みどりのカーテンとは、ゴーヤやあさがお、へちまなどのつる性の植物を窓際に植え、カーテン状に育てることで太陽の日差しを遮り、また、蒸散作用で葉っぱを冷やし、涼しい空気を生み出すことができるというものです。
夏を涼しく過ごすことができ、エアコンの使用を控えることで、地球温暖化防止にもつながります。
また、花を楽しんだり、ゴーヤの実を収穫して食べたり、いろんな楽しみ方ができます。
最近では、学校や地域でみどりのカーテンを育成する動きが活発になってきており、地球温暖化防止以外にも、下記のような効果があるといわれています。
①窓から入り込む日射を遮るから
日射が窓から室内に差し込むと、室内の温度は大きく上昇してしまいます。みどりのカーテンは、葉がきちんと茂っていれば、日射がもつ熱エネルギーのなんと!8割以上をカットすることができるのです。
②蒸散作用で冷やすから
植物は、成長するために水分を吸収し、葉から蒸発させています。これを「蒸散」と呼びます。水分が蒸発するときにまわりから熱を奪いますので、葉から室内への放射熱が少なくなり、涼しく感じるのです。このため、みどりのカーテンはよしずや簾(すだれ)よりもさらに涼しくする効果があるのです。
③まわりの物体の表面温度を抑えるから
部屋のまわりにある物体、例えば、窓付近の地面や壁が日射を受け、その表面温度が上昇すると、そこから発せられる放射熱も増大します。
みどりのカーテンを設置することで、壁や地面の表面温度を低く保ち、室温を下げることができます。また、人体に伝わる放射熱も小さくなるので涼しくすごせるのです。
下図は、実際に完成したみどりのカーテンとよしずを赤外線サーモグラフィーで測定したものです。
左がみどりのカーテン、右がよしずです。一目でわかるとおり、みどりのカーテンの部分は非常に涼しいことがわかります。表面温度の差は約7℃もあるのです。また、蒸散作用によって空気に流れが起きるので、窓を開けていると涼しい空気が流れ込み、部屋の温度を低下させる効果があります。
わたしたちが汗を書いたあと、濡れたままでいると体が冷えてきますよね?それと同じで、葉っぱから水蒸気が出される蒸散作用で、みどりのカーテン自身が冷やされるのです。
葉っぱをナイロン袋で包んで数十分放置すると、ナイロン袋の中には水滴が発生します。こうすることで、みどりのカーテンの葉っぱも汗をかくんだということを子どもたちに教えることができます。