高度加速寿命試験装置
(HAST CHAMBER)

機器概要
電気・電子部品の高密度化が進む中、部品材料の高度加速寿命試験の重要性がますます高まっています。
当社の高度加速寿命試験装置は、一定の電圧や信号を印加するバイアステストを中心に設計され、最適な試験環境を提供します。
制御モードは、「不飽和制御」「濡れ飽和制御」を搭載した標準タイプに加え、「乾湿球温度制御」「不飽和制御」「濡れ飽和制御」の3モードを装備したMタイプをご用意。Mタイプは、国際規格IEC 60068-2-66に対応しています。
さらに、1台分の設置スペースで2倍の容量を確保できる2段積みタイプもラインアップ。異なる試験条件での上下同時試験や、大量試験にも柔軟に対応可能です。
- 強度と効率を両立する丸型圧力容器、最大限のテストエリアを確保
- 二重円筒構造 × 独自空調方式で、試料の結露・水滴落下を防止
- 攪拌ファン搭載で温湿度ムラを低減、試料に均一なストレスを与えます。
- 最大72ピン対応、色分け端子で視認性向上。バイアス試験をスムーズに。
- 万一のトラブルから試料を守る試料電源制御端子を標準装備。
シリーズ構成
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| 型式 | 温度・湿度・圧力範囲 | 内法/外法(mm) |
|---|---|---|
| EHS-212 | +105.0~+142.9℃ 75~100%rh 0.020~0.196MPa(Gauge) |
φ294×D318 / W640×H1483×D850 |
| EHS-212M | ||
| EHS-212MD | φ294×D318×2 / W760×H1796×D1000 |
|
| EHS-222 | φ394×D426 / W740×H1553×D1000 |
|
| EHS-222M | ||
| EHS-222MD | φ394×D426×2 / W860×H1796×D1000 |
|
| EHS-412 | +105.0~+162.2℃ 75~100%rh 0.020~0.392MPa(Gauge) |
φ294×D318 / W640×H1483×D850 |
| EHS-412M | ||
| EHS-412MD | φ294×D318×2 / W760×H1796×D1000 |
温湿度制御範囲図

治具提案
HAST試験では高湿環境下でも安定した電圧・電流印加を実現する治具が重要で、不具合があると再試験や費用ロスを招く恐れがあります。当社は豊富なノウハウを活かし各サンプルに最適化した専用治具を提供し、安定した試験環境と信頼性の高い評価を実現します。
治具製作例
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基板用治具
(カードエッジ式) -
基板用治具
(差し込み式) -
コンデンサ用治具
(プローブ式) -
コンデンサ用治具
(チップクリップ式) -
ウエハチップ用治具
大型基板・大量試料用モデル
一度に多数の試料を同時に試験が可能な「大型基板・大量試料用モデル」を新たにリリースいたしました。
51Lモデル(EHS-222M)から奥行方向に200㎜拡大し、試料信号端子は1000V1A×最大120ピンまで対応が可能。
一度に収容できる試料数が増え、統計的に有効なデータを短期間で取得できます。
開発期間の短縮や試験コストの低減、試験サイクルの短縮に貢献します。

試験効率アップ
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器内サイズ大きさ比較(イメージ)
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1000V1A×120ピン搭載イメージ
| 奥行拡大 | :51Lモデル(EHS-222M)より200㎜拡大 ▶ 内寸φ394㎜×D626㎜ |
|---|---|
| 大型基板対応 | :最大470㎜×290㎜クラスの基板を収容でき、多様な試料サイズに柔軟に対応 |
| 高電圧・ 多ピン対応 |
:最大1000V1A×120ピンの通電試験が可能 |
作業効率アップ
ピン数が多くなるほど煩雑化する配線作業も、コネクタブロックを用いた治具提案により簡素化。
作業効率を高め、安定した試験環境を実現します。
| 型式 | EHS-222M-L |
|---|---|
| 圧力範囲 | 0.019〜0.193MPa (Gauge) |
| 器内容積 | 76L |
| 器内寸法 | φ394xD626(604)mm ※( )内はファンガードの突起を除く寸法 |
| 外法(WxHxDmm) | 1000x1713x1200 |
| 質量 | 310kg |
| 加熱・加圧時間 (不飽和制御) |
70分以内 |
| 加熱・加圧時間 (濡れ飽和制御) |
100分以内 |
| 加熱・加圧時間 (乾湿球温度制御・ 温度上昇時) |
90分以内 |
| 加熱・加圧時間 (乾湿球温度制御) |
130分以内 |
Air-HAST
Air-HAST(オプション)が恒温恒湿器に近い環境を再現
エスペックでは、より実環境に近い状況で加速寿命試験が行えるAir-HAST 機能付高度加速寿命試験装置をご提案いたします。
通常の加速寿命試験(HAST)は、内圧を上げるために温度を上げて水蒸気を発生させ、その際、槽内の空気を排気弁から排出します。
高温・高湿・圧力の3つのストレスにより寿命を加速する試験を行います。
しかしこの場合、槽内には空気がなく、実環境とは異なります。
Air-HAST 機能では、空気を残留させ、試料表面酸化など、空気中の酸素が劣化要因に影響する試料の加速寿命試験に有効です。

- 特長
<ウィスカの耐湿性評価>…特許第5066143 - 実装基板での評価事例が少ないウィスカ。その理由のひとつは、試験時間が1000 時間や3000 時間と大変長いことが挙げられます。
この試験時間を短縮するために、エスペックは、Air-HASTによる実装基板の鉛フリーはんだウィスカ評価を行い、85℃/85%rh試験との加速効果を確認いたしました。
ウィスカ評価の加速試験事例
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| ウィスカ評価の加速試験事例 | ||
|---|---|---|
| 熱サイクル試験 | -40℃←→+85℃ | 3000サイクル |
| 高温高湿試験 | +55℃/+85%rh | 3000時間 |
| +85℃/+85%rh | 1000時間 | |
| Air-HAST | +110℃/+85%rh | 200時間 |






