいて、雲が多く生成される。(つまり観測値にノイズが多く混入する)環境では、学習段階では想定されていない観測値によって解が一定の値をとってしまうことが分かった。その後、東アジアにのみ、焦点を当てていた従来の半経験的手法をオーストラリアもカバーできるように改良した。 (1.2MB)
和田 龍一 氏

帝京科学大学
生命環境学部
自然環境学科
准教授
大気酸化能に影響を及ぼす昼間における森林からのNOX発生源の解明 本研究では、二酸化窒素(NO2)が昼間森林生態系から放出される現象においてその発生源と発生機構の推定を行った。実験室にて疑似太陽光を葉の表面に吸着させた硝酸粒子に照射したところ、NO2が放出された。また屋外で生育した生きたままのアカマツの葉に疑似太陽光を照射したところ、NO2が放出されることを明らかにした。これは葉に付着した硝酸粒子が、光分解によりNO2を生成したためと考えた。硝酸粒子は太陽光のエネルギーでは分解しないが、葉表面の水分に溶解して硝酸イオンとなることで、分解が起こりNO2を放出した可能性がある。いままでNOxの吸収源と考えられていた森林が、放出源にもなりうることを明らかにした。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2018年度(平成30年度 第21回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
安宅 未央子 氏

京都大学
森林土壌の炭素蓄積プロセスの解明
~微生物分解作用による炭素の放出・流出量の定量とその環境応答性~
森林土壌は陸域生態系の中でもっとも大きな炭素の貯蔵庫である。本研究は、土壌炭素蓄積への寄与度が大きい落葉を対象に、時々刻々と変化する温度や降雨などの環境要因に対して、落葉の分解呼吸量と溶脱量がどのようにして応答するのかをフィールド観測に基づいて定量的に評価し、土壌炭素蓄積プロセスを明らかにすることを目的とする。 (2.6MB)
伊藤 健彦 氏

明治大学
小型無人航空機による大型哺乳類の検出精度の推定と個体数モニタリング手法の確立 小型無人航空機(UAV,ドローン)技術は進展し、野生動物の個体数調査にも利用されている。しかしドローンによる動物観測には、通信距離とバッテリー持続時間、林冠被覆などの制約がある。そこで、区画踏査法で長年シカの個体数調査が行われてきた宮城県金華山島で、ドローンを用いたシカ個体数の精度とモニタリング手法の検討を行う。 研究者のご都合により掲載しておりません。
大塚 彩美 氏

横浜国立大学大学院
「エネルギー」を生かした持続可能なまちづくりに関する研究-市民の意識と市民の果たすべき役割に着目して- 地球温暖化の深刻化を受け策定されたパリ協定の公約達成のためには、これまでの技術重視とは異なるアプローチが必要とされている。人々の価値観が世帯内での省エネ行動のみならず、緑地保全や緑化・再エネ技術の導入などの関連の取り組みから、より大枠のまちづくりに対する主体的な取り組みを影響すると考えられる。本研究では、価値観の役割への理解を広げ、深化させることで、それがSDGsの達成にどう貢献しうるか検討することを研究の目的と設定し研究活動を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
小笠原 実里 氏

愛媛大学大学院
北ボルネオの泥炭湿地林で優占するフタバガキ科Shorea albidaの起源の解明とそれに基づいた植林ガイドラインの作成 北ボルネオの沿岸域には、フタバガキ科のShorea albidaが優占する、ほかには見られない特徴的な泥炭湿地林が広がっている。生物の集団動態の履歴は、遺伝的変異のパターンを調べることにより推定できる。また、地下部に大量の有機物を蓄積している泥炭湿地林は、炭素固定にも重要な役割を果たしているが、有用樹種の伐採や土地の開発によって、面積が減少している。よって植林活動による泥炭湿地林の保全と回復が求められている。本研究は、泥炭湿地林に生息するフタバガキ科樹木S. albidaのDNA配列変異の解析から、この種の過去の集団動態を推定すること、明らかにされた地域間の遺伝的分化の程度をこの種の遺伝的多様性保全に資することを目的としている。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鎌田 昂 氏

静岡理工科大学
環境対応型防汚塗料開発を目的とした遠州の海洋生物資源由来付着阻害物質探索研究 本研究では、海洋の生態系に影響が少ない環境対応型の防汚剤の開発を目指して、未着手の未利用生物資源が豊富な静岡県の海域に焦点を当て、天然有機化合物の探索を行った。 また、静岡県産のサンプル以外に研究協力者から提供を受けた複数種の藻体に対しても化学成分分析を実施した。結果として、含ハロゲン化合物の有能な生産者である紅藻ソゾから付着阻害活性を有する化合物を複数種見出した。そして、将来的に、海洋天然物由来忌避塗料の開発に向けた取り組みへと発展する可能性を示すことに成功した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
川口 はるか 氏

自然科学研究機構
基礎生物学研究所
RNAiを利用した外来アリ類の環境調和型新奇防除法の開発 近年日本においても、外来生物の侵入が問題となっている。特定外来生物に指定される外来アリ類の現在の防除方法は、特異性の低い化学薬品である殺虫剤を多量使用するため生態系への影響や環境負荷が大きい。本研究では申請者らが開発した、生存に必須な遺伝子に対する二本鎖RNAを害虫に摂食させることにより、RNA干渉(RNAi)を誘導し死に至らしめるRNA(RNAi防除剤)を用いた新奇害虫防除法を外来アリに応用し、環境調和型防除法の確立をするため、アリ類を用いてデータの取得を行った。RNAi防除剤の有効性を証明するため、キイロシリアゲアリを用いて生存必須遺伝子であるiap遺伝子のクローニングをし、RNAi防除剤による防除効果を検証した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
今野 大輝 氏

東邦大学
ZIF-8ナノ結晶による水環境中過フッ素化合物吸着除去技術の開発 表面コーティング剤の原料や界面活性剤などの幅広い用途で使用されてきた過フッ素化合物の1つである、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)は、様々な水環境中に広範囲で残留しており、その有害性と難分解性が問題となっている。有効な除去・浄化技術が存在しないことから、高効率な技術の確立が喫緊の課題となっている。一方近年、多孔質材料の一種であるZeolitic Imidazolate Frameworks(ZIFs)が、環境浄化の分野で大きな注目を集めている。そこで本研究では、ZIFs結晶を用いた水環境中のPFOS吸着除去について検討し、ZIFs結晶の種類や粒子径が吸着挙動に与える影響を検討した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鈴木 紀之 氏

高知大学
メタゲノミクスと機械学習を用いた外来種と在来種の判別手法の開発 本研究では、DNA情報やその他の情報から、それぞれの種類が外来種なのか在来種なのか判別する手法を開発した。また、その結果を元にして外来種と在来種が生息している環境を明らかにするため群衆生態学的な解析を行った。本研究は大規模DNAデータを対象に在来種と外来種を判別することに成功した初めての研究事例である。本研究で作成したバイオインフォマティクスと機械学習のパイプラインは、今後似たような解析に応用できる。本研究を元に、他の地域や他の分類群を対象にした研究が展開されることが期待される。 研究者のご都合により掲載しておりません。
千徳 明日香 氏

琉球大学
南西諸島周辺の表層~中深層における無藻性イシサンゴの分布と多様性の解明 *掲載準備中*
竹山 優子 氏

東京海洋大学
洋上風力発電に資する風況の空間代表性に関する研究 福島第一原発事故以来、国内の化石燃料の消費は増加傾向にあり、地球環境に配慮したエネルギーの確保は急務となっている。近年、注目を集める洋上風力発電は、安定した強い風を利用できる利点がある一方で、詳細な風況(風の状態)の観測には膨大なコストが必要となる。本研究では、毎正時の風データが約2㎞格子で算出されている局地数値予報モデルGPV(LFM)を用いて、沿岸付近の陸から沖に向けての風速・風向の統計値および3次元空間分布を求める。陸上鉄塔を活用した効果的な詳細風況把握手法の提案を行うことを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
津村 義彦 氏

筑波大学
健全な緑化のための遺伝的ガイドライン 生物多様性に配慮した植林活動を行うには、遺伝的グループの境界が明確になっている必要がある。全国規模の遺伝的ガイドラインの結果では日本列島がいくつかの遺伝子的なグループに分かれることが明らかになっている。しかし、全国規模の調査では調査集団が多くないため遺伝的グループの境界線が明確ではなく、これらの地域はグレイゾーンとして種苗の取扱いが不明瞭なままとなっている。ミズナラ、コナラなど植林に非常によく使われる樹種もその明瞭な境界線はまだ不明なままである。そのため境界域が存在する地域を10Kmメッシュごとに区切り、各メッシュからこれらの樹種を採取し、DNA型を調査して、明確な境界線を明らかにする。またその遺伝的境界の成立要因についても現在と過去の地形と気象データを比較して明らかにする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
西村 智朗 氏

立命館大学
多数国間環境協定における科学的知見への対応
-生物多様性条約/名古屋議定書レジームを中心に-
本研究は、「生物多様性条約」と「名古屋議定書」を研究素材とし、新たな科学的知見が多数国間環境協定の中でどのように受容され、法制度の構築及び改善のために活用されてきたかについて検討するものである。この課題の解明のため、具体的に①生物多様性条約における『海洋肥沃化』への対応(及び気候変動条約との調整)②名古屋議定書における「デジタル配列情報(DSI)」の取り扱いを研究対象として取り上げた。 研究者のご都合により掲載しておりません。
野秋 収平 氏

東京大学大学院
環境保全型農業を目的としたUAVによる農地土壌リモートセンシング 農地における作物生産において、土壌の排水性や保水性といった土壌の水分量に関連する物理性は、肥沃度を高く保つために極めて重要である。効率的な農業生産を目指した技術開発に関しては人工衛星やUAV(Unmanned Aerial Vehile)によるリモートセンシング技術の応用が検討されてきた。作物生育モニタリングの目的として農業への応用事例が増えているが土地の土壌自体をUAV搭載センサで測定した事例は少ない。本研究では、実際の圃場にてマルチスペクトルカメラおwと宇愛↓UAVを用いた農地土壌の可視-近赤外線波長帯におけるリモートセンシングの有効性を検討する必要がある。本件旧では、実際の圃場にてマルチスペクトルカメラを搭載したUAVを用いてい測定及び解析を行った。また構築した推定モデルを用いて、土壌水分量を推定し、マッピングを行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
長谷崎 和洋 氏

徳島大学大学院
災害に強い太陽熱を使った分散協調型エネルギーシステムの研究 再生可能エネルギーの1つである太陽熱は、他の再生可能エネルギーと同様にエネルギー密度が低い問題点がある。しかしながら、大規模災害を考えるとエネルギー供給を分散することで災害のリスクを低減することが可能となる。本研究では、集光式真空管太陽熱集熱装置によりオイルを300℃まで加熱できるオイル流量・集光面積を検討することを目標とした。加えて太陽熱集熱装置を設計製作し、実際に集熱実験を行い、集熱効率を調べた。既存の研究と集熱効率を比較し、太陽熱発電・給湯システムに搭載する太陽熱集熱装置の概要を決定することを目標とした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
原田 守啓 氏

岐阜大学
環境DNA解析による長良川におけるアユの時空間動態把握の試み 「清流長良川の鮎」として世界農業遺産に認定された長良川のアユは、その動態についてはわかっていないことが多い。本研究は、春先に伊勢湾から遡上し、長良川扇状地から源流までの数十㎞にわたる区間とその支川を生息場として、秋季に一斉に産卵のために下ってくるという非常にダイナミックな回遊を行うアユが、一年を通してどのような動態をしているのか、また、生息場や産卵場として好適な場所がどのように分布しているのかを明らかにするために、環境DNA分析技術を用い、扇状地区間を対象として、『アユの時空間動態を捉える』ことにトライする。同時になぜそのような時空間動態を示したのか、夏季の生息場制限要因と疑われる水温に着目した調査と分析を行う。 研究者のご都合により掲載しておりません。
平吹 喜彦 氏

東北学院大学
巨大地震・津波で攪乱された砂浜植生の自律的再生様態の把握とそのメカニズムを活かした合理的復元手法の検討 東北地方太平洋沖地震・津波によって、砂浜海岸が卓越する仙台湾岸域は未曾有の攪乱を受けた。しかし、当海岸に固有の生物やハビタットの残存と自律的再生が確認されている。本研究では、陸域の最前線に位置して、波浪の低減や海水浄化、漂着物の捕捉、魚貝類の生育・繁殖などにとって有用な砂浜の発達・存続に貢献し、また飛砂や潮風を低減して海岸エコトーン全体の生物多様性や生態系サービスの在り方を左右している砂丘植物に着目した。①砂浜海岸における地表攪乱の実態を明らかにし②自律的で不均一な生育・分布拡大の実態を解析し③国土強靭化に導入しうるグリーンインフラストラクチャー、統合的な海岸エコトーン管理への活かし方を研究することを目指した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
細谷 和範 氏

津山工業高等専門学校
隧道内点検支援装置の試作研究 我が国には、山間地域から導水して電力を得る中小の水力発電所が点在しており、取水用の隧道は数㎞に及ぶことも珍しくない。経年劣化、地震、豪雨に伴う点検が不可欠であるが、導管の点検・維持管理作業に多大な負担がかかっている。取水を目的とした隧道の多くは、背丈よりも低く、漏水等により水が溜まっていることも多い。このような場所での移動と点検作業は点検者に大きな負担がかかる。本研究では、コンクリート製の隧道外壁の点検作業の省力化を目指し、作業者が低姿勢でも疲れにくい歩行補助型及び自走型のロボットを試作した。また、浸水箇所の歩行負担を減らすために、小型フィンを付けた長靴を考案し、フィンのパターンと流動抵抗の関係を調べた。 (6.1MB)
村岡 貴博 氏

東京農工大学
地球環境を支える希少微生物を生きたまま解析し保存する基盤技術の開発 微生物は、生物の中でも最も多様性と個体数に富み、地球環境中のあらゆる場所に生存する生き物である。近年、異なる微生物種が集合した微生物叢がそれぞれの環境でバランスを保ちながら存在し、その構成要素と分布は環境変化によって鋭敏に影響を受ける動的特性が、微生物学のみならず、環境学に至る幅広い観点で注目されている。この微生物集団の全体像や個々の種の存在比の把握は、環境変化をリアルタイムかつ定量的にとらえる指標となると共に、微生物叢が宿主高等動植物へ与える影響の詳細を理解するうえで、必要不可欠な情報である。本研究では、この微生物の分布を可視化する基盤技術として、微生物を蛍光染色する機能性分子の開発を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
山田 菜緒子 氏

金沢大学
エビデンスに基づく環境教育指導者の育成方法の探求-インタープリター研修を例として- インタープリテーションは自然・文化資源の保全を目指した、教育的かつレクリエーション的体験活動であり、それらを実施する人はインタープリターと呼ばれる。資源に関する態度や認識、行動変革に影響を与えられるため、環境保全への貢献が期待できる役割を担い、環境教育分野で注目を集めている。本研究の目的は、環境教育に必要な知識と技能を備えたインタープリターを養成するために、効果的な研修方法を探ることである。これまで研修に関する研究報告例が非常に少ないため、研修内容と方法に関するエビデンスが不足している。本研究の結果に基づいて今後の研修内容と方法を検討する意義は大きい。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2017年度(平成29年度 第20回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
伊藤 雅一 氏

名古屋産業大学大学院
環境マネジメント研究科 教授
地域環境評価の基礎となるCO2濃度空間分布の検証 国際的なCO2削減課題を解決するため、近年生活環境圏のCO2濃度に着目する研究が進められてきている一方、地球環境の評価指標としての具体的な検証には至っていない。CO2濃度の実測データを用いた地球環境評価の可能性が明らかになれば、都市地域レベルのCO2削減やこれを支える環境配慮行動の新たな環境指標(環境政策目標)の具体化につなげていくことが可能である。本研究の目的は、地球環境評価の基礎となるCO2濃度の空間分布を明らかにすることにある。具体的には、名古屋産業大学地点に開設したCO2濃度測定局の定点データを用いて地球環境評価の尺度となる「CO2基準濃度」を導出するとともに、小型UAV(ドローン)を利用し、測定局周辺のCO2濃度調査をすることでCO2基準濃度が反映された空間分布を検証した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
大場 友則 氏

千葉大学大学院
理学研究院 准教授
グラフェンナノシートによる二酸化炭素高選択的分離システムの構築

グラフェンは炭素原子1層分の厚さの極限まで薄い2次元のシート構造体と考えることができる。このような薄いグラフェンは、シート内面に適度なサイズの細孔を持つと圧損失の極めて小さな気体分子分離膜となるポテンシャルを有しており、実際、細孔性グラフェンによる分子分離の可能性が理論計算により示されている。

本研究では、細孔性グラフェンの合成とそれぞれの気体分離性能の評価に取り組み細孔性グラフェンによる気体分子分離構造のメカニズムを分子構造、吸着ポテンシャル、分子動力学シミュレーションから調べた。

研究者のご都合により掲載しておりません。
籠谷 泰行 氏

滋賀県立大学
環境科学部 
環境生態学科 助教
里山での竹林拡大がもたらす多量・微量元素の分布・存在量・循環量の変化と環境への影響

竹林拡大が日本の広い範囲で問題となる中で、本研究では竹林拡大に伴う無機的環境への影響を総合的に評価することを目的とし、特に次の2題を課題として掲げ研究を実施した。

  1. モウソウチク林拡大に伴う、炭素・窒素循環の変化の解明。
  2. モウソウチク林における生稈・枯死稈の地上部・地下部各部位の各種元素濃度の把握。
研究者のご都合により掲載しておりません。
北川 秀樹 氏

