環境試験 用語集
環境試験・信頼性試験に関する用語をわかりやすく解説する専門用語集です。
AQL Acceptable Quality Level(AQL)
許容品質水準。抜取検査において、合格とみなせる不良率の上限を示す基準値。
AQL
AQLとは、ロットの品質を抜取検査で判定する際に、「この程度までの不良率なら合格とみなす」とされる基準である。実際の検査では製品の一部を抜き取って検査し、その結果とAQL値に基づいてロット全体の合否を判定する。AQLは不良がゼロであることを意味するものではなく、あくまで統計的に受け入れ可能とされる品質レベルを示す。例えば AQL = 1.0% の場合、長期的に見て約1%程度の不良を含むロットを受け入れる設計になっている。
- ロットからサンプルを抜き取る
- サンプルの不良数を確認する
- AQLに対応する判定基準と比較する
- 合格数以下 → ロット合格
- 不合格数以上 → ロット不合格
ここまでの不良ならOKとする基準ライン。抜取検査において受け入れてよいとされる不良率の基準。現実的な妥協ラインで、どこまで許すかの線引き。
- 目的・関連試験等
-
- 統計的な品質判定基準
- ゼロ不良を保証するものではない
- 抜取検査前提
- 具体例
-
- AQL 0.65 → 厳しい品質要求(半導体など)
- AQL 1.0 → 一般工業製品
- AQL 2.5 → 比較的緩い基準
- 関連用語
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- OC曲線
- n数(サンプル数)
- 抜取検査
- ロット
- 関連ページ
ATE Automatic Test Equipment(ATE)
電子デバイスに信号を与え、その特性や良否を自動で評価する試験装置。
ATE
ATEとは、電子部品や回路に対して電圧・電流・信号などを自動的に印加し、その応答を測定・解析して性能や不良を判定する試験装置である。テストプログラムに基づいて測定が自動化されており、多数の評価項目を高速に実行できるため、量産検査や出荷検査で広く使用される。IC、半導体デバイス、基板などの電気特性評価の中心的な装置である。
ATE → 試験する側
DUT → 試験される側
- ATE(試験装置)
- DUT(試験対象)
- 信号印加(電圧・電流・パターン)
- 応答測定
- 良否判定
- 目的・関連試験等
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- 電気試験(機能・特性評価)
- 量産検査(合否判定)
- バーンイン後試験(劣化確認)
- 具体例
-
- 半導体ICの機能テスト(論理動作確認)
- アナログ回路の電気特性測定
- 基板のインサーキットテスト(ICT)
- 製品出荷前の最終検査
- 関連用語
-
- DUT
- ICT
- バーンイン試験
- 関連ページ
CAF Conductive Anodic Filament(CAF)
基板内部で湿気と電圧により発生する、導電性のフィラメント状劣化現象。
CAF
CAFとは、プリント基板の絶縁層内部において、電界と湿度の影響により金属イオンが移動し、導電性のフィラメント(枝状構造)として成長する現象である。主にガラス繊維と樹脂の界面や層間などを経路として進行し、基板表面ではなく内部で進む点が特徴である。陽極側で銅がイオン化し、陰極側に移動・析出することでフィラメントが成長し、最終的に導体間を接続して短絡を引き起こす。外観からは検出しにくく、突然の故障として現れるため、信頼性上の重要な問題となる。
- 基板内部に絶縁層(樹脂+ガラス繊維)が存在する
- 湿度により水分が内部に侵入する
- 導体間に電圧(電界)がかかる
- 陽極側で金属(銅)がイオン化する
- イオンが界面に沿って陰極側に移動する
- 陰極側に移動途中で水分中の水酸化イオンなどと結合して金属として析出する
- 陽極からフィラメント状に成長する(CAF)
- 導体間を接続して短絡に至る
時間とともに進行する潜在不良。
- 目的・関連試験等
-
- 高温高湿試験(85℃/85%RHなど)
- HAST(加速試験)
- 温湿度バイアス試験
- 具体例
-
- 基板、スルーホール、ビア間でのリーク電流発生
- 長期使用後の突然のショート
- 車載機器での高湿環境不良
- 関連用語
-
- マイグレーション
- エレクトロケミカルマイグレーション(ECM)
- リーク電流
- 絶縁抵抗
- プリント基板
- 関連ページ
DSC Differential Scanning Calorimetry(DSC)
示差走査熱量測定。温度変化に対する熱の出入りを測定し、材料の状態変化を評価する手法。
DSC
DSCとは、試料と基準物質の温度差を一定に保ちながら加熱または冷却し、その際に必要な熱量の差を測定することで、材料の熱的性質を評価する分析手法である。材料が融解、結晶化、ガラス転移などの状態変化を起こすとき、吸熱または発熱が生じる。この熱の変化を検出することで、融点、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度などを求めることができる。特に樹脂材料やはんだ、ポリマーの熱特性評価に広く使用される。
- 試料と基準物質を用意する
- 温度を制御して加熱または冷却する
- 両者の温度差を一定に保つ
- 必要な熱量差が発生する
- 熱の出入り(吸熱・発熱)が検出される
- 温度−熱量特性として記録される
- 融解温度やTgなどを算出する
温度でどれだけ熱を吸ったり出したりするかを見る。温度変化に伴う熱の出入りを測定し、材料の状態変化や熱特性を評価する手法。
- 目的・関連試験等
-
- 材料評価(Tg・融点測定)
- はんだ評価(融解特性)
- 樹脂評価(ガラス転移・結晶性)
- 信頼性設計(熱特性把握)
- 具体例
-
- 樹脂のガラス転移温度(Tg)測定
- はんだの融点・再結晶挙動評価
- ポリマーの結晶化温度測定
- 材料劣化による熱特性変化評価
- 関連用語
-
- TMA
- ガラス転移温度(Tg)
- 融点(Melting Point)
- 線膨張係数(CTE)
- 関連ページ
DUT Device Under Test(DUT)
試験や測定の対象となる装置・製品。
DUT
DUTとは、試験や評価、測定の対象として扱われる装置や製品を指す用語である。電子機器の評価では、電気的試験、環境試験、信頼性試験などにおいて、このDUTに対して電圧印加や環境ストレス(温度・湿度・振動など)を与え、その応答や劣化を測定する。供試品(Test Specimen)とほぼ同じ意味で使われるが、特に電気試験や評価装置(ATEなど)の文脈で使用されることが多い。用語の使い分けは下記。
- DUT:試験中の対象(電気系)
- 供試品:試験対象全般
- 試験片:材料サンプル
- 目的・関連試験等
-
- 電気試験(電圧・電流 → 特性評価)
- 環境試験(温度・湿度 → 劣化評価)
- 信頼性試験(長時間 → 故障評価)
- 具体例
-
- THB試験中のICパッケージ(DUT)
- ATEで測定される回路基板(DUT)
- 振動試験にかけられる電子ユニット(DUT)
- 関連用語
-
- 供試品
- 試験片
- n数
- ATE
- 関連ページ
ESD Electrostatic Discharge(ESD)
静電気放電。蓄積した静電気が瞬間的に放電することで、電子部品に損傷を与える現象。
ESD
ESDとは、物体に蓄積された静電気が、電位差により一気に放電される現象である。人や物体が摩擦などによって帯電し、その状態で導体に接触または近接すると、空気放電や接触放電が発生する。放電は非常に短時間で高電圧・高電流となるため、電子部品内部に大きな電気ストレスを与える。半導体デバイスでは、絶縁破壊や接合部損傷を引き起こし、即時破壊(ハード故障)または潜在的な劣化(ソフト故障)として現れる。
- 時間:ナノ秒〜マイクロ秒
- 電圧:数kV以上になることもある
- 半導体内部の微細構造破壊
- ゲート酸化膜破壊
- 配線溶断
溜まった電気が一瞬で放出される。
- 摩擦などにより物体が帯電する
- 電位差が発生する
- 導体に接触または近接する
- 電界が臨界値を超える
- 放電が発生する(ESD)
- 瞬間的な高電流が流れる
- デバイスにダメージが発生する
- 故障または劣化につながる
- 目的・関連試験等
-
- ESD試験(耐静電気評価)
- HBM試験(人体モデル)
- CDM試験(デバイス帯電モデル)
- 具体例
-
- 半導体の絶縁破壊による即時故障
- 内部配線の局所溶融
- 接合部損傷による特性劣化
- 潜在ダメージによる後発故障
- 関連用語
-
- 静電気
- 絶縁破壊
- 過電圧
- 故障モード
- 関連ページ
ESD試験 Electrostatic Discharge Test(ESD Test)
静電気放電試験。静電気放電(ESD)に対する電子部品・製品の耐性を評価する試験。
ESD試験
ESD試験とは、静電気放電(ESD)による電気ストレスを人工的に再現し、電子部品や製品の耐性を評価する試験である。実際の使用環境で発生する人体帯電やデバイス帯電などをモデル化し、所定の電圧・波形で放電を与えることで、デバイスの破壊や誤動作の有無を確認する。試験結果は「どの程度の静電気に耐えられるか」を示す指標となり、製品の信頼性や取り扱い条件の設計に使用される。
- HBM(Human Body Model:人体モデル)
- MM(Machine Model:機械モデル)
- CDM(Charged Device Model:デバイス帯電モデル)
バチッにどこまで耐えられるかを見る。
- ESD発生モデルを設定する
- 試験電圧を設定する
- デバイスに放電を印加する
- 瞬間的な高電圧・高電流が加わる
- デバイス内部に電気ストレスが発生する
- 破壊や誤動作の有無を確認する
- 耐性レベルを評価する
- 目的・関連試験等
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- HBM試験(Human Body Model)
- CDM試験(Charged Device Model)
- MM試験(Machine Model)
- 具体例
-
- ゲート絶縁破壊による即時故障
- 内部配線の局所溶融
- 保護回路の破壊
- 誤動作や機能低下
- 関連用語
-
- ESD
- 静電気
- 絶縁破壊
- 故障モード
- 関連ページ
HALT Highly Accelerated Limit Test(HALT)
製品に限界を超える過酷な環境条件を与え、弱点や故障モードを早期に顕在化させる加速試験。
HALT
HALTとは、製品に温度、振動、電圧などのストレスを段階的に増加させて負荷し、故障を意図的に発生させることで、設計上の弱点や限界を明確にする開発段階の試験である。規格適合や寿命評価を目的とする通常の信頼性試験とは異なり、HALTは「どこで壊れるか」を探ることを目的とする。そのため、実使用条件を超える極端な条件で試験を行い、破壊モードを早期に顕在化させる。得られた結果は設計改善(強化・マージン確保)にフィードバックされる。
- 製品に初期ストレスを与える
- 温度・振動などの条件を段階的に上げる
- 製品内部で劣化や損傷が発生する
- 限界点で故障が発生する
- 故障モードや弱点を特定する
- 設計改善に反映する
どこまで壊れずに耐えられるかを限界まで試す。
- 目的・関連試験等
-
- 極端な条件で実施(仕様外含む)
- 故障を意図的に発生させる
- 寿命評価ではなく弱点抽出
- 開発フェーズで実施
- 具体例
-
- 過大振動による接触不良発生
- 高温での回路動作限界到達
- 低温での動作停止
- 組立不良箇所の早期破壊
- 関連用語
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- HASS
- 信頼性試験
- 故障モード
- 劣化
- バスタブカーブ
- 関連ページ
HASS Highly Accelerated Stress Screening(HASS)
出荷前に潜在不良を短時間で炙り出して除去するスクリーニング手法。
HASS
HASSとは、量産製品に対して温度変化や振動などのストレスを加速的に与え、製造ばらつきや潜在欠陥による初期不良を出荷前に顕在化させて除去する試験である。
HALTで明らかになった限界条件や弱点をもとに、製品を破壊しない範囲で適切なストレスレベルを設定し、スクリーニングとして適用する。これにより、市場への初期故障流出を抑制し、品質の安定化を図る。評価目的ではなく、品質確保(選別)が主目的である点が特徴である。
- HALT結果をもとにストレス条件を設定する
- 製品に温度・振動などのストレスを与える
- 潜在欠陥がある個体で劣化が促進される
- 初期不良が顕在化する
- 不良品を検出・除去する
- 良品のみを出荷する
壊れやすい個体だけを事前に壊して除去する。高ストレスを短時間与えて潜在不良を除去する量産スクリーニング手法。
- 目的・関連試験等
-
- 量産品に対して実施
- 破壊しない範囲のストレス
- 初期不良の除去が目的
- HALT結果を活用
- 具体例
-
- 温度サイクル+振動で接触不良品を除去
- 組立不良品の早期故障を検出
- 弱いはんだ接合の除去
- 関連用語
-
- HALT
- 初期故障
- 信頼性試験
- 故障モード
- バスタブカーブ
- 関連ページ
HAST Highly Accelerated Stress Test(HAST)
高温・高湿・加圧環境で製品を評価し、湿度起因の劣化を短時間で加速させる試験。
HAST
HAST(Highly Accelerated Stress Test)は、製品を高温・高湿かつ加圧された環境に置くことで、湿気による劣化や絶縁不良を短期間で再現する加速試験である。通常の高温高湿試験(例:85℃/85%RH)よりも、さらに厳しい条件(温度・湿度・圧力)で実施される。THB試験と比較すると、より短時間・高加速で評価できるのが特徴。
- 高温・高湿・加圧環境
- 水分浸透促進
- 電解質形成
- イオン移動
- 電解腐食・マイグレーション
- 絶縁劣化・短絡
湿気による劣化を短時間で一気に進める試験。THBを「圧縮して短時間化した試験」。
- 目的・関連試験等
-
- 半導体パッケージ等の密閉構造の耐湿性確認
- バイアスHAST(電圧印加あり)
- アンバイアスHAST(電圧なし)
- 絶縁劣化の評価
- CAFの発生評価
- マイグレーションの確認
- 具体例
-
- 基板 → デンドライト形成
- IC → パッケージ内部腐食
- 配線 → マイグレーション
- MLCC → 絶縁劣化
- 関連用語
-
- THB試験
- 電解腐食
- イオンマイグレーション
- 絶縁劣化
- 電気ストレス
- 関連ページ
HTOL High Temperature Operating Life(HTOL)
高温動作寿命試験。高温かつ動作状態で長時間ストレスを与え、寿命や信頼性を評価する試験。
HTOL
HTOLとは、半導体デバイスに対して高温環境下で電圧を印加し、動作状態を維持したまま長時間ストレスを与えることで、内部劣化や故障の進行を評価する信頼性試験である。実使用条件よりも高温の環境で動作させることで、エレクトロマイグレーションや酸化膜劣化などの時間依存劣化を加速し、短時間で寿命特性を把握することができる。製品認定や信頼性保証における代表的な試験であり、「長期使用でどのように劣化するか」を評価することが目的である。
- TDDB(最重要) → ゲート酸化膜の劣化・破壊
- リーク電流増加 → 絶縁低下
- パラメータドリフト → しきい値電圧変化、電流特性変化
徐々に進む劣化が対象。
HTOLは典型的な加速試験であり、アレニウスモデルと密接している。
- デバイスに電圧を印加する
- 高温環境に保持する
- 電流が流れた状態で動作が続く
- 内部で劣化(原子移動・界面劣化)が進行する
- 劣化が加速される
- 特性変化や故障が発生する
- 寿命や信頼性を評価する
高温で使い続けてどれだけ持つかを見る。
- 目的・関連試験等
-
- 信頼性試験(寿命評価)
- バーンイン(初期故障除去との役割分離)
- 加速試験(時間短縮評価)
- 具体例
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- エレクトロマイグレーション(EM)による断線
- ゲート酸化膜劣化によるリーク電流増大
- 配線抵抗増加による特性劣化
- 長時間動作によるパラメータドリフト
- 関連用語
-
- バーンイン
- 信頼性試験
- エレクトロマイグレーション(EM)
- 劣化
- ワイブル分布
- 関連ページ
ICT In-Circuit Test
基板上の部品や回路を、実装状態のまま電気的に測定する試験。
ICT
ICTとは、プリント基板上に実装された電子部品や配線に対して、基板に組み込まれた状態(インサーキット)で電気的特性を測定する試験方式である。専用の治具(フィクスチャ)を用いて各ノードにプローブ接触し、抵抗、容量、導通、ショート、部品実装状態などを個別に確認する。これにより、はんだ不良、部品違い、未実装などの製造不良を検出できる。ATEの一種として、主に量産工程の品質保証で使用される。
- ICT装置
- プローブ接触(各ノード)
- 電気特性測定(R・C・導通)
- 回路状態確認
- 不良検出
基板に実装された状態のまま各ノードにアクセスし、電気特性を測定して製造不良を検出する試験方式。
- 目的・関連試験等
-
- 量産検査(製造不良検出)
- 電気試験(部品特性・実装状態確認)
- 出荷前検査(品質保証)
- 具体例
-
- はんだ未接合(オープン不良)の検出
- 配線ショート不良の検出
- 部品値違い(抵抗・コンデンサ)の検出
- 部品実装ミス(有無・極性)の検出
- 関連用語
-
- ATE
- DUT
- フライングプローブテスト
- 機能試験
- 関連ページ
IMC Intermetallic Compound(IMC)
金属間化合物。異なる金属同士が反応して形成される化学構造物(化合物層)。
IMC
IMCとは、はんだ(Sn系)と基板や部品の金属(Cuなど)が反応して形成される金属間化合物であり、はんだ接合部の界面に生成される層構造である。リフロー時に溶融したはんだが金属表面と反応することでIMCが形成され、これにより機械的および電気的に安定した接合が成立する。一方で、IMCは脆い性質を持つため、過度に成長すると接合強度の低下やクラックの起点となる。また、高温環境や長時間使用によりIMCは成長し続けるため、信頼性上の重要な劣化要因となる。代表的なIMCは以下。
- Cu₆Sn₅
- Cu₃Sn
- Ni₃Sn₄
金属同士が反応してできる“別の固い物質”。熱と拡散が必須条件。
- はんだ(Sn系)
- 電極材料(Cuなど)
- 加熱(リフロー)
- 拡散反応
- IMC形成
異種金属の反応で形成される化合物層で、接合に必須だが成長により脆化し信頼性低下を引き起こす。
- はんだが加熱により溶融する
- はんだが金属表面に接触する
- SnとCuなどが拡散する
- 化学反応が起こる
- IMC層が形成される
- 冷却により接合が固定される
- 使用中もIMCは成長する
- 過成長すると脆化・クラック発生
くっつけるためにできるけど、増えすぎると壊す層。
- 目的・関連試験等
-
- 高温試験 → IMC成長が加速
- 温度サイクル試験 → 熱応力 + IMC脆性、クラック
- 長期信頼性試験 → 拡散継続。層肥厚
- 具体例
-
- IMC過成長による接合強度低下
- 界面での脆性破壊
- 熱サイクルによるクラック発生
- 長期使用による接合劣化
- 関連用語
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- はんだ接合部
- リフロー
- クラック
- 疲労
- 線膨張係数(CTE)
- 関連ページ
MSL Moisture Sensitivity Level(MSL)
吸湿感受性レベル。部品が吸湿した状態でリフロー時に受ける湿気ダメージの感受性レベル。
MSL
MSLとは、電子部品(主に半導体パッケージ)がどの程度湿気を吸収しやすいか、また吸湿状態でリフロー加熱にさらされた際に損傷するリスクを示す分類である。部品は保管中に空気中の水分を吸収し、リフロー時の急加熱により内部の水分が急激に蒸発・膨張する。このとき内部に高い圧力が発生し、パッケージのクラックやデラミネーション(ポップコーン現象)を引き起こす可能性がある。MSLはレベル1〜6で分類され、数値が大きいほど吸湿に対して敏感であり、取り扱い管理(保管・乾燥)が厳しくなる。
- 部品が環境中で吸湿する
- 水分が内部に蓄積する
- リフローで急加熱される
- 水分が急激に蒸発・膨張する
- 内部圧力が上昇する
- 応力が発生する
- クラックや剥離が発生する吸湿した部品がリフロー時にどれだけ壊れやすいかを示す指標。JEDEC規格(J-STD-020 / J-STD-033)で定義されている。
- 目的・関連試験等
-
- MSL試験 → 吸湿+リフローで評価
- リフロー耐性試験 → ダメージ確認
- MSL1:ほぼ影響なし(制限なし)
- MSL2〜3:一定時間以内に実装必要
- MSL4〜5:厳しい管理(短時間)
- MSL6:リフロー直前にベーキング必須
- 具体例
-
- リフロー時のポップコーン現象
- 封止樹脂の内部クラック
- パッケージのデラミネーション
- 内部配線の断線
- 関連用語
-
- リフロー
- 吸湿
- 膨潤
- デラミネーション
- クラック
- 関連ページ
MTBF Mean Time Between Failures(MTBF)
平均故障間動作時間。故障と故障の間の平均稼働時間を表す信頼性指標。
MTBF
MTBFとは、修理可能なシステムにおいて、ある故障から次の故障までの動作時間の平均値を表す信頼性指標である。複数回の故障・修理サイクルを前提とした概念であり、単一の寿命ではなく、継続運用中の故障頻度を時間で表現した指標である。一般的に、信頼性が高いほどMTBFは大きくなる。
MTBF = 総稼働時間 ÷ 故障回数
どれくらいの間隔で壊れるか(平均)。
- 動作
- 故障
- 修理
- 再動作
- 故障
- (繰り返し)
- 平均間隔 = MTBF
MTBFは「寿命」ではない。
- 目的・関連試験等
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- 信頼性試験 → 故障データ取得
- 寿命試験 → 分布から推定
- フィールドデータ → 実使用MTBF算出
- 具体例
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- サーバーの平均故障間隔
- 車載電子機器の信頼性指標
- 工業装置のメンテナンス周期設計
- 関連用語
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- 信頼性
- 信頼度
- 故障率
- アベイラビリティ
- MTTF
- 関連ページ
MTTF Mean Time To Failure(MTTF)
平均故障寿命。製品が故障するまでの平均時間(寿命)を表す信頼性指標。
MTTF
MTTFとは、故障が発生するまでの平均時間を示す指標であり、信頼性を時間ベースで表したものである。複数個体の故障が発生した場合、その総稼働時間を故障回数で割ることで算出される。MTTFが大きいほど、故障の発生間隔が長く、信頼性が高いことを意味する。主に偶発故障領域(バスタブカーブの平坦部分)において用いられる指標である。
MTTF = 総稼働時間 ÷ 故障台数 = 各個体の寿命の平均
- 製品が動作する
- 故障が発生する
- 故障するまでの動作時間
- n数の個体の動作時間の平均値=MTTF
どれくらいで壊れるか(平均寿命)
- 目的・関連試験等
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- 時間ベースの信頼性指標
- 大きいほど信頼性が高い
- 主にランダム故障領域で有効
- 具体例
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- コンデンサ → MTTF = 50,000時間
- 5000時間で1回故障 → MTTF = 5000時間
- 関連用語
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- 信頼性
- 信頼度
- 故障率
- 偶発故障
- バスタブカーブ
- MTBF
- 関連ページ
n数 Sample Size
試験や評価に使用するサンプル(試料・製品)の個数。
n数
n数とは、試験や評価、統計解析において対象として扱うサンプル(試料・個体)の数を指す。信頼性試験や品質評価では、1個の結果ではばらつきが分からないため、複数の試料を用いて評価する必要があり、その数がn数として管理される。n数が多いほど統計的な信頼性は高くなり、少ない場合は結果のばらつきや偶然の影響を受けやすくなる。
- 試験計画
- 試料準備
- n数決定
- 試験実施
- 結果ばらつき評価
どれだけの数で見ているか(母数)。データを信じていいかの判断軸。n数が少ないと“たまたま”に左右される。
- 目的・関連試験等
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- 信頼性試験 → 故障率・寿命分布に影響
- スクリーニング → 検出精度に影響
- 認定試験 → 合否の信頼性に直結
- 具体例
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- n=3 → 傾向確認レベル(弱い)
- n=10 → 初期評価
- n=30以上 → 統計的検討可能
- n=100以上 → 高信頼評価
- 関連用語
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- 試料
- 寿命分布
- 信頼度
- 故障率
- 関連ページ
OC曲線 Operating Characteristic Curve
抜取検査において、ロットの不良率と合格確率の関係を表した曲線。
OC曲線
OC曲線(Operating Characteristic Curve)は、ロット中の不良率(品質レベル)に対して、そのロットが検査で合格する確率を示したグラフである。抜取検査の判定ロジックを可視化するために使われる。
横軸:ロットの不良率(%)
縦軸:合格確率(ロットが通る確率)
- ロット(不良率あり)
- 抜取検査(n数・判定基準)
- 合否判定
- 確率として整理
- OC曲線
ロットの不良率と検査で合格する確率の関係を示す品質評価曲線。
- 目的・関連試験等
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- 抜取検査設計 → n数・許容不良数を決める
- 受入検査 → ロット判定
- 品質保証 → リスク評価
- 具体例
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- n=10、許容不良数1 → OC曲線で合格確率を確認
- 不良率5%のロットが70%の確率で通る
- 不良率20%だとほぼ不合格
- 関連用語
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- n数
- AQL(許容品質水準)
- 抜取検査
- 信頼度
- 関連ページ
TDDB Time Dependent Dielectric Breakdown(TDDB)
絶縁膜経時破壊。絶縁膜が時間の経過とともに劣化し、最終的に破壊(絶縁破壊)に至る現象。
TDDB
TDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)は、絶縁材料(特に半導体のゲート酸化膜など)が電界印加下で徐々に劣化し、一定時間後に破壊する現象を指す。初期は問題なく動作していても、時間の経過とともに内部で欠陥が蓄積し、最終的にリーク増加や絶縁破壊を引き起こす。
- 高電界が印加される
- 絶縁膜内部に欠陥(トラップ)が生成
- 欠陥が徐々に増加・連結
- 導電パス形成
- 絶縁破壊(ブレークダウン)
時間依存で進行する劣化
- 目的・関連試験等
-
- 高温動作試験(HTOL)
- 電圧印加試験
- 加速寿命試験
- 具体例
-
- MOSFETゲート酸化膜の破壊
- ICの長期使用後のリーク増加
- 高電圧回路の絶縁寿命低下
- 関連用語
-
- 絶縁破壊
- リーク電流
- HAST
- マイグレーション
- CAF
- 関連ページ
THB試験 Temperature Humidity Bias Test
高温高湿環境下で電圧を印加し、絶縁劣化や電気化学反応による信頼性を評価する試験。
THB試験
THB試験とは、一定の高温・高湿度環境(例:85℃/85%RH)において、試験対象に電圧(バイアス)を印加しながら長期間保持することで、絶縁性能や電気的劣化を評価する試験である。湿度により形成される水分層が電解質として作用し、電圧が加わることで電気化学反応が進行する。その結果、以下のような劣化現象が顕在化する。
- イオンマイグレーション(デンドライト形成)
- 絶縁抵抗低下(表面絶縁抵抗(SIR)低下)
- 腐食
HAST試験と比較すると条件は緩やかであり、実環境に近い劣化を長時間で再現する試験として位置付けられる。
- 試験体を槽内設置
- 温度・湿度設定(例:85℃/85%RH)
- 電圧印加(バイアス付与)
- 長時間保持(数百〜数千時間)
- 定期的または終了後に評価(絶縁抵抗・外観など)
THB試験 = 湿度と電圧による“実環境に近い電気劣化”を評価する試験。
- 目的・関連試験等
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- 表面絶縁抵抗表面絶縁抵抗(SIR)
- イオンマイグレーション耐性
- 電気化学的腐食
- 接合部の信頼性
- 具体例
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- 85℃/85%RH / DCバイアス印加
- プリント基板の絶縁劣化評価
- フラックス残渣影響の確認
- 車載・屋外機器の湿度耐久評価
- 絶縁抵抗低下によるリーク電流増加
- トラッキングによる導電パス形成
- 電解腐食による断線・導通不良
- 関連用語
-
- HAST試験
- イオンマイグレーション
- エレクトロケミカルマイグレーション
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- 相対湿度
- 電界強度
- 関連ページ
TMA Thermo Mechanical Analysis(TMA)
熱機械分析。温度変化に対する材料の寸法変化や変形を測定する分析手法。
TMA
TMAとは、材料に一定の荷重をかけた状態で温度を変化させ、そのときの寸法変化や変形挙動を測定する熱分析手法である。温度上昇に伴う膨張や収縮、軟化、ガラス転移などの挙動を評価できるため、樹脂材料や基板、封止材の熱特性評価に広く用いられる。特に線膨張係数(CTE)やガラス転移温度(Tg)の測定に重要である。
- 試料に一定荷重を加える
- 温度を制御して変化させる
- 温度に伴う寸法変化が発生する
- 変位を高精度で測定する
- 温度−変位特性を取得する
- CTEやTgを算出する
温度でどれだけ伸びるかを見る。温度変化に対する材料の寸法変化を測定し、熱機械特性(CTEやTg)を評価する手法。
- 目的・関連試験等
-
- 材料評価(CTE測定)
- 基板評価(熱膨張特性)
- 封止材評価(Tg確認)
- 信頼性試験設計(応力予測)
- 具体例
-
- プリント基板の線膨張係数測定
- 樹脂材料のガラス転移温度評価
- 封止材の熱変形挙動確認
- 異種材料間のCTE差評価
- 関連用語
-
- 線膨張係数(CTE)
- ガラス転移温度(Tg)
- 応力
- 曲げ応力+I37
- 関連ページ
圧縮応力 Compressive Stress
物体内部で、押し縮める方向に分布する力を単位面積あたりで表した値。
圧縮応力
圧縮応力とは、物体に外から押す力が加わったときに、内部で断面に垂直な方向に縮もうとするように分布する力の強さを表す物理量である。単位はPa(N/m²)で表され、同じ力でも作用する断面積が小さいほど圧縮応力は大きくなる。圧縮応力が大きくなると、材料は変形や座屈を起こし、応力緩和として膨れや押し出しなどの現象が発生することがある。
圧縮応力 = 圧縮力 ÷ 断面積
- 外力 or 内部変化
- 材料変形制約
- 体積・長さを縮める力
- 圧縮応力発生
- 応力蓄積
- 変形・破壊・応力緩和
内部で押しつぶそうとする力の強さ。
- 目的・関連試験等
-
- 圧縮試験(応力 → 変形・座屈)
- 温度サイクル試験(膨張拘束 → 圧縮応力)
- 高温試験(材料変形 → 応力変化)
- 具体例
-
- 錫めっき内部の圧縮応力によるウィスカ発生
- パッケージ封止材の膨張拘束による剥離
- 基板反りによる部品への圧縮応力集中
- 材料の座屈や塑性変形による構造不良
- 関連用語
-
- 引張応力
- せん断応力
- ひずみ
- 応力緩和
- 関連ページ
アレニウス Arrhenius
温度の上昇により化学反応や劣化の進行速度が指数関数的に増加することを表すモデル。
アレニウス
アレニウス(Arrhenius)モデルとは、温度と反応速度(劣化速度)の関係を表す理論式であり、温度が高いほど劣化が急速に進むことを定量的に示す。イメージとしては、10℃上昇すると劣化速度は約2倍(目安)となり、指数的に効くのがポイント。加速試験を"実寿命に換算できる唯一の手段"で、温度差を補正するために使う。化学反応型の劣化に適用でき、対象は下記。
- 絶縁劣化(TDDB)
- CAF(湿度+温度)
- 腐食、酸化
- 熱疲労
- 拡散
寿命予測との関係は下記。
- 試験温度 → 劣化速度(データ)
- アレニウス適用
- 実使用温度へ変換
- 実寿命推定
- 目的・関連試験等
-
- 温度依存劣化
- HTOL・HAST
- 具体例
-
- HTOL 1000h @125℃ → 実使用10年相当
- HAST 100h → 長期湿度寿命推定
- 関連用語
-
- HTOL
- HAST
- 加速試験
- TDDB
- CAF
- 腐食
- 寿命予測
- コフィン・マンソン
- 関連ページ
アンダーフィル Underfill
はんだバンプや接合部の隙間に充填される樹脂で、応力を分散し信頼性を向上させる材料。
アンダーフィル
アンダーフィルとは、フリップチップやBGAなどで、基板との間に充填される樹脂材料を指す。はんだバンプ周囲の空間を埋めることで、機械的強度・熱信頼性を大幅に向上させる。主な種類は下記。
- キャピラリーアンダーフィル → 実装後に隙間へ浸透
