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2021

中小企業の製品開発や技術開発を支援する
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターを訪問

東京都立産業技術研究センター(略称:都産技研)は、1921年設立の府立東京商工奨励館に端を発し、その後100年にわたり時代とともに変わりゆく産業を変わらない使命で支える歴史ある公設試験研究機関です。先端技術や社会ニーズをとらえた中小企業の支援に取り組む技術開発支援部 実証試験技術グループのみなさんにお話を伺いました。

「頼りになる都産技研」を目指して
最新の試験装置とノウハウで中小企業の技術支援を拡充

東京都立産業技術研究センターの概要、実証試験技術グループの役割を教えてください。

東京都立産業技術研究センターは、東京都により設立され、主に都内中小企業の技術的な支援を行うことにより中小企業の振興を図り、都民の生活向上に寄与することを目的としています。実証試験技術グループは、4つの分野(環境試験、電気・温度試験、製品・材料強度試験、長さ・形状測定)で構成しており、信頼性評価、故障解析、動作解析により高品質・高性能な製品開発や先端の技術開発を支援しています。高性能な試験装置をお持ちではない中小企業の方にも、自社の製品開発や技術向上のため都産技研をご活用いただいています。

技術開発支援部 実証試験技術グループのみなさん
左から、神瀬信彦様、山本克美様、グループ長 沼尻治彦様、
豊島克久様、山本哲雄様、森直樹様

当社の試験装置を用いて実施できる試験内容を教えてください。

環境試験分野の恒温恒湿槽群にエスペック製品を導入し、温湿度試験や冷熱衝撃試験、結露サイクル試験や減圧試験を実施しています。エスペック製品は主にお客さまご自身が試験装置を操作して試験を行う「機器利用」で活用しており、ユーザーインターフェースの統一感に好評を得ております。また、お客さまの製品やサンプルなどをお預かりし、私たちが試験を行う「依頼試験」でも活用しており、JISやIECなど各種試験規格をはじめとしたお客さまのさまざまなニーズに対応しています。

多様化する試験ニーズに対応するため、昨年に「環境試験室」をリニューアルされたのですね?

今回のリニューアルの目的は、国際規格など多様化する試験ニーズへの対応に加えて、試験設備の最新化による技術支援の拡充のためです。新たな試験装置の導入により、これまで対応できなかった温度範囲や温度変化速度の試験にもお応えできるようになりました。また、部屋タイプの恒温恒湿室を増設し、お客さまに利用していただきやすくしました。さらに、全ての試験装置をネットワークで接続したことで、利便性と安全性が高まりました。

当社の試験装置はどのようなお客さまが利用されているのでしょうか。

お客さまは製造業の中小企業が大部分です。家電や工業製品、電子機器、電子部品、素材、医療機器など幅広い分野のお客さまにご利用いただいています。最近ではデジタル化の進展に伴い、電子機器や電子部品における国際規格に対応した急速温度変化試験や、静電気対策を目的とした低温低湿環境での試験依頼が増加しています。また、人が入れる恒温恒湿室では空調器の断熱性能やクーラーボックスの性能評価など大型試料を用いた試験も増加しています。

恒温恒湿室 ウォークインチャンバー(エスペック製品)
人が入れるサイズで大型試料の試験が可能
恒温恒湿室2台を併用し低温から高温などの温度変化を伴う試験ができる
室内寸法:幅1.97m×高さ2.1m×奥行1.97m
温度範囲:-30°C~+70°C
湿度範囲:10%rh~95%rh

当社の集中管理システムを導入いただき、試験装置を一括で管理されていますね

エスペックの集中管理システムにより試験装置を一括で管理し、事務所から運転状況や使用電力量を常時監視しています。さらに、お客さまも運転状況を環境試験室内の大型モニタで確認することができます。集中管理システムは、お客さまによる試験装置の操作ミス防止や試験装置用冷却水の漏水検知など安全・安心な試験施設の運営のためにとても役立っています。

リニューアルした環境試験室内のエスペック製品
集中管理システムによるリモート監視で利便性・安全性を向上

当社ならびに当社製品、サービスに対するご評価・ご要望などをお聞かせください。

5GやIoT機器に使用される電子機器や電子部品が高発熱化しており、ハイパワー恒温恒湿器の利用頻度が高まっています。この1台でほぼ全ての温湿度試験の要求に応えることができます。試料からの高発熱負荷に対して広い温度範囲と急速な温度変化の試験ができることにメリットを感じています。また、製品購入後の5年保証やコロナ禍でも早急に修理やメンテナンスの対応をしていただけるので安心して装置を利用できます。今後もこちらの要求に応じた製品提案をお願いします。

ハイパワー恒温恒湿器 ARシリーズ(エスペック製品)
温度変化速度は最速15°C/分、電子機器や電子部品、半導体の国際規格に準拠した温湿度試験が実施できる
槽内寸法:幅1m×高さ1m×奥行0.8m
温度範囲:-60°C~+160°C
湿度範囲:10%rh~95%rh

東京都立産業技術研究センター設立100周年
―変わる産業 変わらない使命―

今年の11月に100周年を迎えます。「産業を担う東京の中小企業を科学技術で支援する」という設立時から変わらない使命のもと、記念事業として社会に役立つ取り組みを行っている中小企業を表彰する制度を新たに設ける予定です。この制度を通じて、お客さまとの継続的な関係性を一層強化し、中小企業のさらなる成長を支援していきたいと考えています。

技術開発支援部 実証試験技術グループ
グループ長 沼尻治彦様
設立100周年記念事業プロジェクト
副実行委員長

設立:
1921年
住所:
東京都江東区青海2-4-10
事業内容:
公設試験研究機関
中小企業に対する技術支援(研究開発、依頼試験、技術相談、人材育成など)

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