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AI半導体市場の試験需要に対応
AIサーバーの信頼性評価用
高発熱負荷対応 恒温恒湿室ウォークインチャンバーを発売
2025年12月24日
エスペック株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役 執行役員社長:荒田知)は、2025年12月、AIサーバーの信頼性評価用として、サーバー稼働時を想定した発熱負荷(30kW、60kW)でも試験可能な高発熱負荷対応 恒温恒湿室ウォークインチャンバー2機種を発売しました。
生成AIの活用の広がりと共にAIサーバーの需要が年々増加しており、AIサーバーは社会インフラとして重要な役割を果たしています。また、AIサーバーに搭載される高性能半導体は高集積化・高密度化により発熱量が増大しており、サーバーの使用環境はより過酷になっています。
このような状況において、AIサーバーの開発および品質評価の過程において信頼性確保のための試験需要が増加しています。また、サーバーの信頼性評価方法としては試験規格ASHRAE※1が推奨されており、試験規格に適合し、かつ高発熱負荷に対応した装置が求められています。
今回発売するウォークインチャンバーはAIサーバー稼働時を想定した発熱負荷(30kW、60kW)に対して、独自の制御システムにより精密に温湿度制御を行い、サーバーの信頼性評価に関する試験規格ASHRAEに適合した試験を実施することが可能です。また、新たに採用した空気循環方式により、AIサーバーの排熱による試験への影響を低減し、試験室内の均一な温湿度環境を実現すると共に、槽内の排熱が室内に滞留することなく効率良く試験を行うことが可能です。さらに、新たに開発した空調システムを搭載し、装置の消費電力を抑えると共に、省スペース化を実現しました。本製品により、発熱量の高い高性能半導体や電源を搭載するAIサーバーの信頼性確保に貢献します。
当社は今後も、環境試験器のトップメーカーとして、AI半導体やデータセンターなどの先端技術分野の課題解決や発展に貢献する環境配慮型製品・サービスの提供・拡充に向けて取り組んでまいります。
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高発熱負荷対応 恒温恒湿室ウォークインチャンバー
■ 高発熱負荷対応 恒温恒湿室ウォークインチャンバーの概要
<特長>
- 1. AIサーバーの高発熱負荷に対応
高温高湿条件下(例:40℃95%)において、AIサーバー稼働時の発熱負荷(30kW、60kW)においても試験室内温度分布を均一に保つことが可能です。 - 2. AIサーバーの吸い込み温度分布を均一化し、試験規格に適合した試験が可能
槽内空気の循環方式について、天井部にダクトを設けAIサーバーの吸込みエリアに吹き出し口を装備し、合わせてサーバー前後のエリアを区切る仕切板を設置しました。これにより、サーバーから発生した排熱の回り込みを防止しサーバーの吸込み温度分布を均一に保つことができ、試験規格に適合した試験を行うことが可能です。また、空調器の吸い込み部の壁全面にパンチング板を装備することで槽内の排熱を滞留することなく効率的に回収できる構造を実現しました。
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AIサーバーの吸い込み温度分布図

空調システム(標準的な空調器+温水クーラー)
<主な仕様>
| 機種 | 30kWタイプ | 60kWタイプ |
|---|---|---|
| 温度範囲 | -40℃~+80℃ | |
| 温度範囲 | 8~95%rh(at +5℃~50℃)![]() |
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| 内容積 | 29㎥ | 48㎥ |
| 槽内寸法 | W3000×H3200×D3000mm | W5000×H3200×D3000mm |
| 設置面積 | W3130×H3655×D3880mm | W5130×H3655×D3880mm |
- ※1 試験規格ASHRAE
ASHRAE(アシュレイ)は、American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers の略で、アメリカ暖房冷凍空調学会によって定められた試験規格です。AIサーバーに対して高負荷・高発熱環境に正常に動作するかを評価するために本試験規格に基づく試験が実施されています。
■ 半導体関連装置ラインアップ
半導体に関する技術開発や信頼性試験において、当社は「サーマルソリューション」を軸に製品ラインアップを展開しています。半導体製造における前工程、後工程、検査および信頼性試験分野に対する提供製品につきましては、以下リンクよりご参照ください。
半導体関連試験装置ラインアップ
<本リリースに関するお問い合わせ>
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