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シロキサン耐久試験器

カスタム品

多機能化,エレクトロニクス化が進む自動車では、自動車機能安全規格「ISO26262」、基本安全規格「IEC61508」を代表とする機能安全への取り組みが必要とされ、車載機器の高信頼性の要求により多様な環境ストレスを負荷できる試験器が必須となっています。

シロキサン耐久試験器は車載接点部品(例えば、エアーバックGセンサー、キーレスセンサー、車載リレー)のシロキサン(有機シリコーンガス)による故障を再現する為の装置です。接点部品はシロキサンの影響で接点障害が発生することは古くから知られています。しかし再現させることが難しく、根本的な解決法を見出すには至っていません。この装置を使うことで、シロキサン濃度と温度とを独立制御することが可能になり、評価方法や加速試験方法の開発にお役立て頂けます。

対象製品
  • 接点部品
    電子化が目覚ましい自動車や、一般住宅、家電製品などに使われているリレーやスイッチ、モーターはシロキサンの影響を受けやすいと言われています。特に問題視されるのは、自動車や鉄道業界で使われている接点部品です。いずれも10年またはそれ以上という長期使用を想定しており、高いシロキサン耐性が求められています。
  • 放電部品、高温部品
    意図的に放電させるような部品、例えば複合機の帯電器などは接点部品と同じようにシロキサン※1の影響を受けます(生成物の付着)。また、石油ファンヒータに使われるフレームロッドや白金温度センサーなど、高温(排気)環境で使う部品は、シロキサンが存在すると表面に膜を生成することで機能が低下することが分かっています。

※1 シリコンゴムやシリコン樹脂、シリコン系シール材は、周囲温湿度やその他の環境影響によりシロキサン(オルガノポリシロキサン)を放出します。放出されるシロキサンは低分子シロキサンであり周辺機器に付着します。リレーなどの接点上に付着した場合、接点抵抗が非常に高くなってアーク火花を発生する事があり、この影響で酸化分解して、二酸化ケイ素が生成・堆積して接点の導通障害を発生させます。

特長
  • シロキサンが発生しないチャンバー
    部材や部品から揮発するシロキサンの影響を考慮し、シロキサンを含んでいる可能性がある部材・部品を徹底排除。安定した濃度を再現します。
  • 均一な濃度分布
    槽内の攪拌用ファンを最適化することで、ガス濃度分布の均一性が向上。槽内の空間を有効に活用頂けます。
  • 長時間試験とランニングコストの低減を実現
    ガス発生源にD4原液の採用により、長期間の試験が可能となると共に、ランニングコストが低減されます。
装置の構成
図:装置の構成
仕様
型式 SDT-200
ガス濃度範囲 0(パージ)、1-25ppm
シロキサン源 環状シロキサンD4原液
試験温度範囲 室温+15℃~+70℃、90℃(クリーンアップ時)
温度制御幅 ±0.1℃(無負荷、無試料時)
温度分布幅 ±0.5℃(無負荷、無試料時)
槽内有効寸法 W600 x H600 x D600mm
外法 W1190 x H1880 x D1315mm
シロキサンとは
シロキサン結合とは珪素(Si)と酸素(O)が交互に結合した状態のことを言い、シリコーンの主骨格を形成しています。ここで「シロキサン」と呼んでいる物質は低分子の有機シリコン化合物のことで、主にシロキサン結合の数が少ない物を指します。低分子シロキサンは粘性の高いシリコーンを作る過程で発生したり、化粧品などにそのまま含まれたりします。また、揮発性があり硬化前、硬化後ともに大気中に揮散します。「低シロキサン」を謳った製品は、これら低分子シロキサンをろ過したり、アニール処理を施したりして含有量を減らしています。明確な定義はありませんが、接点障害を話す中では一般的に低分子とはD10までを指します。
「シロキサンとは」

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