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徹底した省エネ・環境性能を高めたエスペックの独自技術

環境試験器は、[冷却・除湿]と[加熱・加湿]のバランスで温湿度を制御しており、熱容量の大きい冷却器が装置の消費エネルギーを左右します。冷却器の能力は温度降下性能、最低温度維持、試料の最大許容発熱量のいずれか大きい方で決まります。しかし、この冷却器の能力は常時必要という訳ではありません。希望する温湿度を維持する安定時に、必要最小限の冷却能力に抑えることができれば、高い省エネが実現できると着目し、二つの制御技術を開発しました。一つは、メイン冷凍回路(1.5kW) に、サブ冷凍回路(400W)、バイパス回路、電磁弁制御などを組み合わせた“冷凍容量”制御。二つ目は、計測・演算処理を高速化したコントローラによる“冷凍PID”制御で、冷却能力の可変幅拡大と制御安定性の両立を図りました。他にも凝縮器ファンの風量を冷凍能力に応じて可変させるなど、細部にまでこだわった省エネ化を追求しました。

高温高湿試験(85℃85%など)専用に使用される高温高湿器では冷凍機を搭載せず環境試験器では世界初となるヒートパイプを採用しました。ヒートパイプは、20世紀半ばに開発された技術で、熱輸送量が大きく早い(熱伝導率が銅の100倍)、動力源や駆動部がなくノンフロンなどの特徴があります。この特徴から、半導体素子の放熱器や温度制御用機器としてさまざまな分野で使用されていますが、環境試験器のような温湿度制御用機器としては当社が初めて活用しました。冷凍システムにヒートパイプを採用し、冷凍システムでの電力使用がないため消費電力を低減することができます。試験中の部品に発熱がある場合も、ヒートパイプ方式は冷却に電力が不要でかつ加湿も最小限で済むため省エネになります。また、 ヒートパイプを採用することにより、ノンフロン化、低振動/低騒音化、メンテナンスフリー化(信頼性向上)などの環境面でのメリットを同時に得ることができました。

さらに進化するプラチナスJシリーズ
お客さまの信頼を支えるエスペックのモノづくり

プラチナスJシリーズがお客さまからの信頼を得ている理由のひとつが、お客さまのご要望に合わせた仕様の製品を短納期でお届けできることです。プラチナスJシリーズでは全器種30種類に対して、100種類以上のオプションをご用意しています。お客さまに必要なオプションを選んでいただき付加するため、何万通りもの器種となります。このような多品種対応を支えているのが当社の福知山工場(京都府福知山市)のモノづくりの力です。福知山工場では多品種少量生産を前提とした柔軟な生産ラインを構築し、お客さまの要求にきめ細かく対応することができます。海外の環境試験器メーカーには多品種対応ができる企業はそれほど多くなく、当社ほどの製品ラインを持っている企業もあまり見当たりません。グローバル化が進展する中、世界中を見渡しても他社では作れない製品を短納期で作ることのできる福知山工場の存在が、国際標準器プラチナスJシリーズの強さを支えています。お客さまのお役に立ち、よりお客さまの信頼を獲得できるよう、エスペックのモノづくりは、これからも進化し続けていきます。

写真:福知山工場(1)

写真:福知山工場(2) 福知山工場

写真:福知山工場(3)

お客さまの価値を高める技術開発めざして
挑戦を続けるエスペックの開発者たち

当社では、新製品の省エネ率は従来器比30%削減という明確な評価指標があります。これに基づきプラチナスJシリーズでも30%削減を目標に取り組みましたが、30器種全ての製品での達成は時間的にも難しい状況でした。当時、技術開発担当役員の石田(現社長)は「お客さまの視点で商品価値を考えること。妥協せずに絶対に期間内でシリーズ全器種30%削減を達成すること」と開発陣へ指示。開発者たちのチャレンジと苦闘が始まりました。試行錯誤の末、新しい省エネ技術の開発に成功し、最終的には当初の目標を上回る最大70%の省エネを達成することができました。ベテラン技術者と若手技術者が一丸となって高いハードルを乗り越え、当社独自の省エネ技術を生み出すことができました。これからも、お客さまの視点を忘れずに、独自の技術開発にチャレンジしていきます。

写真:優秀省エネルギー機器/開発者表彰受賞メンバー 優秀省エネルギー機器/開発者表彰受賞メンバー

写真:仕事の合間を見つけては、社長自ら技術者たちと意見を交わしています

仕事の合間を見つけては、
社長自ら技術者たちと意見を交わしています

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