龍谷大学
政策学部 教授
地球温暖化適応策としての都市における木造住宅(町家)とライフスタイルに関する研究 京都市に多く残る木造住宅(町家)と非木造住宅の年間の温湿度観測を元に、外気による気温の変化を比較することにより、日本の気候に適した都市住宅の在り方を考察する。また、新エネ・省エネ機器の調査や木造住宅(町家)に住んでいる住民へのインタビューを通じて「伝統、低炭素、快適性」を兼ね備えた21世紀の日本の都市における住まいのあり方を考える。 (1.0MB)
楠部 真崇 氏

和歌山工業高等専門学校 生物応用化学科
准教授
アマモ場再生に向けた、バイオセメンテーション技術の新規利用 尿素を酵素で分解するとアンモニアと炭酸イオンが生成する。水溶液中で炭酸イオンはカルシウムイオンと反応し、炭酸カルシウムを析出する。この2つの簡単な反応を組み合わせ、砂粒子間で炭酸カルシウムを析出させると、その砂は固化する。我々は、海中からバイオセメントに使用する尿素分解酵素を生産する土着微生物群を単離し、海砂由来のバイオセメントを作成する技術開発を実施している。本研究では、アマモ種子を埋包したバイオセメントを作成しその物性を観察するとともに、アマモ場再生に向けた発芽実験を実施した。 (259KB)
小谷 真也 氏

静岡大学学術院
農学領域 准教授
沖縄サンゴの白化現象における拮抗細菌の役割 本研究の目的は、サンゴに共生している細菌の中で病原細菌に対する拮抗細菌を単離し、その性質の詳細な解析を行うことである。サンゴは体内に褐虫藻が存在し、主に褐虫藻の光合成でエネルギーを得ている。また褐虫藻以外にも体表、粘液などにカビや細菌類を有しておりholobiontと呼ばれる複合生命体を形成している。白化は海水温の上昇に伴い、褐虫藻が弱り、病原性細菌の作用が強くなり、死滅することで引き起こされることが指摘されている。このサンゴに付着する細菌のうち、他のカビや細菌の育成を抑制するような拮抗細菌の存在が知られており、人間の腸内細菌と同様の健康を保つためのシステムがあることを示唆されている。このような背景の下、沖縄瀬底島州へのサンゴ礁海域において拮抗作用を有する細菌の分離を試みた。 研究者のご都合により掲載しておりません。
曽我 昌史 氏

東京大学大学院
農学生命科学研究科 助教
自然と関わる「経験の絶滅スパイラル」:そのメカニズムと適応策の解明

人々が日常生活で自然と積極的に関わらなくなることは「経験の絶滅」と呼ばれ近年問題視されているものの、回避するためにどのような対策が必要か未だ分かっていない。

本研究課題では、これまで環境保学分野でほとんど注目されてこなかった「経験の絶滅」に焦点を当て(1)発生・進行プロセスを広域スケールで明らかにし、(2)必要・効果的な対策案を提示することを目的としている。

栃木県の教育委員会の協力の元、小学生への大規模アンケートを実施し小学生の自然体験頻度を向上させるためにどのような対策が必要かを調査した。

研究者のご都合により掲載しておりません。
田中 俊徳 氏

東京大学大学院
新領域創成科学研究科
特任助教
獣害とジビエ振興をめぐる公共政策の比較分析  :日本のシカとオーストラリアのカンガルー対策 近年増えすぎたシカやイノシシによる農作物被害が大きな問題となっている。その額は年間約200億円に及び、政府は毎年100億円以上の税金を費やしている。筆者はかつて環境問題や地域の持続的発展のためにジビエ振興の必要性を指摘し、その障壁を法や経済、比較文化の観点から論じている。日本では遅れているジビエ振興は、先行研究として欧米との比較が中心であったが、見落とされる点にオーストラリアのカンガルー政策が挙げられる。本研究では、日本では先行研究が皆無であるカンガルー管理をめぐるオーストラリアの公共政策を調査し、日本における政策手法と比較分析し、ジビエ振興に生かすことを目的としている。 研究者のご都合により掲載しておりません。
長嶋 剣 氏

北海道大学
低温科学研究所
助教
オゾン層破壊に関わる氷表面での塩化水素ガス取り込み機構のその場観察 大気汚染問題において大気組成が変化する原因を突き止める事は最重要課題である。問題を複雑にしているのが雲や極域で多量に存在する氷結晶で、氷結晶を下地とした不均一反応や表面融解による溶液反応まで大気中とは異なる反応が起こりうる。これまでの研究の多くはガス側を分析していたため何が生成したか、氷がどの程度のガスを取り込むかはわかるが、氷表面で何が起きているのかに関してはまだまだ不明点が多い。そこで分子レベルの高さ分解能を持つレーザー共焦点微分干渉顕微鏡を用いて塩化水素ガスが氷に与える影響について調べることとした。 (1.0MB)
藤野 毅 氏

埼玉大学 工学部
環境共生学科
准教授
ミャンマー農山村地域における環境教育の実施と水質モニタリングネットワークの構築

本活動は、これまで全く科学的な水質情報が得られていないミャンマーの農山村地域において、地元の政府関係者や大学、および住民らと共に、水質の基礎データを共有しその現状を認識すること、今後の開発等の人間活動による影響を予測できるように、大学教員やアセスメント技術者に対して専門的知識を提供し、有効に機能すること、および環境NPOの設立を促し、自立した水質モニタリングシステムを構築することを目的に行った。

また、これまでの現地での活動と併せ、国内外のシンポジウムや学会、セミナーにおいて成果発表を行った。

(2.7MB)
宮川 拓真 氏

国立研究開発法人
海洋研究開発機構
研究員
次世代の無人プラットフォームを利用したPM2.5エアロゾル粒子の計測手法に関する研究 本研究では、ドローンをはじめとして、大気組成の次世代のスマートな研究手法確立のため、そのペイロードとなりえる小型なセンサーの探索とテストを実施し、データ取得(DAQ)のシステムの構築を試みた。このシステムは、NDIR式の温室度気圧センター、二酸化炭素センサー、小型改良化した光学粒子カウンターの制御やデータ取得をシングルボードPCの代表格であるRaspberry Piを用いて行うものである。ネットワーク接続接続可能なRaspberry Piを用いたことで遠隔からの測定制御も可能となっている。 研究者のご都合により掲載しておりません。
宮下 洋平 氏

北海道大学大学院
水産科学院
海洋生物資源科学専攻
博士課程3年
浮葉植物ヒシを利用したアオコ防除および水質改善の研究 2014年、北海道函館市五稜郭の外堀で濃密なアオコが発生した。アオコは景観の悪化、悪臭、堀水の毒化を招き、観光被害や鯉・ヘラブナといった有用生物への悪影響が懸念される。当該地では、通常ヒシなどの水生植物が豊かに繁茂するが、景観の悪化から年2回程刈り取りが行われる。この水生植物の過剰な刈り取りによる水質浄化能とアオコ抑制能の喪失が、アオコ発生の推進力となった可能性が高いと考えられる。またアオコは冬季に湖底に沈降・堆積して越冬し、初夏に水面へと移動し増殖すると想定されていることから、水底の堆積物中における植物プランクトンの越冬細胞数を把握し、夏季の藍藻類ブルームを推定することを目的とし、調査を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
山下 良平 氏

石川県立大学
生物資源環境学部環境科学科
准教授
外国企業による水源地域森林買収に関する目的不明状況の探索的解明 水源地域の安定的な維持保全に関する国民的不安感の根本は、明確な使用目的が地域住民に周知されていない状況に起因する。この背景には、名義上国内の企業等が土地取得者となるあるいは実際に土地を買収する企業関係者が現地に駐在しない等の理由がある。
今後、水源地域及びその周辺の森林地域に適度な緊張感を維持しながら土地取得秩序を形成していくためには、外資系企業あるいは資産家が抱く日本の水源地域への資産的価値ニーズを明らかにする必要がある。本研究では、外国企業あるいは一定水準以上の資産家を対象とした調査を実施し、日本国内の水源地域に対する、ニーズの情報収集を行う。主体属性・情報収集経路・買収対象地の選択基準・利用意向等を可能な限り収集し、その傾向を精査する。
研究者のご都合により掲載しておりません。
楊 偉 氏

千葉大学
環境リモートセンシング研究センター
特任助教
衛星データを用いた北方林における林床植生バイオマスの長期変動解析

【本研究の目的】

  • 北方林全域で16年スケール(2001~2016年)の林床植生指数(NDVIu)及び地上バイオマスの衛星プロダクト
  • 林床植生バイオマス量の長期的な時空間変動及び気候変動が林床植生に及ぼす長期的な影響
研究者のご都合により掲載しておりません。
吉木 宏之 氏

鶴岡工業高等専門学校
電気電子工学科
教授
安全・安心な飲用井戸・貯水槽の実現に向けた自立型プラズマガス・バブリング装置の開発 飲用井戸、貯水槽、湧水による簡易水道に病原性大腸菌、カンピロバクター、ノロウィルス等が混入することによる食中毒が後を絶たない。不十分な消毒が主な原因ではある一方、薬剤の過剰投入は逆に健康被害や環境負荷の増大を招く危険性も指摘される。本研究では、新規自立型プラズマガス・パブリング装置の試作を行い、有機染色の脱色、大腸菌の殺菌に応用して有効性を検証した。また、ソーラーパネルとバッテリーにより同装置を自立的・定常的に運転することで環境負荷を低減しつつ、電源確保が困難な場所での井戸水や貯水槽の殺菌処理を可能にするシステムの構築も試みた。 研究者のご都合により掲載しておりません。
吉村 寿代 氏

神戸市立工業高等専門学校
一般科 講師
楮栽培による耕作放棄地の再生利用および楮栽培に新たな価値を付与する試み 奈良県吉野町国栖地区は、和紙の手すき技術が代々受け継がれる地であるが、後継者不足、原料木の減少等により、安定生産が困難な状況がある。本事業では、まず原材料である「楮」栽培を再開させていくことを目的とした。休耕地の再生利用・景観の改善・獣害を減らして「楮」栽培を復活させることを目指す。並行して「楮」栽培に新たな付加価値を付与することで栽培メリットを新たに生み出し、将来的には増産を目指す。 研究者のご都合により掲載しておりません。
渡部 哲史 氏

東京大学大学院
工学系研究科
総合研究機構 助教
気候変動が島嶼部の観光に与える影響評価手法の開発

太平洋島嶼部の持続可能な開発は国際的に重要課題である。島嶼地域はその立地や独自の環境・文化を有していることから、観光が主要産業となっていることが多い。観光産業の持続可能性を考えるためには、観光客・地域社会・環境のそれぞれの観点から評価する満足度とその相互関係を明らかにする必要がある。特に気候変動影響が顕在化しつつある昨今においては、自然環境の変化及び人口の増減や各国の経済成長等の変化を考慮して観光産業を考えることが重要である。

これらの背景を踏まえ、本研究では、気候の極端現象によるイベントの中止頻度の変化や晴天日の割合による観光満足度変化、将来の水資源量利用可能性に着目し、これらを対象とした手法開発を行った。

(1.1MB)
李 賢映 氏

愛媛大学
社会共創学部
環境デザイン学科
講師
地方自治体における地球温暖化防止普及啓発の実行性向上にむけて—地域センター・推進員活動と実行計画の比較及び予算の連携性分析を通じて— 日本政府は2030年の家庭部門における温室効果ガスを2013年対比40%削減する目標をかかげている。地球温暖化防止普及啓発には、地域に密着し住民の日常レベルから普及啓発活動を行っている地域センターや推進員の活動の意義は大きい。一方、都道府県は、地域センターの指定と推進員の委嘱を並行し、自治体の実行計画において、普及啓発施策を実施している。本調査研究の目的は、自治体が地球温暖化防止活動における普及啓発の実行性向上に向けて多くの課題に直面している中、市民・地域と近い存在である地域センター及び推進員の活動内容と自治体の実行計画における施策や予算との連携性の分析から県と地域センター及び推進員の協力の在り方を考察することである。 研究者のご都合により掲載しておりません。
勝田 長貴 氏

岐阜大学
教育学部 准教授
数十年~数百年規模スケールの陸域環境変動と気候との関連性の解明 近年の地球温暖化は、我々にも実感できる世界各地の異常気象と関連づけられ、その原因の理解は人類の課題と認識されるようになった。その中で最近特に温暖化の原因として問題視されるのが、永久凍土の融解とそれに伴う温室効果ガス(CH4,CO2など)の大気への拡散によってさらなる温暖化の加速の可能性である(IPCC2013)しかし永久凍土融解の変遷その変動の支配要因はいまだ明らかとなっていない。そこで本研究は湖沼堆積物コアを用いた環境変動の復元と永久凍土融解影響の検出を目的とし、モンゴル北部のフブスグル湖、エルヘル湖とゴビ砂漠西部のオログ湖の3地点を対象として研究を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2016年度(平成28年度 第19回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
綾部 慈子 氏

名古屋大学大学院
生命農学研究科
生物圏資源学専攻
研究員
都市部大規模緑地がもたらす昆虫群集の多様性
-都市緑地は豊かな土着天敵相の潜在的供給地となるか-
本研究では、名古屋市の緑地2か所において、天敵昆虫の代表的存在である寄生蜂とそれを支える会栄養段階の植物性昆虫、すなわち”植物―食植生昆虫―寄生鉢”の3者系に着目し、種多様性を調査する。それにより、都市緑地が担う生物多様性保全機能、特に、潜在的な天敵昆虫相資源・供給地としての機能をあきらかにし、緑地全体としての意義について新しい観点を提案する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
大谷 雅人 氏

兵庫県立大学
自然・環境科学研究所
生物資源研究部門
准教授
兵庫県および近隣地域における草地生草本植物の遺伝構造分析:緑地再生・創出における地域性種苗の積極的活用に向けて 兵庫県内の代表的な4河川(由良川、加古川、武庫川、猪名川)を現在および過去の分水界で分けた7流域、および次世代シーケンサーを用いたゲノムワイドでの単塩基多型の探索により、それぞれの種の遺伝構造と河川流域の対応を明らかにする。これらの結果から、地域性種苗の育成において配慮すべき最小の地理的な単位を認識するとともに、河川争奪が流域の草地性植物の生物地理に与えた影響について考察する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
沖 陽子 氏

岡山大学大学院
環境生命科学研究科
副学長・教授
児島湖流域における水質汚濁の現況解析と改善への提言を地域と大学のコラボで考える
~灌漑期・非灌漑期別並びに経年変動の視点から~
 温暖化の進行速度が増している昨今、大気環境の変化に付随する水環境・水循環問題が懸念されている。一方、農業生産基盤の整備と併せ、用水路等の水質・水量の制御及び生態系や生物多様性に配慮した豊かな自然環境の提供場所としての水環境整備と維持管理技術の発展が望まれている。本研究では指定湖沼に指定されており、特にリン濃度の減少が課題である児島湖及びその流域の用排水路において、水質改善と生物多様性との接点を求め、最適水域生態系、流域における水の移動を軸として持続性科学の検証を試みる。 (2.6MB)
加藤木 ひとみ 氏

筑波大学大学院
生命環境科学研究科
生物資源科学専攻
修士課程1年
野生ラン保護を目的としたラン科植物の生長と共生菌量の動態分析 野生ランの60%以上が絶滅危惧種に指定されている。ラン科植物は菌根菌(根で生活し、生物栄養学的な関わりを持つ菌)と共生することで生活する。野生ランの保護を考えるために、ランと菌根菌の栄養的関係を、ランの成長過程に沿い継時的に調べる基礎研究が必要である。本研究は、ネジバナの成長における菌根菌量を科学的に定量し、植物体の栄養状態を栄養源素量として調べることで、菌根菌とネジバナの栄養状態の相関を明らかにることで、日本に広く分布するネジバナをはじめとする野生ランの生体解明に貢献し、絶滅危惧されている多くの野生ランを保護するための方策を立てることに役立てる。 研究者のご都合により掲載しておりません。
桜井 良 氏

立命館大学
政策科学部
助教
中学生への聞き取り調査及び参与観察から明らかにする海洋プログラムの教育効果
-岡山県備前市立日生中学校の事例研究-
本研究では、体験型海洋教育プログラムが中学生の意識や行動の変化に与える影響を明らかにし、海洋環境の持続的な保全及び利用を行うための海洋教育の役割や意義を提示する。具体的には、日生中学校における海洋教育プログラムを生徒の反応や表情に注目しながら参与観察を行い、新入生が加わる年度の初めりに全学年の生徒に対して聞き取り調査を実施する。聞き取り調査では生徒の海に対する意識や知識、また海を保全することへの関心などを明らかにし、特に海洋教育プログラムを受けたことのない1年生とすでにプログラムを受講している2,3年生との意識の相違を把握することで、里海の保全を目指す一連の教育プログラムが生徒に与える教育効果を明らかにし、海洋教育の意義を明らかにする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐藤 拓真 氏

北海道大学大学院
理学院
自然史科学専攻
博士課程1年
日本産食肉目イタチ科の生態にアプローチする非侵襲的手法の開発 アンブレラ種の役割を担う食肉目の中で、多様な環境に適応してきたイタチ科は、毛皮のための狩猟や生息地減少によってその生息数は減少を辿り、多くのイタチ科が絶滅の危機に瀕している。一方で、ネズミ駆除として導入されたイタチ科や毛皮獣として飼育されていたイタチ科が野生化することで、イタチ科が在来生態系に大きな影響を与える問題も国内外で生じている。この現状を打開するためにイタチ科の保全と管理を行うには、その生態を把握する必要がある。しかし、モニタリング調査によく用いられるフンは種間で形状が酷似しており、外見的特徴から種を特定することは困難である。そこで本研究では、フンDNA分析により確実にイタチ科のフンを簡便で確実な方法に改善し、性別などの個体情報も分析できる方法を開発することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐野 哲也 氏