- モールドアンダーフィル → 一体封止
応力を受け止めて接合部を守るクッション材。
- 温度変化
- チップと基板の膨張差
- はんだ接合部に応力集中
- アンダーフィルが応力分散
- 接合部の負担低減
熱サイクル起因の故障対策として使われる。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱疲労評価(アンダー・フィルありは寿命延長、なしは早期クラック)
- 振動試験 → 機械疲労評価
- HAST → 吸湿評価
- 具体例
-
- 温度サイクルでのはんだ接合部クラックの抑制
- チップ周辺の応力集中による剥離の防止
- BGAはんだ疲労破壊の低減
- 関連用語
-
- はんだバンプ
- パッケージ
- CTE
- 熱疲労
- 温度サイクル試験
- HAST
- 関連ページ
イオンマイグレーション Ion Migration
湿気と電圧の影響により金属がイオン化・移動し、導電経路を形成して絶縁劣化や短絡を引き起こす現象。
イオンマイグレーション
イオンマイグレーションとは、水分が存在する環境下で電圧が印加された際に、電極材料がイオンとして溶出し、電界に沿って移動・析出することで導電経路を形成する現象である。特に電子機器では、基板表面の吸湿やイオン性残渣(フラックス等)が存在すると発生しやすく、絶縁信頼性を低下させる主要因となる。配線の狭ピッチ化により、発生リスクは年々増加している。「溶出 → 移動 → 析出 → 成長 → 短絡」まで全部そろって初めて故障になる
- 水分の存在(前提条件) → 高湿度・結露・吸湿により表面に水膜が形成
- 電圧印加(駆動力) → 電極間に電界が発生
- 金属の溶出(陽極反応) → 陽極側の金属がイオン化(例:Ag → Ag⁺ + e⁻)
- イオン移動(電界輸送) → 金属イオンが水膜中を陰極側へ移動
- 金属析出(陰極反応) → 陰極側で還元され金属として析出
- デンドライト成長 → 枝状の導電パスが形成・成長
- 短絡(最終故障) → 電極間が接続されショート発生
- 目的・関連試験等
-
- HAST試験:高温高湿・加圧による加速評価
- THB試験:実環境に近い条件での長期評価
- 表面絶縁抵抗(SIR)試験:絶縁抵抗低下の定量評価
- 具体例
-
- 銀電極からのデンドライト成長による短絡
- フラックス未洗浄基板での絶縁低下
- 微細配線間でのリーク電流増加
- 高湿度環境下での長期信頼性不良
- 関連用語
-
- CAF
- エレクトロケミカルマイグレーション
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- HAST試験 / THB試験
- 関連ページ
異種金属腐食 Dissimilar Metals
電位差を持つ異なる金属が電解質を介して接触することで、電気化学反応により一方が優先的に腐食・溶出する組み合わせ。
異種金属腐食
異種金属とは、標準電極電位(イオン化傾向)の異なる金属の組み合わせであり、水分などの電解質が存在すると、両者間に電位差が生じて局部電池が形成される。このとき、電位の低い側(アノード)が優先的に溶出し、電位の高い側(カソード)は保護される。この選択的な金属溶出により、腐食や材料劣化が進行する。電子機器では以下の点が重要になる。
- 実装構造上、複数金属(Cu・Sn・Ag・Niなど)が近接して存在する
- 湿度環境により電解質条件が成立する
- 電圧印加により反応が加速される
そのため、単なる腐食現象にとどまらず、
イオンマイグレーションや接触不良の起点になる要因として扱う必要がある。
- 異種金属の接触または近接(例:Cu配線+Snはんだ)
- 水分・電解質の存在(湿気、結露、フラックス残渣)
- 金属間に電位差発生(電極電位の差)
- アノード側金属の溶出(金属 → 金属イオン)
- 電解質中でのイオン移動(電流として振る舞う)
- 腐食進行/析出(表面劣化、生成物形成)
- 電気的影響の顕在化(接触抵抗上昇、絶縁劣化、マイグレーション誘発)
イオンマイグレーションとの違いは下記。
- 異種金属 → トリガー(原因側)
- イオンマイグレーション → 現象(結果側)
「電位差」「水分」「電圧」「残渣」の4条件が揃うと一気に不具合化する。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験
- HAST(高温高湿 → 腐食加速)
- 具体例
-
- 異種金属間の電位差によるガルバニック腐食
- 端子めっきと母材間の腐食による接触不良
- コネクタ接点の腐食による導通不良
- 関連用語
-
- ガルバニック腐食
- 電位差
- イオンマイグレーション
- 錫めっき
- 関連ページ
ウイック Wick
湿度測定において、湿球温度を正確に測定するためにセンサ部へ水分を供給・保持する吸水材料。
ウイック
ウイックとは、環境試験器内の湿度制御・測定に用いられる湿球測定系において、センサ(温度計)に水を供給し続けるための吸水性材料である。主に湿球温度の安定測定を目的として使用され、毛細管現象により水を吸い上げ、センサ表面を常に湿潤状態に保つ役割を持つ。これにより蒸発冷却が発生し、乾球温度との温度差から湿度を算出する。ウイックの状態(汚れ、劣化、乾燥不良など)は、湿度測定精度に直接影響するため、環境試験の信頼性確保における重要部材とされる。
- 水供給源からの吸水(純水タンク等)
- 毛細管現象による水分移動(ウイック内部)
- センサ表面の湿潤維持(湿球状態形成)
- 水分蒸発による冷却発生(湿球温度低下)
- 温度差から湿度算出(乾球-湿球)
- 目的・関連試験等
-
- 恒温恒湿試験
- THB試験
- HAST試験(一部方式)
- 具体例
-
- 湿球センサーに巻き付けられたガーゼ状素材
- 試験中に乾燥して湿度指示が低く出る
- 汚染により吸水性が低下し測定誤差発生
- 長期使用により交換が必要になる消耗部材
- 関連用語
-
- 湿球温度
- 乾球温度
- 相対湿度
- 湿度センサー
- 恒温恒湿試験器
- 関連ページ
エレクトロケミカルマイグレーション(ECM) Electrochemical Migration(ECM)
水分と電界による電気化学反応によって金属がイオン化・移動し、導電経路を形成する現象。
エレクトロケミカルマイグレーション(ECM)
エレクトロケミカルマイグレーションとは、湿潤環境下で電圧が印加された際に、電極材料が電気化学反応によりイオンとして溶出し、電界に沿って移動・析出する現象である。
本質的には、以下の3要素が成立することで発生する。
- 水分(電解質)
- 電位差(電界)
- 金属材料
陽極側では金属の酸化反応によりイオンが生成され、陰極側では還元反応により金属として析出する。この一連の反応により、絶縁領域に導電性の経路(デンドライトなど)が形成され、最終的に短絡に至る。
- 水分の存在(電解質形成)
- 電圧印加(電界発生)
- 陽極反応(酸化) 金属 → 金属イオン + 電子
- イオン移動(電解質中)
- 陰極反応(還元) 金属イオン → 金属として析出
- 導電経路形成(デンドライト成長)
- 短絡(絶縁破壊)
実務的に「イオンマイグレーション」と呼ばれることもある。イオンの移動だけの現象ではなく、実際は「溶出(酸化)と析出(還元)」の電気化学反応であるため、学術的・原理的な呼称として「エレクトロケミカルマイグレーション」が正確な表現。
- 目的・関連試験等
-
- HAST試験 → 高温高湿+電圧で反応加速
- THB試験 → 実環境条件での長期評価
- 表面絶縁抵抗(SIR)試験 → 絶縁抵抗低下の監視
- 具体例
-
- Ag電極からの溶出とデンドライト形成
- フラックス残渣による電解質化 → 反応促進
- 高湿環境+バイアス印加での絶縁低下
- 微細配線間での電気化学的ショート
- 関連用語
-
- イオンマイグレーション
- マイグレーション
- 電極反応(酸化・還元)
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- HAST / THB
- 関連ページ
エレクトロマイグレーション Electromigration(EM)
高電流密度により金属原子が移動し、配線の断線やボイド・ヒロック形成を引き起こす現象。
エレクトロマイグレーション
エレクトロマイグレーションとは、金属配線内を流れる電子の運動によって金属原子が押され、移動する現象である。電流が流れると電子が金属中を移動し、その運動量が金属原子に伝達されることで、原子が徐々に移動する。この結果、原子が移動した側では材料欠損(ボイド)、蓄積側では盛り上がり(ヒロック)が形成される。この偏りが進行すると、下記不具合に至る。
- 局所的な断面減少 → 最終的に断線
- 材料の堆積 → 短絡リスク
「電流によって金属“原子そのもの”が動く現象」
- 高電流密度の発生(微細配線・大電流)
- 電子の流れ
- 金属原子への運動量伝達
- 原子移動(電流方向に依存)
- 空孔(ボイド)形成(原子が抜けた側)
- ヒロック形成(原子が集まった側)
- 断線または短絡
この現象に水分は不要。評価軸は「電流密度 × 温度」。
- 目的・関連試験等
-
- 高電流ストレス試験 → 配線寿命評価
- 高温通電試験 → 拡散加速による劣化促進
- バーンイン試験 → 初期故障+EM影響確認
- 具体例
-
- LSI内部配線の断線(最も典型)
- 微細配線での寿命低下
- ボンディングワイヤの細り
- ヒロックによる隣接配線ショート
- 関連用語
-
- イオンマイグレーション
- エレクトロケミカルマイグレーション
- ボイド
- ヒロック
- 電流密度
- 関連ページ
塩化腐食 Chloride Corrosion
塩化物イオン(Cl⁻)の存在により金属腐食が促進され、材料劣化や電気特性の低下を引き起こす現象。
塩化腐食
塩化腐食とは、塩素系イオン(主にCl⁻)が関与することで、金属の腐食反応が加速される現象を指す。通常、金属表面には保護皮膜(酸化膜など)が形成されるが、塩化物イオンはこの皮膜を破壊・不安定化させる作用が強く、腐食を局所的かつ急速に進行させる。電子機器においては、以下のような条件で問題化する。
- 塩分環境(海沿い、車載、屋外)
- 汗や汚染物質の付着
- フラックス残渣によるイオン残留
その結果、単なる材料劣化に留まらず、イオンマイグレーションの促進や絶縁劣化の起点となる。
- 塩化物イオンの存在(塩分、汚染、残渣など)
- 水分の存在(湿気・結露 → 電解質形成)
- 金属表面の保護膜破壊(Cl⁻による侵食)
- アノード反応促進(金属の溶出)
- 局所腐食の進行(孔食・すきま腐食)
- 電気特性劣化(導電路形成・接触劣化)
Cl⁻は「腐食を加速する触媒的存在」であることがポイント。
- 目的・関連試験等
-
- 塩水噴霧試験(Salt Spray Test) → 塩化環境での腐食耐性評価
- THB試験 → 塩分+湿度による電気劣化確認
- HAST試験 → 高温高湿での腐食
- マイグレーション加速
- 具体例
-
- 海岸地域でのコネクタ腐食
- 基板表面の塩分付着 → 絶縁低下
- Cl⁻存在下でのAg溶出 → マイグレーション促進
- 汗による端子腐食(携帯機器など)
- 関連用語
-
- ガルバニック腐食
- イオンマイグレーション
- 電解質
- 孔食(ピッティング)
- フラックス残渣
- 関連ページ
塩水ストレス Salt Water Stress
塩分と水分が複合的に作用し、腐食や電気劣化を加速させる環境負荷。
塩水ストレス
塩水ストレスとは、塩分(主に塩化物イオン)と水分が同時に存在する環境において、材料や電子部品に与える劣化促進要因を指す。塩分が水に溶解すると電解質となり、電気伝導性を持つ液体層が形成される。この状態では、金属表面での腐食反応が著しく加速されるだけでなく、電気化学反応が活発化し、絶縁性能にも影響を与える。電子機器では単なる腐食にとどまらず、以下の複合劣化として現れる。
- 腐食(塩化腐食)
- イオンマイグレーションの促進
- 接触抵抗の増加
- 絶縁抵抗の低下
「塩+水」で“電気が流れる腐食環境”を作るストレス。
- 塩分の付着・存在(海塩粒子、汗、汚染)
- 水分の供給(湿気、結露)
- 塩の溶解(電解質形成)
- 電気伝導性の付与(水膜が電流を流す)
- 電気化学反応の促進(腐食・金属溶出)
- 劣化進行(腐食+マイグレーション)
- 目的・関連試験等
-
- 塩水噴霧試験(Salt Spray Test) → 塩分環境での腐食評価
- 複合サイクル試験 → 塩・乾燥・湿潤の繰り返し
- THB試験(汚染あり) → 塩分+湿度による電気劣化
- 具体例
-
- 海岸地域での電子機器劣化
- 車載機器(融雪剤による塩分付着)
- 汗による端子腐食
- 屋外装置での塩害
- 関連用語
-
- 塩化腐食
- イオンマイグレーション
- 電解質
- 結露
- 相対湿度
- 関連ページ
応力 Stress
材料内部に生じる単位面積あたりの力。
応力
応力とは、物体に力が作用したときに、その内部に発生する抵抗力(内部の力)を単位面積あたりで表したもの。一般的には以下で定義される。
応力 = 力 ÷ 面積
単位はPa(パスカル)。
応力の種類は以下。
- 引張応力(Tensile)
- 圧縮応力(Compressive)
- せん断応力(Shear)
- 曲げ応力(Bending Stress)
実際はこれらが複合して発生。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル → 熱応力(繰り返し)
- 熱衝撃 → 急激応力
- 振動 → 動的応力
- 具体例
-
- BGAはんだに応力集中 → クラック
- 温度変化 → 熱応力発生
- 振動 → 繰り返し応力
- 関連用語
-
- ひずみ
- 熱ストレス
- 機械ストレス
- CTE
- はんだクラック
- 関連ページ
応力集中 Stress Concentration
特定の部位に応力が局所的に高く集まる現象。
応力集中
応力集中とは、材料に加わる応力が、形状不連続部や欠陥部などの特定の箇所に集中して、平均よりも高い応力状態が局所的に発生する現象である。均一な材料であっても、角部、穴、切欠き、界面などでは応力の分布が乱れ、その部分に大きな応力が集中する。この局所的な応力が材料強度を超えることで、クラックの発生や疲労の起点となる。
- 外力や熱変形により応力が発生する
- 形状不連続部や界面で応力分布が乱れる
- 特定部位に応力が集中する
- 局所的に材料強度を超える
- 微小損傷やクラックが発生する
- 損傷が進展する
- 破断や機能不良に至る
形状や構造の影響により応力が局所的に高くなり、クラックや破壊の起点となる現象。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(CTE差 → 界面で応力集中)
- 曲げ試験(変形 → 局所応力増大)
- 振動試験(繰り返し → 集中部で疲労)
- 具体例
-
- はんだ接合部の端部でのクラック発生
- 基板の角部での割れ
- ビア周辺のクラック
- 異種材料界面での剥離発生
- 関連用語
-
- 応力
- ひずみ
- クラック
- 疲労亀裂
- デラミネーション
- 関連ページ
温湿度サイクル試験 Temperature Humidity Cycle Test
温度と湿度を周期的に変化させ、結露や膨張収縮による複合劣化を評価する試験。
温湿度サイクル試験
温湿度サイクル試験とは、温度と湿度を繰り返し変化させることで、材料や電子機器に対する複合的な環境ストレスを再現し、信頼性を評価する試験である。一定条件のTHB試験とは異なり、温度変化を伴うため、以下の複合現象が同時に発生する。
- 温度差による膨張・収縮(機械ストレス)
- 湿度変化による吸湿・乾燥
- 露点通過による結露・蒸発
特に重要なのは、温度低下時に露点を下回ることで結露が発生し、その後の加熱で乾燥するというサイクルが繰り返される点である。
- 高温高湿状態(吸湿・水分供給)
- 温度低下(露点接近)
- 露点通過 → 結露発生
- 低温保持(水分付着状態)
- 温度上昇(蒸発・乾燥)
- 再び高温高湿へ
- 上記を繰り返し(サイクル)
「結露 ⇔ 乾燥」を繰り返して劣化を加速する
- 目的・関連試験等
-
- 結露による絶縁低下
- イオンマイグレーションの発生・進行
- 腐食
- 吸湿膨張による機械ストレス
- デラミネーション(剥離)
- 具体例
-
- 外気温変動を受ける屋外機器
- 車載機器(昼夜温度差+湿度変化)
- 密閉筐体の内部結露
- 高湿状態からの急冷 → 表面結露
- 関連用語
-
- 露点温度
- 結露
- 相対湿度
- 機械ストレス
- イオンマイグレーション
- THB試験
- 関連ページ
温度勾配 Temperature Gradient
空間内での温度の変化量を距離あたりで表したもの。
温度勾配
温度勾配とは、ある空間や材料内部において、位置によって温度がどの程度変化しているかを示す指標であり、一般に「℃/mm」「℃/m」などで表される。均一な温度状態では温度勾配はゼロになるが、加熱・冷却・発熱などがある場合には、場所ごとに温度差が生じ、温度勾配が発生する。電子機器においては、この温度差が重要であり、単なる温度の高さではなく「温度差による影響」が問題となる。特に温度勾配があると、下記現象を引き起こす。
- 熱膨張差 → 熱応力発生
- 熱流発生 → 放熱・冷却挙動変化
- 局所過熱 → 材料劣化加速
試験の“厳しさ”は温度そのものより勾配で決まることが多い。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 急速変化で内部温度差発生
- 温湿度サイクル試験 → 表面と内部の温度差+結露影響
- 熱衝撃試験 → 極端な温度勾配による応力評価
- 具体例
-
- 厚み方向で表面と内部の温度差
- 高発熱部品周辺のみ高温化
- 急冷時の表面だけ先に冷える現象
- 基板と部品間の温度差
- 関連用語
-
- 熱ストレス
- 機械ストレス
- 熱伝導
- 温度サイクル試験
- 熱衝撃試験
- 関連ページ
温度サイクル試験 Temperature Cycling Test
高温と低温を繰り返し変化させ、熱膨張差による疲労や接合劣化を評価する試験。
温度サイクル試験
温度サイクル試験とは、試験体を高温と低温の間で周期的に変化させることで、材料や構造に生じる熱膨張・収縮の繰り返しを再現し、信頼性を評価する試験である。電子機器では、構成材料(樹脂、金属、セラミックなど)の熱膨張係数(CTE)が異なるため、温度変化に伴って変形量に差が生じる。この差が拘束されることで応力が発生し、これが繰り返されることで熱疲労に至る。特に接合部(はんだ、界面)は応力集中が起こりやすく、クラックや剥離などの主要故障モードとなる。試験の本質は「膨張と収縮の繰り返しで壊れるかを見る試験」。
- 低温状態に保持
- 温度上昇(加熱)
- 高温保持
- 温度低下(冷却)
- 再び低温保持
- 上記を繰り返し(サイクル数管理)
温度差(ΔT)と繰返し回数が劣化の支配因子。
- 目的・関連試験等
-
- はんだ接合部の疲労破壊
- クラック(パッケージ・基板)
- デラミネーション(界面剥離)
- 配線断線
- 具体例
-
- BGAはんだのクラック発生
- ICパッケージの割れ
- 基板と部品の界面剥離
- 車載機器の昼夜温度差再現
- 関連用語
-
- 温度勾配
- 熱ストレス
- 機械ストレス
- 熱衝撃試験
- 温湿度サイクル試験
- 関連ページ
外部応力型ウイスカ Externally Induced Whisker
外部からの機械的または熱的な応力により、金属表面からウイスカが成長する現象。
外部応力型ウイスカ
外部応力型ウイスカとは、主にスズ(Sn)などの金属めっき表面において、外部から加えられる応力(機械的負荷や熱応力)によって、針状または繊維状の結晶(ウイスカ)が成長する現象である。ウイスカは内部応力によっても発生するが、本分類では以下のような外部要因による応力がトリガーとなる。
- 曲げ・圧縮などの機械荷重
- 熱膨張差による応力(温度変化)
- 実装・組立時の応力
これらの応力がめっき層に加わると、応力緩和のために金属原子が移動し、局所的に突出成長することでウイスカが形成される。応力逃がしとして金属が外に成長する現象。
- 外部応力の付与(曲げ、圧縮、熱膨張など)
- めっき層に圧縮応力発生
- 応力集中(局所)
- 原子拡散・再配列
- 表面からの突出成長
- ウイスカ形成
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱膨張差による応力付与
- 曲げ試験 → 機械応力による誘発
- 保存試験(応力付与あり) → 成長傾向観察
- 具体例
-
- 基板曲げによる端子部のウイスカ発生
- 温度変化でのめっき層応力増加 → 成長
- コネクタ部での圧入応力によるウイスカ
- Snめっき表面からの針状突起形成
- 関連用語
-
- ウイスカ
- 内部応力型ウイスカ
- エレクトロマイグレーション
- 熱ストレス
- 圧縮応力
- 関連ページ
拡散 Diffusion
物質が濃度差やエネルギー差により、自然に広がるように移動する現象。
拡散
拡散とは、原子・分子・イオンなどの粒子が、濃度の高い領域から低い領域へと自発的に移動し、均一な状態へ近づこうとする現象である。この移動は外力ではなく、熱運動(熱エネルギー)によって生じるものであり、温度が高いほど活発になる。電子機器においては、拡散は単なる物理現象ではなく、以下のような劣化の根本要因となる。
- エレクトロマイグレーション(電流+拡散)
- 金属間化合物(IMC)の成長
- めっき層の元素移動
- 不純物の移動による特性変化
粒子が時間とともに広がっていく基礎現象。外力なしでも起きる“自然現象”。温度が上がると拡散は急激に進む。
- 濃度差またはエネルギー差の存在
- 熱運動による粒子移動
- 高濃度側から低濃度側へ移動
- 時間とともに均一化
- 材料構造・特性の変化
- 目的・関連試験等
-
- 高温保存試験 → 拡散による組織変化
- 高温通電試験 → エレクトロマイグレーション加速
- 温度サイクル試験 → 拡散+応力の相互作用
- 具体例
-
- はんだと銅の界面での金属間化合物の成長
- 配線中の原子移動(エレクトロマイグレーションの基礎)
- めっき層内の元素拡散による組成変化
- 不純物の拡散による特性劣化
- 関連用語
-
- エレクトロマイグレーション
- イオンマイグレーション
- 熱拡散
- 金属間化合物(IMC)
- 活性化エネルギー
- 関連ページ
荷重応力 Applied Stress
外部から加えられる力(荷重)によって材料内部に発生する応力。
荷重応力
荷重応力とは、外部から加えられる力(荷重)によって材料や構造内部に生じる応力を指す。引張、圧縮、せん断、曲げなどの力が作用することで発生し、電子機器では構造強度や接合信頼性に直接影響する。機械ストレスの一種であり、温度変化による内部応力(熱ストレス)とは異なり、外部からの入力によって直接発生する応力という点が特徴である。電子機器では以下の場面で問題となる。
- 実装時(圧入、締結、はんだ接合)
- 使用中(振動、衝撃、加重)
- 取り扱い(落下、曲げ)
これらの荷重が局所的に集中するとクラックや変形を引き起こし、故障につながる。外から押される・引っ張られることで内部に生まれる力。
- 外力(荷重)の作用(圧縮・引張・曲げ・せん断)
- 材料内部に応力発生
- 応力分布・応力集中
- 変形またはひずみ発生
- 繰返しや過大負荷で劣化進行
- クラック・破断・接触不良
- 目的・関連試験等
-
- 曲げ試験(基板フレックス) → 局所応力による部品破壊
- 振動試験 → 動的荷重による疲労
- 衝撃試験 → 瞬間的な高荷重
- 圧縮試験 → 構造強度評価
- 具体例
-
- 基板のたわみによるMLCC割れ
- コネクタ挿抜時の過大荷重 → 端子変形
- 落下衝撃による部品破損
- ネジ締結による局所応力 → クラック
- 関連用語
-
- 機械ストレス
- 熱ストレス
- 応力集中
- ひずみ
- 疲労
- 関連ページ
加水分解 Hydrolysis
水との反応によって化学結合が分解され、材料の構造や性質が劣化する現象。
加水分解
加水分解とは、物質が水(H₂O)と反応することで化学結合が切断され、別の物質へと変化する反応である。電子機器においては主に有機材料(樹脂、接着剤、封止材料など)で問題となり、水分の侵入によって分子構造が分解され、物性が低下する。以下は例。
- ポリマー → 分解 → 強度低下
- 接着層 → 分解 → 剥離
- 絶縁材料 → 分解 → 絶縁性能低下
このため加水分解は、湿度環境における長期劣化の根本原因の一つとなる。
- 水分の侵入(湿気・結露・吸湿)
- 材料中への拡散
- 水との化学反応開始
- 分子結合の切断
- 材料劣化(軟化・脆化)
- 剥離・クラック・絶縁低下
単なる水分吸収ではなく、水が材料そのものを壊す化学反応。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験 → 長期湿潤による材料劣化
- HAST試験 → 高温高湿での加速分解
- 温湿度サイクル試験 → 吸湿+乾燥の繰返しによる劣化進展
- 具体例
-
- 樹脂封止材の劣化 → クラック発生
- 接着剤の分解 → デラミネーション
- 基板材料の吸湿+分解 → 絶縁低下
- コーティング劣化 → 防湿性能低下
- 関連用語
-
- 吸湿
- デラミネーション
- 結露
- イオンマイグレーション
- 絶縁劣化
- 関連ページ
ガスストレス Gas Stress
腐食性ガスや大気中成分の影響により、材料や電気特性の劣化を引き起こす環境負荷。
ガスストレス
ガスストレスとは、大気中に存在する各種ガス成分(硫黄系、塩素系、酸性ガスなど)が材料や電子部品に影響を与え、腐食や電気的劣化を引き起こす環境要因を指す。
代表的な腐食性ガスは以下。
- 硫化水素(H₂S)
- 二酸化硫黄(SO₂)
- 塩素系ガス(Cl₂ など)
- 窒素酸化物(NOx)
これらのガスは単独でも腐食を引き起こすが、湿度と組み合わさることで反応が大きく加速される。特に水分が存在すると、ガスが溶解して酸や電解質を形成し、電気化学反応が進行しやすくなる。その結果、以下の劣化が発生する。
- 金属腐食(特にAg、Cu)
- 接触抵抗増加
- 絶縁劣化
- イオンマイグレーションの促進
空気中のガスが材料を化学的に攻撃するストレス。
- 腐食性ガスの存在(環境・大気汚染・密閉空間)
- 部品表面への到達
- 湿度存在下で溶解(電解質・酸生成)
- 化学反応・電気化学反応発生
- 金属腐食・劣化進行
- 電気特性悪化(接触抵抗・絶縁低下)
- 目的・関連試験等
-
- ガス腐食試験(Flowing Mixed Gas:FMG) →混合ガス環境での接触腐食評価
- 硫化ガス試験 → Ag腐食(硫化)評価
- 高温高湿試験(THBなど) → 水分と組み合わせた加速評価
- 具体例
-
- 銀電極の硫化 → 導電不良
- コネクタ接点の腐食 → 接触抵抗増加
- 工業地帯・都市環境での腐食劣化
- 密閉筐体内でのガス蓄積 → 劣化進行
- 関連用語
-
- 塩化腐食
- イオンマイグレーション
- 電解質
- 相対湿度
- 結露
- 関連ページ
加速試験 Accelerated Test
実際よりも厳しい条件を与えて劣化を早め、短時間で寿命や信頼性を評価する試験。
加速試験
加速試験とは、温度・湿度・電圧などのストレスを高めることで、通常よりも早く劣化や故障を発生させる試験を指す。本来は数年〜十数年かかる劣化を、数時間〜数か月で再現するための手法。
加速試験は以下のモデルとセット(加速モデルとの関係)
- アレニウス(温度)は、温度↑ → 劣化速度↑
- コフィン・マンソン(疲労)は、ひずみ↑ → 寿命↓
- ブラック(電流・温度)は、EM評価
- 目的・関連試験等
-
- 環境試験=加速試験
- 温度サイクル →熱疲労加速
- HAST → 湿度加速
- 振動 → 機械的疲労加速
- 具体例
-
- 温度サイクル1000回 → 数年相当
- HAST100h → 数年相当
- 関連用語
-
- 信頼性試験
- 温度サイクル試験
- HAST
- HTOL
- 熱疲労
- CTE
- CAF
- 寿命予測
- アレニウスモデル
- コフィン・マンソン則
- 関連ページ
過渡熱 Thermal Transient
時間的に変化する非定常状態の熱(温度変化)現象。
過渡熱
過渡熱とは、温度が一定ではなく時間とともに変化している状態における熱の挙動を指す。すなわち、加熱・冷却の途中など、定常状態に達していない過程での熱の移動や温度分布の変化である。電子機器においては、電源ON/OFF、負荷変動、環境温度変化などにより温度が時間的に変動するため、この過渡状態での温度挙動が重要な設計要因となる。特に過渡熱は以下に影響する。
- 温度勾配の発生
- 熱ストレスの発生
- 局所的な過熱(ホットスポット)
温度が変化している途中の“動いている熱”。
- 温度変化要因の発生(通電、環境変化)
- 熱の発生または除去
- 温度が時間的に変化(非定常状態)
- 空間的温度差発生(温度勾配)
- 熱伝導・対流による分布変化
- 定常状態へ収束(または次の変動へ)
“定常(落ち着いた状態)になる前のすべて”が過渡。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 加熱・冷却の途中(過渡)で応力発生
- 熱衝撃試験 → 極端な過渡熱による急激な温度変化
- 通電評価 → 電源ON/OFF時の温度立ち上がり
- 具体例
-
- 電源投入直後の急激な温度上昇
- 急冷時の表面だけ冷える現象
- 高発熱部品周辺のみ温度急上昇
- 環境温度変化時の追従遅れ
- 関連用語
-
- 温度勾配
- 熱ストレス
- 温度サイクル試験
- 熱衝撃試験
- 定常状態
- 関連ページ
ガラス転移点 Glass Transition Temperature(Tg)
高分子材料が硬く脆い状態から柔らかく変形しやすい状態へ変化する温度。
ガラス転移点
ガラス転移点(Tg)とは、主に樹脂などの高分子材料において、低温側のガラス状態(剛性が高く脆い状態)から、高温側のゴム状態(柔らかく弾性を持つ状態)へと物性が変化する温度を指す。この変化は融点とは異なり、結晶構造の崩壊ではなく、分子鎖の運動性が増加することによるものである。そのためTgを境に以下の特性が大きく変化する。
- 弾性率(硬さ)の低下
- 熱膨張係数(CTE)の増大
- 応力緩和特性の変化
電子機器においては、材料がTgを跨ぐと熱膨張や機械特性が大きく変わり、接合部や界面に応力集中が発生しやすくなる。材料の剛性と変形挙動が切り替わる温度境界。挙動変化は以下。
- Tg以下 → 分子運動が制限、硬い・脆い、寸法安定性が高い
- Tg付近 → 分子運動が急増、物性が急激に変化
- Tg以上 → 柔らかい・粘弾性、変形しやすい、応力緩和しやすい
Tg付近が最も不安定な領域。ガラス転移点は、材料の力学特性と熱特性が大きく変化する境界温度。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → Tg跨ぎで応力変動が増大
- 高温保存試験 → Tg以上で材料特性変化
- TMA / DSC測定 → Tgの特定
- 具体例
-
- FR-4基板 → Tg以上で膨張量が増加
- 樹脂封止材 → Tg超で柔軟化、応力緩和
- 接着剤 → Tg以上で強度低下
- 関連用語
-
- 熱膨張係数(CTE)
- 熱ストレス
- 温度サイクル試験
- デラミネーション
- 高分子材料
- 関連ページ
ガルバニック腐食 Galvanic Corrosion
異なる金属が電気的に接触し、電解質中で電位差により一方が優先的に腐食する現象。
ガルバニック腐食
ガルバニック腐食とは、電位の異なる金属(異種金属)が接触し、水分などの電解質が存在する環境で電気化学反応が発生し、電位の低い金属(アノード側)が優先的に溶解する腐食現象である。金属間には電位差(電極電位差)が存在するため、回路が形成されると電子が移動し、腐食電流が流れる。この結果、アノード側の金属がイオンとして溶出し、劣化や断線を引き起こす。電子機器では、端子、めっき層、はんだ接合部などで異種金属が接触しているため、湿度環境下で重要な劣化要因となる。
- 異種金属接触
- 電位差発生
- 水分(電解質)存在
- 腐食電流発生
- アノード側金属が溶出
- 腐食進行
異なる金属の電位差で、片方が溶ける。異種金属が電位差により電解環境で腐食し、一方が優先的に溶解する電気化学的劣化現象(腐食)。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → 電解反応)
- HAST(高温高湿 → 腐食加速)
- 塩水噴霧試験(電解質 → 腐食評価)
- 具体例
-
- 異種金属接合部でのアノード側腐食による断線
- コネクタ接点の腐食による接触抵抗増加
- めっき層と母材間の腐食による剥離
- 配線金属の溶出による導通不良
- 関連用語
-
- 異種金属
- 電位差
- イオンマイグレーション
- フラックス残渣
- 関連ページ
乾球温度 Dry Bulb Temperature
水分の影響を受けない状態で測定される、空気そのものの温度。
乾球温度
乾球温度とは、空気の温度をそのまま測定した値であり、湿度の影響(蒸発冷却など)を受けない基準温度である。一般的な温度計や温度センサで測定される値は、この乾球温度に相当する。湿度測定においては、乾球温度単体では湿度は求められず、湿球温度との温度差を用いることで相対湿度が算出される。そのため乾球温度は、湿度計算における基準値として扱われる。環境試験器では、試験槽内の温度制御そのものがこの乾球温度に基づいており、湿度制御とも密接に関係している。
- 目的・関連試験等
-
- 恒温恒湿試験 → 温度設定値は基本的に乾球温度
- THB試験 → 温度 × 湿度条件の基準温度
- HAST試験 → 高温条件の基準として一部に使用
- 具体例
-
- 85℃/85%RH試験 → 85℃は乾球温度
- 試験槽表示温度 → 基本は乾球温度
- 室温25℃ → 通常は乾球温度として扱われる
- 関連用語
-
- 湿球温度
- 相対湿度
- ウイック
- 恒温恒湿試験器
- 関連ページ
環境試験 Environmental Test
使用環境を模擬し、環境条件による劣化や故障を評価する試験。
環境試験
環境試験とは、製品や部品が実際に使用される環境条件(温度、湿度、ガス、振動など)を再現し、その影響による劣化や故障の発生を評価する試験である。単なる性能試験ではなく、環境ストレスによってどのような劣化が起きるかを確認する点が特徴であり、信頼性試験の中核を構成する。
- 試料
- 環境ストレス付与(温度・湿度・ガスなど)
- 劣化現象発生
- 故障・特性変化
- 評価
