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2019

生物学・生命科学の研究を支援する国立大学法人 九州大学「生物環境利用推進センター」を訪問

2018年に伊都キャンパスへ移転した国立大学法人九州大学「生物環境利用推進センター」を訪問しました。環境調節実験室を多数保有される同センターにおいて、当社グループ会社のエスペックミックは自然光型と人工光型の環境調節実験室を合計20室納入しました。最先端の生物学・生命科学の研究にご使用いただいています。

最新の環境調節実験室を保有し、最先端の生物学・生命科学の研究を推進

生物環境利用推進センターの目的を教えてください。

生物環境利用推進センターは、生物学・生命科学に関する研究の支援を目的に設置した学内共同教育研究施設です。環境条件を厳密に制御できる環境調節実験室を九州大学内の研究者に提供しています。九州大学ではこれらの施設を当センターに集約することで研究者が研究に専念できる環境づくりを行っています。

生物学・生命科学に関する研究において環境条件を厳密に制御する理由を教えてください。

植物育成に関する研究において、環境条件の違いによる生育状態を比較する必要があるためです。装置の制御精度が低いと正確なデータを得ることができません。また、年中一定の環境を再現でき、オフシーズンなく植物育成を繰り返し行え、研究を迅速に進めることができます。さらに、熱帯や乾燥地域など世界各地に生息する植物の育成調査を現地に出向かず行えます。

生物環境利用推進センター
センター長
農学研究院 植物栄養学分野
教授
農学博士 松岡 健 様

当社の環境調節実験室は植物育成に必要な環境条件を高精度で制御することを得意としています。

自然光ガラス室型環境調節実験室は当センターに17室あります。室内の高さが9mの高天井タイプ2室と5mのものが15室あります。また、高輝度人工光型が4室、持ち込み光源利用型が10室あります。これらの環境調節実験室は植物育成に必要な温度、湿度、CO₂濃度を制御できますが、エスペックの装置は温湿度制御性能が高いため安心して使用できます。

自然光ガラス室型 環境調節実験室 高天井タイプ

内寸法:
幅3.6m、高さ9m、奥行4.4m
温度制御範囲:
+15~+30°C
温度制御精度:
±1°C
湿度条件:
70±5%rh
CO₂濃度:
大気濃度~2,000ppm
環境調節実験室への入出時のセキュリティも重視されていますね。

遺伝子組換え実験や外国産の特定の植物を用いた実験は「カルタヘナ法」「植物防疫法」「外来生物法」など関連する法規制に対応した施設でなければ実施できません。これらの実験では、花粉や種子、輸入種子とともに持ち込まれた病原菌が外部に流出すると大きな問題となるため、環境調節実験室内の圧力を外部より低い状態に保ち、かつ排気側にHEPAフィルターを設置した構造の下に、環境条件を厳密に制御しています。またこれらの実験では、実験区画内に従事者以外の人員が立ち入らないよう管理することが求められているため、登録ユーザーしか入室できないよう、セキュリティを厳重にしています。

高天井タイプの自然光ガラス室型環境調節実験室はどのような研究に用いられますか?

高天井タイプのガラス室は、主に樹木の研究で使用します。例えば乾燥地域でも良く育つ樹木の研究では、生育が早いポプラの木が使用されます。ポプラは1年で4~5m伸びるため、室内高さ5mの温室では約1年で天井に到達してしまいます。室内高さ9mのガラス室を用いることで約2~3年継続して研究が行えます。

  • 写真:自然光ガラス室型環境調節実験室内

    自然光ガラス室型環境調節実験室内

  • 写真:人工光型 環境調節実験室

    人工光型 環境調節実験室

    高輝度人工光源(メタルハライドランプ)を搭載。当社の技術力により太陽光に近い光環境を再現し、植物育成に必要な環境条件を高精度に制御

当社製品は地球温暖化対策の研究にも使用されますか?

地球温暖化対策に関連する研究として、過酷な環境でも良く育つイネの新品種の研究・開発に使用されています。今後の地球温暖化に関係する研究テーマも想定して、環境調節実験室におけるCO₂濃度も制御できるようにしています。

漢方薬や薬草など新品種開発も行われているのですね。

漢方薬向けの植物を国内で効率良く育成するため、高温環境でも育つ品種の開発や薬草の品種改良に実験室を使用しています。また、植物の基本的な特性を調査する基礎研究にも取り組んでいます。

漢方薬に配合される植物や薬草の新品種を開発

当社製品およびサービスについてのご感想、ご要望をお聞かせください。

今回の移転に伴い、エスペックミックさんにはきめ細やかな対応を行っていただき感謝しています。環境条件を厳密に制御する技術力をさらに高め、これからも生物学・生命科学の発展に貢献してください。

生物環境利用推進センター
副センター長
コーディネーション部門 教授
博士(農学)吉田 敏 様

生物多様性保全サービスを行うエスペックミックでは、その土地に由来する在来種を利用して九州大学伊都キャンパス内の法面を緑化しました。

法学研究院や経済学研究院の校舎
イースト2号館前の法面

国立大学法人 九州大学 生物環境利用推進センター
住 所:
福岡市西区元岡744
沿 革:
1966年 生物環境調節センターとして設立
2011年 生物環境利用推進センターに改編
2018年 伊都キャンパスに移転

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