ESPEC Quality is more than a word

MENU

Close-Up ESPEC

2019

「安全・安心、快適な住まい」に向けた研究開発を推進する
長谷工テクニカルセンター 長谷工技術研究所を訪問

2018年8月、創業80周年記念事業の一環としてオープンした長谷工テクニカルセンターは、長谷工技術研究所や長谷工マンションミュージアムなどが集約した施設です。長谷工技術研究所では最大3tもの建築材料の試験が可能なエスペックの熱環境試験室を使用されています。お客さま目線で安全や安心にこだわる第3・第4研究開発室のみなさんにお話を伺いました。

現物にこだわった実験で住まう方々の安全や住み心地を追求
未来のマンションを見据えた研究を推進

長谷工テクニカルセンターの中核施設である長谷工技術研究所の役割を教えてください。

当社は従来から旧越谷技術研究所において「安全・安心、快適な住まい」に向けた研究開発に注力してきましたが、近年高まる環境に関する要望や法律への対応、さらに未来を見据えた研究開発を強化するため、80周年記念事業の一環として設立しました。長谷工技術研究所では、試験設備や能力を増強し、マンションに関する要素技術の研究や最新の技術開発に取り組んでいます。

技術研究所の多目的実験棟と住宅実験棟ではそれぞれどのような実験を行っているのですか?

多目的実験棟ではマンションを構成するさまざまな部材の品質検証を行っています。4階建てのマンションを再現した住宅実験棟では施工後の検証を行っています。この二段階の検証で、効率良く品質や性能を確認することができます。部材メーカーでも品質管理はされていますが、マンションに住む人の安全や住み心地を守るため自分たちでもしっかりと検証を行っています。

コンクリート壁やサッシなど現物を使った実験を重視されており、安全や品質に対する意識の高さを感じます。

図面やデータ上だけでなく実験によって得られた結果を重視しています。建築材料はコンクリートで作られているものが多く非常に重いので、以前は切り取ったミニチュアで試験をしていました。また、サッシや設備機器は現物を小さくするのは難しく、実際のサイズで試験したいという思いがありました。多目的実験棟に設置したエスペックの熱環境試験室は最大3tもの建築材料の試験に対応しており、重量やサイズも現物そのままで実験できるようになりました。

エスペックの熱環境試験室は、室内と屋外の環境を再現できる2つの試験室で構成されていますが、どのような研究をされているのですか?

例えば、日本の冬の環境を再現してマンションの断熱性能や防露性能を調べます。マンションは気密性が高く結露しやすい傾向があります。室内と屋外環境を再現した2つの試験室に窓やサッシ、カーテンがついた壁を挟み、どれくらいの温度や湿度で結露するかを確認しています。

熱環境試験室には日射や降雨機能も付いており、海外の気象条件など、より厳しい環境を再現できますね。

当社は現在海外展開を進めています。そのため、東南アジアなど亜熱帯の気象環境を再現するために温度は50°C、湿度は95%rhまでと高めに設定できるようにし、日射や降雨機能も付けました。これにより厳しい環境ストレスを建築材に与えて、塗装の色あせやシール材のひび割れ、タイル剥がれなどが起きないかを確認しています。

第4研究開発室 担当部長
山本 正顕 様

熱環境試験室(エスペック製)
内寸法:幅4.5m×高さ4m×奥行4.1m(2室共通)

試験室は可動式のため
建材の入れ替えが容易(上)
日射・降雨装置を装備した試験室内(下)

将来のマンションへの展望をお聞かせください。

“住む人の健康まで考えた住宅とは何か”というような、もう一歩先を見据えたものを生み出したいと考えています。私たち技術研究所は、設計部門や建設部門と密につながっていて、新商品開発やお客さまからの要望・意見といった情報が日々入ってきます。そうした情報からもお客さま目線での利便性や快適性を常に考えながら新しいものを創り出していきたいと思っています。

第3研究開発室長
博士(工学)
岡崎 充隆 様

レンジフードから流れる調理のにおいを研究

家具や建具がそのまま入る内容積30㎥のエスペックの大型VOC放散試験チャンバー※。現在研究されているのはレンジフードから屋外に流れる調理のにおい。カレーを温め、そのにおいを特殊な袋に入れて当社のチャンバーで温度28°C湿度50%rhに保ち、においを測定されています。

※VOC放散試験チャンバー(空気環境実験室)揮発性有機化合物(VOC)などの放散測定を行う装置

第3研究開発室 専門役 博士(工学)
木村 洋 様

取材にご協力いただいた長谷工技術研究所のみなさん

左から
第4研究開発室 池本和大様、
第3研究開発室長 岡崎充隆様、
第4研究開発室担当部長 山本正顕様、
第3研究開発室専門役 木村洋様

株式会社 長谷工コーポレーション
創業:
1937年(昭和12年)
本社住所:
東京都港区芝二丁目32番1号
連結売上高:
8,910億(2018年度)
連結従業員数:
6,974名(2018年度末)
事業内容:
マンション建設を中心とする建設関連事業や、
管理やリフォーム、流通仲介、賃貸などのサービス関連事業

記事一覧

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013

2012

2011