環境による劣化を再現して確認する試験。信頼性との関係性は下記。環境試験は信頼性試験の主戦力。
- 信頼性試験
- 環境試験(主手段)
- 劣化現象評価
環境試験は、実使用環境を模擬したストレスを与え、劣化や故障を評価する試験。
- 目的・関連試験等
-
- 温度系 → 高温試験、低温試験、温度サイクル試験
- 湿度系 → THB試験、HAST試験
- ガス・化学系 → ガス腐食試験、塩水試験
- 機械系(広義で含む) → 振動試験、衝撃試験
- 粒子系 → 粉塵試験
- 具体例
-
- 絶縁劣化
- 電解腐食
- デンドライト
- トラッキング
- クラック(熱疲労)
- 酸化膜形成
- 関連用語
-
- Environmental Test
- 関連ページ
機械ストレス Mechanical Stress
外部から加わる力により、材料や構造内部に発生する応力のこと。
機械ストレス
機械ストレスとは、外部からの力(引張・圧縮・せん断・曲げ・ねじり)によって物体内部に生じる応力を指す。この応力が繰り返し加わったり、材料の強度を超えたりすると、以下のような現象につながる。
- 変形
- 亀裂(クラック)
- 破壊
電子機器では、振動・衝撃・基板のたわみ・熱膨張差などにより発生し、これらの応力が蓄積または繰り返されることで、クラックや剥離、接触不良などの故障に繋がる。
- 外力(振動・衝撃・変形)
- 材料変形・拘束
- 応力発生(引張・圧縮・曲げ)
- 応力集中
- 繰り返し or 蓄積
- クラック・破断
押す・引く・曲げるなどで壊そうとする力。
- 目的・関連試験等
-
- 振動試験(連続的な応力 → 疲労)
- 衝撃試験(瞬間的な応力 → 破断)
- 落下試験(局所的な応力 → 接合破壊)
- 具体例
-
- 基板のたわみによるMLCCのクラック
- 落下衝撃によるはんだ接合の破断
- 振動によるコネクタ接触不良
- 繰り返し応力によるはんだ疲労クラック
- 関連用語
-
- 応力(上位概念)
- ひずみ
- 疲労
- 共振
- 振動試験
- 衝撃試験
- 関連ページ
機械疲労 Mechanical Fatigue
外力(振動・荷重など)の繰り返しによって材料が劣化し、最終的に破壊に至る現象。
機械疲労
機械疲労とは、振動や繰り返し荷重などの外力によって、繰り返し応力・ひずみが加わり、材料が徐々に劣化して破壊する現象を指す。温度による影響が主の「熱疲労」と区別される。
- 繰り返し応力
- 微小クラック発生
- クラック進展
- 断面積減少
- 破断
小さな力でも、繰り返すと壊れる。繰り返されることでじわじわ壊れる。
- 目的・関連試験等
-
- 振動試験(連続的な応力 → 疲労進行)
- 温度サイクル試験(熱応力の繰り返し → 疲労クラック)
- 繰返し曲げ試験(変形の繰り返し → 破断)
- 具体例
-
- はんだ接合部の疲労クラックによる断線
- コネクタ接点の繰り返し動作による接触不良
- 基板曲げによる部品端子の破断
- 振動による配線の疲労破壊
- 関連用語
-
- 機械ストレス
- 熱疲労
- クラック
- 振動
- 熱サイクル
- 関連ページ
機能試験 Functional Test
製品を実際に動作させ、設計どおりの機能を満たしているかを確認する試験。
機能試験
機能試験とは、製品や回路に対して実際の使用条件に近い入力(電源や信号)を与え、その出力や動作が仕様どおりであるかを確認する試験である。ICTやフライングプローブテストが部品単体や配線の良否を確認するのに対し、機能試験はシステムとして正しく動作するかを評価する。製造最終段階や出荷前検査で実施されることが多い。
- 電源・信号入力
- 製品動作
- 出力・応答取得
- 仕様との比較
- 良否判定
製品を実際に動作させて、仕様どおりの機能を満たすかを確認する最終的な動作評価試験。
- 目的・関連試験等
-
- 出荷前検査(最終確認)
- 量産検査(動作確認)
- 信頼性試験後(性能確認)
- 具体例
-
- 電源投入しても起動しない
- 信号処理結果が仕様と一致しない
- 通信機能が動作しない
- センサー出力が異常
- 関連用語
-
- ICT
- フライングプローブテスト
- ATE
- DUT
- 関連ページ
吸湿 Moisture Absorption
材料が周囲の湿気(水分)を取り込む現象。
吸湿
吸湿とは、樹脂や材料が空気中の水分(湿気)を内部に取り込む現象を指す。特に電子機器では、以下の材料で重要。
- プリント基板(FR-4)
- 樹脂パッケージ
- コーティング材
吸収された水分は、材料内部に拡散し、さまざまな劣化の要因となる。
- 湿気が材料表面に吸着
- 材料内部に拡散
- 水分が滞留・蓄積
温度が高いほど吸湿速度は上がる。
- 目的・関連試験等
-
- 高温高湿試験(85℃/85%RH)
- HAST
- 温湿度サイクル試験
- 具体例
-
- 吸湿した樹脂の加熱によるクラック(ポップコーン破壊)
- 基板吸湿による絶縁低下
- マイグレーション促進
- パッケージ界面の水分による剥離
- 関連用語
-
- MSL
- HAST
- 吸湿
- ポップコーン現象
- 関連ページ
吸湿率 Moisture Absorption Rate
材料が吸収した水分の量を、重量変化として表した指標。
吸湿率
吸湿率とは、材料が湿度環境中で水分を取り込み、その結果として増加した質量の割合を示す材料特性である。
通常は「乾燥状態の重量に対する増加量(%)」で表され、樹脂材料や基板、封止材などの吸湿性評価に用いられる。吸湿率が高い材料は内部に水分を蓄えやすく、加熱時の膨張や電気的劣化の原因となる。一般的に以下のように表す。
吸湿率(%)=(吸湿後重量 − 乾燥時重量)÷ 乾燥時重量 × 100
材料の湿気に対する影響度を評価する基本パラメータとして使われる。
吸湿率が高い → 湿度影響を受けやすい
吸湿率が低い → 安定性が高い
- 湿度環境
- 材料表面への水分付着
- 内部への拡散
- 含水量増加
- 吸湿状態
材料が吸収した水分量を重量変化で表し、湿度起因の劣化リスクを左右する材料特性。
- 目的・関連試験等
-
- HAST(高温高湿 → 吸湿促進)
- THB試験(湿度環境 → 長期吸湿)
- MSL試験(吸湿後の加熱 → 破壊評価)
- 具体例
-
- パッケージ内部の水分膨張によるクラック(ポップコーン破壊)
- 樹脂界面の吸湿による剥離
- 基板吸湿による絶縁低下
- マイグレーション促進
- 関連用語
-
- MSL
- HAST
- 吸湿
- ポップコーン現象
- 絶縁劣化
- 関連ページ
供試品 Test Specimen
試験や評価の対象として使用する製品・部品・試料のこと。
供試品
供試品とは、環境試験や信頼性評価において実際に試験に供する対象物を指す。英語では「Test Specimen」や「Sample」とも表現される。製品そのものだけでなく、以下も含む。
- 試作品(試作機)
- 量産品
- 部品単体
- 材料サンプル
- 目的・関連試験等
-
評価結果の前提になる。
- 新品か使用品か
- 製造ロット
- 保管状態(吸湿など)
- 具体例
-
- HAST試験:n=22の基板を供試品として使用
- HALT:試作機を供試品として評価
- 振動試験:完成製品を供試品とする
- 関連用語
-
- 試料
- n数
- ロット
- 試験片
- 関連ページ
強度劣化 Strength Degradation
外部環境や時間経過によって、材料の機械的強度が低下する現象。
強度劣化
強度劣化とは、材料や部品の引張強度・曲げ強度・破壊強度などの機械的特性が、環境要因や内部変化によって低下する現象である。原因は単一ではなく、複数の劣化メカニズムの結果として現れる「結果側の指標」である点が重要である。主な原因は以下。
- 熱劣化(Thermal Degradation)
- 加水分解(Hydrolysis)
- 光分解(Photodegradation)
- 疲労(Fatigue)
- クラック進展
つまり強度劣化は「様々な劣化現象の最終結果として現れる状態」。
- 環境ストレス付与(温度・湿度・応力など)
- 材料内部で劣化進行(分解・腐食・クラック)
- 微視構造の変化
- 強度低下
- 最終的に破壊
- 目的・関連試験等
-
- 引張試験 / 曲げ試験 → 強度低下の定量評価
- 温度サイクル試験 → 劣化後の強度確認
- 高温保存試験 → 長期劣化による強度変化
- 具体例
-
- 樹脂の脆化 → 破断しやすくなる
- 接着剤劣化 → 接合強度低下
- MLCCクラック → 構造強度低下
- 基板材料の劣化 → 割れやすくなる
- 関連用語
-
- 熱劣化
- 加水分解
- 疲労
- クラック
- 破壊
- 関連ページ
偶発故障 Random Failure
時間経過に関係なく、使用期間中にランダムに発生する予測困難な故障。
偶発故障
偶発故障とは、製品の使用期間において特定のタイミングや経年進行に依存せず、確率的に不規則に発生する故障を指す。
時間に依存した明確な増加傾向を持たず、一定の故障率で発生するとされるのが特徴であり、バスタブ曲線の中では「偶発故障期間」に該当する。原因は設計ばらつき、環境変動、突発的な外乱など様々で、完全に排除することは難しいが、設計マージンや品質管理により低減される。主な原因は以下。
- 外部要因 → 過電圧(サージ)、電源変動、静電気(ESD)
- 環境要因 → 想定外の温度、湿度、振動
- 内部のばらつき → 材料の微小欠陥、製造ばらつき
特定の劣化進行に依存せず、外乱や偶然要因によりランダムに発生する故障。
- 製品が安定した使用状態にある
- 外乱や偶発的ストレスが加わる
- 局所的に応力や負荷が発生する
- 材料や構造が一時的に限界を超える
- 突発的な損傷が発生する
- 故障が発生する(ランダム)
いつ壊れるか読めない故障。
- 目的・関連試験等
-
- 信頼性試験(一定故障率の評価)
- MTBF(故障間隔として評価)
- スクリーニング(初期故障は除外するが偶発は残る)
- 具体例
-
- 正常動作中に突然発生する回路断線
- 偶然の過電圧によるデバイス破壊
- 環境変動による一時的接触不良
- ばらつき起因の突発的な故障
- 突発的なESD破壊
- 一時的な過電圧による故障
- 微小欠陥が偶然顕在化
- 落下衝撃による突発破損
- 関連用語
-
- 初期故障
- 摩耗故障
- 故障率
- バスタブ曲線
- MTBF
- MTTF
- 関連ページ
クラック Crack
材料内部または表面に生じた割れ。
クラック
クラックとは、材料内部または表面に生じる亀裂であり、応力やひずみ、熱変化などによって発生する損傷である。発生したクラックは応力集中の起点となり、外力や繰り返し応力によって進展する。進展に伴い材料の有効断面が減少し、最終的には破断や機能不良を引き起こす。電子機器では、はんだ接合部、プリント基板、封止材などに発生し、断線、接触不良の原因となる。
- 外力・温度変化・応力が加わる
- 局所的に応力が集中する
- 材料の強度を局所的に超える
- 微小な割れ(クラック)が発生する
- 応力によりクラックが進展する
- 有効断面が減少する
- 最終的に破断または機能不良に至る
壊れ始めを示す割れ。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(熱膨張係数差 → クラック発生)
- 振動試験(繰り返し応力 → クラック進展)
- 熱衝撃試験(熱膨張係数差 → クラック発生)
- 具体例
-
- はんだ接合部の熱疲労によるクラック
- MLCCの熱衝撃による割れ
- 基板の曲げによるクラック発生
- 封止樹脂のデラミネーション起点クラック
- 関連用語
-
- 疲労亀裂
- 疲労破壊
- 応力集中
- デラミネーション
- 関連ページ
クリープ Creep
一定の応力が長時間作用することで、材料が徐々に変形する現象。
クリープ
クリープとは、材料に一定の荷重(応力)が継続的に加わった状態で、時間の経過とともに塑性変形が進行する現象である。特に高温環境では材料の分子運動や原子拡散が活発になるため、応力が小さくても変形が進行する。このためクリープは「時間依存型の変形現象」として扱われる。
電子機器では主に以下のような材料で問題となる。
- はんだ接合部
- 樹脂材料
- 高分子(接着剤、封止材)
小さな力でも“時間をかけると変形してしまう”現象。瞬間では壊れないが“じわじわ壊れる”。
- 一定荷重の付与(圧縮・引張など)
- 時間経過
- 分子・原子の再配列/拡散
- 徐々に変形(クリープ変形)
- 長期で形状変化・破断
温度が上がるほど急激に進行する。
- 目的・関連試験等
-
- クリープ試験 → 一定荷重下での変形量測定
- 高温保存試験 → 温度×時間によるクリープ加速
- 温度サイクル試験 → クリープ+疲労の複合影響
- 具体例
-
- はんだ接合のクリープ変形 → 接続信頼性低下
- 樹脂部品の変形 → 寸法ずれ
- 長期荷重による接着部のゆるみ
- パッケージ内部応力の緩和
- 関連用語
-
- 応力緩和
- 荷重応力
- 拡散
- 疲労
- 熱ストレス
- 関連ページ
クリープ疲労 Creep Fatigue
高温下での時間依存変形(クリープ)と、繰り返し応力(疲労)が組み合わさって進行する劣化現象。
クリープ疲労
クリープ疲労とは、高温環境で材料が時間とともに変形する現象(クリープ)と、繰り返し応力による疲労が同時に進行する複合劣化現象を指す。通常の疲労よりも劣化が早く、複雑になるのが特徴。
- 高温環境
- クリープ変形(時間依存の伸び)
- 繰り返し応力
- 損傷蓄積(加速)
- クラック進展
- 破断
高温でじわじわ伸びながら、繰り返しで一気に壊れる。高温での時間依存変形と繰り返し応力が重なり、損傷が加速して破壊に至る現象。
- 目的・関連試験等
-
- 高温保持試験(時間依存変形 → クリープ進行)
- 温度サイクル試験(繰り返し応力 → 疲労)
- パワーサイクル試験(温度変動+通電 → 複合劣化)
- 具体例
-
- はんだ接合部の高温疲労によるクラック進展
- パワーデバイスの熱サイクルでの接合破壊
- 高温動作部の金属配線の変形・断線
- タービンや高温部品の繰り返し使用による破断
- 関連用語
-
- クリープ
- 機械疲労
- 熱疲労
- 熱応力
- 関連ページ
繰り返し応力 Cyclic Stress
時間とともに周期的に変化し、繰り返し材料に作用する応力。
繰り返し応力
繰り返し応力とは、材料に作用する応力が一定ではなく、時間の経過とともに繰り返し変動する応力状態を指す。この変動は振動・温度変化・回転運動などにより発生し、引張と圧縮が交互に作用する場合や、応力の大きさのみが周期的に変化する場合がある。繰り返し応力が長期間作用すると、材料内部に微小な損傷が蓄積し、やがて疲労破壊(Fatigue Failure)に至る。
- 外部要因による応力変動(振動・温度変化・回転など)
- 応力が周期的に作用
- 材料内部に微小損傷発生
- 繰り返しにより損傷蓄積
- クラック発生・進展
- 最終破断(疲労破壊)
同じ場所に何度も力がかかることで、疲労して壊れる原因となる応力。1回では壊れないが、回数で壊れる。繰り返し応力は、周期的に作用し、材料に疲労を蓄積させる応力。
- 目的・関連試験等
-
- 疲労試験(Fatigue Test) → 繰返し応力下での寿命評価
- 振動試験(Vibration Test) → 実環境の繰り返し負荷再現
- 温度サイクル試験 → 熱による繰返し応力(熱膨張係数差)
- 具体例
-
- 車載機器の振動による負荷
- 基板の温度サイクルによる膨張・収縮
- 回転機構部品の繰返し負荷
- はんだ接合部の熱疲労
- 関連用語
-
- 疲労
- クリープ
- 荷重応力
- 温度サイクル試験
- 振動試験
- 関連ページ
繰り返し曲げ疲労 Cyclic Bending Fatigue
繰り返しの曲げ応力によって材料内部に損傷が蓄積し、最終的に破壊に至る現象。
繰り返し曲げ疲労
繰り返し曲げ疲労とは、材料や部品に対して曲げ変形が繰り返し与えられることで、内部に微小損傷が蓄積し、徐々に強度が低下して最終的に破断やクラックに至る現象である。曲げ応力は材料の表面側に引張応力、反対側に圧縮応力を発生させるため、特に引張側でクラックが発生しやすい。この応力が繰り返されることで、クラックが徐々に進展し、疲労破壊に至る。電子機器では以下のような場面で重要。
- 基板のたわみ
- 振動・落下の繰り返し
- 温度サイクルによる膨張収縮
曲げを繰り返すことで、見えない内部損傷が蓄積して壊れる現象。“表面”から壊れ始めるのが特徴。曲げ応力の繰り返しによりクラックが進展し、最終破壊に至る疲労現象。
- 曲げ変形の発生(外力・温度変化など)
- 表面に引張・圧縮応力発生
- 引張側で微小クラック発生
- 繰り返しによりクラック進展
- 有効断面積減少
- 最終破断・機能不良
- 目的・関連試験等
-
- 疲労試験 → 曲げ繰り返し寿命評価
- 基板曲げ試験(Board Bending Test) → MLCC耐性評価
- 振動試験 → 実機環境の繰り返し再現
- 具体例
-
- MLCCのクラック進展
- 基板曲げによるはんだ接合疲労
- コネクタ端子の疲労破断
- ケーブルの繰り返し屈曲による断線
- 関連用語
-
- 繰り返し応力
- 疲労
- 荷重応力
- クリープ
- 関連ページ
結露 Dew Condensation
空気中の水蒸気が冷却により凝縮し、液体の水として表面に現れる現象。
結露
結露とは、空気中に含まれる水蒸気が温度低下により飽和状態に達して、余剰分が液体として析出する現象である。物体の表面温度が周囲空気の露点温度以下になると、その表面で水蒸気が凝結し、水滴として現れる。これは空気中の水分量(絶対湿度)と温度条件により決定される現象であり、相対湿度が100%に達した状態と密接に関係している。
電子機器において結露は、単なる水滴発生ではなく、絶縁低下・腐食・マイグレーションの起点となる重大な要因となる。
- 空気中に水蒸気が存在(絶対湿度)
- 温度が低下(周囲環境または物体表面)
- 飽和状態に到達(相対湿度100%)
- 表面温度が露点以下になる
- 水蒸気が凝縮(水滴として析出)
- 結露発生
「露点以下になるかどうか」で発生が決まる。
- 目的・関連試験等
-
- 結露サイクル試験→冷却と高温高湿の繰り返しで意図的に結露を繰り返し再現する
- 温度変化試験 → 冷却過程での結露発生確認
- 恒温恒湿試験 → 高湿条件での結露リスク評価
- HAST試験 → 内部結露・水分侵入の影響評価
- 具体例
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- 冬場に暖かい部屋へ機器を持ち込む → 表面が露点以下、結露
- 密閉筐体内で冷却 → 内部結露による水滴発生
- 高湿試験後の急冷 → 基板表面に水滴
- 車載機器 → 夜間冷却で内部結露
- 関連用語
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- 露点温度
- 相対湿度
- 絶対湿度
- イオンマイグレーション
- 腐食
- 回路短絡
- 関連ページ
恒温恒湿器 Temperature and Humidity Chamber
温度と湿度を一定の条件に制御・維持する試験装置。
恒温恒湿器
恒温恒湿器(恒温恒湿槽)とは、試験対象(供試品)に対して、設定した温度および湿度環境を一定またはプログラム制御で再現・維持する装置である。加熱・冷却・加湿・除湿機能を組み合わせることで、環境条件を精密に制御し、材料や製品の信頼性評価に用いられる。主にTHB試験や温湿度試験、加速劣化試験などで使用される。
- 温度制御(ヒーター・冷却)+湿度制御(加湿・除湿)
- 試験空間の環境形成
- 供試品に環境負荷付与
温度と湿度を再現して試験する箱。温度と湿度を制御・再現し、環境ストレスを与えて製品の信頼性を評価するための試験装置。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(温度+湿度 → 電気劣化評価)
- 温湿度試験(環境耐性評価)
- 結露試験(温湿度変化 → 水滴発生)
- 具体例
-
- THB試験での85℃/85%RH環境設定
- 基板の吸湿評価
- 電子機器の耐湿性評価
- 材料の環境耐久試験
- 関連用語
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- THB試験
- HAST
- 吸湿率
- 絶縁抵抗
- 関連ページ
高温試験 High Temperature Test
高温環境に試験体を曝し、材料や部品の耐熱性や劣化挙動を評価する試験。
高温試験
高温試験とは、試験体を一定の高温条件下に長時間保持することで、温度による劣化や特性変化を評価する試験である。主に材料や電子部品が高温環境でどのように劣化するかを確認する目的で実施され、製品の耐熱性・長期信頼性の評価に用いられる。高温環境では以下の現象が進行しやすくなる。
- 熱劣化(Thermal Degradation)
- 熱分解(Thermal Degradationの一部)
- 拡散(Diffusion)の促進
- 酸化(Oxidation)の進行
温度による劣化だけを切り出して評価する基本試験。湿度や電圧をかけない“純粋な温度ストレス試験”。
- 試験体を恒温槽に設置
- 温度設定(例:125℃、150℃など)
- 一定時間保持(数百〜数千時間)
- 定期または終了後に評価(外観・特性・強度など)
- 目的・関連試験等
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- 高温試験 → 温度のみ
- 具体例
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- 樹脂材料の耐熱評価
- 半導体の高温寿命試験(HTOLなど)
- 接着材料の強度変化確認
- はんだ接合部の劣化確認
- 関連用語
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- 熱劣化
- 拡散
- 酸化
- 高温動作寿命試験(HTOL)
- 温度サイクル試験
- 関連ページ
コーティング剤 Coating Material
部品や基板表面に塗布し、環境から保護するための材料。
コーティング剤
コーティング剤とは、電子部品や基板などの表面に塗布・形成され、湿度、汚染物、腐食、機械的接触などの外部環境から対象物を保護するための材料である。
主に樹脂系(アクリル、シリコーン、ウレタンなど)が用いられ、表面に薄膜を形成して絶縁性、防湿性、防塵性を向上させる。これにより、フラックス残渣や異種金属による電解反応、トラッキング、腐食などの発生を抑制する役割を持つ。
- 湿気の侵入防止
- イオン汚染(Contamination)の抑制
- 腐食の防止
- 絶縁性能の維持
特に電子機器では、湿度や汚染物質が電気化学反応を引き起こすため、それらを遮断する目的で使用される。
- 表面に薄膜を形成
- 水分・ガスの侵入を抑制
- 汚染物質の接触を防止
- 電解質形成を抑制
- マイグレーション・腐食を防ぐ
外部環境から内部を守る保護層。外部環境から電子部品を保護し、湿度・汚染・腐食による劣化を抑制する材料。主な用途は下記。
- 基板の防湿処理
- 車載機器の保護
- 屋外機器の耐環境性向上
- 目的・関連試験等
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- TH試験・HAST試験(湿度 → 防湿性能評価)
- 耐環境試験(汚染・腐食 → 効果確認)
- 具体例
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- 湿度侵入を防ぎ絶縁抵抗低下を抑制
- フラックス残渣の影響低減(電解防止)
- トラッキングやマイグレーションの抑制
- 腐食の進行抑制
- 関連用語
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- フラックス残渣
- トラッキング
- イオンマイグレーション
- 防湿コーティング
- 関連ページ
呼吸作用 Breathing
温度変化により内部空気が膨張・収縮し、外気と交換される現象。
呼吸作用
呼吸作用とは、機器や筐体、部品内部に存在する空気が温度変化によって膨張・収縮を繰り返すことで、外部の空気や湿気が内部に出入りする現象を指す。温度が上昇すると内部空気が膨張して外へ排出され、温度が低下すると収縮して外気を吸い込む。この繰り返しにより、湿気や汚染物質が内部に取り込まれやすくなる。特に密閉構造や半密閉構造において問題となり、内部環境が外気に徐々に近づいていく原因となる。
- 温度上昇 → 内部空気膨張 → 外部へ排出
- 温度低下 → 内部空気収縮 → 外気吸入
- 湿気・汚染物質が侵入
- 内部環境が劣化
- 凝縮による結露・腐食・マイグレーション発生
温度変化による空気の出入りで、湿気や汚染物質が内部に侵入する現象。密閉していても完全には防げない。
- 目的・関連試験等
-
- 温湿度サイクル試験 → 呼吸作用による湿気侵入を再現
- 温度サイクル試験 → 内部空気の膨張収縮評価
- 具体例
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- 密閉筐体内での結露発生
- 車載部品の内部湿気増加
- センサ筐体の曇り
- 屋外機器での腐食進行
- 関連用語
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- 結露
- 相対湿度
- 温度サイクル試験
- コーティング剤
- 気密性
- 関連ページ
故障解析 Failure Analysis
発生した故障の原因やメカニズムを特定するための解析。
故障解析
故障解析とは、製品や部品に発生した不具合について、その原因・発生メカニズム・影響範囲を明らかにするための一連の解析活動を指す。単に壊れた箇所を確認するだけでなく、以下を特定することが目的となる。
- 真因(Root Cause)
- 発生メカニズム
- 再発条件
- 改善策
電子機器分野では、材料・構造・電気・環境の複合要因が絡むため、総合的な解析が必要となる。
- 故障現象の把握
- 非破壊検査(外観・X線・電気測定)
- 破壊解析(断面観察・SEMなど)
- 原因特定(応力・環境・材料)
- 再現・検証
- 対策立案
なぜ壊れたかを突き止めるプロセス。試験とセットで使われる“解析側の活動”。
- 目的・関連試験等
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- 環境試験(THB、温度サイクルなど)後の解析
- 不具合解析(フィールド故障)
- 信頼性評価のフィードバック
- 具体例
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- MLCCクラック → 曲げ応力によるフレックスクラック
- 絶縁抵抗低下 → イオンマイグレーション
- 腐食 → 塩分+湿度環境
- 断線 → エレクトロマイグレーション
- 温度サイクル→熱疲労破壊
- 関連用語
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- 初期故障
- 偶発故障
- 根本原因
- 信頼性
- 不具合解析
- FTA
- 関連ページ
故障モード Failure Mode
製品や部品がどのような形で機能を失うかを示す故障の具体的な形態。
故障モード
故障モードとは、製品や部品が故障したときに現れる具体的な現象や壊れ方の分類である。同じ製品でも異なる原因によって異なる故障モードが発生し、例えば短絡、断線、接触不良、破断などがそれに該当する。故障モードは原因(劣化メカニズム)とは異なり、外から観測される結果として整理される。信頼性解析では、故障モードを特定することで、その背後にある原因(疲労、腐食、マイグレーションなど)を逆に特定する。
- 環境・応力が加わる
- 劣化(疲労・腐食など)が進行する
- 損傷(クラック・摩耗など)が発生する
- 構造や導通状態が変化する
- 特定の壊れ方として現れる
- 故障モードとして観測される
どう壊れたか(見える結果)。
- 目的・関連試験等
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- 信頼性試験(故障モード特定)
- 故障解析(原因推定)
- 加速試験(モード発現)
- 具体例
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- マイグレーションによるデンドライト形成 → 短絡
- 疲労クラック進展 → 断線
- 酸化膜形成 → 接触不良
- フラックス残渣による導電パス形成 → リーク電流増大
- 摩耗進行 → 機能不良
- 応力集中による破断
- 関連用語
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- 劣化
- 故障メカニズム
- クラック
- マイグレーション
- 関連ページ
故障率 Failure Rate
単位時間あたりに発生する故障の割合。
故障率
故障率とは、ある期間において対象製品が故障する頻度を表す指標であり、単位時間あたりに発生する故障の割合を示す。通常は以下のように定義される。
- 一定時間内の故障件数 ÷ その期間に稼働している総数
単位としては以下が使われる。
- 1/h(時間あたり)
- FIT(Failures In Time:10⁹時間あたりの故障数)
故障率は時間とともに一定ではなく、一般的にバスタブ曲線のような変化を示す。
- 初期|初期不良|故障率高 → 低下
- 中期|安定期間| 故障率ほぼ一定
- 後期|摩耗|故障率増加
「どれくらいの頻度で壊れるか」を表す指標。故障率は「時間によって変化するもの」。
- 目的・関連試験等
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- 信頼性試験(HTOL、THBなど) → 故障率の推定
- フィールドデータ解析 → 実使用での故障率評価
- 具体例
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- MTBF(平均故障間隔)、MTTF(平均故障寿命)と関連
- 半導体のFIT値評価
- 車載機器の信頼性設計
- 関連用語
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- 平均故障間隔(MTBF)
- 平均故障寿命(MTTF)
- 初期故障
- 偶発故障
- 摩耗故障
- 信頼性
- 関連ページ
コネクタ Connector
電気的・機械的に回路や部品を接続するための部品。
コネクタ
コネクタとは、電子機器において電気信号や電力を伝達するために、回路同士や部品同士を着脱可能な形で接続する部品である。はんだ接合とは異なり、繰り返し接続・切断が可能であり、保守や組立性の向上に寄与する。内部には金属接点があり、この接点同士が接触することで導通が確保される。しかし、接点信頼性は環境や劣化の影響を受けやすく、電子機器の故障要因となることが多い。
- 接点(コンタクト) → 電気伝導部分
- ハウジング → 機械的保持
- 端子(ピン/ソケット) → 接続部
電気をつなぐが、同時に“接点トラブルの起点”になりやすい部品。“接触しているだけ”なので安定性が低い。回路を接続するための部品であり、接点の信頼性が性能を決定する重要部品。
- 目的・関連試験等
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- 接触抵抗測定 → 導通の安定性
- 挿抜耐久試験 → 繰返し使用耐性
- 振動試験 → 接触不良評価
- ガス腐食試験 → 接点腐食(Ag・Cu)評価
- 具体例
-
- 接触抵抗増加 → 通信エラー
- 腐食 → 接触不良
- 振動 → 瞬断(チラツキ)
- 汚染 → 導通不安定
- 関連用語
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- 接触抵抗
- ガスストレス
- 塩化腐食
- 不純物付着
- 振動試験
- 関連ページ
コフィン・マンソン則 Coffin–Manson Law
繰り返しひずみの大きさと破壊までの回数(寿命)の関係を示す疲労寿命モデル。
コフィン・マンソン則
コフィン・マンソン則とは、材料に繰り返しひずみが加わると、その大きさに応じて寿命(破壊までの回数)が決まることを表す経験式である。特に低サイクル疲労(大きなひずみ)に対して使われる。ひずみが大きいほど寿命は急激に短くなる。材料に繰り返しひずみが加わると、その大きさに応じて寿命(破壊までの回数)が決まる。
- ひずみ小 → 長寿命
- ひずみ大 → 短寿命
指数関数的ではなく“べき乗関係”で効く。
はんだクラックの寿命を決めているモデル
(温度サイクル → 膨張・収縮 → ひずみ繰り返し → 熱疲労)。
実務ではFEA(解析)とセットで使うことが多い。
- 温度サイクル試験実施
- ひずみ量算出(解析 or シミュレーション)
- コフィン・マンソン適用
- 寿命(サイクル数)推定
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験
- 具体例
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- ΔTが大きい → ひずみ増加 → 寿命短縮
- 基板サイズが大きい → 変形増 → 寿命低下
- BGA端部 → ひずみ大 → クラック発生
- 関連用語
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- 温度サイクル試験
- 加速試験
- ひずみ
- 応力
- CTE
- 熱疲労
- はんだクラック
- アレニウス
- 寿命予測
- 関連ページ
酸化 Oxidation
物質が酸素と結合、または電子を失うことで化学的に変化する反応。
酸化
酸化とは、物質が酸素と結合する、または電子を失う(電子を放出する)化学反応を指す。金属では、酸化により表面に酸化物(酸化膜)が形成される。この酸化膜は場合によっては保護膜として働くが、多くの場合は電気特性や接触性能に悪影響を与える。電子機器においては、酸化は以下の問題を引き起こす。
- 接触抵抗の増加
- はんだ濡れ性の低下
- 導電性の低下
- 腐食の進行
材料が化学的に変質し、性能が変わる基本反応。電子を失う(=酸化)という視点が本質であり、温度・湿度で進行が大きく変わる。
- 酸素または環境中成分の存在
- 表面で化学反応開始
- 電子の移動(酸化反応)
- 酸化物生成(酸化膜)
- 材料特性の変化
- 目的・関連試験等
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- 高温試験 → 酸化反応が加速
