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2025

世界をリードする半導体最先端実装拠点として新産業の
創出・育成に貢献
公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団
三次元半導体研究センターを訪問

三次元半導体研究センターは、2011年に先端成長産業育成を目指した福岡県の「シリコンシーベルト福岡プロジェクト」の一環として福岡県糸島市に開所されました。世界をリードする半導体最先端実装拠点として、新産業の創出・育成に取り組まれている同センターを取材しました。

本特集記事は、2024年取材当時の内容です。

※現在の名称は「福岡超集積半導体ソリューションセンター」

最先端半導体の研究開発から試作、評価・解析までを一貫して支援する国内唯一の公的機関

三次元半導体研究センター様の役割を教えてください。

三次元半導体研究センターは、最先端半導体の開発・製品化を推進するため、研究開発から試作、評価・解析までを一貫して支援する国内唯一の公的機関です。近年、5Gや生成AI、自動運転の普及に伴い、半導体の高性能化が進んでいます。半導体は回路が微細化すればするほど性能が向上しますが、すでに微細化は数nm(ナノメートル:10億分の1メートル)まで進み、物理的な限界を迎えつつあります。そのため、当センターが持つ複数の半導体チップを垂直に積み上げる「三次元実装技術」が性能向上につながると注目を集めています。

取材にご協力いただいた
三次元半導体研究センターのみなさん

(左から)
センター長 末次 正様、副センター長 野北 寛太様、
三次元半導体部長(兼)社会システム実証部長 小野 昌志様
※所属役職名は取材当時

三次元半導体研究センター様の特徴を教えてください。

当センターの特徴は「三次元実装技術」の中でも、プリント基板内部に素子を内蔵して三次元に配線する部品内蔵基板を、量産レベルで製造できることです。試作工程としては、通常のプリント基板製造ラインに加え、基板内部に部品を搭載する実装装置も有しています。また、一つの場所に8インチのシリコンウエハの加工ライン(前工程)と、プリント配線基板、部品内蔵基板の量産ライン(後工程)の両方が構築されていることも特徴です。これにより、設計から生産(試作)、評価・解析という一連の「流れ」をつくり出すことができます。前工程、後工程といった垣根を越えた新たなプロセスへのチャレンジも可能で、このような支援機関は他になく、国内唯一となっています。当センターは、開所当初から産学官連携によるオープンイノベーションを推進しており、企業間の連携支援などにも積極的に取り組んでいます。

福岡大学 半導体実装研究所様との連携にも積極的に取り組まれているのですね。

クライアントの企業が、理論的な領域や未踏領域へのチャレンジなど高度なサポートを必要とされる場合は、福岡大学 半導体実装研究所と連携した支援を行っています。福岡大学では、研究開発テーマの企画や、試作品の設計・シミュレーションなど、研究開発テーマにどのようにアプローチしていくかといったプランニングを主に行っています。こうした福岡大学ならではの知見に加え、当センターがモノづくりのプロフェッショナルとして、試作プロセスの設計や使用部材の最適化といったモノづくりのノウハウを提供することで、企業における技術課題の解決に向けた支援を行っています。

当社の製品の使用用途を教えてください。

当センターでは、エスペックさんの冷熱衝撃装置を用いて、新しい実装技術の信頼性評価として国際的な試験規格であるJEDEC規格をベースとした環境試験を行っています。自動車関連で用いられる半導体の信頼性評価では、-50℃~+150℃といった厳しい温度環境下での試験を行っています。御社の冷熱衝撃装置は、高温さらし、低温さらしのどちらにおいても、設定した温度到達時間のばらつきが少なく、高精度で信頼性の高い評価が可能となっています。
また、福岡大学 半導体実装研究所と長年取り組んでいる基板の中に部品を埋め込む「部品内蔵技術」を用いたパワーデバイの開発では、実際に試作品を作って、電気的な評価などを行っています。
※半導体部品の技術の標準化を図ることを目的とした規格

エスペックの冷熱衝撃装置(300℃タイプ)を用いて半導体パッケージの信頼性試験を実施する様子
高温さらし温度範囲:+60℃~+300℃
低温さらし温度範囲:‒65℃~0℃

振動試験機付恒温恒湿器
さまざまな温湿度環境下で振動を与え、
半導体の信頼性や耐久性、輸送による影響などを評価

当社や当社製品に対するご意見・ご要望をお聞かせください。

環境試験器といえばエスペックさんだと思っています。
環境試験器のデファクトスタンダードであり、製品への信頼感があります。今後は発熱や電気的な計測・評価など、より複合的な試験が求められてくると思いますので、こうした複合的な試験に対応した製品の開発をお願いします。これからもエスペックさんとより良い関係を築いていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

2025年8月
「福岡超集積半導体ソリューションセンター」開所

2025年8月25日、2011年開所の半導体の実装分野で設計・試作から評価・解析までを一貫して支援する「三次元半導体研究センター」と、半導体製品の実環境下での実証・評価を支援する「社会システム実証センター」を統合し、「福岡超集積半導体ソリューションセンター」が開所されました。本センターでは、設計・試作から評価・解析および実証までをワンストップで提供し、半導体の組み立てや検査といった「後工程」における先進技術の研究開発支援を行います。

公益財団法人 福岡県産業・科学技術振興財団 福岡超集積半導体ソリューションセンター
開所:
2025年8月
住所:
福岡県糸島市東1963-4
事業内容:
半導体後工程の先進技術の研究開発支援

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