液槽冷熱衝撃試験
試験の概要・特長
液槽冷熱試験は、高温と低温の液媒体に供試品を交互に浸けかえ熱衝撃を与える試験です。液体を熱媒体とするため、気槽式の熱衝撃に比べ急峻な温度変化率が得られることが特長です。
- 温度変化に伴う膨張と収縮により、異種材料が接合された部分では膨張率の違いから応力を生じ、繰り返し応力として疲労が蓄積されることでクラック・破壊につながります。
- 繰り返し応力が作用することで、材料の疲労が蓄積され静的強度より低い強度で破壊に至ることがあります。
- 繰り返し応力は塗膜の剥離、ネジの緩みなどの原因にもなります。
- 市場でのさまざまな温度変化に比べ、試験による温度変化が大きすぎて市場故障の再現にならない場合があり注意を要しますが、熱衝撃による弱点を見つけるには有効な方法です。
試験設備のご紹介
- 試験装置は右図のような高温低温の2槽で構成され、試料カゴをエレベータ機構で交互に入れ替えて熱衝撃を与えます。
- 各槽間の試料カゴの移動は、通常10秒以内に行いますが、時間を設定することも可能です。
- 使用する液体は、高電気絶縁性・低表面張力の特長を持ち熱衝撃試験のために開発された不活性液体を使用しています。
通常使用液媒体
品名:ガルデンDO2-TS
使用温度範囲:-65~+150℃(沸点165℃) - 試験実施状態
供試品はステンレスの試料カゴ内に設置し、エレベータ機構で低温-低温の熱衝撃を与えます。
設置状況
- 液槽冷熱衝撃試験装置
左右にスクロールしてご覧ください
※高温側は液体の沸点、低温側は流動点・凝固点により対応する試験温度範囲は変わります。通常は-65~+150℃の温度に対応できる液体(DO2-TS)を準備しています。
気槽で行われる熱衝撃との違い
気象変化や電源のON/OFFなどの市場でのさまざまな温度変化は比較的緩やかであるため、温度サイクル試験が望ましいと言われています。一方、液槽で行う熱衝撃試験は試験時間の短縮のための代替試験方法として行われている部分があり、急速な温度変化に伴う実際の環境では起こりえない故障が誘発される場合があるので、試験で発生する故障モードの確認などに注意を要します。
※気槽タイプの冷熱衝撃試験も実施可能です。 冷熱衝撃試験
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