- ガス腐食試験 → 酸化+ガス反応
- THB試験 → 湿度による酸化促進
- 具体例
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- Cuの酸化 → 導電性低下
- 接点の酸化 → 接触抵抗上昇
- はんだ面の酸化 → 実装不良
- 金属配線の劣化
- 関連用語
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- 還元
- 腐食
- 塩化腐食
- ガスストレス
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
酸化成長型ウイスカ Oxidation-Induced Whisker
金属表面の酸化に伴う内部応力によって成長するウイスカ。
酸化成長型ウイスカ
酸化成長型ウイスカとは、金属表面に形成される酸化膜(酸化物)の成長に伴って内部に圧縮応力が発生し、その応力緩和として金属が突起状に成長する現象である。特にスズ(Sn)めっきにおいて顕著であり、表面酸化によって形成される酸化スズ層が体積変化を伴うため、下地金属に圧縮応力が蓄積される。この応力が解放される過程で、ウイスカとして金属が突出する。
- 金属表面の酸化(酸化膜形成)
- 酸化物の体積変化
- 内部に圧縮応力蓄積
- 応力集中
- 応力緩和として金属突出
- ウイスカ成長
酸化によって生じた圧縮応力を逃がすためのウイスカ成長。原因は“酸化そのもの”ではなく“酸化で生じる応力”で、湿度がなくても進行するケースがある。
- 目的・関連試験等
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- 高温保存試験 → 酸化促進
- 温湿度試験 → 湿度による酸化促進
- 長期保存試験 → 経時変化によるウイスカ成長評価
- 長期保管試験 → 自然成長評価
- 具体例
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- Snめっき表面でのウイスカ発生
- 保存中の端子での突起形成
- コネクタ接点でのショートリスク
- 長期保管部品での問題発生
- 関連用語
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- 酸化
- ウイスカ
- 外部応力型ウイスカ
- 内部応力型ウイスカ
- 圧縮応力
- 関連ページ
酸化膜形成(接点不良) Oxide Film on Contacts / Contact Oxidation
金属接点表面が酸素と反応して酸化膜を形成し、導電接触が阻害されて接触抵抗が増加することで発生する接点不良。
酸化膜形成(接点不良)
酸化膜形成とは、金属接点表面が空気中の酸素と反応して酸化され、導電性の低い酸化膜が形成される現象である。
接点は本来、金属同士が直接接触することで低抵抗の電気接続を確保しているが、酸化膜が表面を覆うことで金属同士の直接接触が阻害される。その結果、実効接触面積が減少し、接触抵抗が増加する。これにより、信号の断続や不安定化が発生し、最終的に接点不良として現れる。酸化は空気中の酸素のみで自然に進行するため、保管・使用中に徐々に進行し、長期的な信頼性低下の原因となる。
- 金属接点表面が空気中の酸素と反応する
- 表面に酸化膜が形成される
- 酸化膜が接点表面を被覆する
- 金属同士の直接接触が阻害される
- 実効接触面積が減少する
- 接触抵抗が増加する
- 信号が不安定・断続する
- 接点不良が発生する
酸化膜が金属同士の直接接触を遮る。
- 目的・関連試験等
-
- 高温保存試験(酸化進行 → 接触抵抗増加)
- 温度サイクル試験(機械変化 → 接触状態変化)
- 振動試験(接触変動 → 不良顕在化)
- 具体例
-
- コネクタ接点の酸化による接触抵抗増加
- スイッチ接点の導通不良
- 端子の酸化による信号断続
- 長期保管後の接点不良
- 関連用語
-
- 接触抵抗
- 酸化
- フレッティング腐食
- 錫めっき
- 関連ページ
残存寿命推定 Remaining Useful Life Estimation(RUL Estimation)
現在の状態から、故障までに残された使用可能時間を推定すること。
残存寿命推定
残存寿命推定とは、材料や部品、システムの現在の劣化状態や使用履歴に基づいて、あとどれくらい使用可能か(故障までの時間やサイクル数)を予測する手法である。信頼性工学では「いつ壊れるか」を予測する重要な概念であり、以下の情報を基に推定される。
- 劣化指標(SIR、接触抵抗など)
- 使用環境(温度・湿度・応力)
- 試験データ(加速試験結果)
- 故障率モデル
現在の劣化状態から故障までの残り寿命を予測する手法。
- 現在状態の把握(測定・センサ・試験結果)
- 劣化メカニズム特定
- 劣化進行モデル化(温度・応力依存)
- 残存時間(またはサイクル)算出
- 寿命予測として提示
- 目的・関連試験等
-
- 高温試験・THB試験 → 劣化速度取得
- 温度サイクル試験 → 疲労寿命モデル
- 加速試験(Arrheniusなど) → 実使用寿命へ換算
- 具体例
-
- MLCCのクラック進展 → 破断までの残りサイクル
- コネクタ接点劣化 → 接触抵抗上・昇の寿命予測
- 樹脂劣化 → 強度低下と破壊時期
- 半導体 → 寿命消費率からの推定
- 関連用語
-
- 故障率
- 信頼性
- 加速試験
- 劣化モデル
- 故障解析
- 関連ページ
紫外線 Ultraviolet(UV)
可視光より短い波長を持ち、材料に化学的変化を引き起こす高エネルギーの光。
紫外線
紫外線(UV)とは、可視光よりも波長が短くエネルギーの高い電磁波であり、主に太陽光に含まれている。電子機器や材料に対しては、この高エネルギーが分子の化学結合を切断する作用を持つため、劣化の主要因となる。特に高分子材料(樹脂、コーティング、絶縁材など)では、紫外線により分子鎖が破壊され、以下の劣化が発生する。
- 光分解(Photodegradation)
- 黄変(変色)
- 脆化(割れやすさ増加)
- 表面劣化
材料を化学的に壊す高エネルギー光。材料の化学結合を破壊し、劣化を引き起こす環境要因。
- 紫外線照射
- 分子エネルギー増加
- 化学結合の切断
- 分解反応進行
- 材料特性の劣化
- 目的・関連試験等
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- 耐候性試験(Weathering Test) → 屋外環境再現(UV+温度+湿度)
- UV照射試験 → 光劣化の単独評価
- 具体例
-
- 樹脂の黄変・劣化
- コーティングのひび割れ
- ケーブル被覆の劣化
- 表面粉化(チョーキング)
- 関連用語
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- 光分解
- 熱劣化
- 加水分解
- コーティング剤
- 関連ページ
試験片 Test Piece
試験のために特定形状・条件に加工された評価用の材料または部品。
試験片
試験片とは、材料特性や物理特性を評価する目的で、規定された形状・寸法・条件に加工された評価対象の試料を指す。実際の製品そのものではなく、試験しやすいように切り出したり成形したりしたものであり、引張試験・曲げ試験・疲労試験などで使用される。電子機器分野では、基板材料、樹脂、金属などの特性評価に用いられ、再現性のある測定を行うための前提となる。
- 材料・部品
- 規定形状に加工
- 試験片
- 物性試験
- 特性データ取得
測るために整形した材料。
- 目的・関連試験等
-
- 引張試験(強度評価)
- 曲げ試験(変形特性評価)
- 疲労試験(耐久性評価)
- 具体例
-
- 引張試験での破断強度評価
- 曲げ試験でのクラック発生
- 疲労試験での繰り返し破壊
- 関連用語
-
- 供試品
- n数
- 材料試験
- 強度
- 関連ページ
湿球温度 Wet Bulb Temperature
水分の蒸発による冷却効果を受けた状態で測定される温度。
湿球温度
湿球温度とは、温度センサの感温部を水で湿らせた状態で測定される温度であり、水分の蒸発による冷却効果が反映された値である。空気中に水分が蒸発するとき、周囲から熱を奪う(気化熱)ため、センサの示す温度は乾球温度よりも低くなる。この温度低下の度合いは空気中の水分量に依存し、乾燥しているほど蒸発が進み、湿球温度は低下する。
逆に湿度が高い場合は蒸発しにくいため、湿球温度は乾球温度に近づく。したがって湿球温度は、空気中の“水分の状態(蒸発しやすさ)”を反映した温度として扱われる。
- ウイックによりセンサを湿潤状態にする(吸水・供給)
- 水分がセンサ表面から蒸発(周囲空気へ)
- 気化熱により温度が低下(蒸発冷却)
- 安定した温度として測定(湿球温度)
- 乾球温度との差を取得(湿度算出へ)
湿球温度=「蒸発によって下がった温度」
- 目的・関連試験等
-
- 恒温恒湿試験 → 乾球・湿球温度差から湿度制御
- THB試験 → 長期湿度条件の管理
- 湿度制御機構(旧来方式) → 乾湿球法による湿度測定
- 具体例
-
- 乾球 30℃ / 湿球 25℃ → 乾湿差 5℃ → 低湿度
- 乾球 30℃ / 湿球 29℃ → 乾湿差 1℃ → 高湿度
- 湿球温度が乾球に近い → 蒸発しない=高湿
- 関連用語
-
- 乾球温度
- ウイック
- 相対湿度
- 乾湿球法
- 関連ページ
湿度ストレス Humidity Stress
空気中の水分(湿度)によって引き起こされる材料や電気特性への影響。
湿度ストレス
湿度ストレスとは、環境中に存在する水分(水蒸気)が材料や電子部品に作用し、劣化や特性変化を引き起こす環境負荷である。水分は単独でも影響を与えるが、特に以下と組み合わさることで強い劣化を引き起こす。
- 不純物(イオン)
- 金属表面
- 電界
その結果、電子機器では次のような問題が発生する。
- 絶縁低下(表面絶縁抵抗(SIR)低下)
- イオンマイグレーション
- 腐食(電気化学反応)
- 加水分解(材料劣化)
単なる水分ではなく“反応の媒体”になることが重要。
- 湿度(空気中の水分)
- 材料表面への吸着・吸湿
- 水膜形成(電解質化)
- 化学・電気化学反応
- 劣化(腐食・絶縁低下など)
水分が介在することで化学・電気化学反応を引き起こす環境ストレス。湿度はほぼすべての環境試験に関与する。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(温度+湿度+電圧) → マイグレーション評価
- HAST試験(高温高湿(加速)) → 短期間で劣化再現
- 温湿度サイクル試験(呼吸作用+結露) → 実環境再現
- 具体例
-
- 基板表面の絶縁低下(表面絶縁抵抗(SIR)低下)
- デンドライト形成(マイグレーション)
- コネクタ腐食
- 樹脂の加水分解
- 関連用語
-
- イオンマイグレーション
- 加水分解
- 結露
- 不純物付着
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- 関連ページ
摺動部品 Sliding Component
接触した状態で相対的に滑る動きをする部品。
摺動部品
摺動部品とは、他の部品と接触した状態で相対的に滑る(すべる)動きを伴う部品を指す。回転や直線運動の中でも、接触面同士が摩擦を伴いながら動く点が特徴であり、この摩擦によって摩耗や劣化が発生する。電子機器や機構部品では、摺動部品は以下のような問題の起点となる。
- 摩耗(Wear)
- 接触抵抗変動(電気接点)
- 粉塵発生
- 潤滑劣化
接触しながら動くため、摩擦と劣化が必ず発生する部品。
- 接触状態
- 相対運動(滑り)
- 摩擦発生
- 摩耗・発熱
- 性能劣化
寿命試験と強く結びつき、接触しながら相対運動することで摩耗・劣化が発生する部品
- 目的・関連試験等
-
- 耐久性試験(Durability Test) → 繰り返し動作による摩耗評価
- 摩耗試験(Wear Test) → 材料劣化の評価
- 振動試験 → 接触状態変動
- 具体例
-
- コネクタ接点(摺動接点)
- スイッチ接点
- 可動端子
- モータ部のブラシ
- ガイド機構
- 関連用語
-
- 摩耗
- 摩擦
- 接触抵抗
- 耐久性試験
- コネクタ
- 関連ページ
寿命分布 Lifetime Distribution
製品や部品の寿命(故障までの時間)のばらつきを統計的に表した分布。
寿命分布
寿命分布とは、複数の同一製品における「故障までの時間(寿命)」を統計的に表現したものであり、製品の信頼性特性を理解するための基本概念である。実際の製品はすべて同じタイミングで壊れるわけではなく、ばらつきを持って故障するため、その分布をモデル化することで、故障率や信頼性を定量的に評価できる。代表的な寿命分布には以下がある。
- 指数分布(Exponential Distribution)
- ワイブル分布(Weibull Distribution)
- 正規分布(Normal Distribution)
いつ壊れるかの“ばらつきの形”。
- 個体ごとに寿命が違う
- ばらつきとして分布する
- 統計モデルで表現
寿命分布は製品の故障時期のばらつきを統計的に表す信頼性評価の基盤概念。
- 目的・関連試験等
-
- 故障率(Failure Rate)
- 信頼度(Reliability Function)
- MTBF / MTTF
- 具体例
-
- MLCC → クラック進展寿命のばらつき
- コネクタ → 接触劣化寿命の分布
- 半導体 → 故障発生時間のばらつき
- 関連用語
-
- 故障率
- 信頼性
- ワイブル分布
- 平均寿命
- 残存寿命推定
- 関連ページ
寿命予測 Life Prediction
試験データやモデルを用いて、製品がどれくらいの期間使用できるかを推定する手法。
寿命予測
寿命予測とは、短期間の信頼性試験データから、実使用環境での寿命を推定する技術を指す。実際の寿命(数年〜十数年)を試験だけで直接確認することは困難なため、加速試験+理論モデルで推定する主な寿命予測モデルは下記。
- アレニウスモデル(Arrhenius) → 温度依存の劣化
- コフィン・マンソン則(Coffin-Manson) → 繰り返しひずみ(疲労)
- ブラックの式(Black's Equation) → エレクトロマイグレーション
- 電界モデル(TDDBなど) → 電気ストレス
ビジネスに直結する重要な理由は下記。
- 設計寿命を決める → 5年?10年?
- 保証年数の根拠 → メーカー保証
- 安全マージン判断 → 余裕設計
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱疲労寿命
- HAST → 絶縁寿命
- HTOL → 電気ストレス寿命
- 具体例
-
- 温度サイクル500回 → 5年寿命推定
- HAST100時間 → 10年絶縁寿命
- 高温動作 → クリープ寿命短縮
- 関連用語
-
- 信頼性試験
- 温度サイクル試験
- HAST
- 熱疲労
- CTE
- TDDB
- CAF
- MTTF
- MTBF
- 関連ページ
衝撃 Shock
非常に短時間に大きな力や加速度が作用する現象。
衝撃
衝撃とは、物体に対して極めて短時間で急激な力や加速度が作用する現象を指す。通常の荷重や振動と異なり、衝撃は瞬間的に非常に大きな応力を発生させるため、材料や構造に急激な変形や破壊を引き起こす特徴を持つ。電子機器では、衝撃により以下の問題が発生する。
- 部品の破損・脱落
- 基板の瞬間的たわみ
- MLCCクラック
- 接触不良
一瞬で大きな力が入る現象。
- 外部から急激な力
- 瞬間的な加速度(高G)
- 応力集中
- 変形・破壊
短時間に大きな力が作用し、材料や構造に瞬間的な損傷を与える現象で、製品の耐衝撃性の評価に直結する。
- 目的・関連試験等
-
- 衝撃試験(Shock Test) → 規定波形での加速度付与
- 落下試験(Drop Test) → 実使用での衝撃再現
- 具体例
-
- スマートフォンの落下衝撃
- 輸送中の衝撃
- 車載機器の突発加速度
- コネクタの瞬間接触不良
- 関連用語
-
- 落下衝撃
- 振動
- 荷重応力
- 繰り返し応力
- フレックスクラック
- 関連ページ
初期故障 Early Failure / Infant Mortality
製品の使用開始直後に発生する、製造不良や初期欠陥による故障。
初期故障
初期故障とは、製品の使用開始直後から比較的短期間に集中して発生する故障であり、主に製造時に内在する欠陥やばらつきが原因となる。これらの欠陥は通常の使用条件ではすぐに顕在化しない場合もあるが、通電や環境ストレスにより短時間で故障として表れる。はんだ不良、微小クラック、異物混入、接合不良などが典型例である。バーンイン試験は、この初期故障を出荷前に顕在化させて除去することを目的とする。
- 製造ばらつきや潜在欠陥が存在する
- 製品が使用開始される
- 電気・温度などのストレスが加わる
- 欠陥部に応力・劣化が集中する
- 短時間で故障が顕在化する
- 初期故障として発生する
潜在欠陥がすぐ表に出る。
- 目的・関連試験等
-
- バーンイン(初期故障の除去)
- 初期不良率評価(品質確認)
- 信頼性試験(バスタブ曲線の初期領域)
- 具体例
-
- はんだ未接合による導通不良
- 製造欠陥による早期断線
- 内部欠陥による短時間での故障
- 接触不良の早期顕在化
- 関連用語
-
- バーンイン
- 故障モード
- 劣化
- 偶発故障
- 摩耗故障
- 関連ページ
シロキサンガス Siloxane
揮発して気体中に存在するシロキサン化合物で、接点や表面を汚染する原因となる物質。
シロキサンガス
シロキサンとは、Si–O(ケイ素–酸素)結合を持つ有機ケイ素化合物の総称であり、主にシリコーン材料(ゴム、接着剤、コーティングなど)から揮発してガス状として存在する。このガスが電子機器内に存在すると、特に接点や導電部に以下の影響を与える。
- 表面に絶縁性の膜を形成
- 接触抵抗の増加
- 接点不良の発生
特に微小電流・低電圧の回路では影響が顕著である。
- シリコーン材料
- (揮発)
- シロキサンガス発生
- 表面に付着・吸着
- 酸化・分解反応
- 絶縁性皮膜形成
- 接触抵抗増加・接点不良
シロキサンは、揮発した有機シリコン化合物が表面に絶縁膜を形成し、接点不良を引き起こすガス起因汚染。ガスとして存在し、表面に絶縁膜を作る汚染物質。外部だけでなく“内部発生”するガスという点が特殊。
- 目的・関連試験等
-
- ガス環境試験(ガスストレスの一種として扱う) → 接点腐食・被膜形成評価
- 高温試験 → 揮発・分解が加速、汚染促進
- 密閉環境評価 → 呼吸作用+内部発生、ガス蓄積
- 具体例
-
- シリコーン接着剤 → 放出されたシロキサン → 接点被膜形成
- リレー接点の接触不良
- コネクタの抵抗上昇
- 微小信号系の誤動作
- 関連用語
-
- ガスストレス
- コネクタ
- 接触抵抗
- 酸化膜形成
- 不純物付着
- 関連ページ
振動 Vibration
時間とともに周期的に揺れ動く運動、およびそれにより材料や部品に作用する変動応力。
振動
振動とは、物体がある基準位置を中心として周期的に往復運動を行う現象であり、この運動により材料や部品に繰り返し応力(Cyclic Stress)が作用する。電子機器においては、振動が発生すると部品や基板に継続的な負荷がかかり、内部に損傷が蓄積していく。これにより最終的に疲労破壊や接触不良などの不具合が発生する。振動は以下の要因で発生する。
- 車両走行
- モータ・ファンの回転
- 外部衝撃の継続作用
周期的運動によって繰り返し応力を生じさせ、疲労劣化を引き起こす物理現象。衝撃は一発で壊すが、振動は繰り返しで壊す。
- 外乱(回転・移動・衝撃)
- 物体の周期運動
- 繰り返し応力発生
- 損傷蓄積
- 疲労破壊
- 目的・関連試験等
-
- 正弦波振動試験→ 周波数・加速度を制御して再現
- ランダム振動試験 → 実環境に近い振動再現
- 具体例
-
- 車載基板の振動 → はんだ疲労
- コネクタ接点 → 瞬断・接触不良
- MLCC → クラック進展
- 摺動部品 → 摩耗進行
- 関連用語
-
- 繰り返し応力
- 疲労
- 衝撃
- 耐久性試験
- コネクタ
- 関連ページ
信頼性 Reliability
製品が一定の条件下で、一定期間、正常に機能し続ける能力。
信頼性
信頼性とは、製品や部品が規定された使用条件および環境下において、一定期間にわたり、要求された機能や性能を正常に維持できる能力を示す概念である。信頼性は単に「壊れない」ことではなく、時間・環境・使用条件を含めて評価される。温度、湿度、電圧、応力などの影響を受けながらも、劣化を抑え、故障に至らないことが求められる。そのため信頼性は、材料特性、設計、製造品質、使用環境すべてが関係する総合的な指標であり、各種試験(HTOL、THB、バーンインなど)によって評価される。
- 製品が設計・製造される
- 使用環境(温度・湿度・電気・応力)が作用する
- 材料・構造に劣化が発生する
- 劣化が時間とともに進行する
- 機能維持が可能かどうかが問われる
- 故障せず維持できれば高信頼性となる
決められた条件で、決められた時間、ちゃんと動き続けられるか。
- 目的・関連試験等
-
- 時間(どれだけ長く持つか)
- 環境条件(どんな条件で使うか)
- 機能(何を維持すべきか)
- 故障率(壊れる確率)
- 具体例
-
- 1000時間動作しても故障しない
- 高温環境でも性能が維持される
- 湿度環境でも絶縁が維持される
- 電圧ストレス下でも劣化しない
- 関連用語
-
- 故障率
- バスタブカーブ
- ワイブル分布
- 劣化
- 故障モード
- 関連ページ
信頼性試験 Reliability Test
製品が所定の条件下で所定期間、正常に機能し続ける能力を評価する試験。
信頼性試験
信頼性試験とは、製品や部品が使用環境において一定期間故障せずに機能するか、その信頼性(Reliability)を評価するための試験である。単一の性能評価ではなく、時間軸を含めた“劣化と故障の挙動”を確認する点が特徴であり、実使用環境または加速条件により実施される。評価内容には以下が含まれる。
- 故障の発生有無
- 故障率(Failure Rate)
- 劣化挙動(Degradation)
- 寿命(Lifetime)
どれくらい長く正常に動き続けるかを確認する試験。「試験」+「時間」+「故障」の3つが揃う。
- 製品に環境ストレス(温度・湿度・電圧・応力)を与える
- 材料や構造に劣化が発生する
- 劣化が時間とともに進行する
- クラック・腐食・マイグレーションなどが発生する
- 特性変化や故障が発生する
- 故障モードや故障率を評価する
- 信頼性を判定する
主な信頼性試験の種類は下記。
- 環境系 → THB試験、HAST試験、高温試験
- 機械系 → 振動試験、衝撃試験、落下試験
- 寿命系 → 耐久性試験、寿命試験、繰返し試験
信頼性試験はこれらすべての“総称”。
信頼性試験は各フェーズに対応。
- 初期故障 → HASS / バーンイン
- 偶発故障 → 耐久性試験/MTTF
- 摩耗故障 → 加速試験/寿命試験
どの故障を見たいか”で試験が決まる。
信頼性試験は未来の故障を先に起こす試験。壊して初めて分かるのが信頼性。製品が一定期間正常に機能し続ける能力を評価するための総合試験。
- 目的・関連試験等
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- HTOL(高温動作寿命試験)
- THB(高温高湿バイアス試験)
- HAST(高加速ストレス試験)
- 温度サイクル試験
- 振動試験
- 落下試験
- 具体例
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- 高温で動作させたときの寿命確認
- 湿度環境での絶縁劣化評価
- 温度変化による疲労・クラック評価
- 振動による接触不良評価
- 関連用語
-
- 信頼性
- 劣化
- 故障モード
- バスタブカーブ
- ワイブル分布
- 関連ページ
信頼度 Reliability
ある期間中に故障せず正常に動作し続ける確率。
信頼度
信頼度とは、製品や部品が指定された条件下において、ある時間まで故障せずに正常に動作し続ける確率を表す指標である。通常、0〜1(または0〜100%)で表され、時間の経過とともに低下する。例えば「1000時間後の信頼度0.99」とは、1000時間後に99%の確率で故障していないことを意味する。信頼性が概念であるのに対し、信頼度はそれを数値として表したものであり、ワイブル分布などの統計モデルによって評価される。
- 製品が使用される
- 時間とともに劣化が進行する
- 一部が故障する
- 残りの正常動作品の割合が減少する
- 故障していない割合が信頼度として表される
どれくらいの確率で壊れずに動いているか。一定時間内に製品が故障せずに正常動作している確率を表す数値指標。通常は時間の関数として扱われ、以下のように表現される。
- R(t) → 時間 t まで正常に動作している確率
信頼度は「壊れていない割合」を意味し、時間が経過するにつれて一般的に低下していく。
- 時間が進む
- 故障が発生する
- 残っている(正常な)割合
- 信頼度 R(t)
まだ壊れていない確率。故障率は壊れる頻度、信頼度は壊れていない割合。つまり、信頼度は故障の逆側の指標。寿命分布(分布の形)から導かれ、その積分結果が信頼度。
- 目的・関連試験等
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- 時間の関数(R(t)で表される)
- 時間とともに減少する
- 確率として定量化される
- 具体例
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- R(1000h) = 0.99 → 1000時間後も99%が正常
- R(0) = 1 → 初期状態はすべて正常
- 100時間後の信頼度 0.999
- 1000時間後の信頼度 0.99
- 10000時間後の信頼度 0.9
- 関連用語
-
- 信頼性
- 故障率
- ワイブル分布
- バスタブカーブ
- 関連ページ
隙間腐食 Crevice Corrosion
狭い隙間部において局所的に腐食が進行する現象。
隙間腐食
隙間腐食とは、部品同士の接触部やガスケット、コネクタ、ねじ接合部などの**狭い隙間(クレビス)**において局所的に腐食が進行する現象である。隙間内部は外部と比べて以下の環境差が生じる。
- 酸素濃度の低下
- イオンの濃縮
- pH変化
この結果、隙間内外で電位差が生じ、電気化学的腐食が加速する。
- 隙間構造の存在
- 酸素供給不足(内部)
- 外部との濃度差発生
- 電位差形成
- 局所電池反応
- 隙間内部で腐食進行
均一ではなく“ピンポイントで進む腐食”。閉じた隙間で環境差が生まれ、局所的に腐食が加速する現象。湿度+イオン環境で顕著に発生。
- 目的・関連試験等
-
- 湿度系試験(THB、HAST)(水分) → 電解質形成、腐食促進
- 塩水試験(塩分) → イオン濃縮、強く加速
- ガス腐食試験(腐食性ガス) → 化学反応促進
- 具体例
-
- コネクタ接触部の隙間腐食
- ネジ締結部の腐食
- ガスケット下の金属腐食
- シールド部の接触部腐食
- 関連用語
-
- 腐食
- 孔食
- 酸化
- ガスストレス
- 湿度ストレス
- 関連ページ
スクリーニング Screening
不良や潜在欠陥を早期に除去するために行う選別試験。
スクリーニング
スクリーニングとは、主に半導体の検査工程で行われることが多い手法であり、製品出荷前または工程中において、初期不良や潜在的な欠陥を持つ個体を検出・除去するために実施される試験・処理を指す。信頼性試験が「評価」を目的とするのに対し、スクリーニングは 「不良品を取り除くこと」が目的である。主に以下の考え方に基づいて実施される。
- 初期故障(Early Failure)を意図的に発生させる
- 弱い個体をふるい落とす
- 良品のみを残す
壊れやすい個体を事前に炙り出して除去する工程。
- 製品(ロット)
- ストレス付与(温度・振動など)
- 弱い個体が故障
- 不良品を除去
- 良品のみ出荷
初期不良や潜在欠陥を意図的に顕在化させ、除去するための選別工程。
- 目的・関連試験等
-
- バーンイン(Burn-in) → 高温・通電で初期不良を発生
- 振動スクリーニング → 機械的弱点の抽出
- 温度サイクル → 接合不良の顕在化
- 外観・電気検査 → 明確な不良の除去
- 具体例
-
- 半導体のバーンインで初期不良除去
- コネクタの接触不良の事前排除
- はんだ不良の早期顕在化
- MLCCの初期クラック検出
- 関連用語
-
- 初期故障
- 信頼性試験
- バーンイン
- 故障解析
- 関連ページ
錫めっき Tin Plating
金属部品の表面に錫(Sn)を被覆し、導電性やはんだ付け性を向上させるめっき処理。
錫めっき
錫めっきとは、銅や鉄などの金属部品の表面に錫(Sn)を電気めっきなどで被覆する表面処理である。主な目的は、導電性の確保、はんだ付け性の向上、防食性の付与であり、電子部品の端子やリード、コネクタ接点などに広く用いられる。
- 金属部品(母材)
- 錫めっき処理
- 表面に錫層形成
- 内部応力・拡散発生
- ウィスカ・IMC成長
一方で、めっき層内部に発生する圧縮応力や、母材との拡散によるIMC形成により、ウィスカの発生や接合劣化などの信頼性問題の起点となる場合がある。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(膨張差 → 接合劣化)
- 高温保存試験(拡散 → IMC成長)
- HAST / THB(湿度+電界 → 腐食・絶縁劣化)
- 具体例
-
- 錫めっき表面のウィスカ発生による短絡
- はんだ接合部のIMC成長によるクラック
- 湿度環境での腐食による接触不良
- めっき内部応力による表面亀裂・剥離
- 関連用語
-
- ウィスカ
- IMC
- 圧縮応力
- 鉛フリーはんだ
- 関連ページ
錫ウィスカ Tin Whisker
錫めっき表面から自然に成長する針状の金属結晶で、短絡(ショート)の原因となる現象。
錫ウィスカ
錫ウィスカとは、錫めっきの表面から自発的に成長する微細な針状金属結晶のこと。外部要因がなくても発生する可能性がある。長く成長すると隣接する導体に接触し、電気的ショートを引き起こす。
- 数μm〜数mmまで成長
- 隣の端子に接触 → 短絡
突然故障の原因(潜在リスク)。
- 錫めっき(内部応力あり)
- 圧縮応力蓄積
- 応力緩和(原子移動)
- 表面から突出
- ウィスカ成長
圧縮応力を逃がすために金属が外に伸びる現象。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(熱応力 → 成長促進)
- 高温保存試験(拡散 → 応力変化)
- 湿度試験(腐食 → 応力変化)
- 具体例
-
- 錫ウィスカの成長による隣接端子間の短絡
- 微細ピッチ配線でのリーク電流発生
- 長期使用中の突発的な電気的ショート
- 振動や衝撃で折れたウィスカによる二次短絡
- 関連用語
-
- 錫めっき
- 圧縮応力
- IMC
- 関連ページ
正規分布 Normal Distribution
平均値を中心に左右対称の形でばらつく確率分布。
正規分布
正規分布とは、データが平均値(平均)を中心として左右対称に分布する確率分布であり、「ガウス分布(Gaussian Distribution)」とも呼ばれる。分布の形は“ベル型”をしており、以下の特徴を持つ。
- 平均値付近にデータが集中
- 平均から離れるほど出現頻度が低下
- 左右対称
この分布は自然界や測定誤差など、多くの現象で現れる基本的な統計分布である。中央に集まり、端が少なくなる“典型的なばらつき”。数学的な特徴はは下記。
- 平均(Mean):μ
- 標準偏差(Standard Deviation):σ
分布はこの2つで決まる。ほとんどのデータは平均付近に集中する。
信頼性との関係において、正規分布は以下に使われる。
- 寸法ばらつき
- 特性ばらつき(抵抗値・容量など)
- 測定誤差
ただし、寿命分布では「0未満が存在しない」「左右対称にならない」ことからあまり使われず、ワイブル分布や指数分布が主役となっている。
- 目的・関連試験等
-
- 平均値を中心に対称
- ばらつきは標準偏差で表される
- 外れ値は少ない
- 具体例
-
- 部品寸法のばらつき
- 抵抗値のばらつき
- 加工精度の分布
- 測定誤差の分布
- 関連用語
-
- 標準偏差
- 平均値
- ワイブル分布
- 関連ページ
静電破壊 Electrostatic Discharge Damage(ESD Damage)
静電気の放電によって素子や回路が損傷・破壊される現象。
静電破壊
静電破壊とは、人体や物体に蓄積された静電気が電子部品へ放電(ESD:Electrostatic Discharge)することで、素子内部に過電圧・過電流が発生し、回路や構造が損傷する現象である。放電は非常に短時間(ナノ秒レベル)で発生するが、その電圧は数kV〜数十kVに達することがあり、半導体デバイスにとっては致命的となる。発生する損傷形態は下記。
- ゲート酸化膜破壊
- 接合破壊
- 配線溶断
- リーク電流増大
瞬間的な静電エネルギーで回路が焼損・破壊される現象。
- 静電気帯電
- 接触・近接
- 放電(ESD)
- 過電圧・過電流
- デバイス内部破壊
静電気放電が現象(放電そのもの)で、静電破壊が結果(壊れた状態)。
- 目的・関連試験等
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- ESD試験(Electrostatic Discharge Test)
- 人体モデル(HBM)
- 機器モデル(MM)
- システムレベル(IEC)
- 具体例
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- ICチップの故障
- 回路の突発的破壊
- 見た目異常なしの潜在不良(ラッチアップのトリガ)
- 出荷後の突発故障(偶発故障の一因)
- 関連用語
-
- 静電気放電(ESD)
- 偶発故障
- 故障解析
- 信頼性試験
- 関連ページ
積層セラミックコンデンサ Multilayer Ceramic Capacitor(MLCC)
セラミック誘電体と内部電極を多層に積層した小型・高容量のコンデンサ。
積層セラミックコンデンサ
