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特集食の安全・安心を支えるグローバルニッチトップ企業株式会社イシダ滋賀事業所を訪問株式会社イシダは、1893年に創業。経済産業省「グローバルニッチトップ(GNT)企業100選」に2回選定されるなど、計量・包装業界におけるリーディングカンパニーです。計量技術をコアとして、計量から包装、検査、箱詰めなど幅広く事業を展開しています。イシダグループの品質のかなめを担う品質保証部にお話を伺いました。世界100カ国以上で「食の安全・安心」「自動化・省人化」に貢献あらゆる食品分野の産地、食品工場、流通向けに豊富な製品ラインアップを提供▲株式会社イシダ様の事業内容を教えてください。イシダは、民間初のはかりメーカーとして、食の安全・安心を支える事業を行っています。看板商品である「組み合わせ計量機」の世界シェアはトップクラスです。1972年に「重さや形状が異なるピーマンを一定量にする機械が欲しい」というお客さまのご要望にお応えするため、世界で初めて開発しました。以降、お客さまのお困り事を着実に解決しながら、計量から包装、検査、表示、情報、搬送などへ事業領域を拡げてきました。食品分野において、産地から食品工場、小売までの全ての工程を構築できる豊富な製品ラインアップが当社の強みです。特に国内では、省人化や自動化を通じてお客さまの人手不足の解消にも貢献しています。取材にご協力いただいた株式会社イシダ品質保証部のみなさん日本機械学会「機械遺産」にも認定された組み合わせ計量機(ACW-M-1)前にて(左から)伊藤晃二様、田村建斗様、次長地村和久様、係長渡邉健二様、福井晴香様21ESPECCORP.SustainabilityReport2024▲品質保証部の役割を教えてください。品質保証部はイシダグループの品質のかなめとして、海外を含むグループ会社の全製品を対象に、法規制や社内ルールに沿ったモノづくりの推進、監視を行っています。具体的には3つの役割を担っています。1つ目は新製品開発における品質評価やクレーム対応、2つ目は調達部品や製品の品質管理、3つ目は安全面など製品に関わる法規制や規格の調査および社内対応の検討です。特に、事業と関連が深い計量法に関しては、行政が法規制の在り方を検討するにあたり、当社が現場における計量器の使われ方などについて情報提供する役割も担っています。▲当社製品の用途、試験条件など想定している環境を教えてください。計量法に基づく技術要件では、性能評価項目が定められており、その1つに温度特性評価があります。試験条件は一般的な製品であれば0℃〜+40℃です。それ以外では、冷凍庫内で使用する製品は-20℃で評価を行っています。また、スーパーや家電量販店の陳列棚で使用される電子棚札は、使用環境を想定し、低温低湿での試験を行っています。評価の対象は全製品ですが、最終製品だけでなく、製品を構成する電子機器(ユニット)も試験しています。