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絶縁抵抗評価

試験の概要・特長

イオンマイグレーションとは、プリント基板などを高湿条件下に置き電圧を印加した場合に、一方の金属電極から他方の金属電極に金属イオンが移行し、金属または化合物が析出する現象です。溶解・析出が進行すると電極間の短絡に至ります。
イオンマイグレーションの発生速度を左右する要因としては次のような物が報告されています。

  • 金属電極の種類
  • 印加電圧
  • 絶縁材の種類、構造、構成、など
  • 環境条件:温度、湿度、ガス、など
  • その他:基板製作時の化学材料の残査、絶縁材に付着する異物、など

電子機器の小型軽量化に対応するためプリント基板の高密度実装が推進され、電子部品の狭ピッチ化、プリント基板のファインパターン化、さらには部品と基板の一体化が急ピッチで進められてきています。その結果、導体間隔が狭くなり絶縁距離が短くなって平均電界が高くなってきただけでなく、局所的な電界がいっそう効いてくるようになっています。同時に電子機器のモバイル化によりその使用条件は多様化しており絶縁信頼性の評価が重要です。

試験設備のご紹介

イオンマイグレーション評価システム(AMI)はイオンマイグレーションによる寿命評価、絶縁抵抗評価を効率的かつ容易にし、低電圧試験から高電圧試験まで幅広い分野でご利用可能です。

イオンマイグレーション評価システム(神戸・宇都宮・豊田試験所設置)

イオンマイグレーション評価システム(神戸・宇都宮・豊田試験所設置)

イオンマイグレーション評価システム

評価試験事例

特長

一般に行うイオンマイグレーションの評価試験では高温高湿状態に置かれたプリント基板に直流電圧を加え、一定時間毎に恒温槽から供試品を取り出し、絶縁抵抗の測定を手動で行ってきました。
しかし恒温槽外での測定では、供試品を取り出した後の保存状態・処理条件などに測定結果が大きく影響され、測定方法にも注意が必要など、測定結果のバラツキにつながる多くの要素を持っていました。
一方、絶縁抵抗自動評価システムを用いた連続測定では、評価基板を恒温恒湿槽に設置したままダイレクトに測定を行うため一定環境条件の中で評価ができます。従来の試験方法に比べ適切な絶縁劣化の経時変化測定が可能となりました。

主な仕様

ストレス印加電圧範囲 DC1~100V、DC1~500V
チャンネル数 50ch~150ch

2.5kV高電圧イオンマイグレーション評価システム(宇都宮試験所設置)

電気エネルギーの高効率利用、ハイブリッド自動車などのモータ制御、家電製品の電源制御など、電力変換回路に必要なパワー半導体。
そしてそのパワー半導体の制御に用いられる回路基板などには、高電圧での耐イオンマイグレーション特性が求められ、その特性評価が課題になっています。
また、太陽電池のフレームとモジュール回路内に大きな電位差が生じることにより、漏れ電流が発生し出力が低下します(PID 現象:Potential Induced Degradation:電圧誘起出力低下)。高電圧イオンマイグレーション評価システムはこのPID現象の評価も可能です。

特長

スロー電圧印加制御機能
ストレス電圧の上昇時は100V毎に2秒のウェイトを入れて階段上に上昇します。電圧の下降時は直ちに降下します。
ストレス電源プラス側リレー
試験を行っていない場合、および個別chの試験終了時にサンプル印加電圧を停止します。
ストレス電圧モニター
個別ストレス電源装置の電圧モニター値を表示します。

試験フロー

主な仕様

ストレス印加電圧範囲 DC30~2500V
チャンネル数 50

※ストレス印加電圧1000V、20チャンネルの簡易マイグレーション評価装置は各試験所で対応いたします(お問い合わせください)