東北工業大学
工学部
環境エネルギー学科
准教授
津波被災地に新規造成された広葉樹林の防潮堤「千年希望の丘」の生態学的モニタリング
~土壌動物・微生物など土壌の生物性に関する評価を中心に~
東日本大震災以降、仙台湾沿岸地域の自治体では、防潮堤、避難丘、嵩上道路など津波に対する多重防御の一環として、防災機能を兼ね備えた盛土の建設が実施され、盛土法面では緑化が進められている。本研究では、数多くおこなわれている緑化事業のうち岩沼市が行っている「千年希望の丘」事業に着目し、生態学的モニタリングを実施することを大きな目的とする。具体的には、植栽1年目から5年目までの植栽地および周辺地域に存在する常緑広葉樹の自然林を対象に、「土壌動物の数と多様性」、「土壌微生物のバイオマス量」、「土壌微生物活性」を調べ比較を行う。 研究者のご都合により掲載しておりません。
杉山 茂 氏

徳島大学大学院
理工学研究部
理工学部門
応用化学系
教授
厳格な水道水水質基準に対応する亜硝酸性窒素の湿式還元分解用構造体触媒の開発 近年、地下水の亜硝酸性窒素(NO2-)による汚染が問題となっている。日本の法令では厚生労働省が定める「水質基準に関する省令」で規定される水質基準項目において「亜硝酸態窒素0.04mg/L以下」が定められている。水中からNO2-を除去する方法として、触媒による湿式還元分解が注目されている。この反応では常温常圧の温和な条件下において、水素流通下NO2-水溶液とPd触媒を接触させることで無害なN2ガスに変換できる。本研究では水の大量処理を想定した液循環固定床反応器を作成し、固定床に用いる触媒担体として微細骨格を持ちながらも低圧力損失である「多孔質セラミックフィルター(Si/SiCフィルター)」を用いた開発を行う。 (2.3MB)
富川 光 氏

広島大学大学院
教育学研究科
准教授
東日本大震災による津波が沿岸域の生物多様性に与えた影響評価に関する研究 2011年3月11日の東日本大震災で発生した大津波により、松川浦は海と潟内を隔てる砂洲が崩壊し、大量の海水が内部に流入した。これにより、ヨシ原やマコモが生育する岸部は大きく撹乱され、多様な沿岸環境と生態系は大打撃を受けた。しかし、被害状況は正確に評価されているとは言えず、生態系を含めた環境の評価は急務であった。本研究では小型甲殻類のヨコエビ類を指標生物として、東日本大震災による津波襲来後の松川浦の生物多様性の現状を明らかにする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
新澤 秀則 氏

兵庫県立大学
経済学部
教授
中国の排出権取引に関する研究 中国が2017年から排出権取引を始める。中国における排出権取引は、先行する欧州連合など先進国の排出権取引とは異なる課題に直面するであろう。本研究は、中国の排出権取引に影響を与える背景を識別し、排出権取引の特徴を把握して、その評価を行う。さらに、他の政策との関係で、排出権取引が果たす役割を分析する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
福島 良樹 氏

岩手大学
農学部地域生態管理学研究室
修士1年
岩手県盛岡市猪去地区におけるハクビシン(Paguma Iarvata)が利用する資材庫の特徴の解明
-効果的な被害対策のための基礎的研究-
ハクビシン(Paguma larvata)はネコ目ジャコウネコ科の動物であり、中国を始め東南アジアに広く分布している。日本では昭和20年代初頭に四国、静岡県、山梨県、福島県にまばらに分布していたが、徐々に分布域を拡大し、現在ではほぼ全国に生息している(農林水産省、2008)。岩手県内でも2009年以前から各地で目撃情報があり、更に2012年にかけて分布域を拡大していることが確認されている(岩手県、2012)。これから本格的に被害が拡大する前に効果的な対策を取ることができるよう本種の生態を明らかにする必要がある。筆者による里山地域における本種の行動圏の研究(福島・原科、2016)により、里山地域において本種はねぐらとして農業で使用する資材を保管する資材庫を好んで利用していることが判明した。そこで本調査では、本種が高頻度で利用している資材庫の特徴を解明し、本種の効果的な捕獲を行うために必要な知見を得ることを目的とした。 (452KB)
水野 洋輔 氏

東京工業大学
科学技術創成研究院
未来産業技術研究所
助教
地震後の避難所生活短縮のための分布型光ファイバセンシング
~光散乱スペクトルの傾斜を活用した性能向上~
大震災後に被災者の方々の避難所生活が長引く大きな原因の一つは、「一見すると損傷を受けていないようにっ見える住宅が真に安全であるのか」の行政判断にある。現状では少数の専門家が打音調査等を行うため、判断基準が曖昧であるとともに、多大な時間を要してしまう。そこで本研究は、この問題を計測工学の検知から解決するため、住宅をはじめとする構造物に光ファイバを「神経」として埋め込むことで、それらの地震による損傷と光損失を定量的かつ高速に測定することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
森 晶寿 氏

京都大学
地球環境学堂
地球益経済論分野
准教授
緑の気候基金(GCF)は地球環境問題の克服にどのような追加的な寄与を行いうるか?
-民間部門活用における地球環境ファシリティ(GEF)プロジェクトとの比較分析-
GCFがGEFと比較してどのように民間部門の参加を促し、支援プロジェクトの効果の持続性やスケール・アップ、受取国のコミットメントを確保しているのか、そしてそれができる要因は何かを解明することを目的とする。具体的には、
(1)GCFは、「民間部門ファシリティ」を導入したことで、GEFと比較して、プロジェクトの実施機関に、プロジェクトサイクルの初期段階から民間部門の参加を確保する誘因をより強く持つようになった。
(2)GCFプロジェクトでは、GEFプロジェクトに比較してより中核的な部分に民間部門が参加している。
(3)GCFプロジェクトでは、民間部門のプロジェクトへのコミットがGEFプロジェクトに比較して強く、プロジェクトの効果の持続性やスケール・アップが期待できる の3つの仮説を検証する。
研究者のご都合により掲載しておりません。
安成 哲平 氏

北海道大学大学院
工学研究院
助教
大気汚染対策のためのブラックカーボンと黄砂(ダスト)情報を分離・定量する手法の開発 本研究は、大気汚染微粒子としてよく知られているダスト(鉱物粒子)及びブラックカーボン(BC;不完全燃焼起源)に注目し、大気サンプリングをした一枚フィルターの吸光度から両者を定量可能にし、今後これらの大気汚染物質の情報を簡易的に測定できるようにすることを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
山崎 裕治 氏

富山大学
理学部生物学科
准教授
環境DNA技術を用いた希少種保護のための生物相評価手法の開発 近年注目されている希少種保護のために、環境DNA技術を用いた生物相評価方法の確立と、遺伝的多様性評価を行った。対象として、水田生態系の主要構成種であり、国指定天然記念物のイタセンパラ(コイ科の小型魚類)およびその共存生物を選定した。実験水槽において対象種を飼育し、その私費楠井からDNAを採取・抽出し、種特異的PCRにより存在を確認する。次に、自然河川の複数地点から環境水を採取し、これを実験に用いることにより当該水域における対象種の生息状況の把握を行う。 (1.5MB)

2015年度(平成27年度 第18回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
今西 純一 氏

京都大学大学院
地球環境学堂
(農学研究科)
助教
在来植物イタドリの遺伝的変異に配慮した緑化利用に関する研究 本研究は、法面緑化において外国産種子が大量に利用されているイタドリを対象として、外国産流通個体と国内自生個体との遺伝的な違いと、国内自生個体の遺伝的変異の地理的分布を明らかにし、外国産種子の緑化利用の可否を検討し、遺伝的変異を考慮した地域区分を示して、イタドリの適正な緑化利用について提言することを目的とした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
神松 幸弘 氏

立命館大学
立命館グローバル・イノベーション
研究機構
専門研究員
多元素同位体分析指標を用いた日本産小型サンショウウオ類の生態系機能の多様性の解明 日本産小型サンショウウオ類の成体の生態は不明な点が多く、どのような場所で何を食べているかといった基本的な情報すら十分とな言えない。日本産小型サンショウウオ類の成体は潜伏生活をしているため発見は難しく、繁殖期以外に野外で大量の個体を観察した事例はない。そこで、本研究は小型サンショウウオ類の食性と食物網の位置を解明する研究手法の開発を目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐治木 弘尚 氏

岐阜薬科大学
薬品化学研究室
教授
メタノール、窒素、ステンレススチールを組み合わせた力学的エネルギーが媒介する窒素固定化反応 「窒素固定」反応に関しては、窒素の遷移金属上への固定化は達成されつつあるが、固定化窒素に還元的に水素を付加する過程、すなわち窒素分子の切断反応は、コストやエネルギーなどの問題が山積している。我々は、水とSUS304ボールをボールミル反応すると、水が分解して水素ガスが定量的生成する方法を既に確立している。今回水に代えて「メタノール」を使用すると、水素やメタンを含むガスの発生とともに、相当量のアミン類が生成することが明らかになった。本研究では窒素ガス固定化反応で必須となる反応条件を明確にし、実用的な固定化法を確立するとともに、メタン水蒸気改質反応に代わる効率的水素製造法を開発する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐藤 理夫 氏

福島大学
共生システム理工学類
教授
福島県内バイオマスのエネルギー利用に伴う放射性セシウムの挙動解析 福島県は面積の7割が山林の森林資源豊かな県である。農業・畜産も盛んで、多量の有機資源が存在する。東日本大震災により福島第一原子力発電の事故が起き、放射性物質が広範囲に飛散した。そのため放射性セシウムによるバイオマス資源の汚染が懸念されている。県内産の森林資源を使用するには、常に樹木中の放射性セシウムについて考慮する必要がある。まず、樹木中の放射性セシウム濃度測定を行った。 (1.61MB)
角野 浩史 氏

東京大学大学院
総合文化研究科
広域科学専攻
相関基礎科学系
准教授
地下水流動系の解明に向けたトリチウム-ヘリウム3年代測定法の開発 本研究では、福島第一原発の事故により地下水の放射能汚染が懸念されている福島県内の地下水の流動系に関する知見を得ることを目指して、水試料からのヘリウム抽出システムの改良と、国際原子力機関による提供された3H標準試料の分析を通して、希ガス質量分析を用いた3H-3He年代測定法の手法を開発することを目的とした。 (1.23MB)
高巣 裕之 氏

東京大学
大気海洋研究所
海洋化学部門
生元素動態分野
特別研究員
琵琶湖における低酸素水塊形成を支配する微生物-有機物相互作用系の解明 大型湖沼において、深水層へ輸送される有機物の組成や分解性については情報に乏しく、こういった有機物の特性が、細菌群集の有機物分解速度および呼吸速度にどのような影響を及ぼすかに関しては、ほとんど分かっていない。藻類は、その種類によって生産する有機物の組成や分解性が異なることが報告されている。そこで、深水層で観察される藻類の種類に着目し、種類の異なる藻類に由来する有機物を深水層の細菌群集に添加し、酸素消費速度の違いを明らかにすることで、沈殿する藻類の種類と深水層の酸素消費速度との関係を明らかにする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
田中 一生 氏

京都大学大学院
工学研究科
高分子化学専攻
講師
PM2.5を混ぜるだけで簡便に検出するための発光型化学センサーの開発 これまでの微小粒子状物質を検出するための手法は、大型の装置を用いることや、測定のための試料の前処理など、専門的な技術が必要とされる。これらの状況から、混ぜるだけで測定が可能な蛍光化学センサーの開発に着手した。特に本研究では、直接的に水質汚染の原因となることや、PM2.5よりもより捕捉が困難であるシリカ微粒子を標的として検出を試みた。 (1.01MB)
辻本 克斗 氏

北海道大学大学院
農学院 共生基盤学専攻
修士1年生
森林生態系における太陽光誘発クロロフィル蛍光スペクトルの空間分布の解明 本研究では、空間分布の解明に役に立つ、個葉の蛍光スペクトルと窒素濃度・光合成パラメータの関係に着目して、Vcmax(光合成のポテンシャル)と蛍光スペクトルの季節変化を個葉レベルで測定し、両者の関係を明らかにすることを目的とした。 (169KB)
時松 宏治 氏

東京工業大学大学院
総合理工学研究科
環境理工学創造専攻
准教授
持続的かつ幸福度の高い低炭素社会の評価方法に関する研究 本研究では研究蓄積・業績を基に、次の2点を研究の目標とした。1つは、幸福度ランキングが常に高いデンマークや、環境先進国スウェーデンのように経済成熟度の高い国から、幸福の国として知られるブータンのように経済発展離陸期にある国まで、経済発展段階の異なる国々を対象とした社会調査を試行し、経済成長と持続性、幸福度の推計式構築を試みること。もう一つは、その推計式をシミュレーションモデルに組み込み、温室効果ガス排出と持続性、幸福度の将来経路を描くこと。 研究者のご都合により掲載しておりません。
松本 潔 氏

山梨大学大学院
総合研究部
生命環境学域
准教授
増加する窒素沈着が引き起こす高山地域の環境変動 本研究の目標は、中部山岳地域森林域への大気由来窒素沈着量を測定し、変動性を明らかにすると同時にその支配因子を解明することである。森林への硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素、有機態窒素などといった化学形態別、また、乾性沈着、湿性沈着といった沈着経路別の沈着量の評価を行ない、沈着物に対する樹体の生理学的な応答や林内の土壌及び表面流出水への影響も含めた包括的な研究へ発展させる端緒とする。 (603KB)
宮永 健太郎 氏

滋賀県琵琶湖
環境科学研究センター
主任研究員
生態系サービス・環境ハザードの総合的環境ガバナンスと自然共生社会の現実 本研究では、地球環境保全や持続可能社会への移行に向けて、「生態系サービスの維持・管理」と「環境ハザードの緩和・適応」の双方を包含し、真の「自然との共生」の姿とその実現戦略を示すことのできる、新機軸の環境ガバナンス論について考える。 研究者のご都合により掲載しておりません。
吉田 茂二郎 氏

九州大学大学院
農学研究院
教授
中国からの越境大気汚染による西南日本の森林衰退の評価に関する研究 本研究の目的は、「大気汚染物質の飛来時期とモミ林の衰退時期には、数十年のタイムラグがある」の仮設を意識し、九州管内の中央部に位置し中国からの影響が少ないと考えられる宮崎県椎葉村に成育している老齢なモミ天然林を対象に、この仮説を検証することである。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2014年度(平成26年度 第17回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
朝日 克彦 氏

信州大学
山岳科学研究所
助教
気候変動下における中部山岳雪氷圏の中期的な動態解析 新雪が覆う直前、晩秋期の積雪、越年する積雪を対象に、地球温暖化の山岳域の雪渓の動態を解析する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
市村 正也 氏

名古屋工業大学
機能工学専攻
教授
鉄の太陽電池(硫化鉄/酸化鉄へテロ接合太陽電池) 本研究では、電気化学堆積法により硫化鉄薄膜を作製し、その特性改善のために、硫黄粉末を用いてアニール処理を施した。その結果、400℃でのアニール後、酸素比の減少とパイライトへの結晶化を確認した。また、メスバウアー分光による測定も行ったところ、アニール前後で鉄原子の結合状態に大きな変化がないことが分かった。 (106KB)
糸井川 高穂 氏

宇都宮大学大学院
工学研究科
助教
エアコン使用者の省エネルギー行動を誘発する情報の提供方法の提案 夏には、市役所の壁などには省エネルギーについてのポスターが貼られる。しかし、期待したほどの節電効果は得られていない。ビジネスホテルの空調関連の省エネルギー行動を誘発することを目的に、冬期に宿泊客に省エネルギー行動を促すPOPを見せ、その効果を検討した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
伊禮 聡 氏

琉球大学
理学部国際サンゴ礁
研究教育ハブプロジェクト
ポスドク研究員
福岡大気中のPMに含まれる発生由来別水溶性有機炭素の定量解析 本研究は、北部九州のバックグラウンド大気(長崎県福江島)で採取されたPMに含まれるWSOCの炭素安定同位体比を越境二次生成由来の参照値とし、同時期に北部九州の都市(福岡県福岡市)で採取されたPMに含まれるWSOCの炭素安定同位体比とを比較することで、越境汚染由来と国内の近傍発生源由来のWSOCが福岡大気にどの程度含まれているか定量解析することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
大野 智彦 氏

金沢大学
人間社会研究域法学系
准教授
重層的環境ガバナンスにおける熟議民主主義の実証的研究

広域的な環境悪化への対応として、重層的環境ガバナンスとそこにおける熟議民主主義の重要性が指摘されている。本研究では、以下の3点について研究を実施した。

  1. 熟議民主主義論の展開と課題の整理
  2. 流域ガバナンスの分析フレームワーク構築
  3. 熟議質指標を用いた流域委員会における議論の評価
研究者のご都合により掲載しておりません。
岡 浩平 氏

広島工業大学
環境学部地球環境学科
助教
塩生植物の生活史戦略と生育環境の関係性 本研究では、長谷海岸を対象地として、盛土とその周囲の表層堆積物と塩生植物の生育分布を把握し、塩生植物の生育場所の保全に役立てることを目的とした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鎌田 泰斗 氏

新潟大学大学院
自然科学研究所
博士後期課程1年
冬眠動物シマリスに及ぼす地球温暖化の影響評価に関する研究 地球温暖化の影響評価のための生物指標としては、移動能力を持たない植物や温度変化に鋭敏な変温動物が用いられてきた。これから温暖化が進行し、環境変化が大きくなっていく中、ほ乳類への影響が大きくなる可能性は十分に考えられる。ほ乳類の中でも、地球温暖化の影響を顕著に受ける懸念があるのが冬眠動物である。本研究では、シマリスに及ぼす地球温暖化の影響評価の前段階として冬眠様式の遺伝形式の推定を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
川﨑 興太 氏

