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アドバンストバッテリーチャンバー NEXT

機器概要

車載用二次電池の充放電試験では、高入出力特性測定時の電池の高発熱や、長期サイクル・寿命試験時の電池劣化による発熱量増加により、環境温度とのずれが生じ、正確な評価ができない問題があります。
また、1台の恒温槽に複数個の電池を入れて充放電試験を行う場合、温度分布の偏りと電池の発熱によって、各電池の熱履歴が異なることも、評価の妨げとなっています。
エスペックではこれらの課題に対する答えとして、長年培った環境創造技術を応用し、「マルチエリア温度制御」を搭載した“アドバンストバッテリーチャンバー Next(精密温度制御チャンバー)”を提案します。

主な仕様(例)

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分類 項目 仕様・特長
性能 温度範囲 -40℃ ~ +100℃
温度分布 ±0.5℃ (各電池設置エリアの中心空気温度(計6点)における温度設定値に対する偏差)
許容発熱負荷 500W(空気温度制御時、-20℃にて)
寸法 内法寸法(W×H×Dmm) 800×790×525 (部分的突起を除く)
外法寸法(W×H×Dmm) 1000×2196×1255 (部分的突起を含む)
安全装備 放圧ベント φ100mm
オプション 試料温度制御 適用温度範囲:-20℃ ~ +60℃
許容発熱負荷:試料数、使用温度範囲に合わせて対応
中継モジュール 試験槽背面貫通方式にて槽内配線レスに対応
(標準:φ100ケーブル孔×3)
CO2消火器 熱暴走時の熱・煙検知後の自動消火および運転停止に対応、吸排気ダンパ連動可能
煙感知器 光学式スポット型検知器を採用、
熱暴走時の煙を効率的に感知
CO・H2ガス検知器 電池から発生するガスを採取するポンプ吸引式、二段警報、吸排気ダンパ連動可能
給排気ダンパ CO2消火器噴射後の槽内ガスの強制換気に対応、ガス検知器連動可能
その他充放電用恒温槽ラインナップ
■ADBC(アドバンストバッテリーチャンバー)シリーズ
  • 充放電試験用に専用設計、水平層流により高い温度分布性能を実現。
  • 他社充放電電源を搭載、一体型による省スペース化が可能。

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項目 ADBC-S (1槽タイプ) ADBC-T (3槽タイプ)
温度範囲 -40℃ ~ +100℃
温度分布 ±1.5℃
内法(W×H×Dmm) 640×850×544 510×400×400×3槽
外法(W×H×Dmm) 1250×1875×1560 1200×2022×1300
重量(kg) 540 800

特長

■サイクル特性・寿命評価試験における再現性・精度向上を強力にサポート
  • 恒温槽内を複数のエリアに分割し、個別に温度制御が可能な「マルチエリア温度制御(特許出願中)」を搭載。
    充放電試験時の各電池の発熱に起因する温度偏差を低減し、サイクル特性・寿命評価試験における再現性・精度向上に寄与します。
■温度特性試験、定電流負荷特性試験における再現性・精度向上を強力にサポート
  • 最大6chの「試料温度制御(オプション)」により、充放電試験中の電池表面温度を一定に制御。
    電池温度の厳密な管理が必要な、温度特性試験や定電流負荷特性試験における再現性・精度向上に寄与します。
  • 吹出口温度制御と試料温度制御は外部より切り替え可能なため、サイクル寿命特性試験⇔温度特性試験の繰り返しテストシーケンスを1つの恒温槽で実施できます。
■マルチエリア温度制御
  • 恒温槽内の空調エリアを分割し槽内とエリア内の空調を行うハイブリッド空調制御システム(特許出願中)。
  • 目的に応じて3エリア/6エリアの選択が可能。
  • 試料温度制御(オプション)により、環境温度と電池表面温度のギャップ最小化を実現。

マルチエリア温度制御の空調構造

■充放電による電池温度推移と個別試料温度制御の効果
  • 試験槽(40℃)にリチウムイオン電池(40Ah)を上・中・下段に各1個設置し、1C(40A)充放電を実施。
  • ADBC-Nextは個別試料温度制御を実施し、従来恒温槽との電池温度の推移の比較を行った(従来恒温槽は吹出口温度制御)
  • 従来恒温槽
  • ADBC Next
<従来恒温槽>
  • 充電開始前は下段電池の温度が低いが、充電により発熱し上・中段の温度よりも高くなっており、電池間の熱履歴が異なる。
  • 最大温度変動幅は4℃。
<マルチエリア制御(3エリア)>
  • 充電開始前、充放電中でも電池間の温度差がほぼ一定のため、電池間の熱履歴もほぼ同じになる。
  • 最大温度変動幅は3.4℃。
<試料温度制御(3セル)>
  • 充電中でも設定温度に対する偏差はほとんどなく、各電池の表面温度は一定である。
  • 最大温度変動幅は0.3℃。