MLCCとは、セラミック誘電体と金属電極を交互に積層した構造を持つコンデンサであり、小型・大容量・高信頼性を特徴とする電子部品である。内部は多数のセラミック層と電極層が積み重なった構造となっており、電極端子を通じて回路に接続される。サイズの小型化と高容量化が可能なため、スマートフォンや車載機器など幅広い用途で使用されている。一方で、セラミックは脆性材料であるため、曲げ応力や熱応力に弱く、基板のたわみや熱サイクルによりクラックが発生しやすい。
- 小型・高容量
- 低ESR(低損失)
- 高周波特性良好
一方で、セラミック特有の脆性(割れやすさ)を持つため、機械ストレスや温度変化に対して弱いという側面もある。薄いセラミックを積み重ねた“壊れやすい精密構造”。
- セラミック誘電体層
- 内部電極(Niなど)
- 多層積層構造
- 外部電極(端子)
- 基板への実装
多数の微小コンデンサが並列接続された形。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱膨張差による内部クラック
- 曲げ試験(基板フレックス) → セラミック割れ
- 温湿度試験(THB・HAST) → 絶縁劣化・内部腐食
- 振動・衝撃試験 → 破損・接合不良
- 具体例
-
- 基板曲げによるセラミッククラック
- 熱サイクルによる内部クラック進展
- クラック起点の短絡
- 端子部からの割れによる導通不良
- 関連用語
-
- クラック
- 曲げ応力
- 熱サイクル
- 応力集中
- 絶縁破壊
- 関連ページ
絶縁抵抗 Insulation Resistance
絶縁体に電圧を印加したときに流れる漏れ電流から求められる抵抗値。
絶縁抵抗
絶縁抵抗とは、絶縁材料や回路間に電圧を印加した際に流れる微小な漏れ電流に対する抵抗値であり、絶縁性能を定量的に評価する指標である。一般にオーム(Ω)で表され、値が高いほど電流が流れにくく、絶縁状態が良好であることを示す。湿度の影響や汚染、経年劣化により絶縁抵抗は低下し、最終的に絶縁不良や短絡に至る。値が大きいほど絶縁性は良好。単位はΩ(オーム)でMΩ / GΩ で表すことが多く、値が大きいほど良い。
- 電圧印加
- 微小電流(漏れ電流)発生
- 電流値測定
- 抵抗値算出
- 絶縁抵抗として評価
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → 絶縁低下)
- HAST(高温高湿 → 劣化加速)
- 耐圧試験(高電圧 → 絶縁破壊確認)
- 具体例
-
- 基板吸湿による絶縁抵抗低下からのリーク電流発生
- 配線間の絶縁低下による誤動作
- 汚染物付着による絶縁不良・短絡
- マイグレーション進行による抵抗低下
- 関連用語
-
- 電界強度
- 電気ストレス
- 絶縁劣化
- トラッキング
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
絶縁不良・短絡 Insulation Failure / Short Circuit
絶縁性能の低下または喪失により、意図しない電流経路が形成される故障。
絶縁不良・短絡
絶縁不良とは、本来電気的に絶縁されているべき箇所で絶縁性能が低下し、漏れ電流や不安定な伝導が発生する状態を指す。これが進行すると、導電経路が形成され、最終的に短絡(Short Circuit)、すなわち電極間が低抵抗で直接接続される状態に至る。電子機器ではこの2つは連続した劣化過程として現れることが多い。
- 絶縁低下
- 漏れ電流
- 樹枝状導電体(デンドライトなど)
- 短絡
本来流れない電流が流れるようになる故障で、絶縁不良は途中状態、短絡は最終破壊。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧) → イオンマイグレーション、絶縁不良、短絡
- HAST試験(高温高湿) → 劣化加速
- 汚染+湿度条件 → 絶縁低下が顕著
- 具体例
-
- 基板表面 → 表面絶縁抵抗(SIR)低下 → 短絡
- MLCC内部 → クラック部から漏電 → 短絡
- デンドライト成長 → 電極間ブリッジ
- コネクタ汚染 → 導通異常
- 関連用語
-
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- イオンマイグレーション
- 不純物付着
- 湿度ストレス
- デンドライト
- 関連ページ
絶縁劣化 Insulation Degradation
絶縁性能が徐々に低下していく現象。
絶縁劣化
絶縁劣化とは、本来電気的に絶縁されている材料や構造が、環境ストレスや時間の経過によって徐々に絶縁性能を失っていく現象を指す。この劣化は急激に発生するものではなく、以下のような要因によって段階的に進行する。
- 湿度(吸湿・水膜形成)
- 不純物付着(イオン汚染)
- 電界(電圧印加)
- 温度(反応加速)
代表的なメカニズムは下記。
- イオンマイグレーション
- 腐食
- 加水分解
絶縁が“少しずつ弱くなっていく過程”で、時間依存で進行する“劣化過程”。
- 環境ストレス(湿度・汚染・電圧)
- 吸湿・電解質形成
- 電気化学反応
- 絶縁性能低下(表面絶縁抵抗(SIR)低下)
- 絶縁劣化
SIRは電圧印加時の漏れ電流から求められる抵抗値であり、絶縁性能の良否を評価する基本指標。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧) → マイグレーション、絶縁劣化
- HAST試験(高温高湿) → 劣化加速
- 汚染試験+湿度 → 絶縁低下顕在化
- 具体例
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- 基板表面の表面絶縁抵抗(SIR)低下
- デンドライト形成前の状態
- 樹脂絶縁材の劣化
- コーティング劣化による絶縁低下
- 関連用語
-
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- イオンマイグレーション
- 不純物付着
- 湿度ストレス
- 絶縁不良・短絡
- 関連ページ
接触抵抗 Contact Resistance
導体同士の接触部分に電流を流したときに生じる抵抗値。
接触抵抗
接触抵抗とは、2つの導体(例:端子・はんだ接合部)が接触している部分において、理想的な導通ではなく、微小な抵抗が発生する現象を指す。完全に接触しているように見えても、実際には表面粗さや酸化膜、汚染物の影響で接触面積が限定されるため抵抗が生じる。
- 表面の凹凸
- 酸化膜
- 汚れ
接点での電気の通りにくさ。
- 目的・関連試験等
-
- 振動試験(微小摺動 → 接触不安定)
- 温度サイクル試験(変形 → 接触変化)
- 環境試験(腐食・汚染 → 抵抗増加)
- 具体例
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- コネクタ接点の摩耗による接触抵抗増加
- 腐食による接点の導通不良
- 振動環境での断続接触による信号異常
- 汚染物付着による接触不良
- 関連用語
-
- 絶縁抵抗
- 摩耗
- 酸化膜
- 接触不良
- 関連ページ
絶対湿度 Absolute Humidity
空気中に実際に含まれている水蒸気の量を示す物理量。
絶対湿度
絶対湿度とは、空気中に含まれる水蒸気の質量を一定体積あたりで表したものであり、単位体積中にどれだけの水分が存在するかを示す指標である。一般に g/m³(グラム毎立方メートル)で表され、温度に依存せず水分量そのものを直接示す点が特徴である。相対湿度が「割合」であるのに対し、絶対湿度は「実量」であり、温度変化の影響を受けずに水分の多少を比較できる。そのため、環境条件の正確な把握や、結露・乾燥現象の理解において重要な指標となる。算出イメージは以下。
- 空気中の水蒸気量を把握(実際に含まれる水分)
- 空気の体積で割る
- 単位体積あたりの水分量として表現(g/m³)
絶対湿度 = 水分の「量そのもの」
- 目的・関連試験等
-
- 結露評価 → 露点との関係で水分量を把握
- 温度変化試験 → 同じ水分量でも温度により相対湿度が変化
- 密閉空間評価 → 内部に保持されている水分総量の評価
- 具体例
-
- 1m³の空気中に10gの水蒸気 → 絶対湿度10g/m³
- 同じ絶対湿度でも
低温 → 高湿(結露しやすい)
高温 → 低湿(乾燥状態) - 密閉筐体内 → 絶対湿度が高いと冷却時に結露発生
- 関連用語
-
- 相対湿度
- 露点温度
- 飽和水蒸気量
- 乾球温度
- 関連ページ
せん断応力 Shear Stress
物体内部で、面に沿ってずれる方向に分布する力を単位面積あたりで表した値。
せん断応力
せん断応力とは、物体に外力が加わったときに、内部の面に沿って平行方向にずれるように発生する力の分布状態を表す物理量である。単位はPa(N/m²)で表され、同じ条件でも力が作用する面積が小さいほど値は大きくなる。このせん断応力が材料や接合部の強度を超えると、すべり、剥離、破断といった破壊が発生する。
せん断応力 = せん断力 ÷ 面積
単位はPa(パスカル)。
- 外力・変形
- 内部に力が分布
- 面に沿ったずれ発生
- せん断応力
- 応力集中
- 破断・剥離
内部でずれを起こす力の強さ(密度)。物体内部で面に沿ってずれる方向に分布する力を単位面積あたりで表した、破壊の直接原因となる物理量。
- 目的・関連試験等
-
- せん断試験(界面応力 → 破断)
- 温度サイクル試験(膨張差 → せん断応力)
- 曲げ試験(変形 → 接合部応力)
- 具体例
-
- はんだ接合部のせん断応力による破断
- 接着界面のずれによる剥離
- 基板と部品の膨張差によるクラック発生
- 微細接合部での応力集中による破壊
- 関連用語
-
- せん断力
- 引張応力
- 圧縮応力
- 応力集中
- 関連ページ
せん断力 Shear Force
物体を面に沿って平行方向にずらそうとする外部からの力。
せん断力
せん断力とは、物体や接合部に対して外部から加えられ、接触面や内部の面に沿って平行方向にすべるように作用する力である。単位はN(ニュートン)で表され、この力が作用すると物体内部にはせん断応力が発生する。主に接合部や界面で重要となり、この力が大きくなるとすべり、剥離、破断といった現象が発生する。
- 外力(押す・引く・変形)
- 面に平行な力として作用
- せん断力
- 内部にせん断応力発生
- すべり・破断
外から横にずらす力。物体を面に沿って平行方向にずらそうとする外部からの力であり、内部にせん断応力を生じさせる原因となる。
- 目的・関連試験等
-
- せん断試験(外力 → 接合破断)
- 落下試験(衝撃 → 局所的せん断力)
- 振動試験(繰り返し力 → 接合劣化)
- 具体例
-
- はんだ接合部に加わるせん断力による破断
- コネクタ端子のずれによる接触不良
- 接着界面に加わる力による剥離
- 落下衝撃による部品の横ずれ破壊
- 関連用語
-
- せん断応力
- 引張力
- 圧縮力
- 応力
- 関連ページ
線膨張係数 Coefficient of Thermal Expansion(CTE)
温度変化に対する材料の長さの変化量(伸び縮みの割合)を示す物性値。
線膨張係数
線膨張係数(CTE)とは、材料が温度変化に伴ってどれだけ長さ方向に膨張・収縮するかを定量的に表した物性値である。温度が上昇すると材料内部の原子間距離が広がり膨張し、温度が低下すると収縮する。この変形量は材料ごとに異なり、その割合を示すのがCTEである。電子機器では、基板、はんだ、部品など異なる材料が組み合わされているため、温度変化時にそれぞれの材料で膨張・収縮量に差が生じる。この「CTE差」によって接合部や界面に応力が発生し、繰り返し作用することで疲労・クラック・剥離などの故障につながる。
- 温度が変化する(上昇または低下)
- 材料が膨張または収縮する
- 材料ごとに変形量が異なる(CTE差)
- 異材料間で変形差が発生する
- 接合部や界面に応力が発生する
- 応力が繰り返し作用する
- 疲労・クラック・剥離が進行する
温度でどれだけ伸びるかの違いが応力を生む。温度変化による材料の伸び縮みの割合を示し、その差が環境試験での応力・故障の主要因となる物性値。
- 目的・関連試験等
-
- 熱サイクル試験(CTE差による繰り返し応力で疲労・クラックを評価)
- 熱衝撃試験(急激な温度変化によるCTE差の応力破壊を評価)
- 低温試験/高温試験(膨張・収縮による特性変化や応力影響を確認)
- HAST・THB(吸湿膨張とCTE差が重なり応力を増幅)
- 具体例
-
- 基板と部品のCTE差によるはんだクラック
- 温度サイクルによる接合疲労破壊
- 樹脂と金属界面のデラミネーション
- 配線の断線
- 関連用語
-
- 熱サイクル
- 熱応力
- クラック
- 疲労
- デラミネーション
- 関連ページ
相対湿度 Relative Humidity
空気中に含まれる水分量が、その温度での飽和水分量に対してどの程度かを示す割合。
相対湿度
相対湿度とは、ある温度において空気中に実際に含まれている水蒸気量が、同じ温度で空気が保持できる最大水蒸気量(飽和水蒸気量)に対してどの程度であるかを示す指標で、百分率(%)で表される。同じ水分量であっても温度によって飽和水蒸気量は変化するため、相対湿度は温度に依存する値である。このため、湿度を扱う際には常に温度(乾球温度)とセットで管理される。環境試験においては、材料劣化や絶縁特性に大きく影響するため、温度と並ぶ主要な制御パラメータとなる。
- 乾球温度を測定(空気の基準温度)
- 湿球温度を測定(蒸発冷却を反映)
- 乾球−湿球の温度差を取得(蒸発量の指標)
- 湿度換算(湿度表または演算式を使用)
- 相対湿度として表現(%RH)(※エスペック製品仕様では%RHで表記)
温度差が小さい=高湿度
温度差が大きい=低湿度
相対湿度は「絶対量」ではないため、温度が変わると値も変わる。同じ水分量でも温度が上がれば相対湿度は下がり、温度が下がれば相対湿度は上がる。相対湿度は「乾球+湿球」から導かれる“結果”の値。
- 目的・関連試験等
-
- 恒温恒湿試験 → 温度・湿度の基本条件
- THB試験 → 高湿環境での電圧(バイアス)の配線腐食、リーク電流増加、イオンマイグレーション発生などの評価
- HAST試験 → 高温高湿環境での加速劣化評価
※これらの試験の湿度条件は、一般的に相対湿度(%RH)で規定される。
- 具体例
-
- 85℃/85%RH → 高温高湿の代表条件
- 25℃/50%RH → 一般環境
- 30℃/90%RH → 高湿(結露リスク高)
- 関連用語
-
- 乾球温度
- 湿球温度
- ウイック
- 飽和水蒸気量
- 露点温度
- 関連ページ
耐久性試験 Durability Test
繰り返しの使用や長期間の負荷に対する性能維持能力を評価する試験。
耐久性試験
耐久性試験とは、製品や部品に対して繰り返し動作や長時間の負荷を与え、その性能がどの程度維持されるか、またどのように劣化するかを評価する試験である。単一の環境条件を評価する試験(高温試験やTHB試験など)とは異なり、耐久性試験は実使用に近い条件で「どれだけ持つか(寿命)」を評価する試験という特徴がある。評価対象は下記。
- 気象環境耐久性
- 機械的耐久性
- 電気的安定性
- 接触信頼性
- 構造の疲労劣化
繰り返し使用や長時間負荷による劣化を評価し、製品の寿命や信頼性を確認する試験。使い続けたときに壊れないかを見る。
- 実使用に近い負荷設定(振動、温度変動、動作など)
- 繰り返しまたは長時間試験
- 劣化進行の観察
- 性能変化の測定
- 故障または限界の確認
- 目的・関連試験等
-
- 高温高湿→温度湿度耐久
- 温度サイクル → 試験熱疲労耐久
- 振動試験 → 機械耐久
- 繰り返し曲げ試験 → 曲げ疲労耐久
- 挿抜試験(コネクタ) → 接点耐久
- 具体例
-
- 高温寿命劣化
- コネクタの挿抜寿命試験
- 基板曲げの繰返し耐性評価
- 温度サイクルによるはんだ疲労
- 振動による接触不良評価
- 関連用語
-
- 耐候性
- 疲労
- 繰り返し応力
- クリープ
- 故障率
- 残存寿命推定
- 関連ページ
窒素ガス Nitrogen
化学的に安定で反応性が低く、酸化を抑制するために使用される不活性ガス。
窒素ガス
窒素ガス(N₂)は空気の約78%を占める主要成分であり、化学的に安定で反応性が非常に低い「不活性ガス」として扱われる。電子機器分野では、酸素による酸化や水分の影響を抑制する目的で利用されることが多い。
- 酸化防止(リフロー・はんだ付け)
- 保護雰囲気(保管・製造)
- 試験環境の制御
反応を起こさせないための保護ガス。ストレスではなく環境保護手段。
- 目的・関連試験等
-
- 窒素中高温試験 → 純粋な熱劣化のみ評価
- リフロー炉(N₂雰囲気) → はんだ酸化防止
- 具体例
-
- はんだ付け時の濡れ性向上
- 接点酸化防止
- 長期保管中の劣化抑制
- 高温試験での酸化除去条件
- 関連用語
-
- 酸化
- 酸化膜形成
- 不活性ガス
- ガスストレス
- 関連ページ
チップコンデンサ Chip Capacitor
表面実装用に小型チップ形状で作られたコンデンサの総称。
チップコンデンサ
チップコンデンサとは、プリント基板の表面に実装するために小型・平面形状(チップ形状)で製造されたコンデンサの総称である。この用語は非常に重要で、**特定の種類を指すのではなく「形状・実装形態による分類」**である点に注意が必要。チップコンデンサには複数の種類が含まれる。
- 積層セラミックコンデンサ(MLCC)
- タンタルコンデンサ
- アルミ電解コンデンサ(チップタイプ)
その中でも電子機器ではMLCCが圧倒的に主流。小型チップ形状のコンデンサの総称。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱膨張差による応力
- 曲げ試験 → 機械ストレスによる破損
- THB試験 → 絶縁劣化
- 具体例
-
- MLCC → フレックスクラック
- タンタル → 短絡・破壊
- 電解 → 容量低下・乾燥
- 関連用語
-
- MLCC
- フレックスクラック
- 機械ストレス
- 温度サイクル試験
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
低温試験 Low Temperature Test
低温環境に曝露し、材料や部品の動作・特性変化を評価する試験。
低温試験
低温試験とは、試料を低温環境に一定時間保持または動作させることで、低温条件下における性能・機能・信頼性を評価する試験である。高温試験が「劣化を加速する試験」であるのに対し、低温試験は「機能が維持できるかを確認する試験」という性格が強い。低温環境では以下の影響が顕著になる。
- 材料の脆化(硬くなる)
- 応力増大(収縮による)
- 潤滑性能の低下
- 電気特性の変動
寒い環境で正常に動くかを見る試験で、“壊すため”ではなく“動くか確認”する。
- 試料を低温環境に設定
- 一定時間保持 or 動作
- 特性・動作確認
- 性能変化評価
低温試験は温度下限側の性能確認であり、動作確認・脆性評価の位置づけ。
- 目的・関連試験等
-
- 低温試験
- 具体例
-
- 材料の脆化 → 割れやすくなる
- MLCC → 応力増加(収縮)
- コネクタ → 接触不安定
- 潤滑部 → 動作不良
- 関連用語
-
- 温度サイクル試験
- 熱膨張係数(CTE)
- クリープ※高温側
- 脆性
- 機械ストレス
- 関連ページ
低温脆性 Low-Temperature Brittleness
低温下で材料が硬くなり、衝撃や応力に対して割れやすくなる性質。
低温脆性
低温脆性とは、材料が低温環境にさらされることで延性(伸びやすさ)が失われ、脆くなり、破壊しやすくなる現象である。通常、金属や高分子材料は常温ではある程度の柔軟性を持つが、温度が低下すると分子や原子の運動が制限されるため、変形できずに割れるようになる。特に以下の特徴を持つ。
- 変形せずに突然破断(脆性破壊)
- 衝撃に弱くなる
- クラックが発生しやすい
冷えると“しならずにパキッと割れる”状態になり、“変形できない”ことが壊れる原因となる。
- 製品を低温環境に保持する
- 材料が収縮する
- 異材料間で収縮差が発生する
- 内部に応力が発生する
- 電気特性や機械特性が変化する
- 動作不良やクラックなどが発生する
- 低温環境での性能を評価する
寒くしてもちゃんと動くかを見る。
- 目的・関連試験等
-
- 低温動作試験(性能確認)
- 温度サイクル試験(低温側ストレス)
- 環境試験(極端条件評価)
- 具体例
-
- 基板収縮によるはんだクラック
- 樹脂の脆化による破損
- 接点収縮による接触不良
- 半導体特性変化による動作不安定
- 関連用語
-
- 温度サイクル試験
- 曲げ応力
- 線膨張係数(CTE)
- クラック
- 関連ページ
抵抗器 Resistor
電流を制御・制限するために用いられる電子部品。
抵抗器
抵抗器とは、電流の流れに対して抵抗を与えることで、電流値を調整したり電圧を分圧したりするために使用される電子部品である。電子回路において最も基本的な部品の一つであり、回路の安定動作や保護に不可欠である。用途は下記。
- 電流制限
- 電圧分割
- 負荷抵抗
- 信号調整
電気の流れをコントロールする部品で、電流を制御する基本電子部品であり、環境ストレスにより抵抗値変動や断線などの不具合が発生する。
- 目的・関連試験等
-
- 高温試験 → 抵抗値変化(ドリフト)、熱劣化
- 温度サイクル試験(膨張収縮) → クラック・剥離
- 湿度試験(THBなど) → 抵抗変化、絶縁劣化
- 振動・衝撃試験 → 端子破断、接続不良
- 具体例
-
- 抵抗値変化(ドリフト)
- オープン(断線)
- クラック
- ノイズ増加
- 湿度によるリーク
- 関連用語
-
- チップ抵抗器
- 温度係数
- 信頼性試験
- 熱劣化
- 絶縁劣化
- 関連ページ
定常状態 Steady State
時間が経過しても状態が変化しない安定した状態。
定常状態
定常状態とは、システムや対象物において、時間の経過に対して物理量(温度、電流、濃度など)が変化せず、一定の値を維持している状態を指す。試験や解析では、初期の過渡的な変化(立ち上がり)を経た後に到達する安定な状態として扱われる。
- 初期状態
- 変化(過渡状態)
- 定常状態(安定)
変化が止まって安定した状態。評価が意味を持つのは定常状態に達してから。
- 目的・関連試験等
-
- 高温試験(温度が安定、定常状態) → 劣化評価開始
- THB試験(温湿度安定) → マイグレーション評価
- 電気試験(電流・電圧安定) → 特性評価
- 具体例
-
- 熱(発熱 → 温度上昇 → 一定温度に到達) → 定常温度状態
- 電気(電圧印加 → 電流変動 → 安定) → 定常電流
- 関連用語
-
- 過渡現象
- 熱平衡
- 電界強度
- 電流密度
- 信頼性試験
- 関連ページ
デラミネーション Delamination
異なる材料の界面が剥離し、層が分離する現象。
デラミネーション
デラミネーションとは、異なる材料同士が接合されている界面において、接着力が低下し、層が分離する現象である。材料ごとに線膨張係数(CTE)やヤング率が異なるため、温度変化や吸湿によって変形差が生じ、その結果として界面にせん断応力や引張応力が発生する。この応力が接着強度を超えることで剥離が起きる。また、吸湿後の加熱では内部水分の膨張により界面に圧力が発生し、剥離がさらに進行する。
- 異なる材料(CTE差・剛性差)
- 温度変化・吸湿
- 変形差発生
- 界面応力発生
- 接着力低下
- 剥離(デラミネーション)
材料の違いで応力が生まれ、界面が剥がれる。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(CTE差 → 界面応力)
- HAST(吸湿 → 内部圧力)
- リフロー試験(加熱 → 蒸気膨張)
- 具体例
-
- ICパッケージ内部の界面剥離による導通不良
- 吸湿後リフローでのポップコーン破壊(内部剥離)
- 基板層間の剥離によるクラック進展
- チップと封止樹脂の界面剥離による信頼性低下
- 関連用語
-
- 線膨張係数(CTE)
- ヤング率
- せん断応力
- 吸湿率
- 関連ページ
電界強度 Electric Field Strength
単位長さあたりにかかる電圧を表す電界の強さ。
電界強度
電界強度とは、空間や材料中において電圧がどの程度の勾配で変化しているかを示す物理量であり、電圧差を距離で割った値として定義される。単位はV/mで表され、値が大きいほど電荷やイオンを強く駆動する力が働く。電子機器では、絶縁材料中や導体間に電界強度が発生し、これが高い場合、イオンマイグレーションや絶縁破壊などの劣化現象を引き起こす。
電界強度 E = 電圧 V ÷ 距離 d
単位は通常V/m(ボルト毎メートル)。電子機器では、電極間や配線間に電界が発生し、その強さによって材料内部や表面で様々な現象が発生する。電圧が同じでも距離が短いと電界強度は大きくなる。
- 電圧印加
- 空間・材料内に電位差
- 距離あたりに分布
- 電界強度
- 電荷・イオン移動
- 劣化・破壊
電界強度は、単位距離あたりの電圧として定義され、電気的劣化や絶縁破壊を引き起こす主要パラメータ。
- 目的・関連試験等
-
- 耐電圧試験(高電界 → 絶縁破壊確認)
- HAST(電界+湿度 → マイグレーション)
- THB試験(電圧印加 → 絶縁劣化)
- 具体例
-
- 高電界による絶縁破壊
- イオンマイグレーションによる短絡
- トラッキングによる導電パス形成
- 微細配線間でのリーク電流増加
- 関連用語
-
- 電圧
- 電流密度
- 絶縁抵抗
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
電解腐食 Electrochemical Corrosion
電解質中で電気化学反応(電極反応)によって進行する腐食。
電解腐食
電解腐食とは、水分や電解質が存在する環境において、金属表面で酸化還元反応(電気化学反応)が起こることで進行する腐食現象である。この現象は、電子の移動(電流)とイオンの移動が同時に起こることで成立し、単なる化学腐食とは異なり、電気的な要因が関与する腐食である点が重要である。特に電子機器では、以下の条件が揃うと発生しやすい。
- 水分(湿度)
- イオン(汚染)
- 電位差(電圧・電界)
水分・イオン・電位差によって進行する電気化学的腐食であり、環境試験で最も重要な劣化メカニズムの一つ。
- 湿度(水分)
- イオン(汚染)
- 電位差(電界)
- 電解質形成
- イオン移動
- 電極反応(酸化・還元)
- 腐食進行
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(温度+湿度+電圧) → 電解腐食 + マイグレーション
- HAST試験(高温高湿) → 腐食加速
- 塩水試験(電解質供給(イオン濃度↑)) → 腐食促進
- 具体例
-
- イオンマイグレーション
- デンドライト形成
- 金属溶出・析出
- 接点腐食
- 関連用語
-
- 腐食
- イオンマイグレーション
- 電界強度
- 湿度ストレス
- 不純物付着
- 関連ページ
電界モデル Electric Field Model
電界(電圧の強さ)によって絶縁劣化や破壊寿命を予測するモデル。
電界モデル
電界モデルとは、絶縁材料や半導体内部にかかる電界(電圧)が強くなるほど劣化が加速し、寿命が短くなる関係を表すモデルである。主に絶縁破壊(TDDB)やリーク増加の寿命予測に使用される。電界が強いほど絶縁は早く壊れる。
- 低電圧 → 長寿命
- 高電圧 → 短寿命
主な電界依存モデルは下記。
- 指数モデル(Exponential Model)
- パワーモデル(Power Law)
電解モデルの主ターゲットはTDDB(時間依存絶縁破壊)で、時間依存型の破壊(電界印加 → 絶縁内部にダメージ蓄積 → リーク増加 → 絶縁破壊)であり、IC内部の“見えない寿命”を決めている。電界がかかる試験は全部対象。
- MOSゲート酸化膜
- pn接合
- 絶縁層
実務でのステップは下記。
- 電圧条件設定
- 試験(HTOLなど)
- 劣化データ取得
- 電界モデル適用
- 寿命推定
- 目的・関連試験等
-
- HTOL(電界モデル適用) → 高温+電圧
- HAST(CAF+絶縁劣化) → 湿度+電圧
- 具体例
-
- ゲート電圧増加 → 寿命急減
- 高電圧回路 → 絶縁設計重要
- 微細化 → 電界集中増加
- 関連用語
-
- TDDB
- 電気ストレス
- リーク電流
- 絶縁抵抗
- HTOL
- HAST
- 加速試験
- アレニウス
- ブラック
- 寿命予測
- 関連ページ
電気ストレス Electrical Stress
電圧や電流によって材料や部品に与えられる電気的負荷。
電気ストレス
電気ストレスとは、電圧や電流の印加によって、材料や電子部品に作用する電気的な負荷を指す。このストレスは単独でも影響を与えるが、多くの場合は他の要因(湿度・温度・汚染など)と組み合わさることで、劣化や故障を引き起こす。代表的な影響は下記。
- 電界強度の増大
- 絶縁劣化の促進
- 電解腐食の加速
- イオンマイグレーションの駆動
- 絶縁破壊(ブレークダウン)
電気ストレスは多くの試験の構成要素であり、単独ではなく“他要因を動かす力”として働く。
- 電圧・電流印加
- 電界形成
- 電気的エネルギー作用
- 劣化反応(移動・腐食・破壊)
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(温度+湿度+電圧) → 電解腐食・マイグレーション
- HAST試験 → 電界+湿気で加速
- 絶縁試験(耐圧・表面絶縁抵抗(SIR)) → 電界影響の直接評価
- 具体例
-
- 高電圧 → 絶縁破壊
- 狭ピッチ回路 → 高電界 → マイグレーション
- 長時間通電 → 劣化進行
- コーティング欠陥 → 電界集中
- 関連用語
-
- 電界強度
- 電流密度
- 電解腐食
- イオンマイグレーション
- 絶縁劣化
- 絶縁破壊
- 関連ページ
電極材料 Electrode Material
電気を流すための電極部分に使用される材料。
電極材料
電極材料とは、電子部品や回路において電流の流入・流出を担う電極部分に使用される材料を指す。電極は電気信号や電力の伝達に直接関与するため、その材料特性が製品の性能や信頼性に大きく影響する。
- 導電性の確保
- 電気接続の安定化
- 接触抵抗の制御
代表的材料は以下。
- Cu(銅)
- Ag(銀)
- Ni(ニッケル)
- Sn(スズ)
- Au(金:めっき)
電気をやり取りする“界面”を作る材料。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験 → 電解腐食・マイグレーション
- ガス腐食試験 → 接点腐食
- 高温試験 → 酸化促進
- 振動・摺動 → 接触摩耗
- 具体例
-
- コネクタ接点 → Ag / Au → 接触抵抗変化
- MLCC内部電極 → Ni → 断線・劣化
- プリント基板 → Cu配線 → 腐食・マイグレーション
- 関連用語
-
- 接触抵抗
- 酸化膜形成
- 電解腐食
- イオンマイグレーション
- ウイスカ
- 関連ページ
デンドライト Dendrite
電極間に樹枝状に成長する導電性の金属構造。
デンドライト
デンドライトとは、電解腐食環境下において、金属イオンが電界の影響で移動・析出し、樹枝状(枝分かれした形)に成長する導電性構造を指す。主に電子回路の電極間や基板表面で発生し、電極間距離を埋めるように成長することで導電経路を形成し、最終的に短絡を引き起こす。発生条件は下記。
- 湿度(水分)
- イオン汚染
- 電界(電圧印加)
電気と水で金属が“枝のように伸びて橋になる”現象。
- 湿度(水分)
- イオン(汚染)
- 電界(電圧)
- 電解質形成
- 金属イオン溶出
- 電界による移動
- 反対電極で析出
- デンドライト成長
- 短絡
金属が、溶けて → 移動して → 再び固まる。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(温度+湿度+電圧) → デンドライト形成(典型)
- HAST試験(高温高湿) → 成長加速
- 汚染環境試験(イオン供給増) → 発生しやすい
- 具体例
-
- 基板配線間でのデンドライト → 短絡
- 表面絶縁抵抗(SIR)試験中の抵抗低下
- コネクタ間の微小ブリッジ
- MLCC端子周辺での発生
- 関連用語
-
- イオンマイグレーション
- 電解腐食
- 表面絶縁抵抗(SIR)
- 絶縁劣化
- 短絡
- 関連ページ
電流密度 Current Density
単位面積あたりを流れる電流の大きさ。
電流密度
電流密度とは、導体や材料のある断面積に対して流れる電流の割合を示す物理量であり、以下で定義される。
J = I / A
- J:電流密度
- I:電流
- A:断面積
- 単位は通常A/m²(アンペア毎平方メートル)
同じ電流でも流れる面積が小さいほど電流密度は高くなり、その結果、局所的に強い影響が発生する。
- 電流流れる
- 断面積小さい
- 電流密度上昇
- 発熱・原子移動
- 劣化・破壊
本質は電流の“集中度”。単位面積あたりの電流の大きさであり、発熱や原子移動を引き起こす電流系劣化の主要パラメータ。
- 目的・関連試験等
-
- 通電試験(Current Stress Test)
- エレクトロマイグレーション試験(高電流密度) → 原子移動(拡散)、配線断線・ボイド
- 高温動作試験(HTOL)
- 具体例
-
- 半導体配線 → 高電流密度 → EM破壊
- 微細配線 → 局所発熱 → 断線
- はんだ接合部 → 電流集中 → 劣化
- 関連用語
-
- 電界強度
- エレクトロマイグレーション
- ジュール熱
- 熱劣化
- 電気ストレス
- 関連ページ
トラッキング Tracking
絶縁体表面に導電性の経路が形成され、電流が流れるようになる現象。
トラッキング
トラッキングとは、絶縁材料の表面において、水分や汚染物の存在下で電圧が印加されることにより、表面が徐々に炭化・劣化し、導電性の経路(トラック)が形成される現象である。この経路が成長すると、リーク電流が増加し、最終的には絶縁破壊や短絡に至る。特に湿度環境と電界強度が重なることで発生しやすい。
- 湿度(水分)+汚染(イオン)
- 表面に電解質層形成
- 電圧印加
- 局所放電・発熱
- 炭化(導電化)
- トラック形成
- 導電経路完成
- 漏電・短絡
表面に“導電の道”ができてしまう現象。デンドライトは金属が枝状に成長(金属移動)するのに対して、トラッキングは絶縁表面が炭化して導電化(炭化パス)する。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → 表面劣化)
- HAST(高温高湿+電界 → 加速劣化)
- 耐トラッキング試験(導電経路 → 生成評価)
- 具体例
