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2022

5G/IoT社会の実現を支えるアンリツグループ製品を製造
東北アンリツ株式会社を訪問

1895年の創業以降、情報通信の最先端技術を追求するパイオニアとして情報通信分野を中心に社会の発展に貢献するアンリツグループ。5G/IoT社会の実現を支える計測器など高度な電子機器の製造を担う東北アンリツ株式会社 第二工場を取材し、当社製品を多数使用されている2022年6月竣工の新棟を中心にお話を伺いました。

徹底した品質管理で高性能なアンリツグループ製品をグローバルに供給
5Gなど最先端の情報通信システムの安全・安心に貢献

東北アンリツ様ではどのような製品を生産しているのですか?

東北アンリツは、アンリツグループのグレートマザー工場として、世界にアンリツブランドの製品を供給しています。主に通信計測事業の計測器を生産しており、福島県の第一工場および第二工場でアンリツグループ製品の製造から出荷までを行っています。主にモバイル市場(5Gモバイル端末の開発・製造)、ネットワーク・インフラ市場(データセンターや光ネットワークなどのネットワーク開発・製造・保守)、エレクトロニクス市場(基地局の建設保守、電子部品、無線設備の開発・製造)の3つの市場に向けた製品を提供しています。

オンラインでの取材にご協力いただきました
左:生産技術部長 柳沼克幸様 
右:SCM統括部長 石井和紀様

5Gの通信端末などモバイル市場向けの計測器にはどのようなものがありますか?

当社はスマホなど5Gの通信端末の開発から製造・保守に用いられる豊富な製品群をそろえています。例えば、ラジオコミュニケーション テストステーション(MT8000A)は、通信端末やチップセット、デバイスの開発に用いられます。通信端末は、その送受信性能が3GPP規格に適合しているか評価を行う必要があります。本製品は5Gの疑似基地局の機能を持ち、3GPP規格に準拠した測定ができます。通信端末の量産用計測器では、ユニバーサルワイヤレステストセット(MT8870A)があり、多様な通信規格に対応した送受信試験を行うことができます。

※3GPP:第3世代移動通信システム(3G)の規格を策定するために設立されたプロジェクト。第4世代(4G)、第5世代(5G)の国際標準規格を策定している。

5Gなど通信システムは国際的な規格で技術仕様が定められているのですね。

無線通信技術が進展するなか3GPP規格は随時見直されており、当社計測器も規格変更に迅速に対応しています。また、アンリツ製品の売上高の7割以上が海外向けであり、通信事業者ごとに要求事項が異なります。各種通信規格に加え、通信事業者が求める試験に対応した多種多様な製品をお客さまのオーダーに合わせて短納期で出荷しています。

2022年6月、第二工場に新棟を竣工されましたね。
計測器は情報通信システムの品質保証に欠かせないものですが、当社の恒温槽でどのような試験を行っているのですか?

第二工場の新棟では、製品出荷前の検査工程でエスペックさんの恒温槽を多数使用しています。当社製品は基本的に0℃~50℃の温度範囲で性能を保証しており、恒温槽で全製品を検査しています。当社の計測器は社会インフラである情報通信ネットワークを支える重要なものです。そのため、高精度な温度環境を作ることのできるエスペックさんの恒温槽で厳格に性能をチェックし、確かな品質のものだけを出荷しています。

第二工場新棟に並ぶエスペック製品
出荷前の検査工程でアンリツグループ製品の品質を確保

試験槽内を目視できるワイドビュータイプの恒温槽を多数お選びいただいた理由は何ですか?

試験中に、計測器に接続しているケーブルのつなぎ替えや計測器のボタンの操作を行うため、試験槽内が見える可搬型の恒温槽を選びました。従来は据え置き型の試験室を使っており、50℃や0℃に制御された試験室に人が入り作業をしていましたが、現在は操作孔から手を入れて作業ができるため作業者の負荷軽減につながりました。また、移動が容易で生産ラインへの組み込みが可能となり、作業者の移動距離を減らし生産効率をアップすることができました。

試験槽内が見えるワイドビュー扉の恒温器プラチナスJシリーズ
操作孔から手を入れてケーブルのつなぎ替えなどの作業ができる

当社に対するご要望などをお聞かせください。

高性能かつ高品質な製品をより効率的に生産するため、第二工場の新棟はワンフロア構造としました。これにより自動化ロボットなど最新技術を導入しやすい環境が整いましたので、夜間や休日勤務を最小限にするなど働きやすく効率的な工場を目指していきます。当社製品の品質確保にエスペックさんの恒温槽は不可欠なものです。我々の理想とする工場の実現に向け環境試験器メーカーとしてどんどんご提案をいただき、一緒により良い形を目指していければと考えています。

  • SCM統括部長 石井和紀様

    SCM統括部長 石井和紀様

  • 生産技術部長 柳沼克幸様

    生産技術部長 柳沼克幸様

災害リスク・環境負荷低減を目指し太陽光発電設備を設置

東北アンリツ株式会社 第二工場新棟は、豪雨や地震など自然災害に強い工場として竣工しました。また、感染症対策として国が定めるCO2濃度の基準を大きく下回る換気量を確保しています。一方、アンリツグループは温室効果ガス排出量の削減活動として自家発電比率30%を目指しており、新棟においても2022年度下期に太陽光発電設備を設置予定です。生産能力の強化だけでなく事業継続や環境に配慮した工場づくりを目指しています。

太陽光発電設備の設置を進める東北アンリツ第二工場

東北アンリツ株式会社

設立:
1985年
住所:
● 第一工場(アンリツ株式会社 郡山事業所)
 福島県郡山市字道場301番地(郡山中央工業団地内)
● 第二工場(アンリツ株式会社 郡山第二事業所)
 福島県郡山市待池台一丁目20番地8(郡山西部第二工業団地内)
事業内容:
各種計測器を中心とするアンリツグループ製品の製造

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