福島大学
共生システム理工学類
准教授
東日本大震災と福島原発事故後における環境復興に関する研究 本研究は、東日本大震災と福島原発事故によって甚大かつ深刻な環境被害を受けた被災地域を対象として、「環境回復」と「環境創造」の両面から、復興に向けた実態と課題を明らかにすることを目的とする。 (94KB)
田邊 優貴子 氏

早稲田大学
高等研究所
助教
植生の長期モニタリングに向けた画像のRGB解析法の開発 自然環境の変化に対する生物の応答を把握する上で、一次生産者の現存量や群集組成の変化を捉えることは重要な課題の一つである。現在、森林植生の調査のためにはいくつか確立された方法があるが、より細かいスケールの調査が必要となる草本、コケ・地衣類などの局所的な群集変化を簡便かつ低コストで調査する植生調査法はない。植生の観察コドラートに対して、デジタルカメラ撮影画像から抽出したRGBデータを撮影対象の植生と対応させることで、RGBデータから植生を導き出す解析方法を開発することを目的とし、本研究を実施した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
羽鳥 剛史 氏

愛媛大学大学院
理工学研究科
准教授
行動プラン法を用いた省エネ行動促進策の提案と効果検証
(小学校環境教育プログラムへの適用)
本研究では、社会心理学における態度行動変容研究の知見を基にして、小学生とその家庭を対象にして「行動プラン法」を用いた省エネ行動促進のための環境教育プログラムを提案し、実施効果を検証した。結果、児童と保護者ともに環境に配慮する道徳意識が向上し、一定程度省エネ行動を継続する傾向が認められた。 (6.90MB)
平尾 聡秀 氏

東京大学大学院
農学生命科学研究科
講師
森林の潜在的な病害発生リスク推定法の開発に関する研究 本研究では、森林の潜在的な病害発生リスクの評価方法の開発を目的に、奥秩父山地の天然林において、標高別に健全な樹木の葉を採取し、葉圏菌類相を網羅的に解析した。これらの菌類相組成に基いて、病害の原因となる可能性がある絶対寄生菌の多様性・相対現存量と環境要因の関係を解析することで、潜在的な病害発生リスクの分布とその要因を評価することが可能になった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
吉川 正和 氏

京都工芸繊維大学大学院
生体分子工学専攻
教授
放射性廃棄物捕捉分子インプリントナノファイバー吸着剤 本研究は、水溶液(海水)よりセシウムイオンを選択的に吸着する分子インプリント吸着剤の創製を目的としている。本研究課題を遂行することにより、新たに創製された分子インプリント吸着剤は核廃棄物である放射性セシウムイオンを除去する吸着剤として利用可能であることを明らかにした。 研究者のご都合により掲載しておりません。
渡邉 修 氏

信州大学
農学部
准教授
UAV(小型無人ヘリ)によるアレチウリ群落の高精度センシング技術の確立と発生面積の推定 これまで植生観測を面的に行うには、衛星や航空機による画像解析が行われてきたが、衛星は必要な時期の画像を得にくいこと、航空機ではコストの問題があった。近年、小型UAV(ドローン)の高性能化と低価格化が進み、撮影時期をユーザ側で任意に設定でき、高い地上分解能から小規模地域での雑草モニタリングが可能となっている。本研究では、UAVの画像処理によってアレチウリ群落の検出法を検討し、画像解析による群落拡大速度の推定を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2013年度(平成25年度 第16回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
浅田 元子 氏

徳島大学大学院
ソシオテクノサイエインス研究部
助教
超高温高圧水蒸気爆砕を用いたセルロース廃棄物の直接グルコース変換 セルロース系物質の糖化は、脱リグニン処理後に酵素を使用した糖化が一般的であり、デンプン系では不要な前処理にかかる操作段階の負荷と、糖化のための酵素が高価でしかも活性が低いという問題点の解決がなければ実用化が困難である。本研究では、実際に種々の廃棄セルロース物質を用い、さまざまな水蒸気爆砕条件で処理後、その成分分析と性状分析を行うことで処理条件を検討し、直接高グルコース変換収率を試みた。 研究者のご都合により掲載しておりません。
伊勢 武史 氏

兵庫県立大学大学院
シミュレーション学研究科
准教授
光学観測技術の活用による森林の生態系サービスの効果的な推定法の開発 本研究では、森林のフィールド調査を飛躍的に効率化する非破壊・非接触の光学観測技術の開発と。それを用いた研究を行った。デジタルカメラに装着した魚眼レンズによって林床から鉛直上方を撮影し視野内の樹木密度および葉面積を推定することで、フィールドでの滞在時間を労力を大幅に削減することが可能となった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
北渕 浩之 氏

滋賀県立大学大学院
環境科学研究科
環境動態学専攻
修士課程1年
ヤクシマカワゴロモの保全に関する研究 ヤクシマカワゴロモは屋久島の一湊川にのみ生育しているカワゴケソウ科植物の一種である。このカワゴロモ表面に付着藻類が確認され、カワゴロモへの影響が懸念されるため、一湊川の水質調査とカワゴロモの育成を妨げる付着藻類の増殖要因を明らかにした。 (3.83MB)
齋藤 雅典 氏

東北大学大学院
農学研究科
複合生態フィールド教育研究センター
教授
黒ボク土壌の有機物分解制限因子としてのリン わが国の主要土壌である「黒ボク土」における炭素蓄積は、アルミなどの無機成分と有機物の化学的結合による有機炭素の安定化によると考えられている。一方、アルミ等無機成分は有機物のみならずリンを固定する力もきわめて強く、土壌中のリン濃度の低下による微生物活性低下が有機物分解を抑制しているという可能性を示唆するものである。本研究では「黒ボク土における有機物分解抑制の一因は土壌中のリン濃度の低下にある」という仮説を提起し、本仮説を土壌培養実験に基づき解明する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鈴木 正貴 氏

岩手県立大学
総合政策学部
助教
絶滅危惧種タナゴの保全に資する代償生息池造成の試行実験 農業農村整備事業における環境との調和に配慮する対策は、ミティゲーションの5原則により選定されることが基本となる。そこでミティゲーション5原則を踏まえた溜池の改修案を検討したが、これらの保全対策のうち、「最小化」「修正」「軽減」については、施行がタナゴ個体群消滅のリスクが常に伴うことから、これらの対策とあわせて「代償」となる新たな生息地(一次的な退避の役割を含む)の造成を検討する必要がある。そこで、本研究は、タナゴの生息に必要な環境要因を検討し、本種の個体群存続のための保全池造成を試行した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
谷口 守 氏

筑波大学
システム情報系社会工学域
教授
集落緑化と地産地消による環境バランス改善評価ツールの開発と適用
~エコロジカル・フットプリント指標を応用して~
本研究では、大都市圏中心部でもなく、過疎地域でもなく、都市圏縁辺部の集落をベースとした暮らしを、環境バランス再考への最前線と位置付ける。また、「見える化」のツールとしては、耕作やCO2排出にまで至る暮らしの環境負荷を総合的にかつ簡便に計測できるエコロジカル・フットプリント指標を独自に改良して開発する。同時に損なわれつつある都市縁辺部の緑と耕作地の持つ環境受容効果をバイオキャパシティ指標として定量化する。これら両指標を組み合わせることにより、集落緑化から生産物の購入行動(地産地消化)といった暮らしの改善までを含めた環境改善効果を明らかにできる汎用性ある使いやすい環境バランス改善評価ツールの提案とその応用を行う。 (4.57KB)
冨永 達 氏

京都大学
農学研究科
教授
地球温暖化による植物の分布変化
~多年生草本チガヤをモデルとして~
地球温暖化による野生動物の分布変化のモデルのひとつとして、1980年代に採取し、系統維持しているイネ科多年生草本チガヤの日本各地由来種内生態型を利用し、現在の種内生態型の分布と比較した。さらに、種内生態型の雑種形成についてアロザイム多型と葉緑体DNA多型を利用して解析した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
永木 愛一郎 氏

京都大学大学院
工学研究科
講師
マイクロリアクターを用いた環境調和型アニオン重合系高分子生産技術の開発 本研究では、マイクロリアクターを用いたアニオン重合法の開発に取り組み、工業化可能な環境調和型のアイオン重合系高分子生産技術の開発を目標としている。今回は主に、フッ素含有ポリマーの生産技術について研究を実施した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
布目 陽子 氏

名古屋大学
エコトピア科学研究所
研究機関研究員
ソフトプラズマイオン化飛行時間型質量分析計を用いたばい煙中有機エアロゾルの直接分析 ソフトプラズマ(SPI)源における有機化合物のイオン化機構の検討を行うため、SPI源を用いた揮発性有機化合物(VOCs)の直接分析を試みた。SPI源と飛行時間型質量分析計(TOFMS)を接続した装置を試作し、代表的なVOCsであるトルエンを用いて測定条件の最適化を行い、得られた測定条件下で様々なVOCsがフラグメントされることなく測定できることを確認した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
松村 寛一郎 氏

関西学院大学
総合政策学部
メディア情報学科
准教授
北極域の海氷域面積と気象条件への影響評価
~北極振動指標との関連~
本報告書は、北極域の海氷と北極振動の関連性、気象条件は気圧分布に大きく依存するので、大気科学で広く用いられている月別の500hpaのジオポテンシャル密度の再解析データへの主成分分析の適用、カナダのロッキー山脈の西側に広がるオカナガン地域の極低温現象の動向を俯瞰し、北半球の高緯度地域であるカナダのプレーリー地域における農業収量予測を試みた。 (10.28KB)
村上 正志 氏

千葉大学大学院
理学研究科
准教授
森林生態系における放射性セシウムの生物拡散 本研究では、福島第一原発の事故によるセシウム137が蓄積した、森林生態系において、各種生物を採取し、その体内のセシウム137濃度、および、栄養段階の指標として、窒素安定同位体比を測定した。これらの結果から、森林生態系に生息する生物における、放射性セシウムの生物濃縮の可能性について考察する。 (136KB)

2012年度(平成24年度 第15回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
稲積 真哉 氏

京都大学大学院
工学研究科
都市社会工学専攻
助教
東日本大震災に伴う災害廃棄物の処理・処分・再利用に関する環境経済学的最適化の検討・提案 本研究では、東日本大震災で発生した津波堆積物および津波堆積土砂の処理に関する影響評価を定量化し、環境影響を定量化したものを環境影響度として定義した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
猪池 雅憲 氏

太成学院大学
人間学部 
地域デザイン研究室
講師
スケルトン・インフィル型建築による漁村復興計画に関する基礎研究 東日本大震災における津波被害をうけた漁村を対象に、現地調査を実施した結果、津波による被害状況は回復不可能なほど深刻であった。住民は、高台への住宅移転を望んでいた。現段階ではスケルトン・インフィル型建築を受け入れてもらえる可能性が著しく低く、また津波によってもたらされた心理的な恐怖心などが高台移転に大きく影響していることがわかった。 研究者のご都合により掲載しておりません。
宇山 浩 氏

大阪大学大学院
工学研究科応用化学専攻
教授
砂漠緑化に資する砂桃からの有用材料の創出 本研究では、西北大学と共同で、砂桃由来の油脂及び殻をベースとする機能材料の開発を行った。今回は、主に砂桃殻を用いた機能性炭素材料の合成と性質について研究を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
亀田 貴之 氏

金沢大学
医療保健研究域 薬学系
助教
黄砂粒子上で二次生成する多環芳香族炭化水素誘導体による越境大気汚染と健康影響 本研究では、PAHは光またはオゾンとの反応によりPAHキノンを生成し、この反応は黄砂表面において比較的早く進行すること、PAHは黄砂表面においてNO2と速やかに反応し高い収率でニトロ化することを模擬大気反応系を用いた室内実験により初めて明らかにし、またこれらの反応生成物は黄砂飛来時に実大気中でも二次生成していること等を見出した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐久間 洋 氏

愛媛大学大学院
理工学研究科 理学系
准教授
イネ科の海浜植物ダンチクの塩耐性とその生理機構 本研究では、ダンチクの挿し木を用いてダンチクの塩ストレス耐性を評価した。また、ダンチクの高い塩ストレス耐性に寄与している遺伝子を単離するため、出芽酵母を宿主としたcDNAライブラリーを作成した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
曽利 仁 氏

津山工業高等専門学校
講師
水田除草ロボットの実用化に向けた応用技術の検討 本研究では、提案する除草ロボットの実用化に向けた必要な応用技術の検討として、水田の畔を検知した後の走行制御アルゴリズムの開発を目的としている。 (0.27MB)
髙谷 雄太郎 氏

独立法人
産業技術総合研究所
東京大学大学院
工学系研究科
システム創成学専攻
産総研特別研究員・客員研究員
CO2貯留層内でドーソナイトは形成されるか?
「CO2地中貯留の高精度安全性評価に向けた実践的研究」
本年度は、仮説を設定しドーソナイトの合成実験を行った結果、自然界に普遍的に存在する物質のみからドーソナイトを合成することに成功した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
田中 文章 氏

石川工業高等専門学校
電気工学科
助教
水中高電圧放電を利用した都市鉱山より回収した廃基板のリサイクル技術の研究 本研究は、水中でパルスパワー技術を用いて放電を発生させ、水流での放電と衝撃波を組み合わせることで、廃基板から金属を回収する手法を研究している。 研究者のご都合により掲載しておりません。
峠 嘉哉 氏

京都大学大学院
工学研究科 社会基盤工学専攻
大学院生
アラル海流域の灌漑地水管理の実態調査と持続可能な管理への提案 本研究では、中央アジアの灌漑システムの実態加盟を目的とした2種類の現地観察を行った。一つ目は、ウズベキスタンの試験農場における灌漑地への取水量の観察で、取水用の水路に水位計を設置した。二つ目はウズベキスタン国内に点在する水域で気象観測とバルク法による蒸発量の推定を行うとともに流域に点在する水域に関する調査を行った。 研究者のご都合により掲載しておりません。
藤井 佐織 氏

同志社大学大学院
理工学研究科
数理環境科学専攻
生命環境保全研究室 
研究員
枯死根分解に果たす土壌動物群集の機能の定量的評価 本研究では、落葉と枯死根の分解に対する土壌動物の寄与率を様々な樹種について網羅的に定量化した。樹種には、温帯林の代表的6樹種(落葉樹:コナラ・コシアブラ・ネジキ、常緑樹:アラカシ・ソヨゴ・ヒノキ)を用い、リターバック法によりリター分解過程を約1年間にわたって追跡した。 研究者のご都合により掲載しておりません。
三好 伸一 氏

岡山大学大学院
医歯薬学総合研究科(薬学部)
教授
地球温暖化にともない拡大が危惧される水環境のコレラ菌汚染に関するインドと日本における比較調査研究 本研究では、コレラ菌の休眠型細胞を検出するこれまでの研究成果を用い、水環境の定量的調査を行った結果、水温の上昇や水質汚濁の進行が、コレラ菌による水環境汚染の拡大の原因となる可能性は否定できないが、水環境汚染の拡大には複数の環境要因が相互に関連しているものと考える。 (3.59MB)
森本 哲夫 氏

愛媛大学
農学部
教授
ゼロ・エネルギー低温貯蔵庫の開発 本研究では、新素材および新技術を活用して、電気をほとんど使わないで青果物を低温貯蔵できるゼロ・エネルギー低温貯蔵庫を開発した。 (4.78MB)
山本 健太郎 氏

鹿児島大学大学院
理工学研究科
海洋土木工学専攻
助教
火山噴出物と鉄鋼スラグなどを有効活用した藻場造成材の開発とその実証試験 本研究では、桜島火山灰と産業廃棄物リサイクル材を用いて、低環境負荷型となる環境にも優しい藻場基盤材を開発することができた。三か月経過のモニタリングでは、鉄分を練り込んだ試験体において他の試験体よりも、海藻の入植が明らかで、生育が早いことなども確認できた。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2011年度(平成23年度 第14回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
宇都宮 聡 氏

九州大学大学院
理学研究院化学部門
准教授
福島土壌汚染の改良のための土壌中セシウム化学状態顕微解析 本研究で、福島土壌中の各深度におけるCs存在状態を顕微スケールで精密解析することにより、Cs濃集鉱物相同定、濃度、または化学状態に関する正確なデータを提示できる。その結果は、近い将来に必要な環境修復プロトコル開発に対して重要な基礎情報となり、汚染土壌改善という大規模なタスクに貢献できる。 (1.94MB)
岡島 賢治 氏

三重大学大学院
生物資源学研究科
共生環境学専攻
講師
農地石垣の強度・崩壊要因解明と生態系保全機能計測 本研究では、良好な農地石垣と不良な農地石垣を選別し、局所的な気象に対してそれぞれの農地内石垣にどのような外力が作用するかを、縦断方向に対して間隙水圧計を用いて計測する。これらの観測により、これまでの研究で得られた被災要因の検証、農地石垣の強度メカニズムの解明及び崩壊過程の解明や防災工法などを提案可能となる。 (2.22MB)
奥山 隼一 氏

京都大学大学院
情報学研究科
特定助教
センサ情報に基づく絶滅危惧種アオウミガメの行動圏と生息地利用の解明 本研究では、バイオロギング技術を用いて、沖縄県八重山諸島海域に棲息するアオウミガメの行動圏とその生息地利用目的を明らかにする。この研究成果は、定置網等の漁具との重複具合を測ることで、ウミガメ類の減少要因の一つである混獲の危険性を予測することにつ繋がり、混獲回避策の立案に貢献すると期待される。 (1.33MB)
岸 和央 氏