-
- 基板表面に導電パス形成による短絡
- 汚染物付着による絶縁低下からのリーク増加
- 高湿環境でのトラック成長による絶縁破壊
- コネクタ表面の劣化による導通不良
- 関連用語
-
- 電界強度
- 絶縁抵抗
- イオンマイグレーション
- 絶縁劣化
- 関連ページ
内部応力型ウイスカ Internally Induced Whisker
めっきや材料内部に蓄積された応力によって成長するウイスカ。
内部応力型ウイスカ
内部応力型ウイスカとは、金属めっき層や材料内部に存在する残留応力(内部応力)を起点として、応力緩和の一形態として金属が突起状に成長する現象である。特にスズ(Sn)めっきで広く知られており、製造過程で発生する応力や、時間経過による組織変化により圧縮応力が蓄積され、それを解放する形でウイスカが発生・成長する。
- めっき・成膜
- 内部応力蓄積(圧縮応力)
- 応力集中
- 応力緩和
- ウイスカ成長
内部に溜まった応力を逃がすために伸びてくる金属突起。外部応力型が外力で誘発されるのに対し、内部応力型は湿度や電圧がなくても発生する(自然発生・経時)。
- 目的・関連試験等
-
- 長期保存試験(Storage Test) → 自然成長の確認
- 高温保存試験 → 応力変化・拡散促進
- 具体例
-
- Snめっき端子 → ウイスカ成長 → 短絡
- コネクタ接点 → 長期保管中に発生
- 微細ピッチ回路 → ブリッジ形成
- 関連用語
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- ウイスカ
- 外部応力型ウイスカ
- 酸化成長型ウイスカ
- 圧縮応力
- IMC
- 関連ページ
鉛フリーはんだ Lead-Free Solder
鉛(Pb)を含まず、主にスズを主体とするはんだ材料。
鉛フリーはんだ
鉛フリーはんだとは、環境規制(RoHSなど)に対応するため、従来のSn-Pb(スズ-鉛)はんだから鉛を除いたはんだ材料である。主成分はスズ(Sn)であり、以下の合金が一般的。
- Sn-Ag-Cu(SAC系)✅ 主流
- Sn-Cu
- Sn-Ag
従来の鉛はんだと比較は以下。
- 融点が高い
- 機械特性が異なる
- 信頼性課題が増える場合がある
環境規制対応で置き換えられた新世代はんだ。
- 温度変化
- 熱膨張差
- 応力発生
- 鉛フリーはんだで応力集中
- クラック
鉛を含まないSn系はんだであり、環境対応と引き換えに製造条件により応力・疲労・ウイスカなどの信頼性課題を持つ材料。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → クラック・疲労
- 高温試験 → クリープ・IMC成長
- 振動試験 → 機械強度
- 具体例
-
- BGAはんだ → クラック
- 実装部品 → 接合劣化
- MLCC → 応力集中 → フレックスクラック
- コネクタ → 接合部剥離
- 関連用語
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- はんだ接合
- 温度サイクル試験
- クリープ
- ウイスカ
- IMC
- 関連ページ
認定試験 Certification Test
製品や設計が要求仕様や使用条件を満たしていることを確認・認定するための試験。
認定試験
認定試験とは、開発された製品や部品が設計仕様・規格・使用環境条件を満たしているかを評価し、量産・出荷・採用の可否を判断するために実施される試験である。単なる性能確認ではなく、「この製品を使ってよいか」を正式に判断するための最終評価試験という位置づけになる。対象は下記。
- 新製品
- 設計変更品
- 材料変更品(例:鉛フリー化)
製品や設計が要求仕様を満たしているかを確認し、使用可否を判断するための最終評価試験。
- 開発・設計
- 試験計画(規格・条件)
- 信頼性試験・環境試験実施
- 結果評価
- 認定(合格) or 不合格
- 目的・関連試験等
-
- 信頼性試験(Reliability Test)
- 環境試験(THB・温度サイクルなど)
- 機械試験(振動・衝撃)
- 電気特性試験
- 具体例
-
- 新製品の信頼性認定
- 車載規格(AEC-Q)に基づく評価
- 鉛フリーはんだ採用時の再認定
- 部材変更時の再評価
- 関連用語
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- 信頼性試験
- スクリーニング
- 故障解析
- 寿命分布
- 規格試験
- 関連ページ
濡れ性 Wettability
液体が固体表面に広がりやすい性質。
濡れ性
濡れ性とは、液体(はんだなど)が固体表面にどれだけ広がるかを示す性質であり、接触角によって評価される。はんだ付けにおいては、溶融はんだが金属表面に均一に広がる能力を指し、良好な接合を形成するための重要な要素である。表面の酸化膜や汚染は濡れ性を低下させ、フラックスにより酸化膜を除去することで濡れ性が改善される。濡れ性が良い場合は接触角が小さく、はんだが広がる。濡れ性が悪い場合は接触角が大きく、はんだが球状になり接合不良につながる。
- 固体表面に液体が接触する
- 表面エネルギーの関係で広がり方が決まる
- 表面が清浄なほど液体が広がる
- 酸化膜や汚染があると広がりが阻害される
- フラックスにより表面が清浄化される
- 液体が広がり接触角が小さくなる
- 良好な濡れが得られる
どれだけ広がってくっつくか。
- 目的・関連試験等
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- 濡れ性試験(接触角 → 評価)
- はんだ付け試験(接合状態確認)
- リフロー評価(濡れ状態の確認)
- 具体例
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- 濡れ不良による未接合
- はんだの玉状化(はじき)
- 接合面積不足による強度低下
- 部分的な接合による信頼性低下
- 関連用語
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- フラックス
- はんだ付け
- 接触角
- はんだ接合部
- 関連ページ
熱応力成長型ウイスカ Thermal Stress-Induced Whisker
温度変化によって生じた熱応力を起点に成長するウイスカ。
熱応力成長型ウイスカ
熱応力成長型ウイスカとは,、外部応力型ウイスカの一種で、温度変化により材料間の熱膨張差から発生する応力(熱応力)によって、金属表面に圧縮応力が生じ、その応力緩和としてウイスカが成長する現象である。特にスズ(Sn)めっきやはんだ表面で発生しやすく、温度サイクルなどの環境変化によって繰り返し応力が加わることで成長が促進される。
- 温度変化(加熱・冷却)
- 熱膨張差(材料間)
- 熱応力発生(圧縮応力)
- 応力蓄積
- 応力緩和
- ウイスカ成長
温度変化で生じた応力を逃がすために伸びるウイスカ。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験(最大の誘発条件、膨張・収縮の繰り返し) → 応力蓄積
- 高温・低温保持 → 応力状態の変化
- 具体例
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- 温度サイクルによるSnめっきウイスカ
- 基板とめっきのCTE差による発生
- 車載環境での長期成長
- 関連用語
-
- 内部応力型ウイスカ
- 外部応力型ウイスカ
- 酸化成長型ウイスカ
- 熱膨張係数(CTE)
- 温度サイクル試験
- 関連ページ
熱拡散 Thermal Diffusion
温度差によって熱が高温側から低温側へ広がる現象。
熱拡散
熱拡散とは、物体内または異なる物質間で、温度差(温度勾配)により熱エネルギーが移動し、均一化に向かう現象である。熱は常に高温側から低温側へ移動し、時間とともに温度分布が平滑化される。この現象は主に「熱伝導」として現れ、材料の熱物性(熱伝導率など)によって伝わり方が決まる。電子機器では、発熱部品から周囲への熱の広がりや、局所温度上昇の緩和に関わる重要な現象である。
- 温度差発生
- 熱エネルギー移動
- 高温 → 低温へ拡散
- 温度分布が均一化
熱が広がって均一化しようとする動き。原因は“温度差”のみ。熱拡散は信頼性に影響。
- 温度分布の均一化
- 熱応力の緩和 / 発生
- 劣化促進/抑制
- 目的・関連試験等
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- 高温試験 → 温度分布の影響
- パワーサイクル試験 → 局所加熱と拡散
- 放熱設計評価 → 熱拡散性能が支配
- 具体例
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- ICチップの発熱 → 基板へ熱拡散
- ヒートシンク → 熱分散
- 局所発熱 → 拡散不足 → ホットスポット
- 多層基板 → 異方性拡散
- 関連用語
-
- 熱伝導
- 熱伝導率
- 温度勾配
- 熱応力
- 電流密度(発熱原因)
- 関連ページ
熱サイクル Thermal Cycling
温度が高温と低温の間で繰り返し変化する現象。
熱サイクル
熱サイクルとは、温度が高温と低温の間を繰り返し変動することで、材料に膨張と収縮を繰り返し発生させる現象である。異なる材料を組み合わせた構造では、線膨張係数(CTE)の違いにより変形量に差が生じ、その結果として界面や接合部に繰り返し応力が発生する。この応力の蓄積により疲労が進行し、クラックや剥離、断線などの故障に至る。実際の使用環境では、電源ON/OFF、昼夜の温度変化、負荷変動などによって自然に発生する。
- 温度が繰り返し変化する
- 材料が膨張・収縮する
- 異材料間で変形差が発生する
- 接合部や界面に応力が発生する
- 応力が繰り返し作用する
- 疲労が進行する
- クラックや剥離が発生する
- 断線や不良に至る
温度の上下で伸び縮みを繰り返す。
- 目的・関連試験等
-
- 温度変動(高温 ↔ 低温)
- 使用環境の変化(ON/OFF、外気)
- 材料組み合わせ(CTE差)
- 具体例
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- はんだ接合部の熱疲労クラック
- 基板配線の断線
- デラミネーション発生
- 部品接合部の割れ
- 関連用語
-
- 熱サイクル試験
- 疲労
- クラック
- 線膨張係数(CTE)
- デラミネーション
- 関連ページ
熱サイクル試験 Thermal Cycling Test
高温と低温を繰り返し変化させて、熱応力による劣化や故障を評価する試験。
熱サイクル試験
熱サイクル試験とは、製品や部品を高温と低温の間で繰り返し温度変化させることで、材料の膨張・収縮を繰り返させ、発生する応力によって劣化や故障の進行を評価する試験である。異なる材料間では線膨張係数(CTE)が異なるため、温度変化により内部に繰り返し応力が発生する。この応力が蓄積することで、はんだ接合部の疲労、クラック、デラミネーションなどの破壊が進行する。実際の使用環境(電源ON/OFF、昼夜温度差など)を模擬した信頼性評価手法であり、機械的疲労評価の代表試験である。
- 高温と低温を繰り返し印加する
- 材料が膨張・収縮する
- 異材料間で変形差が発生する
- 接合部や界面に応力が発生する
- 応力が繰り返し作用する
- 疲労が進行する
- クラックが発生・進展する
- 断線や剥離などの故障に至る
伸び縮みを繰り返して壊れるかを見る。温度変化により発生する膨張収縮と繰り返し応力によって、疲労やクラックを評価する試験。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験(同義・略称扱いの場合あり)
- 低温試験(片側条件)
- 高温保存試験(片側条件)
- 信頼性試験(疲労評価)
- 具体例
-
- はんだ接合部の熱疲労によるクラック
- 基板配線の断線
- デラミネーション発生
- 部品接合部の割れ
- 関連用語
-
- 疲労
- クラック
- 線膨張係数(CTE)
- デラミネーション
- 関連ページ
熱衝撃試験 Thermal Shock Test
高温と低温を急激に切り替え、瞬間的に発生する熱応力による破壊を評価する試験。
熱衝撃試験
熱衝撃試験(冷熱衝撃試験)とは、試料を高温環境と低温環境の間で短時間に切り替え、急激な温度変化を与えることで、材料内部に発生する大きな熱応力に対する耐性を評価する試験である。急激な温度変化により、材料は膨張・収縮しようとするが熱伝導が追従できず、内部の温度勾配により瞬間的な応力が発生する。特に異種材料間では線膨張係数(CTE)の差により応力差が生じ、クラック、剥離、破断などの損傷が発生する。熱サイクル試験が「繰り返しによる疲労」を評価するのに対し、熱衝撃試験は「急激な温度変化による単発的な破壊耐性」を評価する点が特徴である。代表的な方式は以下。
2槽式(最も一般的)
- 高温槽と低温槽を行き来
- 数秒〜数分で移動
3槽式
- 高温・常温・低温
- より制御された試験
急激な温度変化で一気に壊れるかを見る。
- 試料が高温または低温状態にある
- 短時間で反対温度へ移行する
- 急激な温度変化が発生する
- 材料が瞬時に膨張・収縮しようとする
- 変形が追従できず内部応力が発生する
- 異材料間で応力差が生じる
- 応力集中によりクラックや剥離が発生する
- 破壊や機能不良に至る
急激な温度変化によって発生する大きな熱応力により、クラックや破壊を評価する試験。
次の違いに注意。
- 熱サイクル試験 → 繰り返し(疲労)
- 熱衝撃試験 → 急変(破壊)
- 目的・関連試験等
-
- 熱サイクル試験(繰り返し → 疲労評価)
- 低温試験(収縮・特性変化)
- 高温試験(劣化加速)
- 具体例
-
- セラミック部品の急冷による割れ
- 封止樹脂の界面剥離(デラミネーション)
- はんだ接合部の急激応力クラック
- 基板層間の剥離・割れ
- 関連用語
-
- 熱サイクル試験
- 応力集中
- クラック
- 線膨張係数(CTE)
- 関連ページ
熱ストレス Thermal Stress
温度変化による材料の膨張・収縮差によって内部に発生する応力。
熱ストレス
熱ストレスとは、温度変化に伴って材料が膨張・収縮することで発生する内部応力のことを指す。特に異なる材料が組み合わされた構造では、材料ごとのCTE(線膨張係数)の違いによって応力が発生する。
- 温度変化が起きる
- 材料ごとに異なる量で膨張・収縮
- 相互に拘束される
- 応力(ストレス)発生
自由に伸び縮みできないことが原因。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 繰り返し熱ストレス
- 熱衝撃試験 → 急激な熱ストレス
- リフロー → 一時的な大ストレス
- 具体例
-
- 温度サイクルでBGAはんだにクラック
- 熱衝撃で界面剥離(デラミ)
- ICと基板の膨張差で応力集中
- 関連用語
-
- CTE(線膨張係数)
- 温度サイクル試験
- 熱衝撃試験
- はんだクラック
- デラミネーション
- 関連ページ
熱疲労 Thermal Fatigue
温度変化の繰り返しによって生じる応力・ひずみにより、材料が徐々に劣化し破壊に至る現象。
熱疲労
熱疲労とは、温度の変化によって材料が膨張・収縮を繰り返すことで、繰り返し応力・ひずみ(熱ストレス)が発生し、徐々に劣化して破壊に至る現象を指す。電子機器では最も一般的な疲労破壊の一つ。
- 温度が変化
- 材料ごとに異なる膨張(CTE差)
- 応力・ひずみ発生
- 繰り返しによるダメージ蓄積
- クラック進展 → 破壊
CTE差がスタート地点。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 主試験(疲労再現)
- 熱衝撃試験 → 初期破壊を検出(疲労前段)
- 具体例
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- 車載ECUの長期信頼性低下
- BGAはんだのクラック進展
- 電源モジュールの断線
- 関連用語
-
- 疲労
- 機械疲労
- 温度サイクル試験
- CTE
- はんだクラック
- 関連ページ
熱分解 Thermal Degradation
高温により化学結合が破壊され、材料が分解・劣化する現象。
熱分解
熱分解とは、材料が高温にさらされることで内部の化学結合が切断され、分子構造が変化または分解する現象である。特に高分子材料(樹脂、封止材、基板材料など)では、一定温度を超えると分子鎖が切断され、物性が急激に劣化する。この反応は不可逆であり、一度進行すると元に戻らない。電子機器では以下の影響が出る。
- 機械強度低下
- 絶縁性能低下
- ガス発生(アウトガス)
- 炭化・変色
熱分解は、高温により化学結合が破壊され、材料が不可逆的に劣化する現象。
- 高温環境への曝露
- 分子運動の増加
- 化学結合の切断
- 分子構造の変化・分解
- 物性劣化(強度・絶縁)
- 劣化進行・不可逆変化
- 目的・関連試験等
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- 高温保存試験 → 長時間での熱劣化評価
- HAST試験 → 温度+湿度の複合劣化
- 温度サイクル試験 → 累積的な熱影響
- 具体例
-
- 樹脂の炭化 → 強度低下
- 封止材の分解 → クラック発生
- 基板樹脂の劣化 → 絶縁低下
- 高温動作による寿命低下
- 関連用語
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- 加水分解
- 光分解
- 酸化
- ガラス転移点(Tg)
- 熱ストレス
- 関連ページ
熱平衡 Thermal Equilibrium
系内で温度差がなくなり、熱の移動が停止した状態。
熱平衡
熱平衡とは、対象物や系の内部、または接触している物体間で温度が均一となり、熱の移動(熱流)が発生しなくなった状態を指す。通常、温度差があると熱は高温側から低温側へ移動するが、最終的にすべての部分が同じ温度になると熱の流れは止まり、この状態が熱平衡である。
- 温度差あり
- 熱拡散(高温 → 低温)
- 温度差減少
- 温度が均一化
- 熱平衡(熱の流れゼロ)
温度差がなくなり、熱が動かなくなった状態。“熱移動が止まる”のが定義。熱平衡は「均一温度(全体同じ)」「熱移動なし」なのに対し、定常状態(非平衡)では「ICが発熱し続けている」「温度分布はある(中心が高温)だが、時間変化はない」という違いがあり、熱平衡は真の平衡状態であると言える。
- 目的・関連試験等
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- 温度試験(試料が温度に馴染む) → 準熱平衡状態
※実機運転では、実機が常に発熱・放熱しているため、完全な熱平衡状態はほぼ起きず、多くは定常状態で評価する。
- 具体例
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- 試験槽内での温度安定状態
- 非通電試料の温度安定
- 材料内部の温度均一化
- 関連用語
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- 定常状態
- 熱拡散
- 温度勾配
- 熱応力
- 関連ページ
熱膨張係数 Thermal Expansion Coefficient (CTE)
温度変化によって材料がどれだけ膨張または収縮するかを示す割合。
熱膨張係数
熱膨張係数(CTE)とは、温度変化に対して材料の寸法がどの程度変化するかを示す物性値であり、通常は「1℃あたりの長さ変化率」として表される。単位は一般に「ppm/℃(10⁻⁶/℃)」が用いられ、値が大きいほど温度変化に対して大きく膨張・収縮する。電子機器では、異なる材料(樹脂、金属、セラミックなど)が組み合わされているため、それぞれのCTE差によって変形量に差が生じる。この差が拘束されることで応力が発生し、信頼性問題の原因となる。特に重要なのは、Tgを境にCTEが変化する点である。本質は「温度変化に対する“伸び縮みのしやすさ”」。
- 温度上昇 → 材料が膨張
- 温度低下 → 材料が収縮
- 材料ごとに変化量が異なる → CTE差発生
- 拘束により応力発生 → クラック・剥離へ進展
熱膨張係数 = 温度変化に対する材料の伸縮性を示し、異材間の応力発生の主要因となる特性
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験 → CTE差による疲労破壊評価
- 熱衝撃試験 → 急激な膨張差による破壊
- TMA(熱機械分析) → CTE測定
- 具体例
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- Cu: 約17 ppm/℃
- FR-4: 約14〜20 ppm/℃(Tg以下)
- はんだ: 約20〜25 ppm/℃
- 関連用語
-
- ガラス転移点(Tg)
- 熱ストレス
- 温度サイクル試験
- 温度勾配
- 機械ストレス
- 関連ページ
熱劣化 Thermal Degradation
温度の影響によって材料の性質が徐々に低下する現象。
熱劣化
熱劣化とは、材料が高温環境または温度変化にさらされることで、時間とともに性能や物性が低下する現象の総称である。この劣化には複数のメカニズムが含まれ、必ずしも化学分解だけではない点が重要である。具体的には以下のような現象が含まれる。
- 化学分解(熱分解)
- 酸化反応
- 物理変化(軟化・硬化・応力緩和)
- 拡散による組織変化
つまり熱劣化は、「温度によるあらゆる劣化を含む上位概念」として扱われる。
- 高温または温度変化
- 材料の反応・変化開始(化学/物理)
- 分解・酸化・拡散など進行
- 物性低下(強度・絶縁・寸法)
- 劣化蓄積
- 目的・関連試験等
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- 高温保存試験 → 長期熱劣化の評価
- 温度サイクル試験 → 熱+応力による複合劣化
- 電気通電試験 → 自己発熱による劣化
- 具体例
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- 樹脂の劣化(脆化・変色)
- 絶縁性能の低下
- 接着強度低下
- 金属組織の変化
- 関連用語
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- 熱分解(※下位現象の一部として)
- 酸化
- 拡散
- ガラス転移点(Tg)
- 熱ストレス
- 関連ページ
バーンイン Burn-in
高温などのストレス条件で長時間動作させ、初期不良を早期に顕在化させる試験。
バーンイン
バーンインとはスクリーニング方法の一つであり、電子デバイスや製品に対して高温環境や電圧印加などのストレスを与えながら一定時間動作させ、潜在的な初期不良を早期に発現させて除去するための試験である。製造直後のデバイスには、微小欠陥やばらつきに起因する初期故障要因が含まれることがあり、通常使用前にこれを強制的に劣化させて故障させることで、不良品を出荷前に除去する。
- 高温・電圧印加
- 内部ストレス増大
- 潜在欠陥の劣化進行
- 初期故障発生
- 不良品除去
弱い個体を先に壊してふるい落とす。高温・電圧などのストレス下で動作させ、初期不良を意図的に発現させて除去する試験。
- 目的・関連試験等
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- バーンイン試験(初期不良除去)
- 信頼性試験(寿命・劣化評価)
- THB/HAST(環境劣化評価)
- 具体例
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- 初期欠陥によるICの早期故障
- 接合不良による通電時の断線
- 微小クラックの進展による動作不良
- 電気特性のドリフトによる不良化
- 関連用語
-
- スクリーニング
- 初期故障
- 偶発故障
- バスタブ曲線
- ATE
- 関連ページ
バスタブカーブ(バスタブ曲線) Bathtub Curve
製品の故障率が時間とともに「初期故障 → 安定期(偶発故障) → 寿命(摩耗故障)」と変化する様子を表した曲線。
バスタブカーブ(バスタブ曲線)
バスタブカーブとは、製品の故障率(Failure Rate)が時間とともにどのように変化するかを示したモデルで、浴槽(バスタブ)のような形のカーブを描くことからこの名前が付いている。
カーブの3段階
- 初期故障期間(Early Failure)
- 偶発故障期間(Random Failure)
- 摩耗故障期間(Wear-out Failure)
故障率の時間変化を示し、初期故障・偶発故障・摩耗故障の3段階で構成される信頼性モデル。
- 製造直後はばらつきや欠陥が存在する
- 初期故障が多く発生する
- 弱い個体が除去される
- 故障率が低く安定する
- 使用により劣化が蓄積する
- 摩耗や疲労が進行する
- 故障率が増加する
最初壊れやすい → 安定 → 最後また壊れる。
- 目的・関連試験等
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- 初期故障 → HASS、バーイン
- 弱点発見 → HALT
- 安定性 → MTBF
- 摩耗寿命 → ワイブル寿命
- 具体例
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- 初期故障 → はんだ不良、欠陥による早期故障
- 偶発故障 → 偶然的な外乱や突発故障
- 摩耗故障 → 摩耗・疲労による終期破壊
- 関連用語
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- 初期故障
- 偶発故障
- 摩耗故障
- ワイブル分布
- バーンイン
- 関連ページ
パッケージ Semiconductor Package
半導体チップを保護し、外部回路と接続できる形にする構造体。
パッケージ
パッケージとは、半導体チップ(シリコン)を外部から保護し、電気的接続を可能にするための構造体を指す。チップ単体では扱えないため、必ずパッケージ化されて使用される。一般的なパッケージは下記。
- 半導体チップ(ダイ)
- 樹脂封止(モールド)
- リード / バンプ / ボール
- 配線層(内部配線)
複合構造(三次元の材料集合体)
主なパッケージ種類は下記。
- BGA(Ball Grid Array) → ボール状はんだ接続
- QFP(Quad Flat Package) → リード端子
- CSP(Chip Scale Package) → チップサイズに近い
- フリップチップ → バンプで直接接続
- 目的・関連試験等
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- HAST → 吸湿・絶縁劣化
- 温度サイクル試験 → 熱疲労
- リフロー → ポップコーン
- HALT → 構造弱点検出
- 具体例
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- スマホSoCパッケージ
- 車載ECU IC
- パワーデバイスモジュール
- 関連用語
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- 半導体
- はんだバンプ
- はんだ接合部
- 基板(PCB)
- CTE
- デラミネーション
- ポップコーン現象
- HAST
- 関連ページ
はんだクラック Solder Crack
はんだ接合部に発生する微細な亀裂で、接続不良の原因となる劣化現象。
はんだクラック
はんだクラックとは、はんだ接合部に発生する微細なひび割れ(亀裂)であり、繰り返し応力や熱膨張差によって進行する劣化現象を指す。初期は微細でも、進行すると導通不良や断線に至る。
- 温度変化や振動が加わる
- 材料間で膨張差が発生
- はんだに応力が集中
- 微小クラック発生
- 繰り返しで進展 → 断線
疲労破壊の一種。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験 → 熱疲労
- 振動試験 → 機械疲労
- パワーサイクル → 熱応力
- 具体例
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- 車載ECUの長期使用で断線
- BGA下のはんだクラック
- 温度変化で動いたり止まったりする不具合
- 関連用語
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- はんだ付け
- リフロー
- ボイド
- 温度サイクル試験
- 機械ストレス
- 関連ページ
はんだ接合部 Solder Joint
はんだによって金属部品同士が電気的・機械的に接続された部分。
はんだ接合部
はんだ接合部とは、はんだ材料(主にSn系合金)によって電子部品の端子と基板の電極などを接合した部分であり、電気的導通と機械的固定の両方の役割を持つ。この接合部は異なる材料(部品・基板・はんだ)で構成されるため、温度変化により線膨張係数(CTE)の差から応力が発生しやすく、繰り返し応力によって疲労クラックや破断が生じる主要箇所となる。また、接合界面ではIMC(化合物層)が形成され、その成長や脆化も信頼性に大きく影響する。
- 部品端子 + 基板電極
- はんだ溶融・濡れ
- 接合形成
- IMC生成
- はんだ接合部成立
電気と強度を支えるが、最も壊れやすい接続部分。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験(CTE差 → 疲労クラック)
- せん断試験(接合強度 → 破断)
- 振動試験(繰り返し応力 → 劣化)
- 具体例
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- 温度サイクルによるはんだ接合部の疲労クラック
- せん断応力による接合部の破断
- IMC成長による脆化破壊
- 振動による微小クラック進展と断線
- 関連用語
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- IMC
- 線膨張係数(CTE)
- せん断応力
- 機械疲労
- はんだ
- 関連ページ
はんだ付け Soldering
はんだを溶融させて、金属部品同士を接合する加工方法。
はんだ付け
はんだ付けとは、はんだ(低融点金属)を加熱して溶融させ、部品端子と基板電極などの金属表面を濡らして接合するプロセスである。溶けたはんだは母材表面に広がり(濡れ)、冷却により固化して接合が形成される。このとき界面では拡散反応によりIMC(化合物層)が生成され、電気的・機械的に安定した接続が成立する。はんだ付け品質(濡れ性、温度プロファイル、フラックスなど)は、接合強度や信頼性に大きく影響する。
- 加熱
- はんだ溶融
- 金属表面を濡らす
- 界面で拡散反応(IMC形成)
- 冷却・固化
- はんだ接合部形成
溶かして濡らして固めてつなぐ。
- 目的・関連試験等
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- リフロー試験(加熱条件 → 接合品質)
- はんだ濡れ性試験(濡れ → 接合性評価)
- 温度サイクル試験(接合後 → 信頼性評価)
- 具体例
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- 濡れ不良による接合不良(未接合)
- はんだボイドによる強度低下
- 過加熱によるIMC過成長 → 脆化
- フラックス残渣による絶縁低下
- 関連用語
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- はんだ接合部
- IMC
- 濡れ性
- 錫めっき試験
- 関連ページ
はんだバンプ Solder Bump
半導体チップやパッケージ上に形成された、微小な球状のはんだ接合部。
はんだバンプ
はんだバンプとは、半導体チップやパッケージ表面に形成される微小なはんだの突起(ボール状接合部)を指す。主に以下の用途で使われる。
- フリップチップ実装
- BGA(Ball Grid Array)
- CSP(Chip Scale Package)
主な不具合ははんだクラック、・ボイド、接触不良、ブリッジがあり、微細なので影響が顕著。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験 → 熱疲労、クラック進展
- 熱衝撃試験 → 初期破壊
- 振動試験 → 接触不良
- 具体例
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- スマホの高密度IC
- CPU / GPUパッケージ
- 車載半導体
- 関連用語
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- はんだ接合部
- BGA
- フリップチップ
- 温度サイクル試験
- はんだクラック
- CTE
- 関連ページ
半導体 Semiconductor
電気を通す性質を制御できる材料およびそれを用いた電子デバイス。
半導体
半導体とは、電気を通す(導体)と通さない(絶縁体)の中間的な性質を持つ材料であり、電圧や温度などにより導電性を制御できる。この性質を利用して、以下のような電子部品が作られる。
- トランジスタ
- IC(集積回路)
- ダイオード
半導体は単体では使われず、半導体チップ→はんだバンプ / ワイヤ→はんだ接合部→基板(PCB)の全てがつながって動作する
- 目的・関連試験等
-
- スクリーニング→ 初期不良除去
- HAST → 湿度・絶縁劣化
- 温度サイクル試験 → 熱疲労
- 具体例
-
- CPU / GPU
- 車載マイコン
- パワー半導体(IGBT)
- スマホIC
- 関連用語
-
- はんだバンプ
- はんだ接合部
- 基板(PCB)
- CTE
- 熱疲労
- TDDB
- HAST
- 関連ページ
ビア Via
プリント基板の異なる配線層を電気的に接続するための導通孔。
ビア
ビア(Via)とは、多層基板において、異なる配線層同士を電気的に接続するために設けられた導通穴のことを指す。内部は通常、銅めっきなどで導電化されている。
- スルーホールビア(Through Via) → 基盤を貫通
- ブラインドビア(Blind Via) → 外層~内層のみ接続
- ビルドアップビア(Micro Via) → 非常に小径(高密度)
高密度化ほどビアは増える。
