高電圧絶縁抵抗
評価システム
機器概要
高電圧絶縁抵抗評価システムは、電子部品やエネルギー効率化に伴うシステム電圧の高電圧化に伴う、絶縁材料の絶縁評価や吸湿などで発生する絶縁不良現象であるエレクトロケミカルマイグレーション現象の信頼性評価を行える計測システムです。
自動車の電子化、家電製品の省エネ化の市場要求の高まりにより、パワーデバイスの需要が高まってきています。
自動車の電子化では、EV/HV車向けパワーデバイス(IGBT)の開発、ECUのパワーデバイス化が進み、ECU搭載数の増加からボディ内の狭い個所に収めるための小型化技術も進んでいます。
家電製品では、エアコン、冷蔵庫、液晶TV等に搭載されているパワーデバイスによる省エネ化(GaN,SiC等)が進んでいます。
パワーデバイスに使用する絶縁材料や放熱特性の高い実装基板の信頼性評価の必要性が再考され、当社の本システムを用いて絶縁抵抗を連続測定する重要性が注目されています。
本システムは、2.5kVの高電圧下において高精度な測定が可能です。また、高電圧でのオーバーシュートを抑えるためにスロー印加が可能な“ストレス電圧制御機能”や瞬間的リーク電流を捉える“リークタッチ機能”を搭載しています。
保護電子回路ユニットにより、電圧印加の誤差を最小限に抑え、短絡発生時の安全面も強化しています。
- 特長
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- 連続通電スキャナーリレー方式と、国際標準対応の計測器による高精度な測定を実現
- ストレス定電圧(ストレス電圧、測定電圧)は、50V~2500Vの幅広い帯域で設定可能
- ストレス電圧制御機能を搭載
サンプル保護、安全対策の為、ストレス電圧の上昇時は100V毎に2秒のウェイトを入れて段階的に上昇させます - リークタッチ検出機能による高速リーク検知機能を搭載
- 専用統計処理ソフト「E-Graph」によるリアルタイムなデータ編集・閲覧が可能
- 環境試験器との連動による操作性、安全性の向上
- 評価事例
- 対象デバイス
- 1. パワーデバイス搭載基板
- 基板材料
- 放熱基板(セラミック基板、アルミ基板等)
- レジスト材
- はんだ材
- 封止材料
- 半導体封止材
- モールド樹脂材
- 基板材料
- 2. パワーデバイス対応材料
ハイブリッド自動車(HV)/電気自動車(EV)によりエレクトロニクス化が急速に進む自動車は、100個を超える電子制御部品(ECU)が搭載されています。HV/EV車では高温での過酷な環境に長期間晒されるため、この環境に耐えてデバイスを保護するための性能が封止材料および基板材料に必要になっています。また、数百Aもの大電流が流れるパワーデバイスも使用されているため、高い絶縁性能と高温に耐えるこれまでにない長期耐熱性能、放熱性能をもった材料への要求が高くなっています。
仕様
左右にスクロールしてご覧ください。
高電圧(2.5kV)仕様 | |
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チャンネル構成 | 標準25ch(最大50ch/ラック) |
チャンネル制御 | 25ch制御 |
抵抗測定範囲 | 2×10(5)~1×10(15)Ω以上(100V印加時) 5×10(6)~1×10(14)Ω以上(2500V印加時) |
測定電圧 | DC50~2500V (50~200V:0.1Vステップ、200~2500V:1Vステップ) |
測定時間 | 25チャンネル測定/80秒 + チャージ時間 |
リークタッチ検出機能 | 常時 20msec以上で検出 |
ストレス電圧制御機能 | 100V毎2秒ウェイトのステップ上昇 |
計測器 | ケースレー(テクトロニクス社製) |
安全仕様 | 恒温恒湿槽と連動した安全仕様も別対応可能です。 詳しくは当社営業担当へお問い合わせ願います。 |
外寸法 | キャビネット:W530×H1750×D940mm 中継ユニット:W500×H1705×D600mm |
注意:高電圧の場合、高温環境や端子間距離によって放電現象が発生することがあります。
試験条件やサンプル形状にはご注意ください。
- パワーデバイスの評価には専用の『高温逆バイアス試験装置』をご用意しています。
- パワーデバイスの絶縁膜の経時破壊試験として高温、高電圧によるストレス条件下でのリーク電流挙動を測定評価できます。
試験温度最大350℃の高温下で、試験電圧最大3kVまでの逆バイアス試験が可能です。
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