筑波大学大学院
生命環境科学研究科
博士後期
課程3年
扇状地における自噴帯を利用した伝統的水利用システムの解明と持続可能な水利用システムの構築 本研究は自然科学、人文科学の観点から自噴地下水を利用した伝統的水利用を持続可能なシステムとするメイカニズムを明らかにすることで、「21世紀環境立国戦略」にも掲げられる、自然の恵みを享受し、叡智と伝統を生かした自然との共生に貢献できる。 研究者のご都合により掲載しておりません。
佐々木 千鶴 氏

徳島大学大学院
ソシオテクノサイエンス研究部
助教
未利用木質資源からの効率的なバイオ燃料の生産に関する研究 本研究では、未利用木質資源として、里山を荒らすことで有効利用法を模索されている竹を用い、竹からセルロースを効率的に取りだし、これを酵素法により糖化し、糖化により得られたグルコースをブタノール発酵菌であるクロストリジウム菌により発酵させ、ブタノールの生産を行う。 研究者のご都合により掲載しておりません。
上村 真由子 氏

日本大学
生物資源科学部
森林資源科学科
助教
森林における落葉の無機化・細片化過程の解明 本研究は、落葉1枚単位を対象とした分解実験と、並行して行うCO2放出量の測定から、分解による消失量に対して、無機化と細片化速度を分けて評価する。樹種や気象条件の違いがこれらの速度に及ぼす影響を明らかにする。 (505KB)
鈴木 利孝 氏

山形大学
理学部地球環境学科
教授
地球温暖化を加速する雪面アルベド低下と雪の汚れの関係 本研究では、山形県の積雪地において雪面アルベトと積雪中粒子量の同時測定を行い、両者の相関性を明らかにすること、北半球氷河コアに記録された粒子量の鉛直分布を測定し、その結果にアルベト-粒子相関関係を適用して、北半球氷河上での過去1000年にわたるアルベト変化を復元することを目的としている。 (4.06MB)
鈴木 祐麻 氏

山口大学大学院
理工学研究科
環境共生系学域
循環環境工学科
助教
ジーンズを用いた湖水からの大腸菌の除去
-途上国への適用を念頭において-
本研究では、宇部市の常盤湖の湖水に大腸菌を添加した汚染湖水をジーンズでろ過し、ジーンズのメッシュサイズ及びジーンズの折り畳み回数が大腸菌の除去率に与える影響を検討する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
高橋 純一 氏

京都産業大学
総合生命科学部
准教授
在来マルハナバチの人工増殖とそれを用いた環境調和型ポリネーション技術の開発 本研究では、外来種に代わる授粉昆虫として在来マルハナバチ類の実用化を目的とした室内大量増殖法とDNAマーカー育種による選抜育種法に関する研究を行う。 研究者のご都合により掲載しておりません。
谷本 潤 氏

九州大学大学院
総合理工学研究院
エネルギー環境共生工学部門
教授
低炭素都市デザインに資する効率的な風通しと熱・水蒸気・ガス拡散のための都市空間構成手法の開発 本研究開発では、われわれのグループで開発してきた、きわめてユニークな実験方法である全抗力直接測定法と塩分濃度法・濾紙蒸発法とを適用した高精度の実験データセットに基づき、実際の複雑都市形状を反映した都市-大気間の運動量と熱・スカラー交換係数と普遍的にモデル化する。 (4.36MB)
中川 弥智子 氏

名古屋大学大学院
生命農学研究科
准教授
東南アジア熱帯雨林における木材腐朽菌の垂直分布 本研究では、マレーシア・サラワク州・ランビルヒルズ国立公園内の熱帯雨林において、林冠に容易にアクセスできる調査用クレーンを使い、菌類でも特に分解への寄与が高い木材腐杤菌の垂直分布を規定する要因を特定する。 (1.58MB)
畑 啓生 氏

愛媛大学大学院
理工学研究科(生物系)
助教
養殖場人工基盤に成立したサンゴ群集を用いた周辺サンゴ礁の再生と、養殖場の影響評価 本研究では、養殖場ロープ上と周辺海域のサンゴ群集や環境条件の変動をモニタリングし、ロープ上サンゴが周辺サンゴ礁の再生のために幼生の供給源や移植のドナーとして果たす役割を明らかにする。さらに詳細な安定同位体解析を行い、このサンゴと養殖場との栄養塩のやりとりを追跡し、これらのサンゴによる栄養塩の除去効果の有無を明らかにする。 (2.78MB)
保田 諭 氏

北海道大学大学院
理学研究院化学部門
講師
単原子レベルでの触媒活性サイト制御導入と高機能燃料電池カーボン触媒の開発 本研究では、触媒活性元素を含む芳香族分子を基板表面上に自己組織化配向させ加熱重合反応させる。これにより、触媒活性サイトの空間的位置や密度、数量が厳密に制御されたグラフェンシートを合成する。触媒基板表面上を炭素源分子の配向性や固相反応活性制御のテンプレートとして活用することで、触媒活性点となる異種元素置換構造の厳密制御合成の技術を確立する。 (1.89MB)

2010年度(平成22年度 第13回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
浅見 佳世

兵庫県立大学
客員准教授
洪水時のレフュージアに着目した礫原植生の維持機構の解明
~礫原の生物多様性の保全をめざして~
本研究は、洪水時を含む数カ年にわたる現地調査結果をもとに、①植生動態の解析、②三次元流の数値解析、③洪水時の画像解析によって、礫原植生の維持機構を解明するものである。 (1.14MB)
天尾 豊

大分大学
工学部応用化学科
准教授
二酸化炭素とバイオマスを原料とした人工光合成型ソーラー燃料生成系に関する研究 本研究は、木材廃棄物等に含まれるセルロースを代表とした多糖類を主成分としたバイオマスの二酸化炭素を原料とし、光エネルギーと生体機能分子を利用して、水素及びメタノールを効率良く同時に生産可能なバイオマス・二酸化炭素を原料としたソーラー水素・アルコール変換システムの確立を目指す。 (168KB)
岩崎 貢三

高知大学
農学部
教授
ベトナム・ハノイにおける廃棄物処分場周辺の農耕地土壌の保全と安全な食料生産環境の創造 ベトナムでは、廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物が分別されることなく処分場に運搬され、埋め立てられている。そこで本研究では、ハノイにおける安全な食料生産環境の創出に寄与することを目的に、廃棄物処分場周辺の農耕地土壌および河川低質を対象に、有害元素含有量を明らかにし、廃棄物処分場を点源とする汚染分布を明らかにすることを目的とした。 (264KB)
大園 享司

京都大学
生態学研究センター
准教授
14C年代測定法を用いた粗大枯死材の分解速度推定法の開発 本研究は、放射性炭素同位体比の測定により粗大枯死材の枯死年を推定し、それに基づいて粗大枯死材の分解速度を評価することである。放射性炭素同位体に基づく年代推定法は14C年代測定ともよばれ、古代遺跡の年代推定などに用いられて威力を発揮している。これを森林における粗大枯死材の分解研究に応用する。 (571KB)
太田尾 朋子

千葉大学大学院
園芸学研究科
環境園芸学専攻
緑地環境学
大学院生
緑化植物コマツナギ(indigofera psedotinctoria)の緑化輸入個体の在来個体群への影響 本研究は、日本において法面緑化に使用されたコマツナギ外来系統が在来コマツナギと同一種であるか解明するとともに、外来系統の侵略性、形態的特徴の把握、再来個体群への遺伝子汚染など遺伝的影響を把握することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
小山 敦士

慶應義塾大学大学院
政策・メディア研究科
大学院生
木質バイオマス有効利用と経済的持続性の観点からみた循環システム構築 本研究では、福島県双葉郡川内村周辺を対象に、昨年度から木質バイオマスの利用拡大や森林資源を活用した持続可能な町づくり方策の為に、まずリモートセンシング技術を用いたバイオマス賦存量の算出、民生家庭レベルのバイオマス需要調査の必要性を感じ研究を進めた。本年度は、将来的なソーシャルベンチャー(木質燃料流通業者)の設立を念頭に、木質バイオマスの需要と供給のマッチングを図る、サービサイジング事業のビジネスモデル提案を目指したい。 (488KB)
鈴木 康平

筑波大学大学院
生命環境科学研究科
大学院生
モンゴルにおける生物多様性を考慮した現地牧民主導の実践的草原管理方法の構築 本研究では、モンゴル・アルタイ地域において、放牧傾度による群落種組成の変化と各群落種組成でのバイオマスおよび生物多様性を明らかにすることにより、生物多様性を考慮した現地住民主導の実践的草原管理方法を構築することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
高橋 三男

東京工業高等専門学校
物質工学科
教授
小・中学校を対象とした地球環境教育を促進させる教材開発と展開研究 簡易型酸素センサキットを使って身の回りの酸素に関わる自然現象を計測できる教材を開発し、生徒一人ひとりが体験する自然現象を通して「地球とは何か」「環境とは何か」について自ら考えることで思考力が育成され、「地球にとってよりよい環境とは?」の問題に対して創造性・魏創生を育む生徒達が育成されることを目的としている。 研究者のご都合により掲載しておりません。
寺崎 寛章

福井大学大学院
工学研究科
システム設計工学専攻
大学院生
筒型太陽熱淡水化装置(TSS)の費用対効果に基づく最適設計 研究目的
・トラフ内の水深と日造水量の定量評価及び定式化
・異なる大きさのTSSのコスト費用と水単価の定量評価および定式化
研究者のご都合により掲載しておりません。
唐 常源

千葉大学大学院
園芸学研究科
教授
近郊湿地公園における硝酸態窒素浄化機能の再評価に関する研究 本研究で選ばれた千葉県市川市の谷津公園はかつて水田地帯であり、都市発展に伴って、農業の生産場から市民休憩の場に変わってきた。しかい近年、谷津での湧水の硝酸イオン濃度が上昇し、湿地自然浄化能力を超え、その生態サービスシステムがうまく機能できなくなった。そこで、本研究は都市河川水循環の観点から、谷津公園における窒素飽和を注目し、湿地の自然浄化機能を再強化することを目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
Nishihara,Gregory N.

長崎大学
環東シナ海海洋環境資源研究センター
助教
地球温暖化が亜熱帯海草群落の炭素固定能力に与える影響 本研究は、温暖化が進行する過程における海草の生産性や二酸化炭素固定能力の変化を把握することを目的とし、将来の環境における海草群落の炭素吸収能力、環境変動抑制効果を予測することを最終目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
羽賀 浩一

仙台高等専門学校
地域イノベーションセンター
教授
自然エネルギーのみによる海水の淡水化と
汚水の純化に関する研究
本研究は自然エネルギーである太陽熱と風力のみを利用して高効率に海水の淡水化及び汚水の純化を達成する装置を実現するものである。 (1.22MB)
古屋 正人

北海道大学大学院
理学研究院 自然史科学部門
地球惑星ダイナミクス分野
宇宙測地学研究室
准教授
衛星SARデータで定量化するチベット高原の山岳氷河の時空間変動 クンルン山脈の千田地方において2008年3月に起きたマグネチュード7.1の地震にともなう地殻変動を合成開ロレーダー(SAR)を用いて解析していたところ、偶然にも近隣の山岳氷河での顕著な流動が検出された。解析期間や領域をより拡張すれば、クンルン山脈の山岳氷河の季節変化から年々変動をSARのデータから定量化する。 (1.54MB)
和田 茂樹

筑波大学
下田臨海実験センター
助教
二酸化炭素の海洋隔離における海藻の役割の定量的評価
-海藻類の溶存態有機物の分布特性と輸送過程から-
大気中の二酸化炭素の増加は、地球温暖化などの深刻な気候変動を引き起こしている。本研究では、沿岸域において熱帯雨林に匹敵する光合成生産量を有する海藻類が、多量の難分解性溶存態有機物(難分離性DOM)を放出することに着目し、難分解性DOMの輸送過程の解明から海藻類の炭素吸収能の評価を行うこととした。 (359KB)
佐々木 寧

特定非営利活動法人
河川生態市民モニタリング研究会
理事
堤防強化の機能性を有したポンプ植物の植栽 現在各地の河川堤防では、堤防強化事業が進められ、堤防は大型化、緩傾斜化し広大な斜面が現出している。しかし。そのノリ尻では大量の水が染み出し、土壌を軟弱化させている。ここに欧州で伝統的手法として使われているポンプ植物で樹林化をはかり、堤防強化という機能性を有し、地域景観に合致した森を育成する。 (1.03MB)
舛本 哲也

NPO法人 グリーンワーク
会長
環境に配慮した建物(屋上緑化など)の研究事例発表 地球環境問題を建物から考え、環境配慮型の建物の普及とその意義を市民に周知させることを目的とします。 (1.58MB)

2009年度(平成21年度 第12回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
増田 隆一

北海道大学大学院
理学研究院自然史科学部門多様性生物学分野
准教授
外来種の遺伝的多様性解析法の開発と環境保全への応用:ハクビシンをモデルにした外来種対策の新展開 本研究では、日本の外来種と考えられるハクビシンを対象とし、分子遺伝学的手法を導入して、その起源を解明すること、ならびに、地域集団の遺伝的多様性を評価する分析技術を確立することを目的とした。 (516KB)
吉藤 奈津子

九州大学大学院
農学研究院森林資源科学部門 附属演習林
学術研究員(特任助教)
東南アジアの熱帯落葉林における展葉・落葉時期の時空間分布の解明 本研究では、落葉によるNDVI低下とノイズによる低下を判別する独自のアルゴリズムを広域に適用することにより、「東南アジアの熱帯落葉林におけるフェノロジーの年々変動の実態と変動の要因を広域的に明らかにすること」を目的とする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
鬼倉 徳雄

九州大学大学院
農学研究院
助教
都市型河川をモデルとした安定同位体解析による人為的インパクトの評価 本研究の目的は、淡水魚類およびその餌生物を指標とした環境評価技術の基礎的な知見を集積し、それらを統合した評価手法を確立する、都市型河川をモデルとした河川生態系の生物機能への人為的インパクトを評価し、人間活動との関連性を解明することである。 (797KB)
佐野 哲也

東京大学大学院
新領域創成科学研究科
自然環境学専攻
客員共同研究員
常緑広葉樹林帯と落葉広葉樹林帯の移行域の適切な保全と管理に向けた体系的な地上観測手法の開発と適用 -スダジイ林の太平洋側北限、阿武隈高地南東部を例に- 本研究は太平洋側の常緑広葉樹林帯と落葉広葉樹林帯の移行域に当たる阿武隈高地南東部を対象として、気候・立地環境・過去に受けた人為干渉の強度やそれが停止してからの時間等を考慮した総合的な森林構造観測手法の開発。標高に沿った森林分布を決める温度環境要因の再検討、標高・立地環境傾度に沿った森林の二次遷移の評価を行い、この領域に存在する森林の実態と成立要因を解明する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
福島 慶太郎

京都大学
フィールド科学教育研究センター
特定研究員
緯度系列で見たモウソウチクの形態的可塑性:各地域でのモウソウチク拡大戦略 本研究ではとくに気候条件の違いに着目し、降水量や気温が異なり、可能な限り地形や地質をそろえたモウソウチク林を対象に、葉や稈の生理的特徴を広域比較し、環境傾度にそったモウソウチクの形態的可塑性を明らかにする。 (275KB)
丸岡 照幸

筑波大学大学院
生命環境科学研究科
准教授
越境大気汚染物質の到達量評価のための多元素同位体比分析 本研究では、海塩成分の分離のために硫酸イオンの硫黄同位体比に加えて酸素同位体比の分析を行い、正確に大気汚染物質の影響を評価できるようにする。連続フロー型質量分析計を用いる新手法を取り入れ、微小量での酸性降下物に含まれる硫酸イオンの硫黄・酸素同位比分析を行い、その起源を高精度に評価する方法を確立する。 研究者のご都合により掲載しておりません。
森谷 克彦

鶴岡工業高等専門学校
助教
光化学溶液堆積法によるCu2ZnSnS4薄膜作製時のデキストリン添加による影響 本研究では非真空プロセスである光化学溶液堆積法により薄膜太陽電池を作ることで超低コスト薄膜太陽電池を実現することを最終的な大きな目的、目標とし、まずは心臓部である光吸収層CZTS薄膜の高品質化を図るために、めっき法で有効であったデキストリン添加の影響を調査し、その有効性を確認することを目的とした。 (125KB)
加藤 義隆

大分大学
工学部機械・エネルギー工学科熱工学研究室
助教
温泉等の低温熱源で駆動する普及可能なスターリングエンジンの開発 温泉等の熱をエネルギーに発電が可能なスターリングエンジンの開発を目的にする。スターリングエンジンは、外部の温度差から熱エネルギーを得て動力を発生するもので、玩具であれば数℃程度の温度差で駆動した実績もある。小さな温度差で駆動した実績のある玩具を再設計し、低温度差スターリングエンジンを実用的な原動機として機能させるために必要な課題抽出を行う。 (170KB)
近藤 満

静岡大学
機器分析センター
准教授
カプセル分子内への捕捉を利用した硝酸性窒素除去法の開発 申請者は、これまでに、硝酸イオンと同様、水溶液中からの除去が不可能とされた過塩素酸イオンを分子カプセルを用いて除去することに成功してきた。本研究課題では、これまでに確立してきた技術を基に、水溶液から硝酸イオンを高選択的に沈殿除去する、硝酸イオン除去剤を開発することを目的としている。 (177KB)
多川 正

高松工業高等専門学校
建設環境工学科
准教授
さぬきうどん製造廃水の経済的浄化システムの開発 本研究では、小規模なうどん店から排出される製造廃水を安価で、汚泥などの廃棄物をださない、経済的さぬきうどん製造廃水処理装置・技術の確立を行う。 (497KB)
一柳 錦平

