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UN ECE R100 Rev.3 PartⅡ

UN ECE R100 Rev.3 PartⅡとは、電気自動車(EV)などに搭載されるリチウムイオン電池などの再充電可能エネルギー貯蔵システム(REESS)の安全性に関する国連の技術規則です。この規則に適合していることを示す認証は、日本を含む多くの国で新車の型式登録を行う際に義務付けられています。メーカーは、安全性を証明するため、衝突、熱、過充電、過放電、短絡などの多様な試験が実施され、これに合格する必要があります。
エスペックはお客様の認証合格をサポートいたします。

■UN ECE R100 Rev.3 PartⅡにおける安全性に関する充電式電気エネルギー貯蔵システム (REESS) の主な要件

左右にスクロールしてご覧ください。

要件 試験の概要 合格基準 動画 対応試験所

振動試験

6.2 Vibration
振動

[Annex 9A]

  • 周波数 7Hz ⇔ 50Hzにおいて加速度 10m/s2 ⇔ 2m/s2 で掃引※1
  • 12回(対数掃引 15min/往復)実施。
  • 周囲環境温度 : 22℃±5℃
  • 試験後「標準サイクル」の実施。
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2
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熱衝撃試験

6.3 Thermal shock and cycling
熱衝撃及びサイクル試験

[Annex 9B]

  • 60℃ ⇔ ー40℃(各6時間以上)
    ※移行時間は30min以内。
  • 5サイクル以上実施。
  • 試験後22℃±5℃で24h保管。
  • 試験後「標準サイクル」の実施。
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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衝撃試験

6.4.1.2 Mechanical shock
(Component based test)
メカニカルショック

[Annex 9C]

  • カテゴリー指定の加速度プロファイル。
    (最大加速度~28G、作動時間 100ms~120ms)※3
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
①以下の証拠がなきこと
(a) 火災
(b) 爆発
(c) 電解液漏れ
②Annex 5Bにおける
絶縁抵抗は、100Ω/V以上※2
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圧壊試験

6.4.2.2 Mechanical integrity
(Component based test)
メカニカルインテグリティ

[Annex 9D]

  • 荷重 : 100kN~105kN
  • 保持時間 : 0.1s~10s
  • 荷重到達時間 : 3min未満
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
①以下の証拠がなきこと
(a) 火災
(b) 爆発
(c) 電解液漏れ
②Annex 5Bにおける
絶縁抵抗は、100Ω/V以上※2
またはIPXXBが満たされる
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耐火性試験

6.5 Fire resistance
耐火性

[Annex 9E]

[ガソリンによる耐火性試験(選択)]
炎への直接曝露 : 70s
スクリーン(耐火レンガ)をかけた間接曝露 : 60s
①以下の証拠がなきこと
(a)爆発

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[LPGバーナーによる耐火性試験(選択)]
炎平均温度800℃~1100℃の炎に2min間暴露(800℃までは30s以内)。

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外部短絡保護試験

6.6 External short circuit protection
外部短絡保護

[Annex 9F]

  • 5mΩを超えない抵抗で短絡。
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
[終了条件]
自動中断機能の作動。
供試品温度安定(2時間での温度変化が4℃未満)から1時間以上経過。
  • 試験後「標準サイクル」の実施※4
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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過充電保護試験

6.7 Overcharge protection
過充電保護

[Annex 9G]

  • メーカー指定の通常動作範囲内の最大使用電流で充電。
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
[終了条件](コンポーネントベース例)
自動中断機能の作動。
メーカー指定の最大動作温度より10℃以上。
温度上昇が10℃未満の場合は充電開始より12時間の経過。
  • 試験直後に「標準サイクル」の実施※4
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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過放電保護試験

6.8 Over-discharge protection
過放電保護

[Annex 9H]

  • メーカー指定の動作レンジでの通常利用電流で放電。
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
[終了条件](コンポーネントベース例)
自動中断機能の作動
もしくは2時間で4℃未満の温度変化(安定)となるまで
公称電圧の25%まで低下
  • 試験直後に標準充電、標準放電を実施※4
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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過昇温保護試験

6.9 Over-temperature protection
過昇温保護

[Annex 9I]

  • メーカー指定の通常動作レンジで急速に温度上昇できるレートで充放電。
  • 20℃±10℃からメーカーが指定した最高動作温度まで徐々に上昇させる。
[終了条件](REESS例)
自動中断機能の作動。
供試品温度安定(2時間での温度変化が4℃未満)
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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過電流保護試験

6.10 Over-current protection※5
過電流保護

[Annex 9J]

  • メーカーと協議した過電流レベルまで5sかけて充電電流値を上昇。
  • 周囲環境温度 : 20℃±10℃
[終了条件](DC 外部電源による充電機能を備えた車両例)
自動中断機能の作動。
供試品温度安定(2時間での温度変化が4℃未満)。
  • 試験直後に「標準サイクル」の実施※4
①以下の証拠がなきこと
(a) 電解液の漏れ
(b) 破裂※2
(c) ベント※2
(d) 火災
(e) 爆発
②Annex 5Bにおける絶縁抵抗は、
100Ω/V以上※2

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低温保護試験

6.11 Low-temperature protection
低温保護
REESSが安全で低温でのREESS操作を監視および適切に制御することを実証する。 お問い合わせください

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熱伝播試験

6.15 Thermal propagation
熱連鎖

内部短絡から引き起こされる単一セルの熱暴走をきっかけとする熱伝播によって、客室内に危険な状況が発生する場合は、その5分前に車両の事前警告表示を作動させる信号を出す状況にあることを確認する。

[試験方法](UN GTR No.20による試験例)
以下の方法の一つを選択してセルを熱暴走させる。

  • 釘刺し: 熱暴走させるセルに内部短絡する方向に釘を刺す。
  • 加熱: ブロックヒーターをセルと入替またはフィルムヒーター貼り付けによる加熱を行う。
  • 過充電: 熱暴走させるセルのみを過充電する。
お問い合わせください 近日公開

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  • ※1. 振動プロファイルの詳細はAnnex 9Aをご参照ください。
  • ※2. 条件によっては不要となるケースがあります。
  • ※3. 車両のカテゴリー、衝撃方向によって加速度条件が変わります。
  • ※4. 保護機能の作動により充放電ができる状態のみとなります。
  • ※5. DC外部電力供給による充電機能を備えた特定の車両カテゴリーのみとなります。

■補足 : 「標準サイクル」と「SOC調整」

左右にスクロールしてご覧ください。

要件 試験/要求の概要

Standard cycle
標準サイクル

[Annex 9
Appendix 1]

  • 周囲環境温度:20℃±10℃
  • 以下のステップを実施。
    ①標準放電:
    放電レート、終止条件はメーカーによって定義。
    放電レートが定義されていない場合は1Cで放電
     終止電圧:
    メーカー指定
    ②放電後の休止:
    最低15分
    ③標準充電 :
    充電レートはメーカーによって定義。
    定義されていない場合は(1/3)Cで充電。
    終止条件は「SOC adjustment」と同様

SOC adjustment
SOC調整

[Annex 9
Appendix 2]

  • 周囲環境温度:22℃±5℃(コンポーネントベース)
[外部充電用に設計されたREESS]
メーカーが指定した手順に従って、充電プロセスが正常に終了するまで充電する。
(SOCは95%以上)
[車両のエネルギー源によってのみ充電されるように設計されたREESS]
通常の運転で到達可能な最高SOCまで充電する。
(SOCは90%以上)