- 目的・関連試験等
-
- HAST → CAF評価
- 温度サイクル試験 → クラック評価
- 高温高湿試験 → 吸湿劣化
- 具体例
-
- 車載基板でのCAFショート
- 温度サイクルでのビア断線
- 高密度基板での絶縁破壊
- 関連用語
-
- 基板(PCB)
- CAF
- 吸湿
- 温度サイクル試験
- HAST
- デラミネーション
- 関連ページ
光ストレス Optical Stress
光(紫外線や可視光)の照射により、材料やデバイスに劣化を引き起こす環境ストレス。
光ストレス
光ストレスとは、紫外線や可視光などの光が材料や電子デバイスに照射されることで、内部に光エネルギーが吸収され、分子結合の切断、酸化反応、電子励起などが生じ、物性変化や劣化につながる影響である。紫外線はエネルギーが高いため、樹脂や封止材では分子鎖の切断(光分解)を直接引き起こす。一方、可視光でも高照度や長時間照射の条件では、発熱や光化学反応の蓄積により劣化が進行する。光ストレスは温度や酸素などの環境条件と組み合わさることで、劣化が加速される。主に以下の光が影響する。
- 紫外線(UV)
- 可視光
- 赤外光(熱としても作用)
光エネルギーで材料内部の構造が変化し、劣化が進む。
- 光照射((紫外線・可視光))
- エネルギー吸収
- 結合切断・酸化・励起
- 化学構造変化
- 材料劣化
光照射(紫外線・強光)によって材料内部に化学変化が生じ、劣化を引き起こす環境ストレス。
- 目的・関連試験等
-
- 紫外線照射試験(高エネルギー光 → 分解)
- 耐光試験(光照射 → 特性変化)
- 屋外暴露試験(日光+温度 → 長期劣化)
- 具体例
-
- 樹脂材料の光劣化による脆化・クラック
- 封止材の黄変による光学特性低下
- 表面劣化による絶縁抵抗低下
- 保護膜の分解による防護機能低下
- 関連用語
-
- 紫外線
- 絶縁劣化
- 酸化
- 熱ストレス
- 関連ページ
光分解 Photodegradation
光(特に紫外線)によって材料の化学結合が壊れ、劣化や分解が起こる現象。
光分解
光分解とは、光エネルギー(特に紫外線)によって材料の分子構造が破壊され、性質が変化する現象を指す。
- 光(UVなど)が照射される
- 材料が光を吸収
- 分子結合が励起・切断
- 化学構造が変化
- 材料劣化
主な影響・不具合は下記。
- 物理特性変化 → 脆化(もろくなる)、クラック発生
- 外観変化 → 黄変(変色)
- 電気特性変化 → 絶縁低下、リーク電流増加
- 目的・関連試験等
-
- 光照射試験
- UV試験
- 太陽光シミュレーション
- 複合試験(光+温度、光+湿度)
- 具体例
-
- 樹脂パッケージの黄変
- コーティングの劣化
- 屋外基板の絶縁低下
- 関連用語
-
- 光ストレス
- パッケージ
- アンダーフィル
- 劣化
- 絶縁低下
- リーク電流
- 関連ページ
ひずみ Strain
物体の変形量を、元の長さで割って表した割合。
ひずみ
ひずみとは、物体に力や温度変化などが加わったときに生じる変形の大きさを、元の長さに対する割合として表した物理量である。単位はなく(無次元)、伸び・縮み・ずれなどの変形を定量化するために用いられる。ヤング率の定義においては、応力との比例関係(応力 ÷ ひずみ)として現れる基本量である。一般的には以下で表される。
ひずみ = 長さ変化量 ÷ 元の長さ
単位は無次元(% や μstrain で表すことが多い)。
- 外力・温度変化
- 内部に応力発生
- 物体が変形
- 変形量発生
- 元の長さで割る
- ひずみ
どれだけ変形したか(割合で見る)。変形量を元の長さで割った割合であり、材料の変形度合いを示す基本物理量。
- 目的・関連試験等
-
- 引張試験(応力 ↔ ひずみ関係)
- 曲げ試験(変形量 → ひずみ評価)
- 温度サイクル試験(熱変形 → ひずみ)
- 具体例
-
- はんだ接合部の繰り返しひずみによる疲労クラック
- 基板のたわみによる部品端子の破断
- CTE差によるひずみ蓄積 → 剥離
- 繰り返し変形による材料の疲労破壊
- 関連用語
-
- 応力
- ヤング率
- 線膨張係数(CTE)
- 機械疲労
- 関連ページ
引張応力 Tensile Stress
物体内部で、引き伸ばす方向に分布する力を単位面積あたりで表した値。
引張応力
引張応力とは、物体に引張力が加わったときに、内部で断面に垂直な方向に引き伸ばされるように分布する力の強さを表す物理量である。単位はPa(N/m²)で表され、作用する断面積が小さいほど値は大きくなる。この引張応力が材料の強度(引張強度)を超えると、くびれやクラックが発生し、最終的に破断に至る。
引張応力 = 引張力 ÷ 断面積
- 外から引っ張る力
- 内部に力が分布
- 断面に垂直方向の伸び発生
- 引張応力
- ひずみ増加
- 破断
内部で引きちぎろうとする力の強さ。
- 目的・関連試験等
-
- 引張試験(応力 → 破断)
- 温度サイクル試験(膨張差 → 引張応力)
- 曲げ試験(外側 → 引張状態)
- 具体例
-
- はんだ接合部の引張応力による破断
- 配線の引張による断線
- 接着界面の引き剥がしによる剥離
- 曲げによる外側表面のクラック発生
- 関連用語
-
- 圧縮応力
- せん断応力
- ひずみ
- ヤング率
- 関連ページ
表面絶縁抵抗 Surface Insulation Resistance(SIR)
基板表面における電極間の絶縁性能を示す抵抗値。
表面絶縁抵抗
表面絶縁抵抗(SIR)とは、プリント基板などの表面において、隣接する電極間における電気的絶縁の度合いを抵抗値として表したものである。本来、絶縁領域では電流が流れないが、以下の要因により導電性が発生することで抵抗が低下する。
- 湿度による水分層形成
- フラックス残渣などのイオン性不純物
- 金属溶出によるイオンマイグレーション
特に高温高湿環境下では、水分が電解質として作用し、微小な電流(リーク電流)が流れるようになる。これが進行すると導電経路が形成され、最終的には短絡に至る。「本来絶縁の場所がどれだけ電気を通してしまうか」を示す指標。
- 電極間に一定電圧を印加
- 流れる微小電流を測定
- オームの法則で抵抗値算出(R = V / I)
- 時間経過で変化を監視
- 絶縁劣化として評価
表面絶縁抵抗(SIR)は「壊れたか」ではなく「壊れ始めているか」を見る指標で、初期劣化検出に非常に有効。ログ変化(時間トレンド)が重要。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験 → 長期湿度環境での絶縁劣化監視
- HAST試験 → 加速環境での表面絶縁抵抗(SIR)低下確認
- 表面絶縁抵抗(SIR)試験(専用パターン) → イオンマイグレーション耐性評価
- 具体例
-
- フラックス未洗浄基板 → 表面絶縁抵抗(SIR)低下
- 高湿度環境 → リーク電流増加
- イオンマイグレーション初期 → 表面絶縁抵抗(SIR) 低下
- デンドライト形成 → 急激な抵抗低下
- 関連用語
-
- イオンマイグレーション
- エレクトロケミカルマイグレーション
- THB試験
- HAST試験
- フラックス残渣
- 関連ページ
疲労 Fatigue
繰り返し応力やひずみにより、材料が徐々に劣化し最終的に破壊に至る現象。
疲労
疲労とは、材料に繰り返し応力やひずみが加わることで、一回の負荷では壊れないレベルでも、徐々にダメージが蓄積し最終的に破壊する現象を指す。
- 機械疲労(振動など)
- 熱疲労(温度変化)
- クリープ疲労(高温長時間)
電子機器では熱疲労が主役。
- 繰り返し応力・ひずみが発生する
- 材料内部に微小損傷が生じる
- 損傷が蓄積・成長する
- クラックが発生する
- クラックが進展する
- 有効断面が減少する
- 最終的に破断する
小さな負荷の繰り返しで壊れる
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(膨張差 → 疲労)
- 振動試験(繰り返し応力 → 疲労)
- 疲労試験(繰り返し荷重 → 破断)
- 具体例
-
- はんだ接合部の熱疲労によるクラック
- 基板配線の繰り返し変形による断線
- 振動環境での部品リード破断
- コネクタ接点の疲労による接触不良
- 関連用語
-
- ひずみ
- 応力
- せん断応力
- 熱応力
- クラック
- 関連ページ
疲労亀裂 Fatigue Crack
繰り返し応力により材料内部に発生し、徐々に進展する亀裂。
疲労亀裂
疲労亀裂とは、材料に繰り返し加わる応力やひずみによって、内部または表面に発生する微小な亀裂である。初期段階では非常に小さな欠陥として生じるが、繰り返し負荷によって徐々に進展し、有効断面を減少させる。最終的には急速な破断に至る原因となる。電子機器では、温度サイクルや振動によってはんだ接合部や基板に発生しやすく、信頼性低下の直接的な原因となる。
- 繰り返し応力・ひずみが発生する
- 局所的に応力が集中する
- 微小な損傷が核として発生する
- 微小亀裂(疲労亀裂)が発生する
- 繰り返し応力により亀裂が進展する
- 有効断面積が減少する
- 最終的に破断に至る
繰り返しで少しずつ広がる割れ。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(膨張差 → 亀裂発生・進展)
- 振動試験(繰り返し応力 → 亀裂進展)
- 疲労試験(繰り返し負荷 → 破断)
- 具体例
-
- はんだ接合部の熱疲労による亀裂発生
- 基板配線の繰り返し変形による亀裂進展
- 振動環境での部品リード亀裂
- デラミネーション起点の亀裂拡大
- 関連用語
-
- 疲労
- クラック
- 応力集中
- せん断応力
- 温度サイクル試験
- 関連ページ
疲労破壊 Fatigue Failure
繰り返し応力により進展した疲労亀裂が限界に達し、最終的に破断する現象。
疲労破壊
疲労破壊とは、材料に繰り返し加わる応力やひずみにより疲労亀裂が発生・進展し、その亀裂が臨界サイズに達したときに、残存断面で支えきれなくなり最終的に急激に破断する現象である。疲労破壊は、長期間にわたる亀裂の進展(疲労過程)と、最終的な急速破断の2段階で構成される。電子機器では、主にはんだ接合部や配線などで発生し、断線や機能停止の直接原因となる。
- 繰り返し応力・ひずみが発生する
- 微小損傷が蓄積する
- 疲労亀裂が発生する
- 亀裂が徐々に進展する
- 有効断面積が減少する
- 残存部に応力が集中する
- 臨界状態に達する
- 急速に破断する(疲労破壊)
積み重ねたダメージが限界を超えて一気に切れる。
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(熱疲労 → 最終破断)
- 振動試験(繰り返し応力 → 破壊)
- 疲労試験(寿命評価 → 破断)
- 具体例
-
- はんだ接合部の最終断線
- 基板配線の疲労による導通喪失
- 振動環境でのリード線破断
- クラック進展後の突然破壊
- 関連用語
-
- 疲労
- 疲労亀裂
- クラック
- 応力集中
- 関連ページ
ヒロック Hillock
エレクトロマイグレーションにより移動した金属原子が特定位置に蓄積して形成される隆起(盛り上がり)。
ヒロック
ヒロックとは、エレクトロマイグレーションにより配線中を移動した金属原子が、特定の位置(主に電子の流れの下流側)に蓄積することで形成される局所的な盛り上がり構造である。電流によって金属原子が移動すると、原子が減少する領域(ボイド)と、逆に蓄積する領域が生じる。この蓄積側で金属が押し上げられるように変形し、表面に突起として現れるのがヒロックである。ヒロック自体は導電性を持つため、隣接配線や上層構造と接触すると短絡(ショート)の原因となる。
- 高電流密度の印加(電子流発生)
- 金属原子の移動(電子風による押し出し)
- 原子の偏在(移動蓄積)
- 局所的な圧縮応力上昇
- 表面方向への突出
- ヒロック形成
- 隣接配線接触 → 短絡リスク
断線(ボイド)と対になる“もう一つの故障形態”。
- 目的・関連試験等
-
- 高電流ストレス試験 → 原子移動による形状変化観察
- 高温通電試験 → 拡散促進によるヒロック成長
- 具体例
-
- LSI配線上の金属突起形成
- アルミ配線での典型的なヒロック発生
- 突起が上層配線に接触 → ショート
- 微細配線で顕著(スケーリング影響)
- 関連用語
-
- エレクトロマイグレーション
- ボイド
- 電流密度
- 金属拡散
- 関連ページ
不純物付着 Contamination
製品表面や内部に本来存在しない異物やイオン性物質が付着・残留する現象。
不純物付着
不純物付着とは、製造工程や環境中で混入した異物や化学物質が、基板や部品表面に残る現象を指す。特に電子機器では、イオン性物質(塩分・フラックス残渣など)が重要であり致命的。
- イオン性汚染(最重要) → Na⁺、Cl⁻など、フラックス残渣
- 有機物 → 油脂、フラックス
- 微粒子 → 粉塵、金属粒子
典型的な不具合フローは下記。
- 不純物付着
- 吸湿
- イオン溶解
- 導電経路形成
- リーク電流
- 絶縁抵抗低下
- CAF・ショート
不純物があると試験結果が悪化。
- 目的・関連試験等
-
- HAST (湿度+電圧) → 不純物があると急激に劣化
- 高温高湿試験 → 汚染の影響が顕在化
- 具体例
-
- 洗浄不足 → CAF発生
- フラックス残り → リーク電流増加
- 塩分付着 → 絶縁破壊
- 関連用語
-
- 吸湿
- 汚染
- CAF
- 絶縁抵抗
- リーク電流
- HAST
- SIR試験
- 基板
- ビア
- 関連ページ
腐食 Corrosion
材料が水分や化学反応によって徐々に劣化・分解する現象。
腐食
腐食とは、材料が水分や化学物質、電気的作用によって化学的に変化し、劣化・損耗する現象を指す。電子機器では、 金属の劣化・導通異常の原因になる。主な腐食の種類を下記に示すが、電子機器では電気化学腐食が支配的。
- 電気化学腐食(最重要) → 水分 + 電圧(イオン移動)
- 酸化 → 金属 + 酸素(酸化膜形成)
- 電食(Galvanic腐食) → 異種金属接触
- 目的・関連試験等
-
- HAST(最重要) → 高温・高湿・電圧(腐食加速)
- 高温高湿試験 → 水分影響
- 具体例
-
- 基板配線の腐食による断線
- コネクタの接触不良
- CAFによるショート
- 関連用語
-
- 不純物付着
- 吸湿
- CAF
- リーク電流
- 絶縁抵抗
- HAST
- 高温高湿試験
- 基板
- ビア
- 関連ページ
フライングプローブテスト Flying Probe Test
可動プローブを用いて、基板上の回路を電気的に測定する治具不要の検査方法。
フライングプローブテスト
フライングプローブテストとは、複数の可動プローブ(針)を自動制御して基板上の各測定点に順次接触させ、電気特性を測定する試験方式である。ICTのような専用治具(フィクスチャ)を使用せず、プログラムによって測定点を切り替えて検査を行うため、試作や多品種少量生産に適している。一方で、測定は逐次実行されるため、ICTに比べて検査時間は長くなる。
- フライングプローブ装置
- 可動プローブ(複数)
- 各ノードに順次接触
- 電気特性測定
- 不良検出
動く針で順番に測る(治具なしICT)。可動プローブで各測定点に直接アクセスし、治具なしで電気検査を行う方式(柔軟だが時間はかかる)。
- 目的・関連試験等
-
- 電気検査(抵抗・導通・ショート)
- 試作評価(設計確認)
- 少量生産検査(柔軟対応)
- 具体例
-
- 配線オープン不良(導通なし)の検出
- ショート不良の検出
- 抵抗・コンデンサ値違いの検出
- はんだ接合不良の検出
- 関連用語
-
- ICT
- ATE
- DUT
- 機能試験
- 関連ページ
フラックス残渣 Flux Residue
はんだ付け後に接合部や基板表面に残るフラックス成分。
フラックス残渣
フラックス残渣とは、はんだ付け工程で使用されたフラックスの成分が、加熱後に完全に除去されず、接合部や基板表面に残留したものである。フラックスは酸化膜の除去や濡れ性向上のために使用されるが、その一部は有機物やイオン性物質として残る。この残渣が湿度環境下で水分を吸収すると、電解質として作用し、絶縁抵抗低下、イオンマイグレーション、トラッキングなどの原因となる。
- はんだ付け(フラックス使用)
- 加熱・活性化
- 一部成分が残留
- フラックス残渣
- 吸湿
- 電解・劣化
接合後に残る“見えない汚れ”が劣化を引き起こす。はんだ付け後に残留するフラックス成分であり、吸湿により電解劣化や絶縁不良を引き起こす主要な汚染要因。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → 電解・絶縁低下)
- HAST(高温高湿 → 劣化加速)
- イオン汚染試験(残渣 → 導電性評価)
- 具体例
-
- 残渣の吸湿による絶縁抵抗低下・リーク電流発生
- イオンマイグレーションによる配線間短絡
- トラッキングによる導電パス形成
- 接点周辺の腐食による接触不良
- 関連用語
-
- はんだ付け
- 絶縁抵抗
- イオンマイグレーション
- トラッキング
- 関連ページ
プラスチックパッケージ Plastic Package
樹脂(プラスチック)材料で半導体チップを封止したパッケージ。
プラスチックパッケージ
プラスチックパッケージとは、半導体チップをエポキシ樹脂などのプラスチック材料で封止した構造を指す。現在の半導体の大部分はこの方式が採用されている。低コスト、軽量、量産性が高く、最も普及しているが、湿度・熱の影響を受けやすい。主な材料は下記。
- エポキシ樹脂(モールド樹脂)
- シリカフィラー
- 接着樹脂
- 目的・関連試験等
-
- HAST → 吸湿+電圧(CAF・腐食評価)
- 温度サイクル試験 → CTE差(クラック)
- リフロー試験 → ポップコーン
- 具体例
-
- 一般IC(QFP、SOP、BGA)
- スマホ用IC
- 車載ECU(※対策強化版)
- 関連用語
-
- パッケージ
- 半導体
- 吸湿
- 腐食
- CAF
- デラミネーション
- HAST
- 温度サイクル
- リフロー
- 関連ページ
フラックス Flux
はんだ付け時に酸化膜を除去し、濡れ性を向上させる化学材料。
フラックス
フラックスとは、はんだ付け工程において金属表面の酸化膜を除去し、はんだが金属表面に広がりやすくする(濡れ性を向上させる)ために使用される化学材料である。加熱により活性化し、金属表面の酸化物を化学的に還元または除去することで、清浄な金属面を露出させる。その結果、溶融はんだが均一に濡れ広がり、良好な接合が形成される。一方で、使用後に残る成分(フラックス残渣)は吸湿や電解を引き起こし、絶縁低下やリーク電流の原因となる場合がある。
- 金属表面に酸化膜が存在する
- フラックスが塗布される
- 加熱によりフラックスが活性化する
- 酸化膜が除去・分解される
- 清浄な金属表面が露出する
- 溶融はんだが金属表面を濡らす
- 良好な接合が形成される
酸化膜を取って、はんだをくっつきやすくする。
- 目的・関連試験等
-
- はんだ濡れ性試験(フラックス性能評価)
- リフロー評価(接合品質確認)
- THB試験(残渣 → 電解影響評価)
- 具体例
-
- フラックス不足による濡れ不良
- 活性不足による未接合
- 過剰残渣によるリーク電流発生
- 残渣起因のマイグレーション
- 関連用語
-
- はんだ付け
- リフロー
- 濡れ性
- フラックス残渣
- 関連ページ
ブラックの式 Black’s Equation
電流密度と温度によるエレクトロマイグレーション寿命を予測するモデル。
ブラックの式
ブラックの式とは、導体配線における電流密度と温度が寿命に与える影響を表す経験式であり、エレクトロマイグレーション(EM)による断線寿命の予測に使用される。電流が多いほど、温度が高いほど寿命は短くなる。
- 電流密度↑ → 原子移動↑ → 寿命↓
- 温度↑ → 拡散促進 → 寿命↓
- ブラック=「電流と温度から配線寿命を決める式」
- 微細配線時代の必須モデル
実務ではIC設計で重要。
- 電流条件設定
- 温度条件設定
- 試験データ取得
- ブラック適用
- 寿命予測
- 目的・関連試験等
-
- HTOL(ブラック適用可能) → 高温+通電
- パワーサイクル → 通電+発熱
- 具体例
-
- 微細配線 → 高電流密度 → 寿命短縮
- 車載ECU → 高温通電 → EM進行
- 長時間動作 → 抵抗増加
- 関連用語
-
- エレクトロマイグレーション
- 電気ストレス
- HTOL
- 加速試験
- アレニウス
- コフィン・マンソン
- 寿命予測
- MTTF
- 関連ページ
プリント基板 Printed Circuit Board(PCB)
電子部品を実装し、電気的に接続するための導電配線と絶縁基材からなる基板。
プリント基板
プリント基板(PCB)とは、電子部品を搭載し、それらを銅配線によって接続することで電子回路を構成する板状の構造体である。FR-4(Flame Retardant Type 4)という難燃性と低導電率を両立したガラスエポキシ樹脂を板を基材として、銅箔を貼り付けたガラスエポキシ基板がプリント基板として使われることが多い。「銅配線層」「絶縁層(樹脂)」「ガラス繊維(強化材)」「ビア(層間接続)」による多層構造が一般的。温度変化、湿度、機械応力の影響を受けやすく、吸湿、線膨張差、応力集中などにより、絶縁劣化、クラック、デラミネーション、マイグレーションなどの故障の起点となる。
- 絶縁基材(例:ガラスエポキシ)
- 導電層(銅配線)
- 層間構造(多層配線・ビア)
- 表面処理(めっき・保護膜)
- 電子部品(実装部)
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(CTE差 → 応力・クラック)
- THB試験(湿度 → 絶縁低下・マイグレーション)
- HAST(高温高湿 → 電解劣化)
- 曲げ試験(機械応力 → 割れ・剥離)
- 具体例
-
- 配線間の絶縁低下による短絡
- 吸湿による絶縁抵抗低下
- 層間剥離(デラミネーション)
- 熱応力によるクラック
- マイグレーションによる導電パス形成
- 関連用語
-
- はんだ接合部
- 線膨張係数
- デラミネーション
- 絶縁抵抗
- フラックス残渣
- 関連ページ
フレックスクラック Flex Crack
基板のたわみ(曲げ)による応力で、MLCC内部に発生するクラック(ひび割れ)。
フレックスクラック
フレックスクラックとは、プリント基板が曲げられた際に発生する機械応力によって、MLCC(積層セラミックコンデンサ)内部に生じるクラックである。MLCCはセラミック材料で構成されており、強度は高いが靭性が低く(割れやすい)、基板の変形に追従できない。そのため、基板がたわむと応力がMLCC内部に集中し、セラミック層や内部電極にひび割れが発生する。このクラックは外観では確認できない場合が多く、初期段階では電気特性に変化が出ないこともあるが、後に湿気侵入や電極接触により致命的な故障へ進展する。
- 基板に外力が加わる(実装、ネジ締結、取り扱い)
- 基板がたわむ
- MLCCに曲げ応力集中
- セラミック層にひずみ発生
- クラック発生(内部)
- 使用中に進展・拡大
- 湿気侵入 → 電極接触 → ショート
基板の曲げが原因で、内部から壊れる見えないクラック。初期は無症状だが、後から壊れる(遅延故障)。
- 目的・関連試験等
-
- 基板曲げ試験(Board Flex Test) → 曲げ量と破壊耐性評価
- 温度サイクル試験 → クラック進展の確認
- 温湿度試験(THB・HAST) → クラック後の電気劣化評価
- 具体例
-
- 実装後の基板分割(Vカット折り)でクラック発生
- ネジ締結による基板撓み
- 製品組立時の押し込み荷重
- 車載機器の振動+たわみ
- 関連用語
-
- MLCC
- 機械ストレス
- 荷重応力
- 熱ストレス
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
フレッティング腐食 Fretting Corrosion
接点に微小な繰り返し摺動が発生し、摩耗と酸化が進行して接触抵抗が増加することで生じる接点不良。
フレッティング腐食
フレッティング腐食とは、接点間に微小な相対運動(振動や熱膨張など)が繰り返し発生することで接触部が摩耗し、その新生面が酸化することを繰り返して接点劣化が進行する現象である。本来、接点は金属同士が直接接触して低抵抗を維持しているが、微小摺動によって接触部が削られ、さらにその新しい表面が酸化することで導電性の低い酸化粉(デブリ)が生成される。この摩耗と酸化の繰り返しにより接触界面に絶縁性物質が蓄積し、接触抵抗が増加して信号不安定や断続導通が発生する。
- 接点に微小な相対運動(振動・温度変化)が発生する
- 接触部が微小摺動する
- 表面が摩耗し金属地肌が露出する
- 露出面が酸素と反応して酸化する
- 酸化物(摩耗粉・デブリ)が生成される
- 酸化物が接触界面に蓄積する
- 実効接触面積が減少する
- 接触抵抗が増加する
- 信号が不安定・断続する
- 接点不良が発生する
こすれて削れて酸化して、接点が死ぬ。
- 目的・関連試験等
-
- 振動試験(微小摺動 → フレッティング発生)
- 温度サイクル試験(膨張収縮 → 相対運動)
- 接触抵抗試験(抵抗変化 → 劣化評価)
- 具体例
-
- コネクタ接点の振動による断続接触
- 車載環境での端子接触不良
- 長期使用による接触抵抗の増加
- 摺動部での黒色粉(酸化デブリ)発生
- 関連用語
-
- 接触抵抗
- 酸化膜形成
- 摩耗
- 振動+I188
- 関連ページ
フレッティング摩耗 Fretting Wear
接触面に微小な繰り返し摺動が生じ、表面が摩耗して損耗する現象。
フレッティング摩耗
フレッティング摩耗とは、接触している部品同士が微小に動き続けることで、表面が繰り返し損傷・摩耗する現象を指す。動いていると認識できないレベルの微小振動で削れる。「接触面が小さい」「微細動作が止まらない」「酸化が同時進行」することが理由として挙げあれる。発生個所は、電子機器では「コネクタ接点」「リレー接点」「スイッチ」、その他に「ワイヤボンド接点」「はんだ接触部」などの"振動+接触"がある場所。
- 接触面に微小な相対運動が生じる
- 接触部で繰り返し摺動が発生する
- 表面が機械的に削られる
- 摩耗粉(デブリ)が生成される
- 接触面の形状が変化する
- 接触状態が不安定になる
微小摺動により接触面が機械的に摩耗し、接触状態を悪化させる現象。
- 目的・関連試験等
-
- 振動試験(微小摺動 → 摩耗発生)
- 温度サイクル試験(膨張差 → 相対運動)
- 摩耗試験(表面損耗評価)
- 具体例
-
- コネクタ接点の摺動による表面摩耗
- 振動環境での端子摩耗
- 接触面の荒れによる接触状態悪化
- 摺動部での摩耗粉の発生
- 関連用語
-
- フレッティング腐食
- 摩耗
- 接触抵抗
- 振動
- 関連ページ
粉塵試験 Dust Test
粉塵の侵入や付着による影響を評価する試験。
粉塵試験
粉塵試験とは、電子機器や部品を粉塵(ダスト)環境に曝露し、粒子の侵入や付着によって発生する性能低下・劣化を評価する試験である。粉塵そのものは化学反応の主体ではないが、以下のような影響を通じて信頼性に大きく関与する。
- 接点への付着 → 接触抵抗増加
- 表面汚染 → 絶縁低下(湿気と組合せ)
- 可動部への侵入 → 摩耗・動作不良
- 放熱阻害 → 温度上昇
粒子の侵入・付着による機能低下を評価する試験。粒子環境ストレスの評価試験。
- 試験体を粉塵環境に曝露
- 粒子の侵入・付着
- 動作または保持
- 性能評価(導通・絶縁・動作)
- 異常の有無確認
- 目的・関連試験等
-
- 粉塵試験 → 粒子(ダスト)の“侵入”と“付着”
- IP試験(防塵) → IP5X(防塵)、IP6X(耐塵)
- IEC 60529 → 外来固形物に対する保護等級
- 具体例
-
- コネクタ接点への粉塵付着 → 接触不良
- 基板表面への粒子付着 → SIR低下(湿気併用)
- 機構部への侵入 → 動作不良
- 冷却系への堆積 → 温度上昇
- 関連用語
-
- 不純物付着
- イオン汚染
- 接触抵抗
- コネクタ
- 防塵設計
- 関連ページ
変色・強度劣化 Discoloration and Mechanical Degradation
材料が外部環境の影響で色調が変化し、同時に機械的強度が低下する劣化現象。
変色・強度劣化
変色・強度劣化とは、材料が光、熱、酸化、湿度などの影響を受けることで、化学構造が変化し、外観の変化(変色)とともに機械的特性(強度・靭性)が低下する現象である。特に樹脂材料では、分子鎖の切断や酸化反応により、黄変や褐変などの変色が発生すると同時に、脆化が進行してクラック発生や破断が起こりやすくなる。変色は劣化の指標として観察されることが多く、強度劣化は機能障害や破壊の直接原因となる。
- 変色(Discoloration) → 黄変、黒化、退色
- 強度劣化(Mechanical Degradation) → 脆化(もろくなる)、割れやすくなる、弾性低下
- 光・熱・酸素などの外部環境が作用する
- 材料内部で化学反応(分解・酸化)が起こる
- 分子構造が変化する
- 光学特性が変化し変色が発生する
- 分子鎖の劣化により機械的強度が低下する
- 材料が脆化する
- クラックが発生・進展する
- 最終的に破壊や機能低下に至る
見た目が変わると同時に弱くなる。
- 目的・関連試験等
-
- 耐光試験(光 → 変色・劣化)
- 高温試験(熱 → 劣化進行)
- HAST(高温高湿 → 酸化・分解)
- 具体例
-
- 樹脂の黄変と同時に発生する脆化
- 封止材の変色による特性低下とクラック
- コーティング材の劣化による保護性能低下
- ケーブル被覆の劣化による破断
- 関連用語
-
- 光ストレス
- 酸化
- クラック
- 劣化
- 関連ページ
ボイド Void
材料内部や接合部に存在する空隙(空洞)。
ボイド
ボイドとは、材料内部や接合部(特にはんだ接合部など)に生じる空隙や気泡状の欠陥を指す。主に製造工程(はんだリフローなど)や材料内部のガス発生、溶融・凝固過程において形成される。ボイドは導電性・機械強度・熱伝導性に影響を与え、信頼性低下の原因となる。
- はんだ溶融
- ガス発生 / フラックス揮発
- 気泡発生
- 凝固時に閉じ込められる
- ボイド形成
主な発生場所は以下。
- はんだ接合部(最重要)
- 銅めっき内部
- 樹脂内部
- コーティング層
信頼性との関係において、ボイドは直接の故障だけでなく、劣化を加速する要因になる。
- 機械強度低下(有効断面積減少) → 応力集中
- 熱伝導低下(空気は熱を伝えにくい) → ホットスポット
- 電流集中(有効断面減少) → 電流密度上昇
- クラック起点 → 空洞が応力集中源
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験 → 熱疲労でクラック進展
- 高電流試験 → 局所加熱
- 熱抵抗評価 → 放熱性能低下
- 具体例
-
- BGAはんだ → ボイド → クラック
- パワーデバイス → 放熱不良
- 配線 → 電流密度集中
- 鉛フリーはんだ → ボイド発生しやすい
- 関連用語
-
- はんだ接合
- IMC
- 電流密度
- 熱応力
- クラック
- 関連ページ
防湿コーティング Conformal Coating
電子回路表面を覆い、湿度や汚染物から保護するためのコーティング。
防湿コーティング
防湿コーティングとは、プリント基板や電子部品の表面に薄膜を形成し、水分、汚染物、腐食性雰囲気から回路を保護するためのコーティング処理である。塗布された膜は回路形状に追従して均一に覆う(コンフォーマル=形状追従)ため、微細な配線や部品間の隙間にも保護層を形成できる。これにより、水分吸収やイオン汚染の影響を抑え、絶縁抵抗低下、イオンマイグレーション、トラッキング、腐食などの発生を防止する。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → 保護性能評価)
- HAST(高温高湿 → 加速耐久性評価)
- 結露試験(水分 → 防水性評価)
- 具体例
-
- 吸湿による絶縁抵抗低下の抑制
- イオンマイグレーションの防止
- トラッキングの抑制
- フラックス残渣の影響低減
- 異種金属腐食の抑制
- 関連用語
-
- コーティング剤
- フラックス残渣
- 絶縁抵抗
- トラッキング
- イオンマイグレーション
- 関連ページ
膨潤 Swelling
材料が水分や溶媒を吸収して体積が増加する現象。
膨潤
膨潤とは、材料が水分などを取り込むことで内部が膨張し、体積が増加する現象を指す。特に樹脂材料(プラスチック)で顕著に発生する。分子間に水が入り込むことで材料が広がる(膨張)のだが、単なる水分吸収ではなく“体積変化”が本質。主な影響は下記。
- 応力発生(最重要) → 膨張不一致、応力集中
- デラミネーション → 界面剥離
- クラック発生 → 強度低下+応力
- ポップコーン現象 → 吸湿+急加熱、膨張爆発
膨潤=「吸湿の次に起こる体積変化」「水を吸って膨らみ、壊れる原因を作る現象」
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(吸湿 → 膨潤)
- HAST(高温高湿 → 膨潤加速)
- 吸湿試験(重量・寸法変化評価)
- 具体例
-
- 基板の吸湿膨潤による反り・応力発生
- 封止樹脂の膨潤によるデラミネーション
- コーティング材の膨潤による剥離
- 接合部への応力増加によるクラック
- 関連用語
-
- 吸湿
- デラミネーション
- クラック
- 応力
- 関連ページ
飽和水蒸気量 Saturated Water Vapor Amount
空気中に含むことができる水蒸気の最大量(温度ごとに決まる上限)。
飽和水蒸気量
飽和水蒸気量とは、ある温度において空気が保持できる水蒸気の最大量であり、この量を超えると水蒸気は凝結して液体(水)となる。通常は空気1m³あたりの水蒸気量(g/m³)として表され、温度が高いほど大きくなる。湿度(相対湿度)は、この飽和水蒸気量に対する実際の水蒸気量の割合である。
- 温度決定
- 飽和水蒸気量が決まる
- 実際の水蒸気量と比較
- (超過すると)
- 結露発生
その温度で空気が持てる水の上限。
- 目的・関連試験等
-
- HAST(高温 → 飽和水蒸気量増加 → 水分浸透促進)
- THB試験(温湿度条件 → 吸湿・劣化評価)
- 結露試験(温度低下 → 飽和超過 → 水滴発生)
- 具体例
-
- 温度低下による結露発生(飽和超過)
- 高温環境での空気中水分増加による吸湿促進
- 密閉環境での水分飽和による腐食進行