熊本大学大学院
理学部自然科学研究科
准教授
地球温暖化によって台風水蒸気の起源海域はどう変わったか? 研究代表者は、「同位体雲解像モデルの開発と台風への適用」によって、台風の最発達期における降水と水蒸気の水素・酸素安定同位体比を世界で初めて観測し、その変動を明らかにした。そこで、本研究ではさらに観測事例を増やして、発生期から衰退期についても台風内部の降水同位体比の変化を一般化する。 (2.96MB)
細谷 和範

津山工業高等専門学校
電子制御工学科
講師
岡山県吉井川流域における風場環境調査 -現地観測による地域特有の風力エネルギー腑存量の推定- 本研究は、岡山県の津山市から瀬戸内海までを結ぶ吉井川流域について、かつて帆のついた高瀬舟が流域の風を利用して往来していたことをヒントに、地域に特有な風による風力エネルギーの腑存量を調べ、風力発電などの自然エネルギー回収技術の適用性を把握することを目的とする。 (2.72MB)
大柿 久美子

東京工業大学大学院
総合理工学研究科 創造エネルギー専攻
教務職員
エネルギー環境教育による人の行動変化がもたらす環境負荷低減効果の評価 本研究は、一般家庭を対象とし、家族が食品の生産地や生産方法に関心を高めるようなエネルギー環境教育を実施する。その前後を通じて教育効果が行動に変化をもたらしたか否か、定量的な測定をおこなって行動変化を数値的に解析し、環境負荷低減効果を評価する。 (186KB)
田中 貴宏

広島大学大学院
工学研究科社会環境システム専攻
准教授
都市計画関連業務を支援するための都市気候地図(クリマアトラス)のあり方に関する研究 本研究では地方自治体の環境・都市計画関連業務に対象を絞り、それらの業務を支援するための都市気候地図のあり方を提案することを目的とする。 (234KB)
竹信 正敏

NPO法人日本ビオトープ協会中・四国地区
プロジェクトリーダー
馬洗川 人工ワンドにおける水辺植物の回復 目的
(1)河辺植物が豊かに覆う静水域特有の多様な生物が生息・生育できる場づくり。
(2)身近に自然と触れ合い、水辺の生き物を観察できる場の創出。
(3)維持管理作業などを通じて自分たちの手で、身近な自然を守り、また復元していく地域活動のネットワーク化を図る。
(106KB)
田倉 徹也

福知山環境会議
代表
みどりのカーテンの普及活動・啓発ツールの作成 目的
(1)みどりのカーテンによる温暖化防止の効果を子供たちに楽しく分かりやすく親しみやすく伝えるための「ゴーヤソング」とみどりのカーテンの取組みを解説したDVDを製作し保育園・幼稚園・小学校などを中心に配布する。
(2)福知山市の目標である「みどりのカーテン家庭実施率日本一のまち」を周知し、全国のみどりのカーテン普及活動に寄与する。
(2.4MB)

2008年度(平成20年度 第11回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
森 章

横浜国立大学
環境情報研究院
助教
高標高の森林生態系に与える地球温暖化の影響-大規模な森林火災に注目して- 研究対象は、ユネスコ世界自然遺産のひとつクートニー国立公園である。この地域では急速な温暖化に伴い乾燥化が進んでおり、大規模な山火事が頻発している。それは空前絶後の大規模な自然災害に思えるが、このような自然現象を単に災害として認識することは早計かもしれない。
本研究では、世界遺産の生態系に与える地球温暖化の影響を、森林火災に着目して明らかにする。
(1.1MB)
細井 文樹

東京大学大学院
農学生命科学研究科
農学研究員
スキャニングライダーを用いた植物群落の3次元構造計測方法の開発 植物の二酸化炭素収支やバイオマス量を正確に推定するために不可欠な3次元構造の計測について、近年スキャニングライダーがさかんに活用されているが、詳細な3次元構造を計測する技術は確立されていない。
本研究では、植物群落の3次元構造を表す代表的指標である葉面積密度の垂直分布をスキャニングライダーにより正確に計測する方法を開発することを目的とし、その精度検証を行う。
研究者のご都合により掲載しておりません。
井手 淳一郎

島根大学大学院
生物資源科学研究科
教務補佐員
水系の水質形成過程における森林の水質浄化機能の検討 これまでの汚濁物質に関する研究は河ロ部において汚濁負荷量を評価する出口調査が主体であったため、森林に端を発した汚濁物質が下流域の水環境にどのような影響を及ぼしているのかについては不明である。
本研究では、河川の上流部で人為汚染の影響が強く、中流部で森林河川の流入がある水系を対象に、森林河川の流入前後で上流部からの汚濁水質がどのように変化するのかを水質と汚濁負荷量の両面から把握する。
(629KB)
松島 未和

千葉大学
園芸学研究科土壌学研究室
助教
肥料木ヤシャブシの荒廃土壌における窒素固定の測定と緑化への応用技術の考案 ヤシャブシは根部に放線菌であり大気窒素の固定が可能なフランキア菌を共生させている。ヤシャブシは肥料木として認知されているがその能力を最大に活かす荒廃地での栽培法は確立していない。
本研究では、①アセチレン還元法と15N測定法によるヤシャブシ根粒の窒素固定能の測定、②苗栽培時のより良い生育のために投入する資材の選定とその影響の評価を行う。
(173KB)
岸 智裕

東京理科大学大学院
薬学部薬学科環境科学研究室
修士課程 2年
廃棄物焼却により生成するダイオキシン類の低減化に関する研究:共存有機物の影響 高温焼却に関する諸問題を解決するためには、焼却炉でのダイオキシン類の生成そのものを削減することが課題である。
本研究では、焼却過程における共存有機物の存在量、種類および構造に着目して前駆体であるフェノール類からのダイオキシン生成抑制機構を解明する。また、フェノール以外の前駆物質についても比較検討し、その抑制機構を詳細に明らかにする。
(455KB)
中嶋 秀

九州大学大学院
工学研究院応用化学部門(機能)
助教
有機ELを用いるオンサイト環境測定用マイクロ化学分析システムの開発 有害化学物質による環境汚染や、残留農薬・アレルギー物質等による食の問題が深刻になっているが、これらの物質を計測する従来の装置は高価なものが多いなど問題がある。
本研究では、安価で、簡便・迅速かつ高感度に測定できる、真にポータブルなオンサイト測定用マイクロ化学分析システムの開発を目的に、有機ELを光源とするマイクロチップ用蛍光検出システムを開発する。
研究者のご都合により掲載しておりません。
加藤 知香

静岡大学
理学部化学科
准教授
太陽光による海水からの水素製造を指向したレニウム置換ポリオキソメタレート担持酸化チタンの創成 太陽光により水から水素を発生させる可視光応答型光触媒材料の開発が進められているが、実用化には至っていない。これに対し、申請者らは無機分子色素を極微量担持した酸化チタンを用いることで、可視光照射による水からの水素発生に成功した。
本研究では、この無機分子色素担持酸化チタンを利用した太陽光による海水からの水素製造プロセスの実現化を目的としている。
研究者のご都合により掲載しておりません。
佐藤 茂

京都府立大学
生命環境科学研究科
教授
地球温暖化を抑制し化石燃料の使用を低減する緑化型バイオマス生産システムの研究 休耕地や耕作放棄地に短伐期ヤナギ林を育成し収穫物をバイオマス燃料とする「環境調和型エネルギー資源生産システム」を構想しており、平成20年に合計2000本を植栽、実証試験を開始した。今後栽培本数を増やし構想を実証するための労働力を必要としている。
本助成により、現地の農業者を雇用し、下草刈り・施肥・新たな栽培地の整備などの作業を行う。さらに平成19年度の収穫物の一般分析と燃焼試験を行う。
(129KB)
加藤 泰浩

東京大学大学院
工学系研究科システム創成学
准教授
玄武岩による二酸化炭素固定のための実験的研究 二酸化炭素の地中への隔離・固定は、二酸化炭素問題の有力な解決策の一つとして注目されており、中でも、玄武岩層への固定は非常に有効である可能性が高いことが指摘されている。
本研究では、玄武岩試料を用いた水-玄武岩-二酸化炭素系の反応を室内実験によって詳細に解析・検討することで、二酸化炭素の玄武岩層固定の実現に向けた基礎的知見を得ることを目指す。
研究者のご都合により掲載しておりません。
芝田 育也

大阪大学
環境安全研究管理センター
教授
エネルギーを必要としない二酸化炭素の固定化法の開発 本研究では二酸化炭素の固定化と植物油体原料の有効利用法を開発し、有機材料の環境負荷の低い超効率的分子変換法を確立する。
エネルギーを使わずに炭酸ガスの固定を行い、その際植物由来原料である乳酸誘導体から医薬品中間体などを製造する方法を確立する。これは有用な化合物を作る分子変換反応である以上に、二酸化炭素の大規模固定反応につながる。
(36KB)
阿久津 翔吾

静岡大学
理学部地球科学科
修士課程 1年
南半球マダガスカル島産バオバブに残る地球温暖化と人間活動の記録の精密復元 本研究では、樹幹記録の極端に少ない南半球の記録を求めて、マダガスカル、巨樹バオバブ樹幹と年輪を持つ他の樹幹との炭素14変動の年代対比方法を確立することを目的とする。そこで得られた南半球の大気炭素変動記録は、南半球の地域による違い、北半球との比較や大気の南北半球の大気循環モデルとの比較、巨樹年層の持つ大気環境変動記録をどこまで詳細に解読できるかについて明らかにできると考える。 研究者のご都合により掲載しておりません。
福重 真一

大阪大学大学院
工学研究科機械工学
助教
持続可能社会形成に向けたシナリオ生成システムに関する研究 持続可能性向けたシナリオ作成が盛んにになってきたが、現状のシナリオ研究には、さまざまな課題がある。
本研究では、直面する地球環境問題の解決に必要不可欠な持続可能社会に向けたシナリオ作成の新たな方法論を提案し、政策決定者や事業計画者から一般市民に至る幅広い立場の人々の合意形成に資するシナリオ作成支援システムの開発を行う。
研究者のご都合により掲載しておりません。
平野 照実

福岡グリーンヘルパーの会
会長
講演会「地球環境保全につながる地域の森づくり」の開催、及び2000本記念植林 市民参加により地域の森づくりのあり方を語り合うフォーラムと植樹祭を開催。九州大学伊都キャンパスに2,000本を植樹する。 (298KB)
川口 邦彦

NPO法人 トンボと水辺環境研究所
理事長
五条川再生計画 コンクリート護岸の河川に岸辺や植栽地帯を設けることにより、瀬と淵を創出したり、生き物が生活史を送ることができる環境を整備する。また近隣小学校とともに水生植物の植栽活動に取組むなど環境教育を行う。 (917KB)
中村 全博

“北海道”千年の森プロジェクト
理事長
北海道洞爺湖サミット記念植樹祭inおたる 朝里ダム湖畔園地に5,000本の北海道潜在樹木を植樹。前日には講演会を開催し、植樹の重要性などを学習し、またブース展や自然観察会を開催し、自然と触れ合う機会とする。 (145KB)
服部 保

伊丹の自然を守り育てる会
会長
昆陽池水辺環境再生の一環としてヨシ原の再生に取り組む 市が実施予定の工事期間中に池の水位を低下させるのに併せ、範囲内にある特定外来種のナガエツルノゲイトウを除去した後ヨシマットを設置する。 (284KB)

2007年度(平成19年度 第10回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
村山 憲弘

関西大学 
環境都市工学部
エネルギー・環境工学科
専任講師
アルミ再生工程で生じる廃棄物を原料に用いるリン酸アルミ系多孔性材料の創製 アルミ再生工程においてアルミドロス(以下ドロス)などの廃棄物が発生する。
本研究の目的は、ドロスを原料として、価値の高い機能性材料であり多孔性リン酸アルミ縮合物の1種であるAlPO4-5(以下アルポ5)を合成することである。単に効率よく合成するだけでなく、有害成分を含むドロス中の未反応物を核としてその粒子表面をアルポ5結晶のみで完全にコートすることを試みたものである。
研究者のご都合により掲載しておりません。
中野 伸一

愛媛大学
農学部 
物質循環生物学研究室
教授
アオコを摂食するアメーバの生態の解明とアオコ抑制技術への応用 湖沼における富栄養化が深刻化しており、アオコの大量発生が起きている。特にミクロキスティスのアオコは、時にはクロロフィル濃度として百ug1-1以上にも達し、強力な毒素を生産する。
本研究では、ミクロキスティスのアオコを摂食するアメーバにとって好適な環境条件、およびミクロキスティスの生理活性状態を解明し、ミクロキスティス増殖の人為的抑制のための基礎的な情報を得る。
(266KB)
竹林 英樹

神戸大学大学院
工学研究科 建築学専攻
助教
上空気象データを用いたヒートアイランド対策技術導入効果の簡易評価方法の検討 ヒートアイランドの対策技術の開発は様々な分野で検討が進められているが、対策技術の評価方法が定まっていない。今後の技術普及、適材適所の選択、より良い技術の開発に向けて、対策技術導入効果の評価方法を整備する必要があると考えられる。
本研究では、上空気象データを用いたヒートアイランド対策技術導入効果の簡易評価方法の開発を目的とする。
(810KB)
大橋 友恵

福井大学
工学部
生物圏科学専攻
学士課程
ごみの減量化、再利用に取り組む環境教育の促進 生ゴミを入れることでミミズが分解し、肥料を作るというミミズを用いたコンポストの作成・導入・持続を行う。これにより、ごみの減量化や天然肥料の作成ができる。さらにミミズの生態や土壌の肥沃度を調査する。また、小学校に導入し食べ物の大切さや生態系の循環に関して学んでもらう。環境教育の手法を研究するとともに、マニュアルを作成し、より普及しやすいものへと転換を図る。 (693KB)
松永 信博

九州大学大学院
総合理工学研究院
流体環境理工学部門
教授
生物化学的環境評価に基づいた諫早湾底泥の健康診断 有明海は九州最大の閉鎖性内湾であり、全域にわたり広大な泥質干潟を発達させている。
本研究では、諫早湾内の12地点において、未攪乱底泥をサンプリングし、底泥表面からの酸素消費速度を室内実験により明らかにする。また酸素消費速度の空間分布特性を明らかにする。さらに、底泥内の間隙水中の有機物量等を測定し、生物化学的環境評価に基づいた底泥健康診断を行う。
(1.1MB)
頭士 泰之

横浜国立大学大学院
環境情報学府
環境リスクマネジメント
博士課程前期院生
フッ素系アルキル化合物による環境汚染の歴史的変遷の解明 フッ素系アルキル化合物が人間はもちろん、極圏に住む野生生物まで汚染していることが判明している。
本研究では、東京湾の堆積物コアを対象として多数のフッ素系アルキル化合物の分析を行い、過去50年以上にわたって使用されてきた一連の化合物における水系汚染の変遷を明らかにすること。さらに、その結果に基づいて、フッ素系アルキル化合物の環境放出量の歴史的変遷を推定することを目的とする。
研究者のご都合により掲載しておりません。
近江戸 伸子

神戸大学
人間発達環境学研究科
准教授
環境電磁波による植物成長の影響に関する研究 近年、電化製品の使用によって生じる環境電磁波が、生活を取り巻く環境問題として注目を集めている。
本研究では、制御された環境下において携帯電話が発する電磁波をモデル植物であるシロイヌナズナに人工気象器の中で、播種後から開花ならびに結実過程に連続照射し、各植物成長を記録し測定する。これによって、環境電磁波が植物体の成長にどのような影響を及ぼすかについて、科学的に評価する方法を確立する。
研究者のご都合により掲載しておりません。
倉光 英樹

富山大学大学院
理工学研究部
講師
土壌由来天然有機成分を利用した新規水処理剤の開発 水を汚染している原因物質は多様であるため、全ての有害成分を除去しようとする処理が極めて煩雑となる。よって、不特定多種の汚染物質を効率的かつ簡便に除去することのできる新材料の開発が求められている。
本研究では、天然有機物である腐植物質の持つ優れた特性に着目し、多様な有害物質を一度に処理可能な新規水処理剤の開発を行う。
(303KB)
岩本 信司

京都大学大学院
工学研究科
物質エネルギー化学専攻
助教
可視光応答型光触媒による水中硝酸イオンの浄化処理 地下水に含まれる低濃度の硝酸イオンは、ヘモグロビン血症、糖尿病などの原因となることから、世界中で大きな問題となっており、その効果的な除去策が急務の課題となっている。
本研究では、簡易で効果的な硝酸イオン浄化システムの構築を目指して、可視光応答型光触媒による硝酸イオンの光触媒還元について研究を行う。
研究者のご都合により掲載しておりません。
岩花 剛

北海道大学大学院 
工学研究科
特任助教
日本の山岳永久凍土環境の監視 日本列島はその経度における永久凍土分布の南限である。低い緯度に存在する永久凍土は、山岳永久凍土として微妙な地表面熱収支の下その存在が維持されており、最も地球規模の温暖化の影響を受けやすい環境にあるといえる。
本研究の目的は山岳永久凍土上の気象環境を定量的に観測し、地球規模の気候変動が山岳環境に及ぼす影響を長期的に据える基礎を構築することである。
(329KB)
高橋 正知

九州大学大学院
農学研究院
水産増殖学研究室
学術特定研究者
黒潮親潮移行域におけるウナギ目レプトケパルス幼生の分布特性と環境変動との対応に関する研究 近年、水塊構造の経年変動を把握するために、様々なプランクトンの指標性が世界的に注目されている。
このような環境、モニタリングの指標として、ウナギ目魚類のレプトケパルス幼生を提案しており、本研究は、これまでの成果にさらに3年分のデータを加え、移行域における葉形仔魚の分布特性と海洋環境との対応について、より詳細に明らかにするものである。
(904KB)
胡 柏

