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2020

SDGsの実現に向けて、食料および環境問題の解決に貢献
大阪府立大学・植物工場研究センターを訪問

大阪府立大学の植物工場研究センターは人工光型植物工場に特化した最先端の研究拠点です。多品種・大量生産を可能とする新世代植物工場普及のため、当社グループ会社のエスペックミックの植物育成技術を活用して先進的な研究開発に取り組みSDGsの実現を目指しています。
当センターの開設から10年が経過し、新たなフェーズを迎えた植物工場研究センターを訪問しました。

産学官連携により研究開発・技術開発を推進
多品種・大量生産で急激な需要増にも対応するオンデマンド型植物工場を目指す

植物工場研究センターの概要を教えてください。

当センターは人工光型植物工場の栽培技術および量産実証を目的に2011年に開設しました。4つの施設で構成し、大阪府立大学内に2つの研究棟と新世代植物工場の量産実証評価施設が1つあります。2019年10月には多品種・大量生産を行うオンデマンド型植物工場の南花田ラボ(次項参照)を開所しました。植物工場研究センターのビジョンは「栽培環境コントロール型の植物工場を基軸とした都市型施設園芸の高度化による食料および環境問題の解消に貢献する」ことです。そのため、産学官連携による研究開発・技術開発を推進すると共に、法人・個人会員から構成するコンソーシアムにおいては共同研究や技術開発、人材育成を推進しています。

大阪府立大学
植物工場研究センター
センター長 増田 昇様

新世代植物工場の目的、研究内容を教えてください。

新世代植物工場の目的は低ランニングコスト型植物工場を実現することです。その実証評価施設には苗診断ロボットや栽培室全面にLED光源を採用し、植物工場としては国内初となる自走式搬送ロボットなど最新技術を実装しました。エスペックミックさんには栽培システム全体を設計、納入いただきました。特長として栽培棚が16・18段あり、床面と天井面の高さが約9mの空間を温度差2℃以内、CO2濃度を一定条件で制御できます。この施設において生産コストを40%低減、日産6,000株を安定生産する新世代植物工場の基盤を構築しました。

新世代植物工場の量産実証評価施設(大阪府立大学 C22棟)
鉄骨造2階建、延床面積 約1,300m2、栽培棚16・18段
2種類のリーフレタスを日産最大6,000株量産可能

SDGsの実現にも積極的に取り組まれていますね。

SDGs達成に向けた取り組みを推進しています。当センターの取り組みはSDGs17の目標のうち11項目に貢献します。例えば「目標8 働きがいも経済成長も」に対しては植物工場では負荷の高い作業はロボットが行い、障がいのある方にも快適な職場環境での雇用機会を提供できます。「目標12 つくる責任つかう責任」に対しては露地栽培と比べて生菌数が少なく無農薬で安全性の高い植物工場野菜を提供できます。

植物工場の目指す姿を教えてください。

私たちは消費者のニーズや近年の激しい気候変動に合わせて、生産品目と生産量をコントロールし、急激な需要増にも対応できるオンデマンド型植物工場を社会に普及することを目指します。そして、産業化に向けて植物工場の拡大を図ります。そのために、業界のリーディングカンパニーであるエスペックミックさんには優れた技術力と提案力で新規参入する企業を支える役割を担っていただくよう期待しています。

大阪府立大学と連携したオンデマンド型植物工場 南花田ラボ(大阪府堺市)

ブランド野菜「府大マルシェ」、安全で新鮮な野菜を安定的に提供
大阪堺植物工場株式会社は、南花田ラボにおいて大阪府立大学と連携し、オンデマンド型植物工場の実証研究を行っています。そのなかで、当社は生産から流通、販売を担っています。南花田ラボはもともと倉庫であったところを植物工場に機能転換しています。南花田ラボの植物工場は多品種栽培や生産量が調整できるように栽培室を分節化した構造になっています。エスペックミックさんから提案のあった空気環境制御システムにより、植物を育成する栽培空間を効率良く制御でき、エネルギー効率の高い施設ができました。南花田ラボで生産した野菜を「府大マルシェ」ブランドで大阪府内のスーパーやレストランを中心に販売しています。当社のミッションは、オンデマンド型植物工場を運営し、ビジネスを行うことです。そのため、大阪府立大学と連携し、AI技術を活用した自動化技術の開発や多品種化に向けた品種探索、栽培技術の開発にも取り組みます。

大阪堺植物工場株式会社(大阪府堺市)
取締役 木村一貫様

  • 南花田ラボの植物工場
    10種類の野菜を日産最大4,000株
    (リーフレタス換算)量産可能
    床面積 約1,640m2
  • 南花田ラボ外観
    鉄骨コンクリート造3階建の物流倉庫の3階部分を植物工場に機能転換

大阪府立大学 植物工場研究センター
住 所:
大阪府堺市中区学園町1番1号
沿 革:
2011年 C20棟、C21棟竣工
2014年 C22棟竣工
2019年 南花田ラボ開所

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