- 関連用語
-
- 湿度
- 相対湿度
- 露点
- 吸湿率
- 関連ページ
ポップコーン現象 Popcorn Phenomenon
吸湿した材料が加熱時に内部の水分膨張により破裂・クラックを起こす現象。
ポップコーン現象
ポップコーン現象とは、樹脂パッケージや基板などが吸湿した状態で加熱されると、内部の水分が急激に蒸発・膨張し、材料内部に大きな応力が発生して破壊する現象を指す。名前の由来は、加熱時に“ポン”と破裂する様子がポップコーンに似ているため。
- 材料が湿気を吸収(吸湿)
- 内部に水分が保持される
- リフロー等で急加熱
- 水分が急激に気化・膨張
- 内部圧力上昇 → クラック・剥離
水分+急加熱が条件。
- 目的・関連試験等
-
- 吸湿試験(事前評価)
- リフロー耐性試験
- MSL試験(湿度管理レベル)
- 乾燥処理(ベーキング)
- 防湿保管(ドライパック)
- 具体例
-
- ICパッケージ内部クラック
- BGA実装後の剥離不良
- 外観正常でも内部破壊 → 後で故障
- 関連用語
-
- 吸湿
- 吸湿率
- HAST
- MSL(湿度管理レベル)
- クラック
- 関連ページ
マイグレーション Migration
材料中または表面で物質が移動し、構造や電気特性に劣化を引き起こす現象の総称。
マイグレーション
マイグレーションとは、金属原子やイオンなどの物質が、電界・電流・濃度差・水分などの影響を受けて移動する現象を指す。電子機器においては、この移動によって本来分離されているべき領域に導電経路が形成されたり、材料が失われたりすることで、絶縁不良や断線といった不具合が発生する。マイグレーションは発生要因により複数の種類に分類される。
- 電界+水分 → エレクトロケミカルマイグレーション(イオンマイグレーション)
- 電流 → エレクトロマイグレーション
- 基板内部+電界 → CAF
つまりマイグレーションとは、「物質移動による劣化現象の上位概念」。
- 移動する物質の存在(金属原子・金属イオンなど)
- 駆動力の発生(電界・電流・濃度差・湿気など)
- 物質の移動開始
- 移動先での蓄積・欠損
- 構造変化・導電経路形成
- 電気的・機械的劣化
ポイントは「動く → たまる(または失う) → 壊れる」ということ。
- 目的・関連試験等
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- HAST / THB → イオンマイグレーション評価
- 表面絶縁抵抗(SIR)試験 → 表面絶縁の劣化確認
- 高電流試験 → エレクトロマイグレーション評価
- 温度サイクル試験 → 複合劣化との相互作用確認
- 具体例
-
- 配線間で金属が移動しショート(イオンマイグレーション)
- 配線内で原子が移動し断線(エレクトロマイグレーション)
- 基板内部でフィラメント形成(CAF)
- 関連用語
-
- エレクトロケミカルマイグレーション
- イオンマイグレーション
- エレクトロマイグレーション
- CAF
- 電界
- 電流密度
- リーク電流
- 絶縁抵抗
- 関連ページ
前処理 Preconditioning
後工程や試験の前に、対象の状態を整えるために行う処理。
前処理
前処理とは、加工、接合、試験などの後工程を適切に実施するために、対象物の表面状態や内部状態をあらかじめ調整・安定化させる処理である。具体的には、洗浄、乾燥、脱脂、表面活性化などが含まれ、汚染物の除去や状態の均一化を行うことで、接合性や測定の再現性を向上させる。前処理が不十分な場合、はんだ付け不良、接触不良、試験ばらつきなどの原因となる。
- 対象に汚染物や状態のばらつきが存在する
- 洗浄・乾燥・脱脂などの処理を行う
- 表面状態や内部状態が均一化される
- 接合性・測定性が向上する
- 後工程の品質と再現性が安定する
後工程の品質と再現性を確保するために、対象の状態を事前に整える工程。
- 目的・関連試験等
-
- はんだ付け(前処理 → 濡れ性向上)
- THB試験(乾燥 → 吸湿条件統一)
- 表面評価(洗浄 → 測定精度向上)
- 具体例
-
- 基板洗浄によるフラックス残渣除去
- 乾燥処理による吸湿除去
- 脱脂による接触不良防止
- 表面処理による接合性向上
- 関連用語
-
- 洗浄
- 乾燥
- はんだ付け
- フラックス残渣
- 関連ページ
曲げ応力 Bending Stress
物体が曲げられたときに内部に生じる、引張と圧縮が分布した応力。
曲げ応力
曲げ応力とは、物体に曲げ変形が加わったときに内部で発生する応力であり、一方の側には引張応力、反対側には圧縮応力が同時に分布する。断面内部には、引張と圧縮が切り替わる「中立軸」が存在し、この軸から離れるほど応力は大きくなる。そのため、表面付近で最大応力が発生し、クラックや破断の起点となる。電子機器では、基板のたわみや落下、実装時の応力により発生し、はんだ接合部や部品(特にMLCC)で破壊の原因となる。
- 外力により物体に曲げ変形が生じる
- 断面内に応力分布が発生する
- 一方の側に引張応力が生じる
- 反対側に圧縮応力が生じる
- 中立軸から離れるほど応力が増加する
- 表面付近で最大応力となる
- 強度を超えた側でクラックが発生する
- 破断または機能不良に至る
曲げると外側は引き裂かれ、内側は押し潰される。
- 目的・関連試験等
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- 曲げ試験(変形 → 応力評価)
- 落下試験(衝撃 → 曲げ発生)
- 実装工程(基板たわみ → 部品破壊)
- 具体例
-
- 基板のたわみによるはんだ接合部クラック
- MLCCの曲げ応力による割れ(ボードストレス)
- コネクタ部の曲げによる断線
- 落下時の基板変形による破壊
- 関連用語
-
- 引張応力
- 圧縮応力
- 応力
- ひずみ
- クラック
- 関連ページ
摩耗 Wear
接触や摩擦により材料表面が徐々に削られ、損耗していく現象。
摩耗
摩耗とは、物体どうしが接触し、相対的に動くことで材料表面が削られていく現象を指す。電子機器では主に接点・可動部・繰り返し接触部で問題になる。主な摩耗の種類は下記。
- アブレシブ摩耗(研磨摩耗) → 硬い粒子で削られる
- アドヒーシブ摩耗(凝着摩耗) → 金属同士がくっついて剥がれる
- フレッティング摩耗(最重要) → 微小振動による繰り返し摩耗
摩耗=「削れて性能が落ちる劣化」
発生個所は、電子機器では「コネクタ接点」「リレー接点」「スイッチ」、微小構造では「ワイヤ接触部」「接合端子」などの接触する場所全て。
- 接触面が接触した状態になる
- 相対運動(摺動・振動など)が発生する
- 接触部に摩擦力が作用する
- 表面材料が削られる・剥がれる
- 摩耗粉(デブリ)が生成される
- 表面形状や接触状態が変化する
- 性能低下や不具合につながる
接触面の相対運動により材料が削られ、表面状態が変化する基本的な機械的劣化現象。
- 目的・関連試験等
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- 摺動試験(摩耗量評価)
- 振動試験(微小運動 → 摩耗発生)
- 耐久試験(長期運動 → 摩耗進行)
- 具体例
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- コネクタ接点の摩耗による接触不良
- 可動部の摩耗による機構不良
- 接点の摩耗によるめっき剥離
- 摩耗粉の蓄積による導通障害
- 関連用語
-
- フレッティング摩耗
- フレッティング腐食
- 接触抵抗
- 摩擦
- 関連ページ
摩耗故障 Wear-out Failure
長期間の使用による経年劣化によって機能が維持できなくなり発生する故障。
摩耗故障
摩耗故障とは、信頼性の定義ではバスタブカーブにおける摩耗故障機関の故障を示す。時間とともに進行するため、突発的ではなく累積劣化による故障(終末型故障)として現れるのが特徴。狭義の意味では摺動や接触を繰り返すことによって材料が削れたり失われたりし、その結果、機械的・電気的な機能が維持できなくなることで発生する故障である。摩耗は寿命型故障
- 目的・関連試験等
-
- 耐久試験(繰り返し動作 → 摩耗進行)
- 摺動試験(摩耗量 → 評価)
- 接触抵抗試験(接触状態 → 劣化確認)
- 具体例
-
- コネクタ接点の摩耗による導通不良
- リレー接点の摩耗による接触不良
- 可動部の摩耗による動作不良
- めっき層摩耗による地金露出
- 関連用語
-
- 摩耗
- フレッティング摩耗
- フレッティング腐食
- 接触抵抗
- 関連ページ
無機系ガス Inorganic Gas
無機物由来の化学成分からなるガスで、材料や電子部品に腐食や劣化を引き起こす要因。
無機系ガス
無機系ガスとは、酸素、硫化物、窒素酸化物などの無機化学物質からなる気体を指し、環境中に存在または材料から発生することで、電子機器の腐食や劣化を引き起こす。主な無機系ガスは下記。
- 酸素(O₂) → 酸化反応、金属劣化
- 硫黄系ガス(H₂S, SO₂) → 銀・銅腐食
- 窒素酸化物(NOx) → 酸性化、腐食促進
- 塩素系ガス(Cl₂など) → 強い腐食性
発生源は外部環境として「工業環境」「自動車排気」「屋外環境」があり、内部(重要)には「樹脂・材料のアウトガス」「接着剤」「コーティング材」が挙げられる。これらのガスは湿度と組み合わさると強い腐食環境を生む。
- 目的・関連試験等
-
- ガス腐食試験(無機ガス → 腐食評価)
- 混合ガス試験(複合環境 → 劣化評価)
- 接触抵抗試験(腐食影響 → 導通評価)
- 具体例
-
- 銀接点の硫化による黒化・導通不良
- 銅表面の腐食による接触抵抗増加
- 塩素ガスによる金属腐食
- 接点表面の生成物付着による接触不良
- 関連用語
-
- 硫化ガス
- 硫化腐食
- 有機系ガス
- 接触抵抗
- 関連ページ
メジアンランク Median Rank
故障データを順序付けたときの累積故障確率を近似するための順位ベースの指標。
メジアンランク
メジアンランクとは、故障データを小さい順に並べたときに、それぞれのデータが“どのくらいの確率で故障したか”を近似的に表す値である。「n番目に壊れたものは、全体の何%で壊れたか」を推定するが、実際の確率は分からない。順位から近似する。統計的に“累積故障率”を作る方法。
メジアンランク=「順位から確率を作る方法」
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験の結果解析
- HTOLデータ解析
- 寿命分布の可視化
- 「壊れ方の分布」を見る
- 具体例
-
例えば10個試験して、
・1番目に壊れた → 約0.07
・5番目 → 約0.5
・10番目 → 約0.93累積分布が作れる。
- 関連用語
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- 信頼性試験
- 加速試験
- ワイブル解析
- 寿命予測
- MTTF
- MTBF
- 関連ページ
ヤング率 Young’s Modulus
材料に力を加えたときの、応力とひずみの比例関係を示す物性値。
ヤング率
ヤング率とは、材料に引張または圧縮の力を加えたときに発生する応力(力の密度)とひずみ(変形割合)との関係を表す物理量である。単位はPa(N/m²)で表され、ヤング率が大きいほど変形しにくく(剛性が高い)、小さいほど変形しやすい材料であることを示す。
ヤング率 E = 応力 σ / ひずみ ε
- 外力(引張・圧縮)
- 内部に応力発生
- 材料が変形(ひずみ)
- 応力とひずみの比例関係
- ヤング率として定義
力をかけたときの変形しにくさ(硬さ)。応力とひずみの比例関係を表し、材料の変形しにくさを示す物性値。
- 目的・関連試験等
-
- 引張試験(応力-ひずみ関係 → ヤング率測定)
- 圧縮試験(変形特性 → 剛性評価)
- 曲げ試験(変形量 → 材料剛性)
- 具体例
-
- ヤング率差による変形差 → はんだ接合のクラック
- 剛性差による応力集中 → 接着界面の剥離
- 硬い材料と柔らかい材料の組合せによる疲労破壊
- 基板と部品の剛性差による割れ
- 関連用語
-
- 応力
- ひずみ
- 線膨張係数
- 熱応力
- 関連ページ
有機系ガス Organic Gas
有機物由来の成分を含むガスで、材料の劣化や汚染、接触不良の原因となる気体。
有機系ガス
有機系ガスとは、炭素を含む有機化合物が気化したガス(揮発性有機化合物:VOCなど)を指し、材料から発生(アウトガス)または環境中から付着して、電子部品に影響を与える。材料(樹脂や接着剤)から出てきて、別の場所を汚す。内部発生する汚染源”なのが最大の特徴。主な成分は下記。
- 揮発性有機化合物(VOC) → アルコール類、エステル。
炭化水素
- 樹脂由来成分 → エポキシ分解生成物、可塑剤
次のようにまとめられる。
- 有機系ガス=「材料から出てきて汚すガス」
- 接触不良・汚染トラブルの裏原因
- ガス由来劣化は、無機系ガス(腐食)+有機系ガス(汚染)
- 目的・関連試験等
-
- ガス腐食試験(環境ガス → 劣化評価)
- 保存試験(長期 → 揮発影響評価)
- 具体例
-
- ゴム部材からのガスによる接点汚染
- 樹脂部材からのアウトガスによる付着物形成
- 接点表面の汚染による接触抵抗増加
- 他ガス(硫化ガス)と組み合わさった腐食促進
- 関連用語
-
- 硫化ガス
- 硫化腐食
- フラックス残渣
- トラッキング
- 関連ページ
落下衝撃 Drop Shock
製品が落下した際に発生する瞬間的な衝撃によって、内部や接合部にダメージが生じる現象。
落下衝撃
落下衝撃とは、製品が落下して地面などに衝突した際に生じる急激な加速度(衝撃)によって、構造や接合部にダメージが発生する現象を指す。非常に短時間で大きな応力が発生し、一瞬で大きな力がかかる。
- 時間:ミリ秒レベル
- 加速度:数百〜数千G
携帯機器を人が落としたり、車載搬送中に落下するなど、実環境に直結したストレス。構造強度の評価に不可欠。
落下衝撃=「一瞬の力で壊れる機械ストレス」
- 物体が落下する
- 衝突により急激に減速する
- 大きな加速度(衝撃)が発生する
- 慣性力により内部に応力が発生する
- 局所的に応力が集中する
- 材料の強度を超える
- クラックや破断が発生する
- 機能不良や故障に至る
一瞬の衝撃で一気に壊れる。
- 目的・関連試験等
-
- 落下試験(衝撃 → 耐久評価)
- 衝撃試験(加速度 → 強度評価)
- 梱包試験(輸送時耐性確認)
- 具体例
-
- 基板のたわみによるはんだクラック
- MLCCの割れ(チップクラック)
- コネクタ脱落・接触不良
- 内部断線による機能停止
- 関連用語
-
- 衝撃
- 曲げ応力
- 応力集中
- クラック
- 関連ページ
リーク電流 Leakage Current
本来流れてはいけない経路にわずかに流れる電流。
リーク電流
リーク電流とは、絶縁されているはずの部分に微小に流れてしまう電流を指す。理想的には電流は設計された導電経路のみを流れるが、絶縁材料の劣化、水分の付着、汚染物(イオンなど)の存在により、微小な導電路が形成されることでリーク電流が発生する。リーク電流の増加は、絶縁抵抗の低下を示す指標であり、進行するとトラッキングやマイグレーションによる短絡につながる。絶縁抵抗との関係は下記。
- 絶縁抵抗が高い → 電流流れない
- 絶縁抵抗が低い → 電流が流れる
同じ現象を別の見方で表している。
- 絶縁されている構造が存在する
- 湿度・汚染・劣化が発生する
- 絶縁特性が低下する
- 微小な導電経路が形成される
- 本来流れない経路に電流が流れる
- リーク電流が発生する
- 増加すると短絡や不良に至る
電気的劣化や短絡の前段階となる現象。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → リーク増加)
- HAST(高温高湿 → 劣化加速)
- 絶縁抵抗試験(リーク電流 → 評価)
- 具体例
-
- 基板表面の湿気によるリーク電流発生
- フラックス残渣による導電パス形成
- 絶縁材劣化による漏れ電流増加
- マイグレーション前段階の微小電流
- 関連用語
-
- 絶縁抵抗
- トラッキング
- イオンマイグレーション
- 電界強度
- 関連ページ
リーク電流増大 Increase of Leakage Current
絶縁すべき部分に電流が流れてしまい、その量が増加する現象。
リーク電流増大
リーク電流増大とは、本来電流が流れない部分(絶縁部)に微小電流が流れ、その量が増えていく現象を指す。目に見えない劣化を数値で捉える指標で、絶縁が壊れ始めているサイン。
- 微小なリーク電流が発生する
- 湿度・汚染・電界などが作用する
- 導電経路が形成・拡大する
- 絶縁抵抗が低下する
- リーク電流が増加する
- 電流による発熱・電解が進行する
- 導電経路がさらに成長する
- 最終的に短絡や機能不良に至る
リーク電流増大は電気的不具合の最重要指標。
- 吸湿・水分 → 水が導電媒体になる
- 不純物(イオン) → Na⁺、Cl⁻ → 導電性向上
- 腐食 → 金属イオン移動
- CAF → 導電フィラメント形成
- 絶縁劣化(TDDB) → 絶縁破壊前段階
主な原因は湿度+電気ストレス。
- 目的・関連試験等
-
- THB試験(湿度+電圧 → リーク増大)
- HAST(高温高湿 → 劣化加速)
- 絶縁抵抗試験(劣化進行 → 数値低下)
- 具体例
-
- 基板表面の湿気によりリーク電流が徐々に増加
- フラックス残渣が原因で導電パスが拡大
- マイグレーション前段階でのリーク増加
- トラッキング発生前の電流増大
- 関連用語
-
- リーク電流
- 絶縁抵抗
- トラッキング
- イオンマイグレーション
- 電界強度
- 関連ページ
リードフレーム Lead Frame
半導体チップと外部端子を接続するための金属製の支持・配線構造。
リードフレーム
リードフレームとは、半導体チップを支持し、ワイヤボンディングによってチップと外部端子を接続する金属構造を指す。一枚の金属板から作られるチップと外部を“金属でつなぐ土台”。
- ダイパッド(チップ搭載部)
- リード部(外部端子)
- タイバー(フレーム保持部)
- ボンディング部(接続領域)
チップを支えながら、電気と熱も流す金属骨格で、下記3つの役割を同時に持つ
- 電気接続
- 熱拡散
- 構造支持
- 目的・関連試験等
-
- 温度サイクル試験(CTE差 → 応力・クラック)
- HAST(湿度 → 腐食)
- 信頼性試験(長期劣化 → 接続不良)
- 具体例
-
- リードと樹脂界面のデラミネーション
- 接合部の疲労による断線
- 腐食による導通不良
- 熱応力によるクラック
- 関連用語
-
- ワイヤボンディング
- はんだ接合部
- 封止樹脂
- 線膨張係数(CTE)
- 関連ページ
リフロー Reflow Soldering
はんだを加熱して溶融・再固化させ、電子部品を基板に接合する実装プロセス。
リフロー
リフローとは、はんだペーストを塗布した基板に電子部品を配置し、加熱によってはんだを溶かして接合する工程を指す。一旦溶けた(Reflow)後、冷却して接合が完成することからこの名前がついている。現在の電子機器製造では最も一般的な実装方法。リフロー条件が不適切な場合、濡れ不良、ボイド、接合不良、IMC過成長などの不具合が発生する。
- はんだペーストを基板に印刷する
- 部品を配置する
- 加熱によりはんだが溶融する
- 溶融はんだが金属表面を濡らす
- 界面で反応しIMCが形成される
- 冷却によりはんだが固化する
- はんだ接合部が形成される
- 目的・関連試験等
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- リフロープロファイル評価(温度条件確認)
- 接合強度試験(接合品質評価)
- 外観検査(濡れ・ボイド確認)
- 具体例
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- 濡れ不良による未接合
- ボイド発生による強度低下
- 過熱によるIMC過成長
- 部品浮き・位置ずれ
- 関連用語
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- はんだ付け
- はんだ接合部
- IMC
- フラックス
- 関連ページ
硫化ガス Sulfur-Containing Gas
硫黄を含む成分からなるガスで、金属の腐食(硫化腐食)を引き起こす原因となる気体。
硫化ガス
硫化ガスとは、硫黄(S)を含む化合物が気体となったもので、金属と化学反応して腐食を引き起こすガスを指す。無機系ガスの中でも特に強力な腐食源。
- 硫化水素(H₂S) → 強い腐食性、銀・銅に影響大
- 二酸化硫黄(SO₂) → 湿度と反応、酸性化
接点・コネクタへの影響は特に大きい。硫化腐食(Sulfur Corrosion)と呼ぶ。
- 硫化ガスが環境中に存在する
- ガスが金属表面に到達する
- 金属と硫黄成分が反応する
- 表面に硫化物(硫化膜)が形成される
- 接点表面が被覆される
- 導電接触が阻害される
- 接触抵抗が増加する
- 接点不良が発生する金属と反応して硫化物を生成する硫黄系の気体。
- 目的・関連試験等
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- ガス腐食試験(硫化環境 → 劣化評価)
- 混合ガス試験(腐食性ガス → 接点評価)
- HAST(環境促進 → 腐食要因との相乗)
- 具体例
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- 銀めっき接点の黒色化(硫化銀生成)
- コネクタ接点の接触抵抗増加
- リレー接点の導通不良
- ゴム部品近傍での硫化による接点劣化
- 関連用語
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- フレッティング腐食
- 接触抵抗
- 酸化膜形成
- 腐食
- 関連ページ
硫化腐食 Sulfur Corrosion
硫化ガスと金属が反応して硫化物を形成し、導通や特性が劣化する腐食現象。
硫化腐食
硫化腐食とは、硫黄を含むガス(H₂Sなど)が金属と化学反応し、硫化物を生成することで進行する腐食現象を指す。金属の表面が“別物(硫化物)”に変わる。
- 硫化ガスが環境中に存在する
- ガスが金属表面に到達する
- 金属と硫黄成分が反応する
- 硫化物(硫化膜)が形成される
- 硫化膜が接点表面を被覆する
- 金属同士の直接接触が阻害される
- 接触抵抗が増加する
- 接点不良や導通不良が発生する
フレッティング摩耗により金属が露出して硫化腐食する現象は、最も再現されやすい現場トラブル。
- 目的・関連試験等
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- ガス腐食試験(硫化環境 → 腐食評価)
- 混合ガス試験(複合腐食 → 接点劣化評価)
- 接触抵抗試験(腐食影響 → 導通評価)
- 具体例
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- 銀接点の黒化(硫化銀生成)による導通不良
- コネクタ端子の接触抵抗増加
- リレー接点の不動作
- 硫化環境での長期保管後の接点不良
- 関連用語
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- 硫化ガス
- 酸化膜形成
- 接触抵抗
- フレッティング腐食
- 関連ページ
リレー Relay
電気信号によって接点のオン・オフを切り替える電気機械式スイッチ。
リレー
リレーとは、電気信号を利用して接点を開閉し、回路のオン・オフを制御する装置である。小さな電流で大きな電流・電圧を制御できる。電気→機械→電気の変換。
- コイルに電流が流れる
- 磁力発生
- 接点が動く
- 回路がON / OFF
接触信頼性が命であり、接点の接触に依存する部品。
接触劣化=故障
主な不具合として、劣化は全て入る。
- 摩耗故障(開閉の繰り返し) → 接点摩耗、導通悪化
- フレッティング摩耗(微小振動) → 接点劣化
- 腐食(無機系ガス・湿度) → 表面劣化
- 有機汚染(有機系ガス) → 汚染膜形成
- 目的・関連試験等
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- 耐久試験(開閉繰り返し → 摩耗)
- 接点抵抗試験(接触状態評価)
- 振動試験(誤動作・フレッティング)
- 具体例
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- 車載リレーの電源制御
- 家電の電力スイッチング
- 接点摩耗による導通不良
- 接点酸化による接触抵抗増加
- フレッティングによる断続動作
- 関連用語
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- 接触抵抗
- フレッティング腐食
- 摩耗
- スイッチ
- 関連ページ
冷熱衝撃装置 Thermal Shock Chamber
高温と低温を急激に切り替え、急激な温度変化による影響を評価する試験装置。
冷熱衝撃装置
冷熱衝撃装置(冷熱衝撃試験機、熱衝撃装置)とは、供試品を高温環境と低温環境の間で急速に移動または切替させることで、急激な温度変化(温度勾配)を与え、熱応力や材料劣化を評価する試験装置である。通常の温度サイクル試験よりも温度変化速度が非常に速く、材料間の線膨張係数(CTE)差による応力が瞬間的に大きく発生するため、クラックや剥離の評価に適している。
- 高温槽(例:+150℃)
- 低温槽(例:-40℃)
- (1と2の間を数秒〜数十秒で繰り返し移動)
- 急激な温度変化
- 熱応力発生
高温と低温を急激に切替え、熱応力による破壊を評価する装置(高速・高負荷試験)。
- 目的・関連試験等
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- 熱衝撃試験(急変 → クラック・剥離)
- 具体例
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- はんだ接合部の急激な応力によるクラック
- ICパッケージ内部のデラミネーション
- MLCCの熱衝撃による割れ
- 基板と部品間の剥離
- 関連用語
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- 温度サイクル試験
- 線膨張係数(CTE)
- 熱応力
- デラミネーション
- 関連ページ
劣化 Degradation
材料や製品の特性や性能が時間とともに低下する現象。
劣化
劣化とは、材料や電子デバイスが使用環境や時間の経過により、物理的、化学的、電気的特性が変化し、性能が低下する現象である。原因には、温度、湿度、応力、電界、光などの環境要因があり、それぞれが単独または複合的に作用することで進行する。劣化は徐々に進む場合が多く、クラック、腐食、絶縁低下、接触不良などの具体的な故障現象として現れる。
- 環境要因(温度・湿度・応力・電界・光)が作用する
- 材料内部で物理・化学変化が起こる
- 微小な損傷や構造変化が生じる
- 損傷が蓄積・進行する
- 特性や性能が低下する
- クラック・腐食・絶縁低下などの現象が発生する
- 最終的に機能不良または破壊に至る
時間と環境で性能が落ちていく。
- 目的・関連試験等
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- 温度サイクル試験(熱 → 劣化進行)
- THB試験(湿度+電界 → 電気的劣化)
- HAST(加速 → 劣化の短時間再現)
- 耐光試験(光 → 材料劣化)
- 具体例
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- はんだ接合部の疲労による劣化
- 絶縁抵抗低下によるリーク増加
- 酸化や腐食による接点不良
- 樹脂の変色・脆化による破壊
- 関連用語
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- 疲労
- 腐食
- クラック
- 変色・強度劣化
- 関連ページ
ロット Lot
同一条件で製造・管理された製品のまとまり(単位)。
ロット
ロットとは、同じ製造条件(材料、工程、設備、時間帯など)で生産された製品の集合単位を指す。品質管理や試験では、個々の製品ではなく、このロット単位で評価・判定が行われることが多く、抜取検査やAQLはこのロットを対象に適用される。ロットは品質のばらつきを管理するための基本単位であり、「同じロット=同じ品質特性を持つ集団」として扱われる。品質管理単位では下記。
- 製品
- ロット(同一条件の集団)
- 抜取検査
- 合否判定
- 目的・関連試験等
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- 抜取検査(ロットからサンプル抽出)
- AQL(ロット単位で合否判定)
- OC曲線(ロット品質と合格確率の関係)
- 具体例
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- ロット単位での受入検査(合格/不合格)
- 同一ロット内での品質ばらつき評価
- 不良発生時のロット追跡(トレーサビリティ)
- 関連用語
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- 供試品
- n数
- AQL
- OC曲線
- 関連ページ
露点温度 Dew Point Temperature
空気中の水蒸気が飽和し、結露(凝結)が起こり始める温度。
露点温度
露点温度とは、空気を冷却していった際に、水蒸気が飽和状態に達し、液体の水として凝結し始める温度を指す。空気中の水蒸気量が一定のまま温度が低下すると、ある温度で飽和水蒸気量に達し、それ以上保持できなくなった水分が水滴として現れる。これが露点である。重要なのは、露点温度は水分の絶対量に対応した値であり、相対湿度のように温度に依存して変化する指標ではない点である。そのため環境試験や実機環境では、結露リスクを直接判断する指標として使用される。
- 空気中に水蒸気が存在(一定の水分量)
- 温度が低下(冷却)
- 飽和水蒸気量が減少(保持できる水分量が低下)
- 飽和状態に到達(相対湿度100%)
- 水分が凝結(露・結露発生)
- このときの温度=露点温度
温度が露点に達すると必ず結露が発生する。
- 目的・関連試験等
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- 温湿度試験 → 試験条件内での結露防止確認
- 温度変化試験 → 冷却時の結露発生評価
- HAST / 高湿試験 → 内部結露のリスク評価
- 具体例
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- 室温25℃、露点20℃ → 温度が20℃以下になると結露
- 試験体を急冷 → 表面温度が露点以下 → 結露発生
- 密閉筐体内 → 内部露点が高いと冷却時に水滴発生
- 関連用語
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- 相対湿度
- 乾球温度
- 湿球温度
- 飽和水蒸気量
- 結露
- 関連ページ
ワイブル分布 Weibull Distribution
製品の寿命や故障確率を表現するために用いられる代表的な統計分布。
ワイブル分布
ワイブル分布とは、製品の故障時間や寿命のばらつきを確率的に表現するための分布関数であり、信頼性評価・寿命予測に最もよく使われるモデル。“壊れ方の分布”を見るために、「いつ壊れるか」を確率で表現する。
- すべて同じ寿命ではない
- バラつきを持つ
基本式 累積故障確率:F(t) = 1 - exp{-(t/η)^m}
m(形状パラメータ)の意味は下記。
- m < 1 → 初期故障型(デバイス安定前)
- m = 1 → 偶発故障
- m > 1 → 摩耗故障型(最重要)
η(特性寿命)は約63.2%が故障する時間と定義。
- η = 寿命の目安
信頼性・統計解析系の位置づけで、メジアンランク → ワイブル → 寿命予測を行う。
- 試験データ
- 順位付け
- メジアンランク
- ワイブルプロット
バラバラの生データ(寿命データ)をワイブルプロットにより横軸を時間、縦軸を故障確率で直線化(対数グラフ)して見える化し、"意味ある形"に変えてパラメータを読み取り、設計判断に使う。壊れるタイミングのばらつきを見る道具。
- 目的・関連試験等
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- 寿命試験(故障時間取得 → 分布化)
- バーンイン(初期故障領域)
- 信頼性試験(劣化傾向評価)
- 加速試験(寿命予測)
- 具体例
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- 半導体の寿命分布解析
- バーンインの効果確認(初期故障除去)
- 温度サイクル試験の寿命分布
- フィールド故障データの解析
- 関連用語
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- 故障率
- バスタブ曲線
- 寿命
- 信頼性
- バーンイン
- 関連ページ
ワイヤーボンディング Wire Bonding
極細の金属ワイヤで半導体チップと外部端子を接続する技術。
ワイヤーボンディング
ワイヤーボンディングとは、半導体チップ上の電極とパッケージ端子を、細い金属ワイヤで電気的に接続する技術を指す。長年使われている最も一般的な半導体接続方式の一つ。使用される材料・ワイヤ材は下記。
- 金(Au)ワイヤ
- 銅(Cu)ワイヤ
- アルミ(Al)ワイヤ
用途で使い分ける。
ワイヤはJIS表記ではワイヤーとも表される。
- 目的・関連試験等
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- 振動試験 → 機械疲労、ワイヤ断線
- 温度サイクル試験 → 膨張差、ワイヤ変形
- 湿度試験(HAST) → 腐食
- 具体例
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- 一般IC(ロジック・アナログ)
- 家電製品用半導体
- 車載制御IC
- 関連用語
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- はんだバンプ
- パッケージ
- 半導体
- 振動試験
- 機械疲労
- 応力
- 関連ページ