愛媛大学
農学部
教授
転作田をバイオエタノール原料生産に活用するための事業化条件に関する研究 バイオエタノールはCO2削減の有望な代替エネルギーとして注目されているが、その利用拡大を図るに当たり、原料となる食料資源の確保と採算性問題が重要な課題となる。
本研究は、米生産に利用されていない転作田をバイオエタノールの原料生産に利用する場合の経営経済的可能性と事業化条件を検証分析し、効果的な利用推進体制・政策支援のあり方を提示することを目的とする。
(1.6MB)
市井 和仁

国立大学法人 
福島大学 
共生システム理工学類
准教授
熱帯雨林における炭素循環モデルの向上 熱帯雨林は炭素蓄積量や炭素収支の大きさから、地球温暖化問題において非常に重要な役割を果たす。しかしながら、観測データ不足等のため不確定性が高い。
本研究は、熱帯雨林の炭素循環モデリングを向上させるために、フラックス観測・リモートセンシング・陸域生物圏モデリングの3手法を用いて、統合的にアプローチする。
(229KB)

2006年度(平成18年度 第9回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
中川 昌人

大学共同利用機関法人
人間文化研究機構
総合地球環境学研究所
プロジェクト研究員
分子生態学的アプローチによる亜熱帯照葉樹林の森林更新プロセスの解明 西表島の亜熱帯照葉樹林の主要構成種であるオキナワウラジロガシを対象として、野外集団の遺伝構造の解析を行う。精度の高いDNA分子マーカーを用いて個体の遺伝的組成や血縁関係を評価することで、集団の維持・森林更新のプロセスを解明することを主たる目的とする。また、集団内で遺伝的多様性がどのように保持されているのかについても検討し、亜熱帯照葉樹林の保全に向けた提言も行う。 (289KB)
酒井 絢也

北海道大学大学院 環境科学院
生物圏科学専攻 修士1年
北海道の山地湿原における植生と環境要因について 学術的な研究の乏しい山地湿原においてその生態系を理解する一助として植生パターンと環境要因について研究を行い評価する。調査地は北海道大学雨龍地方研究林の最北部に位置するクトンベツ湿原で行う。調査方法は湿原域に約400の調査区を設け、植生調査、地盤測量、水位観測水質調査を行い植生と環境要因の関係を明白にする。 (326KB)
中村 達夫

横浜国立大学大学院
環境情報研究院 講師
植物のモノハロメタン放出に影響を与える環境因子の探索 モノハロメタンは、成層圏オゾンの破壊に寄与するハロゲン化合物で、そのうち塩化メチルのオゾン層破壊における寄与率はフロン類の1/4にも達する。年間約400万トンの塩化メチルが大気中へ放出されているが、このほぼ全てが自然由来である。
本研究は、植物からのモノハロメタン放出の環境応答性を明らかにするための技術開発、また生物学的アプローチからモノハロメタン収支、ひいてはオゾン層動態の理解への貢献を目的としている。
(298KB)
塩出 大輔

東京海洋大学 海洋科学部
海洋生物資源学科 助手
ウミガメ類の定置網への入網と沿岸への来遊機構に関する研究 近年、ウミガメ類の個体数の減少が危惧され、その資源動向が世界的に注目されている。
本研究では、館山市周辺の定置網に入網するウミガメの入網時間、入網種などの情報を記録して、実態を詳細に把握する。さらに周辺の水温や海況を計測することで、ウミガメ類の入網と周辺環境要因との関係について検証。混獲の防止策構築のための基礎資料を得るとともに、本種の適切な保護管理策を検討する。
研究者の
ご都合により
掲載しておりません。
林田 和宏

木更津工業高等専門学校
助手
燃焼起源ナノPM生成特性と燃料性状との相関性の把握 自動車用エンジン等の燃焼装置から排出されるナノサイズ粒子(ナノPM)は、生体への危険性が極めて高い有害物質であるが、その発生機構は未だに十分に明らかにされておらず、排出量の低減に有効な具体策が見出されていない。
本研究では、燃料性状がナノPM生成特性に及ぼす影響の把握を目的として、種々の燃料の燃焼によるPAHSのレーザ計測を実施し、PAHSの生成や凝集の特性を系統的に調べる。
(426KB)
森山 文基

琉球大学
遺伝子実験センター 技術補佐員
漫湖における土壌汚染物質濃度の時系列変化 漫湖は多くの水鳥の生息地であり国際的にも重要な渡り鳥の中継地であることから、ラムサール条約の登録湿地となっている。周辺は比較的都市部であるため、生活排水が流入している可能性があり、上流には農薬や工場排水の流入も考えられる。本研究では、堆積した土壌を採取し堆積速度を見積もり、上流から流れ込んできた土壌汚染物質濃度の時系列変化を測定する。 (166KB)
大澤 隆文

東京大学大学院
農学生命科学研究科 修士課程
温暖化が山岳地におけるナラ林に及ぼす影響に関する保全遺伝学的研究 生物種の同標高域内および標高域間の遺伝的変異に関する情報は、温暖化が山岳の森林植物に及ぼす影響を予測し、これらの生物保全を考える上で重要となる。本研究では、山岳地におけるナラ林の遺伝的多様性および遺伝構造を、様々な標高域において把握することによって、温暖化が山岳ナラ林に及ぼす影響を推察する。 (400KB)
大久保 晋治郎

京都大学大学院
農学研究科 地域環境科学専攻
森林水文学研究室
博士後期課程2年
森林における生態系(土壌・幹・葉)呼吸量の時空間変動評価に関する研究 本研究では、生態系呼吸量を土壌、幹、葉の3つのコンパートメントに分け、それぞれを自動開閉チャンバーを用いて連続観測を行うことにより、時系列変化を把握する。また、1本の木を切り倒し、各部分の幹、枝、葉の呼吸量を細かく測定することにより空間分布を把握する。同時にこれらの変動に対して季節変化をはじめとした環境要因がどのように影響を及ぼすかを評価することを目標とする。 (189KB)
林 誠司

名古屋大学大学院 環境学研究科
地球環境科学専攻 講師
欧米に外来種として移入している東アジア原産肉食性巻貝アカニシ(Rapana venosa)の集団遺伝学的基礎研究 外来種が強力な捕食者であった場合、生態系や第一次産業に甚大な被害をもたらす。その例としてアクキガイ科の肉食性巻貝アカニシの非意図的な移入が世界各地で問題となっている。本研究では本種の自然集団を中心に集団遺伝学的解析を行うことによって遺伝的多様性と集団構造を明らかにし、移入地域における駆除方法の策定や、移入ルート・移入回数推定のための基礎データを構築することを目的とする。 研究者の
ご都合により
掲載しておりません。
久米 朋宣

九州大学大学院
農学研究院附属演習林福岡演習林
学術共同研究員
ヒノキ人工林の森林管理が下流の水資源量に与える影響評価方法の確立 放棄人工林のように荒廃した森林では、森林が本来持っているはずの水土保全機能が著しく損なわれるため、洪水や土砂流出、渇水といった下流の都市生活圏への様々な影響が懸念されている。
本研究では、地形の制約を受けない樹液流計測を放棄人工林に応用することで、日本で初めて放棄人工林の蒸発散量の解明を行う。また、得られた観測データをもとに、蒸発散量推定モデルを構築する。
(1.7MB)
榎 牧子

東京海洋大学
海洋科学部 海洋環境学科 助手
ゴム廃棄・リサイクルのための放線菌によるゴム分解メカニズムの解明 本研究では、環境低負荷型の廃棄・リサイクルシステムへ応用することを目的として、汎用ゴムである天然ゴムとイソプレンゴムを分解する放線菌を用い、その分解メカニズムの解明にとりくむ。ゴム分解菌が菌体外へ代謝するゴム分解因子を特定することで、温和な条件におけるゴム処理システムの構築へつなげる。 (52KB)
姫野 順一

長崎大学 環境科学部 教授

野本 幸治
長崎大学大学院 生産科学研究科
博士前期
環境評価法(多変量解析とコンジョイント)による里山森林の公益的価値の計測 本研究は、最近急速に開発されている環境評価法のうち環境の心理的・倫理的な公益的価値を評価できるとされている多変量解析と、対立する価値のトレードオフを解析できるとされるコンジョイント分析の二つの環境評価法に注目し、これを実施することで里山森林の公益的な価値の計測を試みようとするものである。 (648KB)
石井 潤

東京大学大学院
農学生命科学研究科
保全生態学研究室 COE特任助手
ハイパースペクトルリモートセンシングを用いた湿生高草群落特性の評価技術 本研究では、ハイパースペクトルリモートセンシングを用いて、渡良瀬遊水地の湿生高草群落特性を把握する技術を開発することを目的とする。平成17年度に東京大学21COEプログラムの研究の一環で取得したハイパースペクトル画像データを用い、現地調査のデータとの関係について解析を行う。また、植生が連続的に変化することを考慮しながら植生タイプを分類し、各植生タイプを相互に明瞭に区別できるバンド比などの画像パラーメーターの有効性を検討する。 (267KB)

2005年度(平成17年度 第8回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
枝重 有祐

愛媛大学 農学部森林資源学
助教授
未利用バイオマス資源の有効活用による森林の整備と資源循環型社会の構築 ペレットによるバイオマスの有効活用を柱とした環境負荷の少ない資源循環型社会について考慮する。そのために、木質を含む様々なバイオマスからペレットを製造してその性質と燃料特性を調べ、多用途利用に沿ったペレットの製造技術を確立する。燃料だけでなくそれ以外の用途の開発を目指してペレットの土地改良材や家畜用飼料としての適正を検討する。 (323KB)
門脇 一則

愛媛大学 工学部電気電子工学科
電気エネルギー工学講座
助教授
パルスパワー放電を利用した長寿命オゾン水製造技術開発 水処理における塩素消毒の代替手法として、オゾン注入法が挙げられる。オゾン注入法は環境負荷の小さい水処理方法として期待されている。高速繰り返しパルス電圧の印加により引き起こされる水上沿面放電により、直接的にオゾン注入をおこなうという手法の有効性を調べる。 (1.4MB)
角皆 潤

北海道大学大学院 理学研究科
助教授
安定同位体組成を指標に用いた環境試料中の微量有機塩素化合物の起源推定法開発 環境試料中の揮発性有機塩素化合物についてその分子毎の炭素安定同位体組成の定量分析システムを開発することを主目的とし、また開発した定量分析システムを用いて主要発生源における各化合物の炭素安定同位体組成を実測して指標としての有効性を検討したり、さらに四塩化炭素については、大気試料で高濃度が観測されているテスト地域において大気中における同位体組成を実測してその起源を考慮することも計画している。 (295KB)
興野 純

筑波大学大学院 生命環境科学研究科地球進化科学専攻
講師
カドミウム溶出による環境汚染メカニズム解明のための岩石学的アプローチ 鉱山の閃亜鉛鉱から実際に溶出するカドミウムを岩石学的アプローチから研究し、カドミウムの土壌汚染メカニズムを解明することを目標としている。これまで、鉱物学的知識に基づき、硫化鉱物の鉱物化学特性について研究を進めてきた経験を活かし、本研究の主眼を、方鉛鉱(PbS)、閃亜鉛鉱(ZnS)の硫化鉱物中のカドミウムに設定し、研究地域も岐阜県神岡鉱山に絞って行う。 (1.5MB)
久田 由紀子

九州大学大学院 総合理工学府
博士後期
課程
福岡都市圏の熱環境に及ぼす局地風の影響に関する研究 平成15年の夏以降に得られた観測データおよび福岡管区気象台にて取得されている風向風速のデータ等を解析し、局地風がヒートアイランド構造に与える影響を調べ、気温上昇抑制効果の定性的・定量的評価を試みる。また数値シュミレーションにより、局地風侵入特性と熱環境特性を明らかにする。 (575KB)
山本 福壽

鳥取大学 農学部
教授
海面上昇にともなう陸域の塩濃度変化が低地湿原の森林植生に及ぼす影響 湿地林構成樹種に及ぼす塩濃度増加および水位上昇の影響を生理的に解析するとともに、湿原の植生分布と地下水位との関係、土壌中の塩分濃度の現状などについての生態的な調査を行い、海面上昇が湿地林に及ぼす影響を明らかにする。 (1.5MB)
尾関 梨恵

京都大学大学院 地球環境学舎 沿岸域生態系保全論分野
博士課程
小アラル海の再生に向けての安定同位体による食物連鎖の解明 小アラル海の漁業の再生に向けて、食物連鎖を解明していくことを目的とする。漁業再生のためにはどのような環境整備などのアプローチが必要で、かつ適切なのかを議論し、提言していく。また、識別した食物連鎖の構造と水質を指標とし、ダム建設前後の水質と生物の動態を観察・比較することによって、ダム建設が小アラル海の生態系にもたらす影響を評価し、ダム建設事業に関連して、漁業再生に向けさらなる改善案を提案していく。 (242KB)
浅川 晋

名古屋大学大学院 生命農学研究科 土壌生物化学研究分野
助教授
水田圃場に生息する新規なメタン酸化細菌の特性解明
-水田からのメタン発生低域への活用を目指して-
水田は温暖化ガスメタンの主要な発生源の一つであり、その発生源はメタン生成と酸化の正味の差であるため、メタン酸化細菌はメタン放出量の調節者として重要である。メタン酸化細菌は湖、湿地、海洋等の様々な水環境から分離されているが、水田生態系に生息する菌の種類についての情報は乏しい。このため、水田生態系の各部位から分離された新規のメタン酸化細菌について、その諸特性を解明し、水田からのメタン発生低減への活用を目指す。 (821KB)
米谷 俊彦

岡山大学 資源生物科学研究所 
環境反応解析部門
教授
竹林と竹の稈の内部の気体濃度の動態の研究 高湿度、高炭酸ガス濃度の特異な気象環境が形成されている竹林内部のガス環境、特に炭酸ガス濃度、水蒸気濃度、酸素濃度の日変化、季節変化と稈や根の蓄積量の季節変化に着目して調査を進める。同時に、親竹、タケノコ、土壌からの炭酸ガス、水蒸気の放出量を測定して、それらが竹林内部のガス環境に及ぼす効果についても解析する。 (446KB)
檀浦 正子

神戸大学大学院 自然科学研究科
博士課程
後期課程
新しいミニライゾトロンを森林土壌に適用した根の枯死生産量の測定 森林生態系の炭素循環において重要な部分を占めることは明確であるにもかかわらず、測定の困難さゆえに研究が立遅れてきた枯死再生サイクルを明らかにするための、手法の開発および測定を行う。 (538KB)
今井 伸夫

東京農業大学大学院 農学研究科
林学専攻
博士後期
熱帯マングローブ林における炭素動態解明のための森林の生産性・分解性の評価 熱帯マングローブ林における炭素動態の解明に資するため、タイの発達した森林においてその生産性および分解性の評価を行う。特に、潮汐傾度に沿った種組成の変化にともなう、成長率や栄養塩類の利用効率の変化に注目し、マングローブ林の機能の空間的な変化パターンを明らかにする。 (476KB)
渡邊 剛

北海道大学大学院 理学研究科
講師
地球温暖化に対する造礁性サンゴの応答 サンゴ礁の北限域に生息している造礁性サンゴの水温上昇に対する反応を評価するため、サンゴ礁からサンゴ小群体を採取・水温条件を変えた水槽で一定期間飼育および観察を行った後、サンゴ骨格の成長量と化学組成を分析する。サンゴ骨格には、成長過程での環境要因の変化、生理的変化、及び骨格形成過程が記録されるため、飼育条件をコントロールする事で、水温条件の変化に対する応答を詳細に検討することが可能である。 (3.5MB)
林 在洙

名古屋大学大学院 環境学研究科
大学院生
過去2千年における風成塵フラックスと東アジアの気候変動 堆積物に含まれる風成ダストを用いて過去2千年における東アジアでの気候変動を高精度復元する。風成ダストの量と粒子の大きさは内陸の乾燥度と大気循環の変動によるものであることが知られている。この研究の結果を太陽活動(自然の要因)の変化と比較することによって、太陽活動の変化による大気循環の変動の仕組みが得られると期待している。また人為的な要因による気候変動の結果も得られると考えられる。 (6.9MB)

