高度試験・減圧試験
- 試験の概要・特長
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高度試験・減圧試験は、おもに航空機搭載を前提とした電子機器の品質評価のために実施されてきました。現在では携帯電話、デジカメなどの民生用電子機器の小型化が進み、民生用電子機器の使用されるフィールドが、航空機の中、山の上、高層ビルなど、低圧環境での使用を無視できなくなっています。
- 減圧環境に起因する品質不良の要因と事例
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- 常圧で封止したガスや液体の漏洩:コンデンサーの液漏れ、フラットパネルの表示品位低下
- 封止した梱包箱や構造物の変形、破損:梱包袋の破損、緩衝材の膨張
- 高電圧充電部のアーク(放電)による短絡、発煙、発火:高圧トランスからの発煙、カメラ用ストロボの発光不良
- 放熱量の低下、冷却ファンの効率低下による部品温度上昇・局部加熱 : CPUの冷却不良
- 潤滑剤の蒸発
試験方法(主な対応規格)
規格番号 | 規格名 | 試験条件概要 | 対象 |
JIS C8712 (UN Manual of Test and Criteria, Part Ⅲ, 38.3.4.1 Test T.1) |
密閉型小形二次電池の安全性 | 20℃±5℃/11.6KPa 以下 最低6 時間 |
二次電池 |
UL1642 | リチウム・バッテリー | 20℃±3℃/11.6KPa 以下 最低6 時間 |
リチウムイオン電池 |
MIL-STD-810C method 504.1 category 4 |
温度高度試験 | -62~+85℃ 高度30,000ft |
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JIS W 0812 (RTCA/DO-160D) |
航空機搭載機器-環境条件及び試験手順 | -55~+85℃ 高度15,000ft~70,000ft (57.18kPa~4.44kPa) |
航空機搭載機器 |
- 試験設備のご紹介
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航空機搭載の電子機器の品質確認はもちろん、航空機輸送を行う製品の輸送環境のシミュレート。海外の高地都市への輸出など、低圧環境下での使用が予想される電子機器の環境試験が行えます。
- 設置状況
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- 恒圧恒温(恒湿)槽(神戸試験所、宇都宮試験所設置)
恒圧恒温恒湿槽 主要仕様 | ||
型式 | MZH-32H | MZT-32S |
温度範囲 | -70~+180℃ | -60~+100℃(大気圧~10.7kPa) |
湿度範囲 | 20~95%rh (減圧状態での湿度制御はできません) |
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圧力範囲 | 101.3kPa(760torr)大気圧~0.1kPa (1torr)高度 150,000ft相当 | |
内部寸法 | 1500 × 1500 × 1500 mm | |
安全仕様 | - | H2ガス検知・COガス検知、CO2自動消火機能 |
設置場所 | 神戸 | 宇都宮 |
- 通電や信号線の接続
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試験槽内部への通電や電気接点の開閉を行うためのケーブルを通すケーブル孔を装備しています。
ケーブルを通すには事前に耐圧フランジを加工して耐圧機能(空気漏れ防止)を持たせる必要があります。
その他、 供試品への設置方法、通電方法など、試験開始までにご相談させていただく事項が多い試験ですので、できるだけ試験計画の早い段階でご相談下さい。
【ケーブル孔部分】