2004年度(平成16年度 第7回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
松本恵子
東京農工大学連合大学院農学研究科博士課程
植物の葉面電位応答を利用した、植物生育状態の評価システムの開発 LEDパネルを利用した単波長光及びその組み合わせの光刺激を周期的に植物に与え、植物生体応答の信号として葉面電位を観測する。また、光刺激の他、土壌水分や大気湿度などの生育環境の変化に対する葉面電位応答を観測・解析する。更に、他の生理パラメーターとの関連性を検討する。 (162KB)
山崎裕治
富山大学理学部生物学科助手
河川性動物における生息環境解明のための多重階層スケール解析 河川淡水域のみを利用する動物(淡水魚類、甲殻類など)における生息適地の解明を目指す。特に、河川を空間スケールで階層区分し、それぞれのスケールにおける生息地決定要因を明らかにするとともに、スケール間におけるカスケード構造の解明を目指す。また、異なる季節間で比較し、環境が変わることによる生息決定要因の変動を捉えることが可能となる。以上のように河川生物の生息パターンを多重階層的及び動的な観点で明らかにする。 研究者のご都合により掲載しておりません。
金尾忠芳
岡山大学自然生命科学研究支援センター助手
好酸性鉄酸化細菌の有機水銀分解能の検討と水銀汚染土壌修復への応用 鉄酸化細菌は二酸化炭素を同化し、鉄や還元型無機硫黄化合物を酸化してエネルギーを獲得する化学合成独立栄養細菌であり、多くの重金属が溶出しやすい酸性領域で良好に生育する。鉄=酸化細菌よりorganomercurylyaseの精製と遺伝子の単離を目指し、分子生物学的な視点から新たな水銀汚染環境の修復について検討する。 (277KB)
高橋けんし
名古屋大学太陽地球環境研究所助手
黄砂粒子が日本付近の大気環境に与える影響の研究 中国大陸から日本付近に飛散する黄砂粒子の化学組成を、レーザーアブレーション・レーザーイオン化質量分析法により、リアルタイムに観測し、黄砂粒子が日本付近の大気環境に与える影響を解明する。 (79KB)
上村繁樹
木更津工業高等専門学校環境都市工学科助教授
UASB-DHS法の組み合わせによる新規下水処理システムの開発-指標微生物の処理特性と不活化メカニズムの把握- 開発途上国向けの下水処理システムとして、UASBリアクターに、後段処理プロセスとしてのDHSリアクターを組合わせたシステムを開発した。その処理性能の評価として特に、本システムの衛生学的な安全性を確保する上で重要な因子となる大腸菌群などの病原菌指標微生物の動向を中心に調査する。 (232KB)
今川朱美
京都大学大学院工学研究科物質エネルギー化学専攻研究員
貯留雨水の生物化学的浄化システム~雨水利用の普及を目的として~ 雨水利用を普及させる上で問題となってるのが、貯留した雨水からの大腸菌群などの検出である。薬品での消毒により全ての菌を死滅させるのではなく、人体に有効な菌を生かしながら、悪影響を及ぼす菌のみを遺伝子のレベルで判別し、死滅へと誘導するシステムの開発を行なう。 (634KB)
細淵勇人
京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻博士課程
建築熱環境シミュレーションに使用する天空放射輝度分布を考慮した日射量モデルの開発 高精度の熱環境シミュレーションを行なうことを可能とする天空放射輝度分布を考慮した日射量モデルの開発を行なう。 (1MB)
田上公俊
大分大学工学部機械・エネルギーシステム工学科助教授
埋立地ガスを利用した効率的エネルギー回収のための基礎研究 埋立地ガス(LFG)は埋立地に蓄積された一般廃棄物の腐敗により生じ、その大部分はメタンと二酸化炭素から構成されている。LFGを燃料として利用することによりエネルギー回収と二酸化炭素量の削減を目指し、LFGの基礎燃焼特性を明らかにする。 (815KB)
松村寛一郎
関西学院大学総合政策学部メディア情報学科助教授
日本における持続可能な観光形態のあり方に関する研究~屋久島での現地実習を通じて~
屋久島におけるなエコツーリズムのあり方を探る。日本全体に対して、エコツーリズム構想を広めてゆくための一石になることを期待している。
研究者のご都合により掲載しておりません。

2003年度(平成15年度 第6回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
伊藤雅之
京都大学大学院 農学研究科 地域環境科学専攻 森林水文学分野 修士課程
森林流域におけるメタンの吸収・放出機構に関する研究
本研究は、湿地域と斜面域でメタンフラックスを測定しメタンの放出・吸収が生じている部位の空間的分布を把握することにより、森林流域全体がメタンのシンクあるいはソースのどちらとして機能しているのかということの解明を目的としている。
(326KB)
鵜川 信
東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻自然環境コ-ス博士課程
酸性雨、侵入病害等による森林衰退現象と共生菌群集の多様性との関係の解明 本研究では、樹木と共生関係にある外生菌根菌から森林衰退現象の防止策の基礎となる知見を得ることを目的として、森林衰退と外生菌根菌群集の多様性の関係を明らかにする。 (242KB)
河上強志
筑波大学 博士課程生命環境科学研究科 生物圏資源科学専攻
懸濁物質による水および底質間での農薬挙動に関する研究 本研究では、農薬を含む化学物質の水圏での移動媒体として重要視されている懸濁物質について注目し、その組成的特徴や農薬挙動への寄与を明らかにし、水-懸濁物質-底質系での農薬濃度変動に関する基礎的なデータの収集とそれに係髟マ動要因の解明を目的とする。 (59KB)
知北和久
北海道大学大学院 理学研究科 地球惑星科学専攻 助教授
地球温暖化によるヒマラヤ氷河湖の急速拡大と決壊洪水の将来予測に関する研究 本申請は、1996年~2002年に調査された3つの氷河上の湖(ネパール国のツォー・ロルパ湖とイムジャ湖、ブータン国のルゲ湖)を研究対象として、数値実験によってこれらの湖盆拡大の推移を再現し、将来起こりうる決壊洪水の時期を事前予測することを目的とする。 (252KB)
土谷彰男
広島大学 総合科学部 自然環境科学講座 助手
ライシメ-タ-を用いた人工降雨の浸透・蒸発にともなう土壌CO2濃度の変動に関する実験的研究 本研究では閉鎖チャンバー法では測定不可能で、モデル研究では見落とされている土壌水分の上下移動との関係を視野に入れて、地中CO2の濃度変化を人工降雨装置を装備したライシメーターを用いて計測することを目的とする。 (177KB)
野村恭子
東京大学大学院 新領域創成科学研究科 環境学専攻環境システムコ-ス松橋研究室 博士課程
京都議定書下の森林資源・バイオマスのマネジメントのための炭素・環境・資源統合評価モデルの検討 森林資源管理とバイオマス利用との2つのシステム(サブシステム)に着目し、岡山県真庭地区を事例に、炭素およびバイオマス資源のマテリアルフローと、炭素ストックのメカニズムを解明する。さらに、森林管理やバイオマス利用の活動による環境影響(正・負)を定量的評価する。次に、現状実態の把握作業に基づき、森林資源管理とバイオマス利用を炭素収支・環境影響・資源生産(有効利用)の側面から総合的にマネジメントするための統合評価システムを開発する。 (67KB)
松口正信
愛媛大学工学部応用化学科 助教授
水晶振動子を利用した大気中の窒素酸化物簡易計測技術の開発
本研究では、窒素酸化物の高分子膜への吸着による重量変化を利用した、常温作動、低消費電力、小型で安価な「ポータブル窒素酸化物センサー」の開発を目的とする。 (120KB)
渡辺 守
筑波大学 生物科学系 教授
絶滅危惧種ヒヌマイトトンボのミティゲ-ションにおける評価法確立の研究 これまでに、県と密接な連携をとりながら、本生息地におけるヒヌマイトトンボについて、成虫期と幼虫期の個体群パラメーターを調査するとともに、各種の環境要因を測定して、本種の生活環境を定量的に解明してきた。これらの結果を基礎として、来年度に完成した、新たに創設された生息地でも同様の調査を行ない、同時に行なった既存の生息地の結果と比較し、ミティゲーションの評価を行なう。 研究者のご都合により掲載しておりません。

2002年度(平成14年度 第5回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
金本 自由生
愛媛大学沿岸環境科学研究センター助手
亜熱帯海草藻場の年変動に関する研究 沖縄県石垣島南西岸に位置する名蔵湾沿岸で海草藻場の海草群集を形成する海草の種類ごとの分布を、1998年から最低年1回の調査を継続し、海草藻場の年変動のメカニズムを探ると共に、亜熱帯海域の海草藻場群落が、環境変動の指標として利用できるか、明らかにする。 (885KB)
芝田 隼次
関西大学工学部化学工学科教授
石炭灰を原料とするゼオライトを用いた閉鎖性水域の富栄養化抑制技術の開発 本研究では、石炭灰の再資源化、閉鎖性水域の富栄養化抑制に関する新しい技術開発を行うことが目的である。具体的には、石炭灰をアルカリ水熱処理して合成されたゼオライトを付加価値化し、この生成物を用いて陽イオンであるアンモニウムイオンと陰イオンであるリン酸イオンを同時にかつ効率よく除去する方法を確立することである。 研究者のご都合により掲載しておりません。
惣田 訓
大阪大学大学院工学研究科助手
大阪湾環境共生型海上都市構想-自然学習村の土地利用計画と海水浄化能力の評価- 大阪湾の環境共生型都市(SuMaC)内の自然学習村の計画を具体化するための自然学習村WGを組織しようとしている。SuMaCに森・河川・海を含む自然学習村の土地利用を計画し、ラグーンの有する海水浄化機能を数値シミュレーションで評価することを目的としている。 (165KB)
永瀬 裕康
大阪大学大学院薬学研究科助手
内分泌撹乱化学物質の生物処理システムの開発と廃棄物処分場浸出処理への対応。 太陽光を利用して独立栄養的に増殖することができる微細藻類を利用し、有機物をあまり含まない廃棄物処分場浸出水中のビスフェノールAを始めとする内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)を、生物的に処理するためのシステムを構築することを目的とする。 (141KB)
橋本 伸哉
静岡県立大学助教授
大気中二酸化炭素減少のための植物プランクトン増殖手法のオゾン層破壊への影響予測 本研究の目的は、種々の海洋植物プランクトンを培養し、種毎に生成されるオゾン層破壊物質の種類とその量を正確に測定し、海洋で植物プランクトンを増殖させる方法が地球環境問題に貢献するか判断するための貴重な基礎データを得ることである。 研究者の
ご都合により
掲載しておりません。
福田 和代
九州大学大学院総合理工学研究所博士後期課程
短周期日射変動に伴う地上風速の応答特性 自然エネルギーを利用する際の問題点として、エネルギー供給がランダムに変化することが挙げられる。この問題は、気象現象が変化する以上避けられない問題であり、自然エネルギーを定常状態に保つことは不可能である。しかしながら、自然エネルギーの変動を定量的・統計的に解析することによって、自然エネルギーを有効に利用するシステムの向上へつながることは可能であろう。そこで、本研究では特に太陽光・風力エネルギーの変動について相互関係を調べることを目的とする。 (225KB)

2001年度(平成13年度 第4回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
勝山 正則
京都大学 農学研究科地域環境科学専攻森林水文学研究室博士課程
森林流域のスケールの違いに着目した水質形成機構に関する研究 滋賀県の琵琶湖に流入する草津川源頭部に位置する桐生水文試験地(ヒノキ人工林)に斜面スケール(0.02ha)、小流域スケール(0.68ha)および流域全体スケール(5.99ha)の観測網を設け、土層内部の飽和不飽和水移動過程とそれらの水質形成機構を降雨時(数時間~数日の短時間スケール)、無降雨時(数ヶ月~数年の長期間スケール)をあわせて詳細に観測し、森林流域の渓流水質形成機構を解明することを目的とする。 (98.6KB)
河野 小夜子
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科博士後期課程
地域環境問題の総合モデルを用いた分析とシミュレーション技法の開発 地域住民の環境に対する感性・感覚というソフトデータがハードデータを補完する役割を担うものであるかどうかを検討し、定性的・準定量的なソフトデータを総合モデルに組み込むための手法を考察する。最終的な研究の目的は、客観的性質を持つデータに加えて、個人や組織、社会が持つ知識を統合することで、地域環境問題の現状把握と将来予測を行なうことである。この基盤として総合モデルを用いている。 (201KB)
椎名 達雄
和歌山大学システム工学部助手
低コヒーレンス干渉計を応用した植物生態環境計測システムの開発 低コヒーレンス干渉計による断層画像計測法(Optical Coherence Tomography:OCT)を植物の生態環境センシングに応用し、植物の葉・幹・花びら等の表層および内部を計測するシステムを構築することを目的とする。 (1,891KB)
根岸 友惠
岡山大学薬学部助教授
ショウジョウバエを用いた固体レベルでの環境汚染の生物影響評価 個体に対する環境の総合的な評価を行うことを目的として、方法の確立と生物モニタリングの実施を目指す。実験動物としては取り扱いの簡便なショウジョウバエを使用する。これまで経口的な摂取による化学物質の評価に使用されてきたショウジョウバエを使って、大気環境物質の経気道的な摂取による生物影響を検索することができるかどうか、実験室において方法の検討を行う。その結果をふまえてショウジョウバエの幼虫あるいは成虫を汚染環境と見られる観測点に配置してフィールドワークを行い、経日的、経年的に観察し、汚染環境の慢性曝露に対する評価を行う。 (55.5KB)

2000年度(平成12年度 第3回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
伊藤 よしの
関西学院大学
大学院
総合政策研究科
修士課程
国際条約とこれに対応する
国内法の制定
(ラムサール条約をめぐる
日本とデンマークの湿地の
事例研究を通して)
1971年に採択され、日本政府も加盟調印している湿地に関する国際条約、ラムサール条約締約国会議の決議や付属書、ガイドラインや戦略などのうち、湿地の復元と機能回復に関する最新情報を提供。
(9,936KB)
今井 剛
山口大学 工学部
社会建設工学科
助教授
循環型社会実現のための 有機性固形廃棄物の可溶化システムの開発 物理的分解法の1つである高速回転ディスクによる可溶化について検討した。
高速回転ディスクは、構造が簡単でメンテナンスが容易かつ低コスト化が期待できる。
本法は、高速で回転するディスクの間隙に汚泥、厨芥ごみ等の含水率の高い有機性固形廃棄物を通過させ、その時に生じる(1)剪断力による破砕(剪断破砕)、(2)すり潰しによる破砕(磨砕)、およびそれに伴って生じる(3)微生物細胞内から溶出した加水分解酵素(余剰汚泥の場合のみ)
による低分子化の促進を組み合わせて有機性固形廃棄物を高効率に可溶化させることを目的とする。
(222KB)
片岡 洋行
岡山大学 薬学部
助教授     
性的二色性メダカを用いる内分泌撹乱化学物質のバイオアッセイ法の開発と環境分析への応用 内分泌撹乱化学物質(環境ホルモン)による環境汚染や生物に対する
影響を評価するために、性的二色性メダカを用いて体色変化や特定の体内蛋白質を生化学的指標としたバイオアッセイ法を開発し、環境中における内分泌撹乱化学物質のスクリーニングやモニタリングに応用しようとするものである。
(1,335KB)
福原 輝幸
福井大学 工学部
建築建設工学科
教授
灌漑に伴う
土壌塩類集積の解明
灌漑に伴い拡大する温度勾配下の 塩類集積を正確に把握するために、塩性化した乾燥土壌に淡水を散水し浸透・蒸発に伴う塩の移動と集積の過程をカラム実験により明らかにする。 (124KB)

1999年度(平成11年度 第2回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
藤田藤樹夫
近畿大学農学部
農芸化学科 教授
アポトーシス誘導を指
標とした環境汚染化学
物質の毒性評価法の確
立に関する研究
アポトーシスが環境汚染化学物質の早期毒性の指標となる毒性評価法を開発する。
環境汚染化学物質に暴露させた細胞から、アポトーシスの生化学的指標であるDNA断片化とアポトーシスが誘導されることを確認したアポトーシスの出現に要する時間や濃度を比較することで、従来の方法より短時間で高感度の化学物質の毒性評価が可能となる。
(495KB)
馬建鋒
香川大学農学部・
助教授
植物の重金属超集積機
能の解析
ごく一部の植物しかもっていない重金属超集積機能の解析をし、植物による土壌重金属浄化機能の開発につなげる。
研究の対象は、亜鉛カドミウムを普通の植物より100倍以上も集積する
Thlaspicaerulescensである。
この植物は重金属汚染土壌において積極的に亜鉛やカドミウムを吸収し、地上部に輸送するが、そのメカニズムについては明らかにされていない。本研究では、根から分泌する、重金属を可溶化する物質の単離同定、体内における重金属の結合物質の同定を行い、体内における重
金属無毒化機構を明らかにする。
(3,777KB)
森圭子
京都大学大学院
農学研究科・博士
課程1回生
里山環境における森林
の水保全機能の解明に
関する研究
森林における土壌の諸性質から、森林の持つ水保全機能のモデルの構築を試みる。
保水や水の浸透能を通して、土壌は森林の水保全機能に大きく貢献する。
本研究では、森林土壌の持つ水保全機能の植生による違い、特に広葉樹林と植林された針葉樹林の違いを現場で把握し、水保全機能に関与する性質を明らかにする。
(327KB)
米田稔
京都大学大学院
工学研究科   
環境地球工学専攻・
助手
衛星リモートセンシン
グを用いた地下水源管
理システムの開発
衛星リモートセンシングを用いて、地下水源管理システムを開発する。
工業用水などの大量の地下水揚水が、飲料水源としての地下水の枯渇を招く危険性が指摘されている地域も多い。本研究では地下水データが豊富な岐阜県各務原市を対象として、地下水流動システムの精確な推定をGISや衛星リモートセンシングデータなどを駆使して行い、飲料水源などとしての地下水量を確保するために必要となる各事業体における適正揚水量、少雨期における人工涵養量などを算出するシステムを開発する                
(139KB)

1998年度(平成10年度 第1回)

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研究代表者 研究テーマ 内容の概要 研究報告書
永野宏治
室蘭工業大学 工学部
情報工学科 助手
次世代エネルギー地熱エネルギー開発のためのき裂波3成分計測による地下き裂面の接触特性評価法 地熱エネルギー開発のため、地下き裂の情報を「き裂波」を使った新しい計測原理にもとづき計測し、地下き裂の状態を評価する。 (587KB)
笹谷康之
立命館大学 理工学部
土木工学科 助教授
自然エネルギー・省エネルギーシステムの市民への普及に関する研究 省エネルギー実践と自然エネルギーの活用のためのアンケート調査、欧米などの情報収集 (5499KB)
島田浩章
東京理科大学
基礎工学部 生物工学科
助教授
多機能薬物物質代謝酵素の導入による環境浄化植物の創製 環境中に放出されたダイオキシンなどの環境汚染物質の除去に寄与する環境浄化植物による環境回復システムの構築 (369KB)